物語らないモノ語る『劣等感と評価』
窓を閉め切った四畳半。
薄暗い部屋でふとした語りが始まる。
「雨が降ってる」
窓にぶつかる水滴の音が聞こえた。
外も暗くなりパソコンの光が青年を照らす。
「うっとうしい天気」
気が滅入り作業も進まない。座った状態から寝転がり、完全に手を止めてしまう。
「理由をつくったな」
青年の耳元でささやかられる。彼の気分に合わせたかのような低くねっとりとした絡みつく声だった。
「つくったんじゃない、できたんだよ。ボクのせいじゃない」
「でも手を止めたのはお前だろ」
確かにそうだが彼にそ