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リミテッド大考察新年特別編 「デカスロン攻略編」 競技9&10

いよいよデカスロンも最終局面です。多少苦戦しましたが、何とか無事に完走し全十種目制覇となりました。
もうあと1日しかないイベントですが、是非最後まで記事にもお付き合いいただき、そして皆さんも結果が出ると何よりです。

こちらは長期間にわたるMtGAのイベントです。数日おきに2競技ずつイベントがローテーションし、クリアした回数によって最後の決勝競技へ参加できる、というものですね。詳細は以下公式記事をご確認ください(英語のみ)。
The Arena Decathlon Kicks Off the New Year with Ten Events, Finals, and Lots of Prizes (wizards.com)
毎度感謝の引用リンクを張りますが、事前の予想情報が欲しいという方は下記の「山辺カフカ」さんの記事が大変よくまとまっているのでぜひご一読ください。何を隠そう筆者も大きく参考にしており、読んでおいていただければぞんび側の記事を読む際の理解力の助けにもなるはずです。是非!
カフカさんサイドもリアルタイムで参加された結果を随時追記されており、こちらの記事とある種リンクさせて読むことができるのではないでしょうか。

https://t.co/GZFLSHPBEw

他の競技結果は以下です
デカスロン競技1&2
デカスロン競技3&4
デカスロン競技5&6
デカスロン競技7&8
デカスロン競技9&10ここ


今回は競技9『全知ドラフト』と競技10『最先端BO1』になります。


競技9:全知ドラフト

今回の競技の中でも最も混沌的な競技になります。
MTGA実装済み全カードが登場する特殊なパック(封入率は通常通りみたい)を用いてのクイックドラフトになります。そして試合はBO1で行いますが、『全知紋章』をお互いに持っている状態での特殊な試合となります
紋章の効果は以下の通りです
・『手札から呪文を唱える際、マナコストを払わず唱えてよい』
・『1ターンに1度、全色のマナを1つずつマナプールに加える』
これによりすべてのカードを基本的にタダで使える、すさまじい試合になるわけですね。

運用上の注意は以下です。
・『追加コスト』と書かれているものは別途『5マナ出す』能力で支払う必要がある。
・手札以外からプレイする場合(墓地からフラッシュバックや追放からなど)は0マナに出来ない。
・本来のコスト以外のマナコストを支払う場合(切除や変容等)は0マナに出来ない。
・『5マナ出す』能力は1マナずつのためダブルシンボルは絶対払えない。
・『5マナ出す』能力で出したマナは通常通りフェイズを跨ぐと消える。ただし自分と相手のターンで1度ずつ起動できる

といったところです。特に『追加コスト』『代替コスト』『手札以外からのプレイ』が0マナにならないのはルールの理解が必要ですし見落とすことも多いですね、気を付けましょう。


9-1:事前思考

思考も何もねぇ!!!強いカードを取る!!!!ってなってました。いや本当に。
ただでさえ『全カード範囲』『BOTドラフト』により一切傾向が読めませんでした。どのようなカードが出るかがわからないうえにBOTが果たしてこの特殊な『全知』ルールに適合した評価基準で取るかもわからず、傾向と対策を立てようがなかったです。
とりあえず過去に全知ドラフトは何回か経験したことがあったので実際にどのようなゲームになるかとどのようなカードが強いかは目星がついていました。以下に説明します。

まずゲームプランの前提として以下の2段階だと思います。
・山札を引き切るようなデッキが強い

目指すべき『理想形』は間違いなくこれです。すべてのカードが0マナなので、ドローを繰り返しライブラリーを引き切る勢いで扱います。
いっぱい引いた後の最終形は以下です。
 1:ハンデスや回収などで『手札の打消し>相手のハンド枚数』を作って勝ち
 2:速攻で勝ち
 3:1枚で勝利する何らかの特殊なカードに辿り着いて勝ち
  4:無限ループに辿り着いて勝ち

・それができない場合はできるだけ打消し/ハンデス/ファッティを入れてお祈り
引き切るようなデッキには初動をハンデスや打消しで崩してお祈りですね。クリーチャーの純粋な性能がいいと意外と勝利が拾えるので、除去などより
は優先であることが多いです。


それを元にどのようなカードを取るべきかをざっくり機能で分けました。
これらはあくまでも基準であり、ランクが低くなるほどその時点のデッキ事情で変動します。

SSS:”破滅的”なカード。
本当に1枚でゲームが終わるようなカードです。めったにありませんが。『ゴブリンの放火砲』(ほぼ引いた瞬間勝ち)、『ラヴィニア』(出たらほぼ勝ち)、『深淵の覗き込み』(引きすぎ)などが該当しますね。極端なアドバンテージを獲得するか、強烈なペナルティを相手に与えるか、1枚ですぐに勝ててしまうかといったところですね。

SS:複数枚ドローするクリーチャー。
今後のすべてのカードもそうなんですが、全く同じ能力を持っているなら『クリーチャー>非クリーチャー呪文』だと思います。クリーチャーは回収だけでなくブリンク、バウンス、蘇生などでも再利用できるのに比べて呪文は墓地から直接回収/コピーしかなく、そのどちらの手段も原則としてレアリティが高く狙いづらいためですね。

SS:複数枚ドローできる非クリーチャー
実際クリーチャーとの差は微差です。同一パックから出てくることも少ないので意味のない差ともいえますね。いっぱい引いたら勝つのは当たり前なのですが、複数枚ドローは連鎖させやすく極めて使いやすいです。

S:ライブラリーのうえから複数枚見て1枚選ぶカード
実質複数枚ドローのようなものですね。衝動くらい強いものであれば複数枚ドローより優先かもしれません

A:打消し
自分が強いカードを取れるパックでないのであれば相手の強い動きをけん制できるカードを取るべきです。それは打消しですね。『先手でブン回られる』を食い止めれる唯一のカードジャンルでもあるため、『運ゲー』の土台を脱するために必要な要素です。
ドローはやはり非クリーチャー呪文であることが多いため、非クリーチャー打消しのほうが需要高いですね。
マナ要求系の打消しはとらないようにしましょう。5マナまでなら払えるので。
取りすぎても正直良くないですが、そもそもそれほど取れないと思います。

B:1ドロー(ルーティング)カード
とりあえずこれ以下の機能のカードよりは強いです。対象を取るものだと使いづらくなるのは留意しましょう。
また、各種回収カードやバウンス原則としてこの位置です。1ドロー以上できるカードを回収すればいいからですね。
複数体バウンス/回収カードはそれぞれ互いに組み合わせるとどこからでも無限ループに入れるため、『非クリーチャー呪文の回収能力を持つクリーチャー』の需要はさらに高いです。2枚以上回収できるカードなどはA以上のランクになる可能性があるため、自分のデッキの内情と相談しましょう。

C:ハンデス
先手の時しか原則強くないですが、山札を引き切りに行ったときに辿り着く終着点としては強いです。用途としてはそんなに多くなくていいですね。例外的に『頭蓋の奇襲』はドローと兼任できるハンデスであり、B~Aランクあります。

D:勝てるカード
山札引き切りを目指したときに最終的に勝つためのカード群です
『速攻付与カード』『バーンカード(回収前提)』などが主ですね。きわめてサイズ感の良いファッティなどもここに属します。

E:ファッティ
上記のいずれもなかったらとりあえず一番サイズがいいクリーチャーを取っておけばいいです。

F:その他
ここで上げられなかったカードは原則取りたくないです。ルーティングで捨てましょう。

とりあえず筆者はこのようなイメージを抱いて挑みました。


9-2:結果

ピック画像を取り忘れました!

記憶の限りではまず1-1『時間のねじれ』を取っています。『山札を引き切った際に勝てるカード』のジャンルですし、最低限1ドローなのでBランクですね。再利用時の強さを考えたらBを超えていると判断しました。
1-2は『さまよう心』を取りました。山札のうえから6枚という破格の枚数を見て非クリーチャー呪文を加えることができ、更にクリーチャーであるため再利用も簡単とSSランクです。
1-3は回収用の『伝承のドラッキス』でした。回収カードとしては強い(単体バウンスとドラッキスとEtB能力だけでループになる)ものの変容は1ターンに1度しかできないためそこそこ程度の強さですね。
そして1-4はSSランクある『物語の没入』でした。最高。
そこからは方針通り1ドロー系を軸にピックしていきました。回収カードである上に勝手に墓地に行ってくれる『貯蔵スカーブ』はAランクだと思ってピックしていますね。
他にも『1ドローアーティファクト』が多く取れそうだったので勤勉の神も他のDランク以下のカードより優先しました。

結果のデッキはこちらです。
複数枚ドローが豊富にとれ、正直めちゃくちゃなデッキになりました。激情の絆は複数回同一ターンに打つと十分勝ててしまうカードとしての採用ですね。自分に打ってヘイストつけます。

予定通りデッキの強さがハチャメチャであり、初戦は先手1T目に時間のねじれ3回打つなどの暴虐も行い、ほとんどの試合を『先手か後手1T目』に勝つことができました。強かった。


9-3:結論


『ドローカードを一杯取れることを夢見て複数回挑戦しましょう』
です。
他の競技と比較すると運が占める割合が極めて大きく、リラックスして複数回挑戦できるのが一番かなと思います。
運ゲーとはいえ、テクニックや知識で勝率を上げれる部分もあります。
まず『カードテキストを良く読もう』です。プレイ時もピック時もですね。普段使わないカードばかり出てくることになると思いますし、また普段と状況が全く違います。『マナコストが重く他のカードと併用できないから弱いサーチ/回収カード』や『特殊な状況でしかコンボしないカード』などがあります。既に挑戦失敗された方などはもしかすると特殊なパワーカードを見逃してしまった方もいてしまうかもしれませんね。例えば『ゴブリンの放火砲』は普段であればあまり使いづらいカードですが今回は別です。『山札に土地が無い』状況では山札枚数分のダメージが入るからですね。つまり今回は必殺のカードです。そういうカードそこそこありますね。他にもコンボですでに活躍している「アサーラック」などもよく見ると普通に1枚で勝利できる無限コンボです。テキストを読もう。
次に『打消しの使いどころを考えよう』です。原則としては相手の『複数枚ドロー』に打つのが基本ですが、よく見るとコンボパーツなどを通されていることもあります。これもカードテキストを良く見るといいですね。
更に『5マナの使い方を意識しよう』があります。勝手に5マナ出るので、これを使わないのはもったいないです。起動型能力持ちのカードでも臆せず取るべきでしょう。とはいえ、所詮5マナしか使えません。『同じ色マナを要求するカードの採用数を絞る』『デッキ全体で血トークンや調査トークンの発生数に気を配る』などがテクニックになりますね。
また、「マリガン」を積極的にしましょう。この競技では「フリーマリガン」が行えます。1度だけ手札を減らさずにマリガンができますね。これはいうなれば「手札3枚のカード全部サイクリング」しているようなものです。よって、「1ドロー」できるだけのカードがあるだけのハンドはフリーマリガンを積極的にするべきですね。やってること変わらないので。打消しや2ドロー以上になるカードがあったらキープです。自分のデッキが強いほど、マリガンは積極的にやりましょう。
最後に『あきらめず、頭を柔らかくする』です。とにかくこのゲームでは様々な見たことないシチュエーションが登場しますし、デッキに入っているカードも40枚もあります。一見詰んだように見えたシチュエーションでも思いがけず無限コンボが見つかって逆転といったようなことがあります。とにかくできるだけ自分のデッキのカードを把握し、何らかの相乗効果がないかその場でも良いので把握しましょう。


第10競技:最先端

最後の競技は新年にふさわしい『最先端』です。直近3セットのみのカードを使用してのBO1構築フォーマットになります。つまり『ニューカペナの街角』『ドミナリアの団結』『兄弟戦争』ですね。今秋のローテーション後の環境のちょっとした先取りにもなります。


10-1:事前思考

繰り返しの宣伝にここでなってしまいますが、冒頭でも紹介した山辺カフカさんの記事にて、『使えなくなる重要カード』がまとめられており非常に参考になります。是非そちらもお読みください。

さて、基本的にはこういう環境は全く見たことが無いデッキが生まれるというよりは『現在スタンダードで使えるデッキのうち影響が少なく再現できる』デッキを探す場になります。
以下のいくつかのデッキを自分で使う、あるいは環境で使われるデッキとしてリストアップして整理していました。

・『青白兵士』
最大候補だとあたりをつけていました。ほぼほぼフルパワーです。そのうえで『並べて全体強化して殴る』だけのデッキでありプレイも非常にシンプルかつ分かりやすく強力で、多くのプレイヤーが選ぶ選択肢になりえると判断しました。このデッキになすすべがないデッキは選択肢に入らないと断じたほどです。

・『赤青パワーストーン』
上記に対するわかりやすい対抗馬ですね。兄弟仲の終焉を用いることで相性を有利にすることができます。
ただし、こちらも鏡割りの寓話を失ったダメージが甚大です。デッキの安定化に大きく貢献していたからですね。特にルーティングが。それを失った今『プレイできないカード』を多く抱えるデッキになり下がることもあり、また肝心の青白兵士相手も『兄弟仲の終焉を引けなかったら負け』といえるものであり安定するとは思えませんでした。そのため筆者はとしては候補から早々と外しています。パワーあるプレイができるので完全に0ではなかった、程度ですね。
ただしわかりやすく派手なデッキであるため使用率は青白兵士と2分すると思っています。

・『黒単アグロ』
スタンダードでも長く強力なデッキタイプであり、もともとあふれるくらい採用候補があったため相対的にダメージが少ないと判断しました。しかし青白兵士相手への致命的な有効打が無いように感じ、使用にはためらいがありました。
世間的にも『パーツが落ちてパワーダウンした』イメージが強そうであまり採用が伸びないかなと思っていました。微調整難しいですし。

・『白単(系統の)天使』
元々ニューカペナの『ジアーダ』を軸に構成されたデッキであり、デッキパワーの低下は低いですね。環境最強除去と思われる軍備放棄が無理なく採用でき、また中盤以降『全体除去』『リソース再利用』『絆魂付与』『大型PW』『大型耐性付きフライヤー』と幅広いパワーカードを有しています。
しかしこれも例によって青白兵士への勝率が未知数と判断し見送りました。候補には3番目くらいで残したイメージです。


・青単テンポ
これもスタンダードのカードからあまり欠けが無いですね。もともと筆者は秘密を掘り下げるものは不採用派でしたし。ただしこれは本当に青白兵士が厳しいと思いました。後手を取った瞬間オートルーズにも見えました。そのため候補に残っていないです。


これらを踏まえて筆者が使用デッキに求めた条件は『青白兵士に有利な構造を持っている』『赤青パワーストーンランプにたやすく踏みつぶされない』でした。おまけで黒単にも有利になっておこうですね。
結果眼をつけたのが『イゼットコントロール』です。パワーストーンに依存せず、全体除去の追加して『時の火炎嵐』を採用してビートダウンデッキ相手にさらなる耐性を付け、打消しでバックアップした『海蛇』『テフェリー』で勝利するデッキです。

10-2:挑戦と奮闘

最終的なデッキはこちらです。最初に見つけたデッキと比較していくつか微調整と発見をしていますね。いくつかポイントを並べます。

フィニッシャーとしてのテフェリー&海蛇:どちらも遂行力が高めで、防御的にも使えるためこの2種だけでいいと感じました。
銀の精査の増量:これ打たないとじり貧で負けました。4です。
情報収集の不採用:元々入っていましたが、悠長なドローをしている場面が少ないと感じて0にしました。銀の精査を増やしたかったというのも理由です。
勝利の炎:元々入っていない形でしたが必須カードです。シェオルドレッドの処理手段を少しでも増やすため&インスタント除去を増やすためですね。
散乱光:パワーストーンランプを意識しての採用です。

青白兵士に勝てるという条件を満たしながら黒単には兄弟仲⇒その他除去⇒テフェリーの流れ、青赤ランプには打消しベースの立ち回りで有利になれそうでした。
実際に挑んでみたところ5-3,3-3,5-3となってしまいました。致命的に負けたわけではないものの思ったよりも振るわず、また最初の見通しと違う点が環境的にもデッキ的にも見つかりました。

・思ったよりもデッキが多岐に分かれている
青白兵士と赤青のツートップではなく、黒単、白単、青単も十分存在しほぼ同程度の比率に分かれている混沌とした環境だと思いました。
⇒結果としてデッキの半端さが露呈した。どの相手にも勝てるプランがあるように見えて、特定のタイミングでカードを引かないといけない相手が多かったです。青白兵士は意識した分比較的マシですが、白単には速やかにテフェリーを着地するか銀の精査⇒火炎嵐と引けないと相手のパワーカードにのまれやすくそれをしても打消し漏れたパワーカードがきつい、黒単はとにかくシェオルドレッドがデッキ全否定レベルできつい、パワーストーンランプもこちらに無駄カードが多くマイトストーンとウィークストーンが通るとそれだけで負けると、勝ちパターンと同様に負けパターンもそれぞれ存在してしまっていました。

・デッキ強度が低い
上に関連しますが、『相手を捌くこと』をちょっと意識しすぎています。自分から勝つ時間帯が遅く、結果として『かみ合いがずれて負ける』を引き起こしてしまっているように感じました。

・銀の精査が足りない
1回打った程度ではゲームに意外と勝てませんでした。これはかなり予想外ですね。

・シェオルドレッドが強い。
元々『この環境はシェオルドレッドが場に残りやすく強いのではないか』という仮説は立てていました。それに応える形で『処理できるカード』を増やして臨んだつもりでしたが、それでも限定的な対処になってしまいがちで、相手に先手で連打された場合などに追いつきませんでした。しかも着地するとテフェリーも銀の精査も弱くなるのが厳しかったです。

デッキとしては勝てないデッキではないと思いましたが、1番の理由である『どの相手にも結局互角に近い焦眉になってしまう』を原因にデッキを変えることを決意しました。ぎりぎりの戦いが多く精神的な消耗や『イライラする負け方』も多かったためです。

次に選んだデッキは『黒単アグロ』でした。
使われて改めて認識しましたが『シェオルドレッド』はプレイングやデッキ構築ミスに相性差がたとえあったとしても、この狭いカードプールでは対処できるカードの低さから極めて強力なカードであり、使わない理由が無いと判断したためです。
また、1~4マナまでに強いパーマネントが揃っており、『順番に出して勝つ』ことができるのも大事でした。勝てるときに勝ちたい、ということですね。
青白兵士は、自分では諦めましたがそれでも兄弟仲の終焉は使われているカードであり、『たまたまそのデッキに当たって負ける』ケースが7勝到達を阻害するレベルで発生すると考えました。
白単は以前候補として残していました。が、テンポのスピード面で黒単のほうが上位存在であると判断しています。
青単は自分から勝つのがやはり遠くイゼットコントロールと同じ欠陥があると思いましたし、パワーストーンランプも実際相手してみたら寓話が無いことによる不安定さが改めて見えたので候補外となりました。

5-3,5-3、2-2(調整したいため棄権)を挟み最終的に7-2で突破となりました。毎回改善したい点が1個ずつ見つかって、そこは楽しく取り組めましたね。


10-3:結果と振り返り


最終的なデッキは以下です。オーソドックスな形に、幾つか工夫をしていますね。

デッキ構築時点で考えたポイントは以下です

・強いカードを使いたい
 そのため、『1/2/1の骸骨』とかは入れていないです。
・ギックスはいっぱい入れる
 好きですし、明確な勝ちパターンになると思ったためです。4枚いれていました。ですが、ダブることやゲーム終盤あまり強くなかったため3に減らしています。
・パワーストーンランプと白単に強いカードを入れる
 それらのデッキはこのデッキより僅かにゲーム速度が遅いですが、振り切れるほどこちらが早いわけでもありません。結果として向こうのゲームレンジで戦わされてパワーで圧倒されることがあり得ると判断しました。そのためその2種への相性を改善するカードが必要と判断しています。
 それを実現したのが『ギックスの残虐』です。もともと『5マナ以上のパワーカード』を数枚入れるスロットがありました。ギックスの命令などが採用されていることが多かったですが、このカードはミラーマッチで非常に強力な反面、それ以外に予想されるマッチアップでは弱いかオーバーキルになるかの場面が多すぎる気がしました。代替として見つけたのが『ギックスの残虐』です。パワーストーンランプや白単が強いカード(各種アーティファクトクリーチャーやエルズペスや6マナ以上の天使)を出してくる前にこのカードでそれらを消すことができます。サーチ&蘇生も優秀であり(効果的な相手であり)相性を改善できると判断しました。
・堕落を入れる
 直前に黒単に『GG煽り』をされながら堕落撃たれてあったまってました。実際強いカードでありギックスの残虐からサーチして華麗に勝ちたかったので1枚入れています。

対戦していく中で調整した部分は以下です

・土地を増やした。
最初は24でしたが25に増やしました。何なら26でもいいです。このデッキは「アグロのようなマナカーブで動き、マナフラッド受けが多く入っているデッキ」に見えますが実態は違いました。「マナを多量に注がなければ実力を発揮できないカードが多いミッドレンジ」でした。土地が3枚以下で止まった場合が動きづらくてづらくて仕方なかったです。そのためじわじわ増やすことも視野で土地をまず25にしました。

・堕落を抜いた
だめでした。サーチしたら強いんですが、素で引いたときが邪魔すぎました。土地が24しかなかったことも相まっていましたね。

・ミシュラの鋳造所を入れた
堕落を抜いたので入れました。でも正直あってもなくても変わらなかったです。起動したいと思うタイミングは1度しかなかったです。水晶の岩屋でよかったかもしれません。

・暮影の騎士を入れた
ギックスを活かすためです。他の2マナ域はギックスを出したターン相手にブロックされる率が高すぎました。負け犬の墓地から奇襲を使う展開が少なかったため減らして、2枚入れています。

これらのポイントやデッキ構築時に意識したポイントは実際効果的な手ごたえでした。
ギックスの残虐は予定通り強かったです。想定通り白単と赤青パワーストーンランプ、そしてミラーでも存在感を発揮してくれました。パワーストーン相手は5Tに出して、3連打が確定した時点で相手が投了したりもしていましたね。実際パワーストーンランプは「ギックスの残虐でハンデスされた街並みの地ならし屋を奪われる」となすすべなくなることが殆どで相性を大きく有利にしていると思いました。
また、やはり自分から並べて殴るのが現代マジックらしくて強かったです。先手の場合は「綺麗な1~4」のマナカーブで楽に勝てる試合もありストレスフルでした。
もう一度挑戦する場合もこのリストをお勧めしますが、いかに懸念点が残っています。


・ギックスの残虐のライフルーズ
結構痛かったです。ファイレクシアの肉体喰らいを4枚にするなどで対処が必要そうです。

・除去の再考
いや再考しても選択肢がないんですよね。今のデッキだと相手のファイレクシアの肉体喰らい/鋼の熾天使に触れるカードが0であることに危機感を感じました。もしかしたら殺害をちょっと入れる必要があるのかもしれません。マジで?

・ギックスの命令
ミラーマッチにおいて実際に強いカードでした。特にファイレクシアの肉体喰らいにカウンター乗せられると、同じく命令でしか返せないんですよね。盲点でした。とはいえぎっくの残虐も十分な手ごたえがあります。残虐3か2:命令1という採用がいいと思いました。残虐のハンデスの後に全体除去が欲しいと思いましたし。

・ファイレクシアの肉体喰らい
ギックスの枚数を減らしてでも4枚にするべきかも。やはり処理が難しいカードでした。
また、赤青パワーストーンランプとの戦いにおいて、相手が出す「ファイレクシアの蜘蛛」のトークンで完成体が出せるテクニックがあり、しかもそれが勝敗を分けるレベルの影響を持ちました。増やしそう。

・リリアナ
難しいですね。増やすかどうかを考えました。パワーストーンランプや、特に青単テンポ相手は通す=勝つにつながります。両者ともにずっとプラスでハンデスしていれば勝ててしまいますね。しかしそれ以外においてはそこまで強くもないです。ミラーも結構処理されますね。そのため2枚で抑えていいかなと思いました。


他のデッキだと、先に載せた「イゼットコントロール」はもう少しメタが偏ることを感じれたり、あと一味調整することができればと思う手ごたえはありました。遺産を相続していただける方お待ちしてます。
他のデッキは黒単にパワーでやはり負けるように感じました。負けたのもほとんどミラーでしたし。あとは土地が止まっての負け。ギックスの命令を1入れてミラー意識した形がいい気がしますね。


以上でデカスロン挑戦記、すべて完了となります。
決勝戦ですが、なんと参加の猶予時間が「1日」しかありません。そのため挑戦で精いっぱいで、記事を書くところまで手が回らない予定ですね。それぞれ挑んでいきましょう。

最後になりますが二つ宣伝です。
意見交換やドラフトを一緒に観戦したり交流する場としてDiscordのサーバーを立ち上げています
もしよければどなたでもお気軽に来ていただいて一緒に活動やご意見いただければMTGAのドラフトを楽しみやすいと思います。この記事を読んでいただいたことをきっかけにドラフトを始めてみたいという方もぜひ!
リンクはこちら。

また、筆者は非公認MTGA大会『まじ☆すと』というものを運営しております。Vtuber/配信者/動画投稿者/記事執筆者/etcと、インターネット上でMTGAの活動をされている方を広く集めた大会になります。ぜひこちらも公式アカウントから気に留めていただけると幸いです。前回無事『新春CHAOSちゃんぴおんずカップ』を開催させていただきました。今後も大会企画をしてきますし、次は1/20,21,22『まじ☆すと ~じゅうさんかいめ~』を予定しています。是非応援いただけると幸いです。
MtGAstreamer_tournament/まじすと(@mtgastreamer)さん / Twitter
また、今回の記事は無料公開としています。が、もし記事読まれたかたでご厚意でサポートしていただける方がいましたら是非今後のMTGAでの活動や主催しているMTGA大会企画『まじ☆すと』の運営資金とさせていただきます。是非よろしくお願いします!

では次はおそらく「ファイレクシア 完全なる統一」のリミテッド評価記事でお会いすることになるでしょう。是非楽しみにお待ちください。

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