JFL 第11節 ホンダロックSC プレビュー

第8節 ホンダロックSC 2-0 FCマルヤス岡﨑

最初に結果だけを知ったとき正直かなり驚いてしまったこの試合。今期前半戦で絶好調の首位を走る岡崎相手に、一体何が起きたのかとても興味があったのでこの試合を見ることにした。試合は8分過ぎたぐらいから岡崎が早くもゲームの主導権を握った。10分、14分と左サイドで密集陣形を作ってショートパスを繋げ、逆サイドとなる右サイドへ大きく展開する、今期の岡崎が最も得意とするオーバーロードを早くもみせ、そこから素早くゴール前へクロスを入れシュートチャンスを何度も演出していた。16分、ホンダロックの高めに設定したプレッシングについても、岡崎はボランチが上手く起点を作って見事に回避をしてみせた。その後、ホンダロックは積極的に前へ仕掛けるプレッシングを諦め、ミドルゾーンでブロックを組む守備へと切り替えることになった。このように岡崎がいつゴールを奪ってもよいような、そんな圧倒的に岡崎優勢の展開をみせるなか、36分、ホンダロックはGK1番のロングボールからCF9番の頭でボールを繋げ、右SH17番がボールを収めゾーン3手前中央まで運び、そこから思いきって打ったシュートは見事にゴールへ吸い込まれた。このスーパーゴールでゲームの流れを一気にホンダロックペースへと移り変わり、76分、それまで良い攻撃を何度もみせていた流れをそのままに、センターライン付近で岡﨑の最終ラインからST7番がインターセプトし、そこからショートカウンターでCF27番がペナ内まで運び、ペナ内右側から斜めに入ってきた右SH8番がゴールを奪った。その後岡﨑の攻撃は精彩さを欠きホンダロックが見事に勝利を収めた。

第9節 クリアソン新宿 1-3 ホンダロ→ックSC

試合の立ち上がり10分頃ぐらいまでは、新宿もホンダロックもお互い相手の出方を見るような展開から、次第に新宿がゲームの主導権を握っていった。新宿はロングボールを上手く使い分けながら左サイドを中心としてワイドに攻撃を展開していた。そんな新宿ペースのなか、15分、ホンダロックの先制点はほんの一瞬の出来事だった。ホンダロック陣内から新宿陣内まで大きく蹴りあげたロングボールに対して、新宿の最終ラインのGKとDFとの間で連携ミスが生まれ、そこに自陣から果敢に走り込んできたホンダロックの右SH17番が、新宿ペナ内まで素早く割って入ってボールを奪いそのまま見事にゴールを決めた。新宿としては、またしても自陣でのミスからの失点を喫してしまった。このようなミスをいつまでも繰り返していては、どんなによい攻撃を展開していても新宿はJFLで勝ち点を積み上げることは相当に難しいだろう。そんななか、47分、ホンダロックはCKから左CB22番の頭で追加点を上げる。そして、続けて55分、ホンダロックはGK1番→左CB22番→左SB4番と左サイドから素早くボールを繋げ新宿陣内へと前進し、新宿はサイド圧縮してボールを奪いにいくが、ホンダロックのCF27番のところへボールが上手く流れこみ、その混戦から抜け出し左サイドペナ付近まで運び入れクロスを上げる。すると、そのクロスボールを一旦は新宿のDFがカットしたものの、そのボールが奇跡的にホンダロックのST7番へと渡ってしまい、勝利を決定づける3点目のゴールが決まってしまう。新宿はこの後PKで1点を返すが、またしてもホームでの手痛い敗戦。新宿はボール支配率でホンダロックをおそらく上回っていたと思われるが結局この試合でも勝てなかった。一方で、ホンダロックはシュート数が4本で3点を決めるというとんでもない高効率な攻撃で勝利を収め4連勝となった。

天皇杯2回戦 6/1
サンフレッチェ広島 2-0 ホンダロックSC

ダイジェスト版のみ視聴だったが、広島の2得点はいずれもJの個の力によるゴールだったかと思われる。ホンダロックとしてはJ1相手とはいえ健闘した戦いを見せてくれたのではないか。激闘を終えたホンダロックの選手達へ拍手を送りたい。

ホンダロックSC 1-0 東京武蔵野ユナイテッドFC

ホンダロックも武蔵野も守備からゲームを作っていくチームなだけに、試合開始からお互い相手陣内へ蹴り合う展開が多く続いた印象となったこの試合。そのため、相手陣内へ攻め入ったとしても人数をかけることができず、そこからペナ内へ進入して決定機までチャンスを作り出すといった積極的な攻撃の場面がなかなかみれず、非常にもやもやとした展開がしばらく続いた。おそらくホンダロックとしては、先日行われた天皇杯2回戦の広島戦の激闘から中3日での試合だっただけに、その疲労度はまだまだ抜け切れておらず、相当コンディション的にも難しかったのだろうと容易に想像できるくらい、ホンダロックの選手達のプレーは重く感じるものがあった。そんななか、後方からしっかりとビルドアップして繋いで前進することを今期の目標として掲げる武蔵野が、この試合でも25分過ぎた頃から徐々にそれをみせ始め、次第にこの試合のペースを握っていく。そこで得た58分、武蔵野は奈良戦に続いて、CKから決勝点となるゴールをまたしても奪ってみせた。ホンダロックも要所要所では決して試合を作ることを怠らず、5連勝とはいかなかったものの、武蔵野に対してリスタートからの失点だけにとどめたことは、とても素晴らしい内容だったと感動した。

vsホンダロックSC プレビュー

この3試合を見てみると、ホンダロックの基本フォーメーションはオーソドックスでシンプルな4-2-3-1(4-4-2)で、攻撃時は武蔵野、FC大阪とシステム事態は共通する箇所が多く、ダブルボランチの1人が2CBの前方まで降りて正三角形を作って前進し、なるべく手数をかけないで縦に早い攻撃で相手ゴールを目指していく、速攻を最優先に展開するスタイルだ。そこに、ゲーム序盤では特にGKや最終ラインからロングボールを積極的に蹴りあげていってセカンドボールを奪い、そこからリアクションサッカーを展開するといった、非常に現実的で効率的な攻撃も随所にみせていた。武蔵野戦の70分以降、相手陣内で後方から繋いで組み立ててゴールを目指そうと試みていたが、武蔵野の固い守備を崩し切れなかったところを考えると、ホンダロックは、ゴールを狙う設定はやはりカウンターに重きを置いているといってもよいといえる。とはいっても、第4節のしまね戦では5-1、4連勝のきっかけを作った第6節の滋賀戦では6-0と、大量得点を上げる破壊力も兼ね備えていることも決して忘れてはならない。

守備時はこちらもオーソドックスでシンプルな4-4-2。しかし、相手最終ラインへ積極的にプレッシングを仕掛ける武蔵野やFC大阪とは少し違って、プレッシングは仕掛けるもののそこにはあまり誇示せず、ミドルゾーンやローゾーンの中、低設定から組織的で強固なブロックを素早く組んでゴール前を死守していた。今期4連勝を上げることができた背景には、この守備ブロックがしっかりと機能していたことが連勝の最大の原因だろう。

そんなホンダロックの要注意選手は右SH17番。やはり岡崎戦でみせたカットインからの左足のスーパーゴールにはかなりのインパクトがあった。鮮やかに弧を描きながら岡崎のゴールネットを揺らしたときは、画面越しなのを忘れて大声を上げてしまう程だった。さらに新宿戦ではクリアに近いロングボールにも自陣から猛然と走り込んで、最終ラインからボールをかっさらって冷静にゴールも奪っている。こんな彼に対して奈良クラブとしては、遠目からでも絶対にフリーでシュートを打たせてはいけない。そして、ロングカウンターの際も、奈良クラブが最終ラインで回すボールを虎視眈々と奪おうと走り込んでくるので、両CBは冷静に慌てないでボールコントロールすることを心掛けてもらいたい。

こんなホンダロックに対して奈良クラブとしてはどう攻撃していくのか。先述した通りホンダロックの守備は、概ね後ろに重心を置いてミドル・ローゾーンで強固なブロックをセットして待ち構えることが多いだろう。そのため、奈良クラブのビルドアップは、高知戦と同様に中盤ではある程度容易に前進できるのではないかと思われる。そこで中盤では、FC大阪戦でも機能していたCHと両サイドのIHを高い位置へ置く、逆三角形を構成することをホンダロック戦でも継続して用いてもらいたい。そうすることで、IHの選手がペナ内へ進入する機会が増えて決定機をどんどん作り出してもらえれば、複数得点も十分に可能ではないかと予想する。押し込む展開のなかでいかにしてゴールを奪うかが、ホンダロック戦ではポイントとなるだろう。先日行われた日本A代表vsガーナ戦での先制点の右サイドからの崩しはとても素早くて素晴らしい連携であった。奈良クラブもぜひとも参考にしてもらえたらと思っている。そして、リスタートからのゴールもやはりここでは期待したい。

守備については、これはどの試合でも同じことではあるのだが、特にカウンター重視のホンダロックに対しては、先に先制点を絶対に与えてはならない。新宿、武蔵野戦でも先に先制点を許してしまい、その後の試合を難しくさせたのは奈良クラブのファンサポーター達には痛いぐらいに理解している筈だ。そのためには、相手によい形でカウンターを与えない対策として、押し込む展開となったときは必ずシュートで終わること、ネガティブトランジションの場所をある程度設定しておいて、そこへCHかIHが素早く回収できるかが対策のポイントではないだろうか。そして、ホンダロック戦でもやはり重要なのはロングボール時のセカンドボールだ。それには球際を厳しく当たり、泥臭く走ってボールを回収すること。地味ではあるが、結局はこの基本的な動きを90分間絶えず続けていけるかが、ホームで勝つ最大の近道となるのではないか。もう一つ重要なのは、ホンダロックはリスタートからでもこれまでに何度もゴールを決めていることだ。新宿戦でもCKから左CB22番が頭でゴールを決めている。彼のマークを絶対に外してはならない。

このように、ホンダロック戦も難しいゲームとなるだろう。しかし、ホンダロックの4連勝も幸運なところが大いにあったように思っている。しかし、武蔵野戦ではとうとうそれも起きずに敗戦してしまった。サッカーの神様が本当に存在するなら、幸運を掴むのはいよいよ奈良クラブの番だと思うのだ。サッカーの神様は選手達のひたむきな努力を必ずや見届けているに違いない。奈良クラブの選手達ならきっと大丈夫。私は相変わらず選手達を信じてやまないのだ。よって得点予想は…

3-0でもちろん奈良クラブの勝ち!
左SB加藤選手第二子誕生おめでとう!
複数得点でゆりかごダンスで踊り明かそう!
そして勝って橿原の夜空に奈良クラップを!


バモス!奈良クラブ!

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