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Rolling Stone誌が出したベーシストランキングが超攻めていた件

こんにちは。

マジで今日の記事はマニアックなので、先に謝ります。すんません。


さて、先月、あのRolling Stone誌が、歴代ベーシストランキングを発表しましたね。
Rolling Stone誌といえば老舗の音楽雑誌で、今までも歴代曲ランキング歴代アルバムランキング、歴代ギタリストランキング、歴代ボーカリストランキング、歴代ドラマーランキング…

いろいろランキング出していますが、ベーシストは今まではTop10しか出していなかったんですね。意外。
そんなRolling Stone誌ですが、今回50位までを含めたランキングを出しました。

Rolling Stone誌のランキングの特徴といえば、とにかく保守的なこと。
基本The BeatlesとBob Dylanの評価がべらぼうに高くて、他にも60年代に集中しているイメージです。
2000年代以降のものがノミネートされることは極めて稀。あとメタル勢にやたら厳しい。

しかし、そんなRolling Stone誌が今回出したベーシストランキングはめちゃくちゃ攻めていたので、紹介したいと思います。


1位があの男じゃない!

Top10の記事では、1位はThe WhoのJohn Entwistleでした。納得
この人の持つテクニック・後世への影響、共に半端じゃないです。

しかし今回は1位じゃありませんでした。
それじゃあ誰?Paul McCartney?Flea?Geddy Lee?Les Claypool?






答えはまさかのJames Jamerson
これ読めた人いるの?

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James JamersonはTop10のランキングにおいて選出すらされていません
まさかのランク外からの1位。

この人は、いわゆるスタジオミュージシャン。
モータウンの曲を2万曲ぐらい弾いた人ですね。Marvin Gayeとの作業が特に有名で、名盤「What's going on?」のベースはほとんどこの人です。


個人的にはMarvin Gayeの曲「I Heard It Through the Grapevine」でのベースプレイが好きですね。


スタジオミュージシャンの優遇が目立つ

他にも、Top10の時にはノミネートすらされなかった人たちの上位選出が目立ちます。

例を挙げると、Charles Mingus(2位)、Bootsy Collins(4位)、Carol Kaye(5位)、Larry Graham(7位)、Ron Carter(10位)など。
このうち3人がスタジオミュージシャン、残りの二人もバックバンドのメンバーです。

要は、今まで目立ってなかったけど、実はすごいベースプレイしていた人にかなり光を当てたランキングになっているんですね。

例えばBootsy CollinsはJames Brownの曲でベースを弾いていたことで有名ですね。


Carol Kayeはまさにスタジオミュージシャン。特にBeach Boysの録音に参加していたのが有名です。



今まで評価されていた人は?

逆に、Top10ランキングでは評価が高かったのに、今回のランキングでは順位を落とした人もいます。

数が少ないので、全員の順位の変遷を記載します。

John Entwistle(1位→3位)
Flea(2位→22位)
Paul McCartney(3位→9位)
Geddy Lee(4位→24位)
Les Claypool(5位→36位)
John Paul Jones(6位→14位)
Jaco Pastorius(7位→8位)
Jack Bruce(8位→6位)
Cliff Burton(9位→25位)
Victor Wooten(10位→圏外)

軒並み大きく順位を下げ、上がったのは一人だけという、同じ雑誌と思えないほど順位が変わっています。

個人的に思うところはたくさんありますが…Flea22位は流石にビビり倒しました。流石にTop10には入るでしょう。レッチリは彼のベース抜きでは成り立ちません。


Les Claypoolも、テクニックは超変態的です。
流石に36位は低すぎじゃない???


Paul McCartneyもさ…流石にTop5には入れようよ


Geddy Leeとかもさ…La Villa Strangiatoのベースラインとか全人類が涙するレベルじゃないですか。

ま、というわけで、既存の評価軸で評価されていたベーシストたちのランクがとことん低かったのが今回のランキングになります。



私の意見

今回のRolling Stone誌のランキング。
ある意味評価軸は一貫しています。スタジオミュージシャンやバックミュージシャンで沢山弾いた人を評価するというもの。

その分、今まで評価されていた人たちの低評価が目立ちます。

私は、個人的には今までの評価の方が良いと思います。
確かにスタジオミュージシャンやバックミュージシャンを評価するのは大事ですが、今回のランキングはあまりにも極端です。
また、今まで評価されていた人たちはライブパフォーマンスも圧倒的です。新ランキングではまるっきり無視しているようにしか見えません…


とはいっても、あのRolling Stone誌、保守中の保守であるあのRolling Stone誌がこのような完全に新しい基準による挑戦的なランキングを発表したことは喜ばしいことでしょう。
その調子で他のランキングの更新も楽しみにしたいところです。

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