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【ドラフト】『フォーゴットン・レルム探訪大考察(緑編)』

こんばんは、ぞんびです。フォーゴットン・レルム探訪、とうとう緑です。お待たせいたしました。

前提となる序文はこちら
カード個別評価白編はこちら
カード個別評価青編はこちら
カード個別評価黒編はこちら
カード個別評価赤編はこちら
カード個別評価多色+その他編はこちら


雑感

今回の緑はバランスの取れたカラーに見えます。
環境の初動の軸としている『強い低マナ域』があり、また格闘も普段より軽いため戦いやすいと考えています。
そこ以外のクリーチャーも近年基準で見ると優秀なものが多く、満遍なく戦いやすそうに見えます。パワー修正系のカードは簡単に赤緑と越境するためアーキタイプも組みやすそうです。
とはいえ、筆者的に扱いづらそうと思うアーキタイプである青緑、それよりはましだがやりづらそうに見える黒緑に両方絡んでおり、また、アンコモン依存度が高く見える白緑もあるためアーキタイプ毎の評価を加えた最終的な緑の評価はやや下に落ち着きそうです。赤緑だけは全アーキタイプの中でもトップと感じているため、緑を始めるのであれば最低限緑白、理想は赤緑の道を感じて始めたいですね。
緑黒でも陰鬱シナジーは黒いカードにやや寄っており、誘発させる除去などもそうであるため初手に近い段階、あるいは緑から色を選び始めるという観点ではやや全体的に厳しい評価になりそうです。
また、今回の緑は多色化面ではあまり役に立たないことはイメージとして持つ必要があります。他の色にアクセスできるカードがアンコモンにしかないためですね。
ダンジョン探索も苦手なため財宝経由でもアクセスがしづらく、そういった部分が全体的に緑の器用さを今回奪っているかもしれません。
緑の得意なサイズ面での勝負も、各色の5マナ以降が満遍なくサイズがあり、装備品まであることを考えるといつもより不利な舞台であると言わざるを得ません。緑全体の評価はそのためやや落ちそうです。



個別評価

今回も個別評価は以下の5段階で行っています。カードの直接的な強さの上下というよりは、ピックするタイミングや条件が影響している評価となります。特に1パック目での評価が軸です。

・ノータイム:初手級。色を変えてまでも使うべき強力なカード。
・優先   :1~4手目の、『進むべき色を探るタイミング』でその目安となるカード。時には捨てることもありますが、上からどういった優先カードが流れてきたかで立ち位置を考えることになるでしょう。
・次点   :3~6手目程度でデッキの中軸を担わせるために取っていくカード。ただし、最序盤の1~4手目では『色のあっている次点』よりも『色のあっていない優先』を取って積極的に立ち位置をアジャストしたほうがピックがスムーズになると思われます。
・抑え   :5~9手目あたりで保留として取ることが多そうなカード。一周させるほどではないが、今後の流れによっては使わない候補となる事も多いグループ。特定のアーキタイプでのみ強いカードをこの評価にしておき、とりあえず抑えて様子を見ることもしばしばありそう。
・見送り  :原則として積極的には取らないカード。色があっているほかのカードがあればそちらを優先するだろうというカード。最終的にデッキから押しくも抜けるレベルから絶対に使わないだろうカードまで混在しているが、『1週目では取ることがほぼなく、他に取るものが何もない』といった状況で取るだろうという共通点で評価をまとめています。

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抑え
かなり地味なカードです。スムーズに4T目に出して4/4になれると存在感がありますがそのタイミングを1度でも逃すと『3マナ以下と相打ちし』『5マナ以上には負けやすい』という状態となり使いづらいカードに見えます。
今回の緑黒の陰鬱は自発的に生贄にするというよりも戦闘でのトレードを相手に迫ることがメインに見えます。言い換えれば相手がすれ違いのアタックを選択したりクリーチャー戦をしないことを選んだ展開では陰鬱がしにくいということです。
そうなってくると、2マナのクリーチャー相当の仕事しかしないことが気にかかり抑え評価としました。4マナとして戦闘力が不安定すぎるイメージです。
とはいえ、相手の不意を突いて陰鬱で着地できた時は十分仕事をするので嫌うほどではないでしょう。


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次点
割と使いやすいコンバットトリックに感じています。
これとコンペルドデュエルはある程度仕事が似ているため差異をつけようかと思いましたが、コンペルドは赤緑で最大の力を発揮し、こちらは万遍なく使えるという点で自然と差別化できていると判断しました。
緑が今回サイズ面で消して優位ではなく、そして装備品などでサイズが追い付かれるタイミングがあるという点を加味して普段より巨大化の点数を上げています。装備コストや除去よりも軽いマナコストでそれらに立ち向かえるためですね。
アンタップも忘れてると刺さります。重要視され始めると警戒する必要がありそうです。


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次点
個人的にはかなりお気に入りのカードです。BO1において自然と飛行対策をデッキに詰めるのは良いことですね。今回の緑は到達がやや弱めなのも後押ししています。
とはいえそもそも今回はこれで撃墜したい飛行クリーチャーがあまり多くなく感じること、コンバット面においては3マナがやや気になることから雄牛の筋力とと明確に差をつけるほどではなく次点でいいと判断しました。
これが流れてくるからと言って緑に行くほどではないんじゃないかな。


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抑え
実際にはほぼ取らないと思います。緑の本命は集団戦術によるビートダウンかライフゲインを絡めた中盤戦であり、そのどちらにも絡まないためですね。また、致命的なこととしてこれを3T目に出した場合にも、4T目には『緑のダブルシンボルの5マナ』しかプレイできず2色目のダブルシンボルを出すことができません。そのため、3マナのマナクリとしても用途が限定的過ぎると判断しました。
よほど緑が濃く、ヒルジャイアントが多いなどこのカードによる大きなマナ加速が有利に使えるデッキだったら別ですが、そうなりにくいと判断しての抑え評価です。見送りほどでいくら何でもないと判断しましたが、怪しいです。


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優先
全色のクリーチャーの中でも3マナのコモンとしてはトップクラスと判断したため優先としました。タイミングを選んでしまいますが3/2を一方的に止めることができ、攻めた場合に4/4と相打ちできることはコモンとして破格に感じます。
いささか都合のいい表現をしてしまいましたが、今回の殴り優位な環境を考えると『相手側有利なアタックを耐えることができ、自分がいざ攻撃に転じる際には攻めよどみがない』という見方だということです。
特に赤緑においては、相手のアタックを1ターン抑えながらこのカードが集団戦術をしっかり支えてアタックできることは頼もしいでしょう。
総じて緑の戦力を支えるカードだと思います。優先級の緑のコモンの中では下だとは思います。


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次点
雄牛の筋力とセットで次点としました。どちらか1枚はあるとデッキが引き締まると考えています。
こちらは赤緑の集団戦術デッキと相性がいいです。特に『ノールの狩人』は最初にアタックした段階で3/3しかないことが心細く逆に2回目以降は4/4になりサポートが必要なくなるという特性を持っています。そのノールの1回目をこのカードで安全に成長させ、さらには2回目以降のブロッカー排除につながる効果はコモンでできる緑の上振れとしては最上級でしょう。
そういう動きが出来ないデッキだと下げていいと思います。


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抑え
5マナとしてみた場合は他の競合に勝ちづらく、3マナとしてみた場合も弱いタイミングが多いカードだと判断しています。とはいえ何もできないカードではなく、4マナのときに2+2で動きながら集団戦術をサポートしたり、5/4/4ヘイストという動きは決して落第しているわけではありません。
デッキの22枚目あたりを埋めるカードとしては上等でしょう。
デッキのバランスを整えるために押さえるカードになりそうです。


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次点
ライフゲインシナジーを支えることができるカードですがこのカードからライフゲインシナジーピックをスタートしていいかは疑問があります。ライフゲイン部分にのみ注目するといささか力不足なカードだからですね。
このカードはレベル3が真価でしょう。累計10マナかかるとはいえ、実質6/6以上のサイズのクリーチャーとして計算できます。
マナが余るタイミングで出してレベルを上げることができれば、ヘイストによる奇襲性も併せて十分貢献してくれると思います。
最速で出してレベルアップすると、マナ加速として使えて隙を埋めたり、ライフゲインが隙を埋めたりしてくれるため自己完結性は高いと言えるでしょう。
ライフゲインシナジーをすでに始めているのであれば優先級にしてよさそうです。


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ノータイム
モルデンカイネンなどの他のPWよりは盤面形成能力面でやや劣りますがそれでも強力なPWです。すでに鉱山の1部屋目に入っているときに出して、ゴブリンを出して身を守るか、狂える魔道士の迷宮の3部屋目でアタックを止めるといった小細工を使えるとよりいいですね。
ダンジョンが基本的にはアドバンテージにつながり、また、奥義が踏破が一つだとしても十分強力であるため基本的にはプラスを連打し奥義を目指すデザインになると思われます。
しかしマイナスも掘れる範囲が広く、今すぐにクリーチャーが必要な場合はプラスマイナスマイナスなどで速やかな結果を得てもいいでしょう。
本人が4マナと重くはないため柔軟性もあり、ダンジョン探索カードが緑に少ないとはいえ、他の色経由で増えれば増えるほど強くもなる優秀なカードです。


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次点
かなり悩みました。初見ではタフネス1があまりにも心もとなく見えましたが、貴重なシングルシンボルの高マナ域であり使いやすい事がまず評価です。相打ち前提の盤面形成能力に優れ、出遅れを取り戻したり、リスクをやや抑えて展開出来たり、装備品とのシナジーも見込めるためトータルでは優秀なカードであろうと判断しました。
受けに回る前提であれば、低タフネスであることをある程度誤魔化しやすい(相手の小粒は2/2が、大物は本体が止める運用ができる)のもいいですね。
展開の柔軟性を上げてくれるカードだと思いますが。2枚目以降は大きく評価が下がったり、すでに熊フクロウなどの優秀な5マナが取れ始めている場合でも評価が下がるでしょう。


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抑え
マナ加速カードですが、緑マナしか増えないのが意外と使いづらくなると感じました。
例によって強いダブルシンボルがコモンに目立つためですね。折角このカードで加速したのに出せないということがしばしばありそうです。
また、テンポ環境を軸に考えているためこのカードで加速したターンの盤面放棄が気になります。除去が重い環境であるとはいえ、加速して出したファッティなどを相手も4マナなどで対処して来たら結局盤面分不利になるためですね。
ダンジョン探索部分も、緑にはコモンにこれしかないことも相まって評価が低いです。緑白などで多く探索できるのであれば評価は向上しそうです。


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ノータイム
かなり不気味なカエルくんですね。
文句のない能力を持っています。
戦闘ダメージを与えないとやや不安なサイズであり、こういう能力は評価されづらい傾向にありますが、速攻を持っていることが完結力を高めていますね。
相手の隙を見て出して殴り、止まらないサイズorライフ差をつけることができます。例え墓地が1,2枚しかなくてもこのカードが6/6などになれば止めることは難しくなるため5ターン目に素直に出しても問題ないでしょう。
強力なカードです。


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優先
このカードを軸とした赤緑ビートダウンを環境の中心に考えており、特に緑のカード評価にも影響を及ぼしているためその重要性から優先としています。
除去との比較であれば除去をとる方針ですが、それ以外のカードとの選択であるなら緑をやろうとする限りこのカードを取って集めていいでしょう。何枚あっても困らず、あればあるほど強いカードでもありますね。
運用上の注意は、最初のパワーが2しかないため4t目に育成を始めることはやや難しく、また5T目以降は1回目の成長である3/3ではやや不安なサイズであることが多いことですね。
以下に1回目の成長をスムーズにかつ安全に行うかがテーマだと思います。月の円環のドルイドのようなパワー4を担当する3マナクリーチャーや、各バードや装備品のようなパワー修正を与えてくれて疑似速攻のようにふるまえるカードに注目しましょう。
赤緑デッキの成立が人気などの理由から難しくなるようであれば評価は下がり始めると思います。他の色でも扱えなくはないですが、相性いいカードが減ってきますね。緑白であれば装備品の関係からそこまででもないです。


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優先
各カラードラゴンの中だと最も能力が使いづらく、総じて地味なカードに見えます。同じく6/4/4であるレッドとホワイトが腐りづらく強力な効果を備えているのもやや見栄えを悪くしていますね。
とはいえ、ある程度のクリーチャー数がこちらにいれば出したターンにフルアタックをすることにより、たとえ相打ちが多発しても相手の盤面がぼろぼろになれば良し、通るのであれば4/4飛行がライフを狙えるので良しということにはなるでしょう。
自分が盤面を形成できているかによって有効度が大きく変わる点を踏まえて不安定なカードだと判断しています。優先の中では低めではないでしょうか。


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次点
筆者は蜂蜜マンモスが大好きなので必然このカードも好きです。
この環境全体のファッティで見ても強いカードであり文句はありません。
ライフゲイン部分も、アーキタイプに今回は関与するため普段よりさらに評価が高いですね。
とはいえ、サイズによる優位性は序文で先述した通り緑の特権ではなくなっています。赤と黒にもパワー6の6マナコモンがおり、装備品などでも補えるからですね。
そのため過信はできないでしょう。デッキに入れないことはほぼないと感じていますが2枚目の扱いは悩みます。基本的に入れるし取るでしょう。


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優先
緑を使う上では扱いやすい除去として振舞えると思うので優先としました。
サイズアップ効果もありがたく、これで集団戦術を達成したり、あるいは戦闘で接触した際に打ち、別のクリーチャーを仕留めながらこれの分で一方的な戦闘に持ち込むといった形で1:2交換を狙いやすいでしょう。
一方的な格闘であることの利便性が特に大きく、そのような使い方が簡単であると考えられます。
青を相手にすること自体は少ないとも思われますが、そこの部分に関係なく高い評価としました。打ち消されない部分はフロストジャイアントなどの護法を貫通できるため覚えておくと意外と利便性がありそうです。


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次点
緑のデッキを纏める存在として信頼しています。
集団戦術とライフゲインの二つのアーキタイプを越境しており、それが両方とも緑のメインアーキタイプであるため取りやすい=早めに取っても腐りづらいという点を評価しています。
アーキタイプに絡んでいないとしても、両方のモードがダメージレースを左右する能力であるため、基本的には殴ることが有利であろう今回の環境では頼れる存在でしょう。複数枚の運用も問題ないと思います。連打すると強いですし。


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見送り
筆者が想定している早いゲームレンジだとほぼ使う機会はなく、遅いゲームレンジだとしてもそれでも遅いカードだと思います。
起動マナが4であることと、実際にサーチしてゲームに影響を与えるカードは大体3以降であることが遅さを感じる部分です。1tに出せたとして中盤過ぎまで起動できることは稀であり、逆に中盤以降に引いたとしてもゲームに影響を与えるまでがやや長くなるでしょう。
このカードを入れるより素直にその分5マナ以降の豊富なファッティを入れる方がいいのかなと思います。


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優先
優秀なアンコモンです。
本人のパワーが2であるため集団戦術の達成には一手間かかりますが、2/3+到達というサイズは達成までの時間を過ごすには十分です。ただし、小型の飛行が少なめなので到達自体の価値はあまり高くないとも感じています。
緑はダンジョン探索が苦手なため、このカード1枚で踏破することはできませんが緑にある不器用さを補うことは十分できます。
装備品の持ち手としても十分であり、赤緑だけでなく緑白でも使いやすいので色をあまり選ばないカードであるといえます。このカードで緑をスタートするには十分に感じますね。


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抑え
実際に使ってみないと何とも言えないカードですが、ファーストインプレッション的にはかなりイメージが悪いです。
起動名型能力がかなり悠長なため、どちらかというと自分で殴って突破口を開くカードというよりは戦線の膠着を狙ってロングゲームに持ち込むためのカードなのかなと考えています。
しかしその観点で見るとタフネス2があまりにも足を引っ張りますね。あらゆる除去で処理されてしまうサイズです。特に間に合わせの武器と急な落下は、このカードを3マナで処理したうえでさらに追加効果があるため大きくテンポを損なってしまい本末転倒となってしまうリスクが大きいと言えます。
この環境のエースアタッカーであると感じているホブゴブリンの隊長を止めることもできないため5マナの価値がないと言って差し支えないでしょう。
とはいえ緑白ライフゲインや黒緑陰鬱のような長期戦を選びやすいデッキでは頼もしい可能性があります。ファーストインプレッションを大事にする記事なので抑えとしましたが、使い始めてみると浮上するかもしれません。見送りに落ちるかもしれません。


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次点
かなり派手な回収カードです。とはいえ、漫然と使っても3枚程度回収できるカードでしょう。
8枚以上の効果はほぼないものとして扱っています。8種類の数字をそろえることも11マナ払うことも現実的ではないからですね。
赤にも黒にもマナをのばしながら打てる除去があったり、探索系のカードは出し入れするだけでテンポ/アドバンテージ面を回収できるためこの環境での回収カードは個人的には高く評価したいと思っています。どの色にもファッティがあるため5や6マナの回収先にも困らないのがいいですね。長期戦に臨むデッキであれば価値に直結するアドバンテージ源になるのではないでしょうか?
トリプルシンボルがやや気になり緑優位のデッキにならないとやや打ちにくい事(相性のいい除去による財宝サポートがあっても)、例によって環境自体は早いテンポ環境がベースになると考えていることから評価を落としています。


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優先
見た目は気持ち悪いですが意外と手堅いことが書いてあります。
アンタップしないデメリットを持っていますが、タップ状態で戦場に出るわけでもなくそれ以外のデメリットもありません。そして3/4/5というサイズは再三再四重要であると書いているテンポ環境という部分に十分に合致しています。何もサポートがなければこのカードを乗り越えることは5マナまでほぼできずサポートがあったとしても半端な装備品とクリーチャーの組み合わせでは不可能なことすらあり得ます。序盤のブロッカーとしてあまりにも頼りになる存在でしょう。
また、緑がライフゲインシナジーであること、そしてダンジョン探索でも比較的簡単にライフゲインができることから見た目以上にアンタップしやすいと考えています。今回はライフゲインと書いてあるコモンカードが概ね素で強くデッキに自然と採用しやすいのが気が利いていますね。
場合によっては速やかにアタッカーとして機能しゲームを終わらせてしまうこともあり得ます。警戒を付与するカードがほぼ存在しないのはこのカードの力をWotCが恐れたためという説が濃厚ですね。
総じて緑の、特に緑白を志すカードとして十分であり最終的にそうならなかったとしても使える点がピックしやすさを増しているため優先としました。


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見送り
かなり使いたくないカードです。1T目に出した場合のみ強そうに見えますが、それ以外のケースでは3マナのマナ加速に過ぎず、分割できるとは言え効率がいいとは言い難いです。
そして攻撃時優位効果が多いこの環境では、『チャンプブロックできる』という利点よりも『結局アタックは許すし相打ちは取らない。盤面も一時的に弱くなる』という欠点のほうが大きくのしかかると考えています。
そのためこのカードを使いたくなるケースはほぼ想定していません。
陰鬱を能動的に誘発させるにしろもっといい手段があるでしょう。


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ノータイム
極めて強いレアです。
この環境にカウンターを乗せるカード/手段はほぼないためずるをしづらいことは残念ですが書いてある通り素直に使っても『X=4でプレイ、その後2/2⇒1/1として帰還』という動きは十分盤面に影響を与える効果といえます。そして今の例は最低限の使い道であり実際にはXが6以上になるケースや、柔軟に奇数で運用するケースなども踏まえるとその強さは計り知れません。
さらには装備品の運用を考えると、トークンが出てくることに更に意味が生まれます。レイピアであったとしてもこのカードが次々と装備して戦闘に参加するのは十分に圧力でしょう。
また、カウンターが乗りづらいとは言いましたが、鉱山の左ルートで1個程度なら簡単に乗るのも見逃せません。ズルしていきましょう。


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優先
全体的に大振りすぎるためやや不安ですが、とりあえず7/7/7飛行であるため優先としました。あまりにもデカい。
財宝生成能力も基本的にはオーバーキルに近いと感じていますが『このカードを出したターン』にそのまま戦闘ダメージを入れることが出来ればそこで大きなテンポをとることができるため実際には頼れる能力だと思います。
いかんせん7マナは重さと付き合う必要があるマナコストなため、そこだけは意識する必要があるでしょう。
一番意識しやすいのはやはり財宝系列のカードですね。赤緑、黒緑で使うと明らかに使いやすいと思います。可能なら狙いたいですね。


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優先
今回の緑を使う理由と言えるコモンです。
ドローを伴う緑のコモンクリーチャーは毎エキスパンションごとに質が上がり続けていましたがとうとうここまで来ました。
サイズは5マナにしてはやや小ぶりと言えないこともないですが、十分です。
押すタイプのデッキでトランプルを活かして最後の押し込み要員として扱うも、中長期戦を狙うデッキで経由地店として扱うこともでき、およそ緑のデッキでありさえすれば取らない理由も入れない理由もないでしょう。3枚以上入れてもいいと思います。全部取るでしょう。
とはいえ、他の色と比べた場合には除去などよりカードの性質上優先順位が劣りやすいと考えています。明確に攻めるデッキを目指すのであればホブゴブリンの隊長などのアタッカーを優先する場合もありますね。
このカードを素早く取る場合は目的意識として『緑に行く』タイミングかどうかを強く心掛けたいです。逆にこれが4手目などでもらえるなら緑に行っていい、ともいえるでしょう。


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見送り
基本的には使いません。ドラゴンがアンコモンにもレアにも各色に配られているため、それらによって心を壊されたことがあるのであれば一考の余地もありますが、基本的には普通のカードをデッキに入れたほうが総合戦闘力が上がるでしょう。
『序盤から素早く殴り始める飛行クロック』のような存在があまりいないこともこのカードの必要性をいつも以上に下げていますね。


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次点
やや迷いました。このカードを初手に近い場所で取って緑に舵を切るイメージが沸かなかったため次点にしています。
能力自体は非常に頼りがいがありマナ加速を行いながらライフゲインを行うデザインは中盤以降で戦いたいデッキにとって必要なものであると言えます。
特に5マナのカードを1ターン早く出せると明確なサイズ差が4マナ以下のカードとつくケースが多いため特に有効でしょう。
序盤に止めたいタフネス1のアタッカーもいるため、それらと早期交換を狙えるのもいいですね。相手が嫌がるなら仕事を果たしていますし。
当たり前のようにライフゲインと財宝の越境をしているデザインであるためピックの幅が狭くないのも良いです。ただし、やはり筆者としては緑の本命は赤緑と感じているため、そこをして初手で取りづらいと判断しました。
すでに白や黒に向かっているなら優先級でもよさそうです。


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次点
シンプルにデカいですね。今回最大級のサイズを持っていながら、場合によっては5マナで出てくるのは異常と言っていいです。
しかもそこに護法2までついて来ますね。除去が全体的に重いことと合わせて、5ターン目に着地した場合にはほぼ呪禁に近い効果になると思われます。
マナを使ってクリーチャーを死亡させていては良いところを損なってしまうため、可能であればアタックを仕掛けて陰鬱させたいですね。
赤緑であれば自然な動きであり、緑黒でもユアンティの毒牙あたりを差し向ければ望む結果になることが多いでしょう。それ以外の二つは、場合によっては相手に無視されるケースもありそうですのでこのカードのみを5マナ域とするようなことはできないですね。クマフクロウとの2択は最高です。
全体的にデッキをやや攻めよりにするということだけ意識しておけば頼れるカードだと思います。
とはいえ繰り返している通り、装備品である程度サイズ差は立ち向かうことができ、このカードをもし出し遅れるようなことがあれば期待したほどの恩恵にあずかれないことがあると感じて優先とはしませんでした。


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ノータイム
下手をすると最も強いレアなんじゃないかと疑うほど強いカードです。
そう思う理由の一つは軽さですね。2Tに設置して3T鴉で二ゲームを壊し始める速さは、デッキに入っているかもしれないエンチャント破壊や相手側のボムなどが間に合う時間を捻出することを許さないことが多々あります。他の重めのノータイム級は出すことができずに本領を発揮せずに終わってしまうこともあり得ますがこのカードに限ってはそれはないと言っていいでしょう。別に4T目以降に出ても強いわけですし。
レベル1+2の効果でゴリゴリに押し切るのがメインですが、レベル3の効果も決して弱い効果ではありません。相手からすればレベル2を放置すると死んでしまう関係で『相打ちを続け息切れを待つ/蓋をする』か『すれ違ってライフを詰め殴れないようにする』などが対処法として考えられますがそのいずれのプランもくじく効果ですね。とはいえ重い事には変わりなくいつレベルアップをするかについては慎重になりたいです。基本的には手札から展開する方がいいですね。
総じてこのカード1枚+土地6枚でも先手であればあっさり勝ててしまうんじゃないかと思うほどのカードですね。取らないケースがほぼ考えられず、2パック目以降でも色変えを検討していいです。
クラスカードの特性上財宝を利用してのタッチがしづらい事だけは注意ですね。


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見送り
メイスと比べるとかなり見劣りするように感じてしまうカードですね。個人的には、このカードがメイスに見劣りするため、緑全体のサイズ感にやや不安を感じています。
3マナ払ってタフネスが1しか上がらないのは、相打ちからの装備のつけ直しが多くなるというケースを招きがちでありそこが最も弱い部分だと感じます。
とはいえゲーム後半のマナの使い道や無理やりな突破などを必要とケースはあり得るためこのカードを一切使わないということもないでしょう。消極的にピックし、最後にデッキバランスを見て23枚目などで使いそうです。
他の色の装備がない時や、どうしても装備で押し切るしか勝ち目が見えない時などは抑え程度には上げてもよさそうです。


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見送り
賞味期限が早いカードであり、2T目に出せないとほぼ何もしてくれません。
1マナ加速するために3T目に1マナ余らせてこれを出すことがあってはやや本末転倒に感じますし、出すのが遅れるほどに手札の土地もなくなる=このカードの能力が意味なくなることが多いためですね。1/3というサイズがそこまで頼りにならないため能力なしでの評価がし難いという点も後押ししています。
とはいえ、2T目に出せたときだけは強い事は確かです。
あと、他のマナ加速カードよりも個人的には扱いやすいと考えていますね。どうせ土地がない時はマナ加速する意味が薄いので有効なタイミングはあまり変わらず、そうすると1/3がまだましであるためです。
基本的には積極的にとらず、どうしても2マナ域が確保できなかったり早期のマナ加速以外には道が見えない場合などで使うことになるでしょう。
もし環境が変化し、青緑のマナ加速&ドローの部分が見直されたら評価し直しそうですがほぼ起きなそうです。


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優先
緑のコモンツートップの片割れです。
環境全体の除去が弱いことは、このカードの評価に2種類の追い風をもたらしていますね。相対的に軽いインスタントであることが評価を高めているという部分と、そもそもインスタント除去が少なく重いならこのカードを安全に打てるケースが多いという点です。
そのため、普段のこのような緑の除去の中でもひときわ立場は良く、それを抜きにしても強いカードであるため優先としました。
財宝を支払う部分はほぼ考えていない評価ですが、実運用上は覚えておくべきでしょう。リーサル計算に寄与しそうです。


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抑え
けして手放しで強いタイプのカードではありませんが、要所要所で存在感を発揮する程度の強さはあります。
警戒持ちが意外と偉く、能力の誘発の簡単さにつながっていますね。
コモンに3/3がいないため、相打ちをとるかにらみ合いになるかのどちらかは起きることになり地味にライフレースを支えてくれたりします。
ライフゲインシナジーも誘発させれるので緑白であれば必要度はさらに上がるでしょう。
とはいえ地味なカードでありなくても困らないため基準は抑えとしています。


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抑え
基本的には9マナでないと考えており、デッキに入るか怪しいラインだと思っています。
もし9マナが出るのであれば間違いなく強力なカードです。あまりにも破壊的な効果ですね。事実上の呪禁と、ヘイストに10/10というサイズ、しかも攻撃時に事実上の除去が出来るというは強い以外の感想がありません。速やかにゲームを終わらせることが可能なうえで、相手の反撃の芽も摘むことができます。9マナが出せるのであれば採用間違いないでしょう。
ため込むオーガが複数枚とれていたり、緑黒デッキであればあまり難しくないかもしれません。そうであると判明したなら一気に優先級まで格上げとなるでしょう。


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次点
好みが大きく分かれるカードのように思えます。筆者としては攻撃優位環境であることを踏まえて、相手の攻撃を食い止める壁役としては適任であると判断して高く評価しています。
予備の短剣に加えて一方格闘系のカードによるコンボや、パラディンの盾で守ることでこの環境としては貴重な軽い戦場介入が行えるのが強みですね。
ゲーム中盤以降であっても最低限の働きはしてくれます。
優先級のコモンと比較した場合は、このカード単体で色を決めたりデッキを定める力はないため次点としました。自分が受けを意識した緑(黒緑や白緑など)であることがはっきりしてからとりたいです。そういった意味では抑えに近いカードかもしれません、感覚として。


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ノータイム
迷う必要はないでしょう。一人で踏破できるレベルの健脚カードです。
綺麗に3T目に出すと次々と探索を行ってくれるでしょう。使いやすい鉱山ルートは序盤が占術と財宝であるため、そのあとにクリーチャーを探す/唱える手助けをしてくれる部分が特にうれしいです。
放置していると負けに直結するカードでありながら護法も相まってドラゴンの火以外ではきれいに対処することがやや難しくなっています。このカードの強さを底上げしている事実ですね。
ダブルシンボルであり緑をやや濃くしないとスムーズに出しづらい場面があること以外は文句がありません。濃くする見返りも十分あるでしょう。


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優先
緑の貴重な探索カードであり、ともすればレア以下の中ではトップの探索効率と言ってもいいです。
このタイプのカードにしては珍しく、自身が戦場にいない段階で土地を出していたとしても、ターン終了時にこのカードがいれば問題なく探索してくれます。つまり、4ターン目にセットランド後このカードを出したケースですね。
そのため従来のカードと思っての見た目よりはるかに強いカードと言えます。
4T目に探索するといえば白の迷宮探索者ですが、サイズ面はあのカードよりやや心もとない代わりに次のターン以降も探索してくれるのがやはりウリですね。2回探索できればもう十分元は取れています。一度土地が尽きてしまうとやや弱さが目立つ(手札が枯れているときにトップ土地を引いたとしても探索はエンド時なためややちぐはぐになりやすい)ので、そういうときはパワー4を活かして速やかに戦闘に参加させていいでしょう。
タフネス2は処理されやすい点は注意ですね。また、このカードがデッキに入っているならば、引いていなくてもゲーム中盤以降の無駄なセットランドは控えるようにしましょう。このカードを出したターンに土地が置けるかどうかで話がだいぶ変わります。


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優先
これもかなり強い緑のレアですね。2/3/3という何処からも文句が出ないサイズに加えて、比較的条件の緩いドロー能力。さらにはだめ押しに使えるパンプ能力まで備えています。
まず、サイズ的には本当に文句がありません。2/3を軽々踏み越えてアタックしましょう。
ドロー能力も、3T目に誘発させること自体は難しそうなものの、有利に直結する能力であるため相手としても無視しづらく、対処を強要するかブロッカーを用意して殴らないことを共用できる力があると言えます。たとえ相打ちになるアタックをしても得してるのは、そういった状況でも扱いやすいでしょう。鼓舞するバードやコンペルドデュエルなどで計算を狂わせてアタックしたいですね。
パンプ能力も、実質は4マナ払ってパワーが2上がりトランプルがつくだけの効率の悪さですが、終盤においては十分な効果でしょう。それこそ各種パンプカードや装備品のバックアップを受けて使いたいですね。このカードのブロック優先順位が高いことを加味すると、使う局面は少なくないと思います。3/5みたいなクリーチャーで一方をとることを許さない上に、3/2とかでブロックするのであれば、横のクリーチャーが通っている分と合わせて少なくないダメージを与えれるわけですね。
ダブルシンボルが例によって気になる以外文句はありません。


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見送り
基本的にはあまりにも効率が悪いカードなので使いたくない気持ちの方が大きいです。
ほぼすべての場合でクリーチャーのサイズが下がるか、意味ない程度の+修正しかありませんね。第三モードは特に顕著で、マナコスト意外で雄牛の筋力に勝るケースがほぼないです。
唯一、呪禁モードだけは有効に扱えるタイミングは珍しくありません。例によって除去が重いため、このカードを差し込めたときの見返りは半端ないですね。
もしかしたら使いそうですが、戦闘をしたいので見送りとしました。


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抑え
積極的にとりたいほどのカードではありませんが、この環境全体にあまりにも強いアーティファクト/エンチャントが蔓延しており、コモンの装備品ですら場合によっては1枚でゲームを決めるケースがあることを考えるとお守りとしてほしいカードかと思い抑えとしました。
第3モードも急いで使うものではないですがあって困るものでもないですね。マナの軽さも相まって、相手の予想を超えた探索を行い、迷宮にある攻撃制限効果や鉱山の戦闘関連効果で相手の思惑を狂わすことは十分できそうです。
デッキの23枚目として試して、余りしっくりこなかったら抜くくらいのカードに思えます。


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次点
悩みました。環境が早いと思ってる立場上、遅い戦いのためのカードは評価しにくいので、その気持ちを込めて次点のやや下くらいのつもりです。
効果自体は優秀に感じます。この環境はボムが非常に多く、それらを軽々とタッチできるようになること、再利用すらできること、そしてダブルシンボルの強いカードなどの運用も容易くできるようになることすべてがこの環境の中速以降のゲームレンジにあっています。
マナフラ受けが多く見受けられるため土地があればあるだけ戦いやすそうに見えるのもいいですね。
緑をやっているときであればこれを早めにピックしておくとボムレアの受けなどが広がり結果として勝率に貢献することがあると思います。ボムレア取れなければ抜いてもいいですし。


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次点
踏み荒らし系のカード好きなんですよね。
その中ではモードがあることにより特有の『うち時を逃す/肝心のクリーチャーがいなくて打てない』ことが少ないです。パーティを組む効果もドロー効果としては良い方であり、大体は2枚程度は見つかるでしょう。4マナであることを考えると破格ではないにしろ十分な効果であると考えられます。
攻めるデッキから長期戦を目指すデッキまで、どちらかのモードが有効というデッキは多く、取ることが無駄になりにくいカードと考え次点としました。
やや漫然としたカードなのでこのカードから緑は目指さなさそうです。


以上、緑が好きなためか過去最大クラスの文字数となりましたが『フォーゴットン・レルム探訪リミテッド大考察』の緑編終了です。
最後にもう一つ、多色+その他編を書き上げ次第、大考察終了予定ですね。記事を書いてる中で色々と追加で思いついたTipsもあるので、その辺りも書き足すかもしれません。お楽しみにしていただけると幸いです。


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それでは、最後の記事でお会いしましょう。

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