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出産③ 不安は消えず


見た目にはそれほど小さくはなかった我が子だが
実際の大きさはどんなもんなのか

小児科の先生を待った。


術後、30分おきに看護師さんが
検査で病室にやってきた。色々と大変そうだ。


ちょうど看護師さんが何やら処置をしていて病室から
追い出された時に
小児科の先生がやってきた。

「お父さんとお母さんにお話があります。」という感じだった。

だが病室には「処置中」という札が貼られていたので
小児科の先生は

「処置中なので、またあとで来ますね」と言って去っていった。


病院の先生の「またあと」はかなり後だ。
ああ、これはまた1時間は平気で待たされるな、と思った。

わたしは
術後に小児科の先生から話があるというのは事前にきいていたのだが
うちの母は

「お父さんとお母さんにお話があります。」ってなんかあったんやろか。
と心配しはじめた。

やめてくれ、今日はもうこれ以上心配したくない。


あいかわらず痛みの波はくるようで妻は定期的に痛がっていたが
ずいぶんと落ち着いたので普段通りの会話ができた。

笑うとお腹が痛いから、笑わせんといて。
と言うところまでは回復した。


時刻は16時をすぎた辺りでようやく小児科の先生がやってきた。


体重は2,376g
身長47.5cm
頭囲32.7cm

だった。


37週で生まれた子にしては、そこまで小さくはない。

胎盤も大きかった。へその緒もでかい。

脳や肝臓、心臓に今のところ異常は見つからない。

ただ呼吸がまだちょっと苦しそうなので鼻から管を入れている。

という説明だった。


このサイズで逆子じゃなければ
7月まで待って自然分娩できてたんだろうか。と
考えたが、それは結果論か。


そしてお父さん(←わたし)だけNICU内で赤ちゃんと面会できるので
後で呼びにくる。と説明をうけた。


義母や途中で駆けつけてくれた義父、そしてわたしの母は帰宅したため
病室はわたしと妻の二人になった。

幸い、まだまだ新米夫婦なので会話には困らない。


17時半くらいにNICUの方がきて説明をうけた。

感染とかが怖いから入れる人は父と母のみに制限している。
入る前に体温チェック等している。

など

18時くらいになったら呼びにくると言われたような気もするが
18時をすぎても誰もこないので、確認しにいった。

あとで呼びにいく、と念を押されたので待っていたが
けっきょく19時になった。


手を入念に洗い、我が子と数時間ぶりのご対面。


オペ室から出て来た時よりずいぶんと綺麗にしてもらっていた。
うつぶせで鼻に管を通された我が子は
やはり少し苦しそうにしていた。


手で触れてもよいとのことで、おそるおそる背中にタッチ。
おとん、我が子に初タッチ。

あったかい。産毛が濃い。


こうやってみるとやはり小さいのか。

触れてみても実感はまだ湧かない。
いい加減に沸いてくれてもいいのだが。


やはりあんまり写真は撮らなかった。


病室に戻って、妻に少ない写真を見せた。

ダラダラ話していると20時になり
面会はさっさと帰れ、と館内放送が流れたのでわたしは
帰宅することにした。


まだまだ不安は全然消えない。
生まれたらアカウントもってるSNS全部に
写真つきで投稿しようと目論んでいたが
まったくそんな能天気な気分にもなれない。

わたしの腕の中で泣いたら実感が湧くのだろうか。


高速に40分ほど乗って帰ってきたが
ノートパソコンをとりに二人で住んでいるアパートに向かった。

今は二人とも一時的に実家にいる。

アパードで寝転んでYouTubeを見ていたが
思った以上に疲れているのに気づいた。
なんなら少しフラフラする。


子供の出産は本当に大変だ。とても疲れる。
「当たり前のこと」なのだが
それに気づくには経験する他ない。

書きながらもまだ不安が大きく
実感は湧かない。


冒頭でも書いたが、これはわたしの人生の記録。

この子との出会いでわたしの人生は変わるのだろう



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