日の出4

斬って、隠して、開くのを待つ。

最近、怒る人が多くなった。
年々、怒る人が増えている。

何よりも、昔の自分を見るようで、恥ずかしくなる。
昔はなんで、あんなことで、瞬間湯沸かしのように、怒っていたのかと。

怒る時には、ものすごくエネルギーを使う。
だから、怒った時、疲れる。
そして、なんであんな言い方をしたんだろうと、悔やむ。

疲れ果て、自己嫌悪に陥ることが何度もあった。
ただ、寝たら忘れるというタイプだったんで、
  次の日には、エネルギーが戻った。

わかる人にはわかってもらえていた。
怒ることが大変なことを。

でも、わかる人は第三者。
当事者にはわからない。
時がたてば、わかってもらえることもある。

でも、これは自己正当化にすぎない。
怒らない方法があったはず。

声を荒げて、すごい剣幕で怒る時は、本当に怖いとは思わない。
どちらかといえば、「うるさいなぁ」程度にしか思わない。
冷静に怒る人を見ると、そうか、相手もそう思っていたことに気づいた。

本当に怖いのは、怖い人が何も言わなくなること。
淡泊に、「わかった」と言われることほど、怖いものはない。


怒る前に時には、煙幕を張ることもある。
煙を巻きながら、相手の様子をみて、じらすように相手を伺う。
煙が濃くなると、姿がみえなくなる。

剣幕に煙幕。
どちらにも、幕がある。

幕を斬るように、怒る。
幕で身を隠すように、しらを切る。
どちらも、自己防衛。

自己が強すぎるからだろうか。
どちらも強く、濃くなる。

相手を認めずに、自己をもつと、少しやっかいだ。
この時は、自己(セルフ)ではなく、自我(エゴ)になっている。

我と汝。

二つの間の幕が開いて、お互いの顔が見えると、
  どんな感情を抱くだろうか。

どんな幕が開くのだろう。
どんな舞台が待っているだろか。
そして、どんな幕引きが待っているのだろうか。

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