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アマチュア相撲の強豪校紹介【大学編】

こんにちは。

以前、アマチュア相撲と大相撲の違いという記事で「アマチュア相撲の楽しみ方」を書きました。
今回、別の楽しみ方を思いついたので、それに関することを書きたいと思います。

甲子園が好きな方は、強豪校は一通り頭に入れていると思います。
一昔前ならPL学園、松山商業、帝京、今なら大阪桐蔭、聖光学院、花咲徳栄…
どこが強くて、どういう野球をして、どういう選手が巣立っていったか…というのが頭に入っていると非常に面白みも増しますよね。

それと同じで、アマチュア相撲にもいくつか強豪校があり、それぞれの学校の特色や、そこ出身の有名選手がいるので、今日はそれを紹介したいと思います。
大学編です。


日本大学

アマチュア相撲一の名門です。

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大学相撲と言ったら真っ先に上がる名前だと思います。
昔からずっと強く、全国学生相撲選手権大会、通称インカレはぶっちぎりで史上最多の29回を誇ります。過去には7連覇も達成しています。
直近のインカレ優勝は2019年です。

特徴は層の厚さと組織の強固さです。
日大相撲部は人数が非常に多く、一学年10人ぐらい、全体だと50人近く所属しています。
団体戦に出られるのは基本5人(大会によっては3人)だけなので、レギュラー争いだけでもかなり熾烈です。
正直、個人戦でベスト16とか入るより日大のレギュラーになる方が厳しいんじゃ?とすら思います。

日大でレギュラーになるというのは本当に難しく、大抵は5人で固まっているわけではなくて、調子次第で入れ替わることが多いです。
なので絶対的なレギュラーというのは、基本的にはプロでも関取ぐらいのレベルになってきます。

日大卒業の力士は多くが追手風部屋、木瀬部屋のどちらかに進みます。
どちらも師匠が日本大学出身です。

大相撲に進んだ代表的な力士としては、輪島(大卒唯一の横綱)、琴光喜、高見盛、追風海、舞の海、豊真将、久島海、山本山
現役では遠藤(追手風部屋)、英乃海(木瀬部屋)、石浦(宮城野部屋)、大翔丸(追手風部屋)、大奄美(追手風部屋)、翔猿(追手風部屋)などです。

大相撲に進んでいない選手では、田中英壽(現日大理事長)、古川晴貴、中島望、佐々木耕大などが有名です。

近畿大学

東の日大、西の近大と呼ばれる、これまた昔からずっと強い大学です。

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インカレ優勝は7回。直近では2010年です。

特徴はスケールの大きい力士が多いことです。
古豪であり、昔から伝統的に強く、稽古も伝統的な朝稽古を踏襲しています。

昨年のアマチュア横綱である谷岡倖志郎選手はここの大学出身です。
大相撲には進みませんでしたが、やはり強い個を輩出しているチームだと思います。

大相撲に進んだ代表的な力士に、現高砂親方の朝潮がおり、その縁から近大を卒業した大相撲志望者の多くは高砂部屋に進みます。定期的に稽古も合同でしているようです。
また、伊勢ケ浜親方の旭富士も近大出身(中退)で、伊勢ケ浜部屋に行く人もいます。
大卒が多いからか、木瀬部屋もいますね。

現役では朝乃山(高砂部屋)、志摩ノ海(木瀬部屋)、徳勝龍(木瀬部屋)、宝富士(伊勢ケ浜部屋)などです。


日本体育大学

ご存知日本有数のスポーツ大学です。

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インカレ優勝は6回。直近では2014年です。

特徴はほとんどの力士が押し相撲なのと、小兵力士が多いことです。
ここの監督である齋藤一雄氏は、学生という限られた期間では押し相撲が最も結果を残せるスタイルであると明言しており、それを貫いています。

出身の大相撲力士を見てみてもやはり押し相撲が多く、現役の幕内では北勝富士、妙義龍、千代大龍と全員押し相撲です。

この大学はここ数年かなりの結果を期待できるでしょう。
なんせ、1年生である中村泰輝選手が昨年学生横綱に輝いたからです。

同大会では3位に同大学のデルゲルバヤル選手も入っています。
デルゲルバヤルは今年が4年生です。相撲を始めたのは大学からであるのにもかかわらずこの成績なので、今後も伸びていくでしょう。モンゴル人ということもあって角界入りは確実とみていいので、大期待です。
今年の団体戦にも期待ですね。

この大学と、次に紹介する東洋大学はあまり特定の部屋へのルートは確立されていません。


東洋大学

近年著しく強い大学です。

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特徴はとにかく少数精鋭であることです。
例えば前述の日大は一学年10人近くいる層が厚いチームです。日体大は20人近くおり、完全に数で攻めてくるタイプの大学です。

一方東洋大学は完全に量より質派の大学で、一学年は5,6人です。
ただしその全員がとても強く、まさに少数精鋭と言えるでしょう。

実際ここ数年の結果はすさまじく、2016~2018年で3連覇しています。
昨年も準優勝です。

歴史はかなり浅く、21世紀に入ってから強くなった大学です。
なので大相撲にもまだその数は少ないんですが、代表的な人としては御嶽海や若隆景があげられます。


東京農業大学

初めて「大相撲に行く大卒力士」を出した大学です。

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その初めて大相撲に行った大卒力士とは、初代豊山
当時は大相撲と学生相撲のレベルが今ほど離れておらず、豊山はあっという間に出世します。
大鵬に弱かったので横綱にこそなれませんでしたが、名力士として歴史に名を刻みました。

その豊山は時津風部屋に入門(当時の親方は大横綱・双葉山)。
双葉山のあとを継ぎ、時津風親方となり、理事長なども務めます。

以降、東京農業大学出身の力士はほぼほぼ時津風部屋に行くようになりました。時津風部屋付属大学と言われるぐらいです。
実際、現在東京農業大学出身の幕内力士は正代と豊山(3代目)で共に時津風部屋、師匠の元時津海も東京農業大学出身です。

東京農業大学は、近年は大学全体での強さという点では他の大学に劣ります。
実際、インカレ優勝は1999年にまでさかのぼりますし、過去の4回の優勝のうち3回は1960年代以前です。
しかし、それこそ正代のような化け物じみて強い選手が時々現れる、というような大学です。

あと、東京農業大学相撲部のブログは大会の結果を詳細かつ迅速に投稿しており、おそらくアマチュア相撲関係者なら95%は知っているほど有名です。
中継されない大会が多いので、ここがメイン情報源になることも多いです。


まとめ

他にも、雅山を輩出した明治大、武双山を輩出した専修大、近年勢いづいている早稲田大など、いくつか強い大学はあるのですが、近年も安定して強い大学となると今日紹介したような大学だと思います。
是非アマチュア相撲も楽しんでみてくださいね。

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