「フードテックで30年後の世界を救え。」の補足

農産物や畜産の工場生産について、私が初めて知ったのは中学3年生の時でした。オランダの都市環境学の人の研究だったような気がしています。今回は「30年後あったらいいな」の補足をしたいと思います。

工場生産が社会に与える影響ですが、これは良い部分ばかりではないでしょう。おそらく、農産物の工場生産が可能となれば、食という人類の根幹が大企業に支配され、人類はますます飢えることになる可能性があります。なぜなら、農産物の工場生産は既存の農家を破壊的に減少させてしまうからです。そうなれば、価格競争が行える大企業かつグローバルな資本によって独占されるでしょう。そうならないためには、「食」という問題に関しては市民社会による監視が必須です。

また、畜産に関しては生命倫理の問題が多く、これも市民社会での議論が必要です。私たちは何を食すのか、これが30年後の未来において議論されているだろう。無論、今日より議論することに越したことはない。

食料問題を解決する方法として「フードテック」は有望ではあるが、将来その技術の恩恵に全ての人類が預かれるかは疑問が残る。結果として、その技術恩恵を享受できるのは、先進国をはじめとしたその時に経済的に明るい国々では意味がない。今後、国連をはじめとした組織のあり方も問わねばならないだろう。

そして、工場で生産される動植物の遺伝子についても議論されるだろう。今日の世界では、遺伝子組み換え食物に対して規制が厳しい状況にある。人体や自然への影響を無視できないからだ。これが工場生産となった場合に、企業利益を優先した形でそれらが導入される恐れがある。もちろん、30年後という世界でそれが全てクリアされている可能性もあるが。

最後に、そのような世界ではオーガニックが非常に高級品となり一部の人間が独占する事態になっている可能性が高い。そうならないためにも、第一次産業の従事者の生活を保護し、環境負荷の少ない持続可能な産業への橋渡しが必要である。

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