「仕事が楽しい」とはどういうことなのか
大学を卒業するゼミの後輩たちとお酒を飲んだ時に、話しそびれたことです。
一足さきに働き始めた先輩として、後輩に会うときには必ず「仕事は楽しいぜ」と伝えるようにしています。不安でしょうけど、進む先にいいことがありそうだと思ってもらいたいからです。
ですがそう言う割に「仕事が楽しい」ってどういうことなのかをちゃんと定義できていなかった気がするので、今、考えていることを書いておきたいと思います。
つまり、ギャンブルの確率操作ができていると思える状態
結論から言うと「仕事が楽しい」というのは、「ギャンブルの確率操作ができていると思える状態」だと思います。
自給自足でない限り、仕事はつまり他者貢献ですから、そこには他者とのインタラクション(相互作用)があります。
他者との相互作用は、アンコントローラブル。それはうまくいくかどうかわからないこと、つまりギャンブルです。みんな、真面目な顔してやってますが、仕事はそもそもギャンブルなのです。ここに「楽しい」が生じる理由があります。
なぜなら、人の脳みそが快感を覚えるのは、ギャンブルのようなうまくいくかどうか分からないことに挑戦するときだからです。たとえばスマホゲームでガチャを引いちゃうのは、キラキラピカピカの演出やレアなカード等という報酬が、「もらえるかもしれない」からです。
データはないので感覚値ですが、レアが500円、スーパーレア1000円などとレアリティに応じた定価の傾斜価格で売るよりも、「何が出るか分からないガチャ一回100円で何かをゲット」の方がユーザーの総課金額は大きくなるんじゃないでしょうか。「お金を出せば絶対に買える」よりも「もらえるかもしれない」ほうが、みんなの脳みそがやる気を出すからです。
また、何回もガチャを引いたほうが、スーパーレアを引く確率は高くなります。そんなふうに行動が成功確率向上につながるという感覚があるとき、人はそれをやっちゃいます。
つまりそもそも、仕事には「楽しい」が埋め込まれています。仕事における大抵のタスクは、なんらかの成功確率を上げるために行われるはずですし。
だから「仕事が楽しい」とは、仕事の中のギャンブルに自分が取り組むことで、勝てる確率が上がっていると実感できている状態です。「勝てるかどうか分からないけど、どうやら勝てそうだぞ」というとき、ギャンブルも仕事も楽しいのです。
ちなみに逆に「仕事がつまらない」というのは、"誰がやっても同じ"とか“いくらがんばっても変わらない”という状態です。それはギャンブルじゃないからです。
ちなみにこれまで勝ち負けという言い方をしていましたが、これは人間関係にも言えます。誰がどう働きかけても反応が変わる気がしない上司とか、仕事がつまらなくなる原因です。何回引いてもハズレしか出ないクジに楽しく取り組める人はいません。
ちなみに僕がこうしてnoteを書くのにもだってギャンブル性があります。いいテキストをつくれるかどうかは自分次第なので、確率操作は自分でできます。もしかしたら、いつかめちゃくちゃバズって仕事がジャンジャン入ってきて、ウハウハになるかもしれません。
もちろん、それだけが動機じゃありませんよ。でも、日々にそういうギャンブルを見出だすことが、仕事を楽しくするコツなんじゃないでしょうか。がんばれ後輩。
ナイスプレー!