魔法少女育成計画 BLUE or RED

新台打ったらとりあえず批評家のまねごとをする恒例の回、はじまるよ~

この台は「まほいく」と略すらしい

「魔法少女育成計画」と書かれた筐体上部のパネルや液晶を見て二次元アレルギー持ちは鳥肌が立ってしまい着席する前の段階で何名か脱落してしまうのがこの台である。しかし、ちょっと待ってほしい。このアニメは「魔法少女を育てよう!」みたいなキャッキャウフフなアニメでは無い。十数名の魔法少女が良く分からないけど殺し合いをして最終的にデスゲームの主催者である偽キュウベエみたいなのが返り討ちに遭って終わるというお話である。無思慮な女がその無思慮さを棚に上げて何も考えずに勢いだけで行動した結果自分が悪いのにもかかわらず精神を病み、この世の恨みつらみを吐きながら誰の同情も得られずに死んでいく青い髪の女が出てくるような話が大好きな私には非常にうってつけの題材なのである。ちなみに原作の話はパチスロを打つ事だけで知り得た知識だが、重度のアニヲタである「とあるライター」に確認したところ大体合ってるとの返事が返ってきた。そんなわけで今回は「まほいく」だ。

なにかにそっくりな仕様の台

最初に身も蓋も無い話をすると、この台はパチスロ「ひぐらしのなく頃に 祭2」とそっくりな仕様の台である。どういった点が似て居たり異なるかを挙げた方が説明が早いしラクなのでそうさせてもらう。

  • A+ART機であり、ARTは完走型のセット数管理というのは全く一緒

  • ボナの枚数、ARTのG数、純増、リール制御などは当然違う

  • 基本的なゲームフローは全く一緒。ボナor天井CZでART突入を目指し、それのループと合間にひくボーナスとでメダルを増やす。

  • ひぐらしは基本的にビタ押しばかりであったが、まほいくは設定で異なる。赤パネル(偶数設定)はビタ押し。青パネル(奇数設定)は2コマ目押し。

  • CZが「転落回避ナビ発生率」ではなく「回避ナビ発生回数」により管理されている

  • 転落時の目押しは無く、次回CZは一律で「転落後300G消化」。

  • 機械割も違うが、技術介入によって設定1でも100%OVERなのは一緒。

書いてみると意外とあるものだなと思ったが、そのくらい両者は似ている。私は「ひぐらし祭2」をそれなりに打ち込んだし、打っていて楽しいと思える台だったので「まほいく」も導入されたら打ってみようと前前から思っていた。導入からおよそ10000Gほど回してみたのでこの台を色々批評してみようと思う。

この台は「ひぐらしのなく頃に祭2」ではない

何を当たり前の事を…と思うかもしれないが重要な事である。つまり、現在でもある程度のコアなユーザーには支持されている「ひぐらし」を引き合いに出すとこの台の正当な評価はできないからだ。「CZでやたら減る癖に40Gしかくれない」とか「異色BIGはART確定ではない」とか、相対的に見た場合にダメだと思う点はいくらでもある。だがそれはその台の絶対的な評価では無い。ひぐらしがこの世に存在しない世界であればこの評価は大きく変わりうる。ひぐらしが設置された時代とまほいくの今では周りの台の状況も異なる。よってひぐらしと比較「しすぎないように」気を付けながら書いていこうと思う。

さっそく0点をつけようと思う

というわけで着席した時点での評価は0点である。下皿が鋭角に太ももに突き刺さった。私は足の長い大男である。これでもかと足をおっぴおげないと着席する事は困難である。狭い店だと座ったが最後、立ち上がれない。下皿は無駄に1000枚入るくらいでかいが、そもそも500枚出すのが困難な台なので下皿のでかさが生きる事はほぼ無い。

ボタン類が一切ないスマホ置き場は非常にすっきりしてて良い。BETボタンが無く、2度レバーを叩くと「BET→レバー」となりリールが回る。しかしこの仕様はちょっと曲者である。まず、使ってみて特別便利な機能では無い。そして1日うった直後に別の台を打つと、別の台であってもレバーをコンコンしてしまう癖が抜けないからだ。レバー強打マンやレバー連打マンが嫌われたり目障りに思う人は割といるようで、演者がそういった打ち方をしていると大抵コメントで叩かれている。パチスロには「BETボタン→レバー→停止ボタン」をリズミカルにこなす美しさというものもあるのではないかと感じる。

カルミナ独特の「超親切設計」の液晶機能、だが…

「まほいく」をリリースしたカルミナというメーカーは「Wake up,Girls」という台で知った人も多い事だろう。この時からそうであったが、このメーカーの台は、分からない事や遊技する上で生じた疑問は全て液晶で補完できるようになっている。例えば、通常時の狙う場所、順押しや中押しの停止形、小役重複の期待度、小役確率といった台横の遊技説明に載っていそうな事は大体液晶をポチポチすれば出てくる。コンシェルジュ機能をオンにすると演出ごとに「この演出がこうなっているとチャンス」とか「この演出はこの小役が成立した時に発生するとチャンス」とか、1から10まで教えてくれる。技術介入時はどこで押せていたかを教えてくれる。また最近の台は通常時にポイントを貯めたりすることもあって画面がごちゃごちゃしている印象を受ける台が多いが、液晶のこの表示が何なのか知りたければ、その部分をタッチすれば何を示しているのか教えてくれる。知らない人にとっては至れり尽くせりの機能なのだ。

問題はこの機能を「どうやってオンにするか」だ。メニュー画面などはこれだけ盛りだくさんなだけあって様々なページがあり、ちょっとゴチャゴチャしている。そこにたどり着くまでがちょっと難しい。スマホに慣れた若い世代なら問題ないかと思うし、そういう世代しか打たないと思われる台なので大した問題ではないとは思う。台横小冊子に必要なのは遊技解説ではなくメニューの開き方、コンシェルジュをオンにする方法だと思う。

斬新な通常時 重複期待か?ALLorNothingか?

通常時に目を引く機能として、押し順によって全く楽しみ方が変わるという点がある。左から押せば通常の小役重複メインのノーマル機。小役によって期待度が変わり、演出との絡みでアツさを引き立ててくれる。チェリーなどは重複確定となる出目も存在し、一度出たら今度はどうか、いや今度こそと何度も狙いたくなってくる。一方で、順押しでは基本的にリーチ目が停止しない。というかこの台のリーチ目は、成立後に制御が崩れることでベルやリプレイがリーチ目のように止まるという仕様。リーチ目が留まった際は払い出しを良く見てもらいたい。大抵リプレイか6枚の払い出し(ベル)がある。

中押しするとそれが一転。レア役時に青BARを狙って揃わなければ殆ど非重複のレア小役となり、揃ったら重複しているという100か0かというようなゲーム性になる。この台はリールロックやタッチ演出など一見アツいと感じるような演出が豊富にあり、そしてそれらを簡単に外す演出バランスをしている。それらに一喜一憂せずに遊びたい人にはおすすめ。また、技術介入マシンという事もあり、いち早くボナ察知→入賞というのは割を維持する上では必要な技術。リリースから攻略も進み、現在では成立ゲームでSPガチャを回すことによって最速でフラグ判別が可能になっている事が分かった。ストイックに出玉を追及したい人にはおすすめ。

この両極端な2つの打ち方は、気分で変えるもよし、状態で変えるもよし。無限大の楽しみ方を模索できる。私は今のところART中以外は中押しで楽しんでいる。ここ数年あらゆる技術介入機を打ってきたため、この手の台は機械割を少しでも上げる事を徹底するのが習慣となっているからだ。


賛否両論 CZとART

さて、この台の問題はボーナス後のCZとARTだ。CZの内部仕様もひぐらしと同様に、ボーナス終了状態からベルをこぼすことでARTの突入もしくは転落となるCZに移行する。

この台のベルは左中右の3択ベルで払い出しが6枚。なのだが、ベルこぼしとなった場合に払い出しが無い場合と1枚の払い出しがある場合の2パターン存在する。CZへ移行する条件はベルこぼし+払い出し無しが条件となっている為、ベルをこぼしていても1枚の払い出しがある以上は延々コインを減らしながらベルこぼしを待つ事になる。ここが大きくメダルが減る箇所。1/2でベルをはずしたらすんなり状態移行したひぐらしを見習ってほしい点である。一方で、状態移行しないまま数十ゲーム消化するとARTストックが貰えるという保険はついている。またCZ中やART中はレア役でナビストックを獲得する抽選を行っている為、これらの状態が長い事が全て悪い事というわけではない。

さて、なんとかARTに突入したがここでもまた問題が浮上する。ARTがとにかく増えないのである。純増が悪い事もあるが、特にハズレの多さが目に付く。ART中の枠フラは「ハズレorレア役」に対応している。完走型ARTなのでボーナスが間違って揃わないようにという配慮だが、頻度が高いと目押しがだるくなってスイカをこぼし始めたりする。また純増が低いならボーナスが成立したらとっとと入賞させてしまえと思う人もいるかもしれない。しかし、ART中にボーナスが成立した時にはナビストックの特化ゾーンに突入する場合があり、入賞させるとこの機会をつぶされてしまう。設定6は純増0.2枚となっており、1セット40Gであれば8枚しか増えない計算。でも我慢して最後まで消化する必要があるのだ。当然CZで失ったメダルがART中に戻ってくるわけでもない。この「ART」なのにメダルが増えず何をしているのか分からない状態が続きやすいのがこの台でダレやすいポイント。有利区間完走しても1000枚ほどで終わるという事が起こり得るのだ。現代の台には珍しく、かなり時間に余裕をもって打ち始めないと取り切れない可能性もある上に、取り切れない時間まで打っても1000枚で終わるという事が起こる。個人的な感想では20:00以降は触らない方が得策と思う。

ボナ中は特にいう事は無い

ボナ中は技術介入に従うのみで特筆すべき点は無い。技術介入系の他のマシン同様に、指示の無い時でも目押しの練習はできる。技術介入は最大99個のナビが1回で獲得できるので失敗による損失は結構大き目。不安な人は青パネの2コマ目押しで。

結構酷評したけど総合評価は・・・?

ここまで、そこそこ悪い点を挙げてきたつもりだ。多分掲示板やまとめサイトなどではもっとボロクソに書かれていてもおかしくないと思っている。

私の総合評価は「ワリとあり」だ。

まず、ひぐらしを模したこの台の仕様に関して。そもそも導入からかなり経つものの未だにひぐらしを設置しているホールは多い。つまりひぐらしはそれなりに支持している層が居るという事。天井400で捨てられている可能性があるにも関わらずだ。つまりこの仕様自体はウケがいいのかもしれない。確かにベルこぼしからARTとか、自力で突入させられる可能性があるARTとかは5号機チックな感じがある。もちろん細かな出玉性能面ではひぐらしの方が優しいように見える。しかし、ひぐらしが殆どビタ押しが必要だったことに対してこちらの青パネルであれば2コマ目押し。2コマであれば1日打ってノーミスで打ち切る事も可能な範囲内だ。

また演出面も上下液晶で派手。リールロックで期待感を煽ったり、第一停止フリーズなどでドキっとさせされたりと演出そのものの出来は良い。勿論レア役後積極的にフラグ判別をしてくような玄人志向の打ち方も可能。

初打ちでは15000円負け。翌日の稼働で2000枚浮いたりと、このスペックの割りに波は激しい。勿論30000円が短時間で吹き飛ぶ割りに2000枚出すのに数千Gかかるので時間的な効率や投資額はむしろ悪い方の部類に入ると思う。しかし、6.5号機時代に突入しカバネリや犬夜叉などのAT機の波に比べればまったりと遊べる系の台として収まれる可能性はある。300GでCZ天井というのもあり、10000円持って遊べば何かしらのチャンスは得られる。

最後の問題 BLUE or RED

さて、技術介入系の甘い台と言えば大抵設定1放置というのが現状のホールの扱い。見た目でわかってしまうので、2台以上導入した店なら赤と青1台ずつというのが相場になっていくかもしれない。ではどちらを打つのが得策なのだろうか?

個人的には「青でいい」派だ。

技術介入100%で公称値は設定1は102.5%。設定2は103.8%。この差は結構あるように見える。しかしビタ押しが完璧なロボットのような超人ならまだしも、99.9%の人間がこの数字を出せないと言っていい。そうなれば設定2も大分1の数字に近づく。そうなってくると人生をかけて打ち切らないと、この1と2の差は収束するようなものでは無いだろう。前述したが結構長い時間ARTの消化を行ったりする場合もある為、疲労などで普段の平均成功率で目押しが出来なくなる可能性もある。よって青で長時間打つのが現状では有効な立ち回りと考える。

まとめ

爆裂AT機が主流となりつつある6.5号機の中に投じられたA+ART機という存在がホールのメイン機種になれるはずもない。しかし、純粋なノーマルタイプがジャグラー以外は鳴かず飛ばずな中でもこういったボーナスメインのタイプで遊べるのは非常に嬉しい限り。スペック面での不満点や、設定6がなぜこんな仕様になっているのかという謎も多い。終了背景やREG中の解析も出始めた。設定が狙えるとすればHOTな今の内が旬かもしれない。


今回はここまで。6.5号機になっても相変わらずパチスロというよりはメダルゲーム寄りな性能をしたAT機たちの中においては異質の存在ともいえる「まほいく」。リリースから暫く経つがいまだそこそこの稼働を誇っている様子。こういったパチスロらしい台が徐々に増えて行ってほしいと願って止まない。

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