フードテックで30年後の世界を救え。

食料問題は現在においても解決されるべき問題である。2050年には世界人口が98億人に到達する予測が出されており、今後ますます世界中で食料が不足していくだろう。しかしながら、人類は今なお有効手を打てていない。

また、今後一人当たりの年間肉類消費量は年々増加していく。2027年にはアフリカを除く全地域で増加するという予測が出されている。特にアジアの新興国においては急激に需要が増加すると言われている。食肉需要の増加は、家畜の餌となる飼料の増加も意味する。家畜は生産過程での環境負荷が非常に大きく水資源の枯渇懸念や温室効果ガスの問題を抱えることになる。現行の畜産方法ではBSEや鳥インフルエンザ等の衛生面での懸念事項が残ることになる。

このような食料問題の解決策として、農産物や畜産の新たな製造方法の確立がある。現在、私たちに馴染みのあるのが野菜分野ではないだろうか。工場野菜は近年急速に注目が集まり、大手小売チェーンのお惣菜の原料として使われている。また、海洋魚の陸上養殖等も度々マスコミで取り上げられており、認知症も高いにのではないだろうか。

今後、この流れに「肉」のジャンルも追加されることになる。植物を原料に肉のように加工した植物肉や再生医療技術を援用した培養肉等さまざまな方法で肉が工場で生産されることになる。その生産過程では、生命倫理等の問題をクリアする必要があり、今後大きな議論を引き起こすだろう。

このようにさまざまなな<食>に関するものが、工場で生産されることになれば、環境負荷の低減や世界の食料問題の解決の糸口になる。また、あらゆるアレルギーへの対処、宗教的な問題のクリア等が考えられる。それ以上に、工場生産が社会に与える影響は大きいだろう。

工場生産によって、常に地産地消のメカニズムが働き都市圏でのエコシステムが確立されるかもしれない。それが世界で有機的な繋がりを構築できれば、人類社会全体で食料を相互補完するシステムが構築できるだろう。そうなれば、「食料問題の解決」という問題を解決できるかもしれない。

そのためには、フードテックを手掛けるバイオ企業が活動しやすい産業システムの構築と多種多様な業種の同分野への投資が必要である。さらに、さまざまな企業とのオープンイノベーションによる研究開発とビジネスモデルの確立が急務である。これからの30年を明日の食事を考えないでいいものにするために、今から世界の叡智を結集したプロジェクトを発足させることが鍵になるだろう。

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