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NHKのど自慢の本選に出場した話

まもなく年越し。そして、お正月。
とんでもなくあっという間な1年でした。
今回は年を越す前に、今年の内に記しておかねばいけないこと。こんな機会は二度とないかもしれないので、備忘録も兼ねて。また、ひょんなことから辿り着いた今後ののど自慢参加者の方の参考になればなと。
かなり長いですので、暇つぶしにでもどうぞ。


NHK のど自慢 @弘前市

2023年11月19日、弘前市民会館で行われた「NHKのど自慢」の本選に出場しました。そう、あの、誰もが知る日曜お昼の番組に。

参加を決めるまで

今回、弘前で開催されることを知ったのはいつだったかな…?
とりあえずゲストとして、わたしが10年以上ファンクラブに入ってるほど大好きで、毎年必ずライブに参戦しているあのゴールデンボンバー様がいらっしゃるということを知った日は大興奮したことだけは覚えています。

観覧は絶対申し込もう。
でも、出場はどうしよう。

実は当初、自身の出演ライブ(11/25八戸)と日程が被っていると勘違いしていて、出場は諦めていたんです。なぜなら、出場するためには「放送日当日」と「その前日」が空いていなければならないから。

しかし、そのスケジュールの誤解が解けたのは、申込〆切が迫り始めた少し経ってからのことでした。
ひとまず、昔よく一緒に金爆のライブに行ったことがある母に観覧申込をお願いし、わたしは出場するかしばらく悩みました。
今考えたら、スケジュール的にはOKだったのになんで悩んでいたのかはっきりと覚えていません。あ、いや、もしかしたら出演ライブのお誘いがあったからだった気もする。
(お誘いいただいた方へ、その節は大変申し訳ありませんでした…)

ちなみにわたしは過去2回、NHKのど自慢の予選会に出たことがあります。
1回目は高校生の時(会場は弘前)、高校で同じ部活の、めちゃくちゃ歌が上手い友人(放送後久しぶりに連絡が取れました)と一緒に制服で「ライオン」を歌った。
2回目は大学生の時(会場は青森)、まだBijouとして活動していた頃。私服でソロ出場、「Lost my music」を歌った。
(実はこれだけ予選会への参加が出来ていたことも、当たり前ではないらしい。それだけでもわたしは運が良かったんだなと思いました。)

前回出場した予選会。
知らない間に撮られてるのに、ばっちりカメラ目線決まってて草。さすがアイドル時代ですね。

過去2回も応募して挑戦しているということは、お察しの通り、のど自慢本選出場への憧れがかなり大きかった訳です。
これはたぶん、約10年前に岡山県で開催された回…水樹奈々さんがゲストの回で、ちゅるぱやを歌って合格していた女子高校生がいたじゃないですか。今、立派な声優さんになられた、あの。
当時、同じく高校生だったわたしにとっては、彼女があれだけ堂々と歌って踊って会場を盛り上げ、合格を貰い、チャンピオンに輝いていた姿が衝撃的だったことを記憶しています。そして、それをずっと憧れとして引きずっていた。当時のわたしには彼女のような実力も自信も全く無かったので、ある種コンプレックスだったのかもしれません。

今回を「三度目の正直」として、本選まで出場することを本気で意気込み、申し込んだのは〆切の2日前。便利なことに、前回までは往復はがきのみでしか申込が出来なかったのに、コロナ禍を挟んだ影響か、今はWebでも出来るんですもんね。ネットを使い慣れない方にとっては大変かもだけど、便利すぎてありがたい進化でした。母や友人…いろんな方から背中を押され、夜な夜な選曲をし、重要な選曲理由を考え、ぽちっと応募。

平日はOL、週末は趣味でライブハウスなどでライブ活動をしています。そんな自由奔放な私をいつも支えてくれる家族や友達、そして全国の皆さんに歌で元気を分けられたらいいなと思い、この曲を選びました。

わたしが実際に提出した選曲理由(100文字以内の字数制限あり)

そして、10月末に無事「予選会のお知らせ」のはがきが送られてきて、母に申し込んでもらった観覧も当選。万が一、本選に行けなかった時のケアも完璧に。こうして最初の準備は整いました。

「女々しくて7連発」予選会

11月18日(土) 11:45から予選会が始まりました。
そもそも予選会に出場できるのは200組のみなので、応募の時点からすでに戦いは始まっていたのですが、そこを勝ち抜いた皆さんと、予選会の観覧は自由であるため、出場する家族や友人を応援しようと来場されている方で会場はごった返していました。
ちなみに予選会の発表順は、曲名の五十音順で順番に番号が振られています。わたしは緑黄色社会さんの「Mela!」を選曲していたため、わたしは183番というかなり遅めの番号でした。

今回、予め知り合いが複数人出場することを知っていたので、とっても心強かったです。特に、弘前でシンガーソングライターとして活動している詩歩ちゃんと、弊プロダクション運営・ハカセのバンドメンバーであるツカサさん。こういうところにも、普段の仲間がいるということがとってもありがたかったです。安心できました。
詩歩ちゃんは17番と、だいぶ早い順番でしたがしっかり見届けられました。
ツカサさんは朝から姿が見えず…ウロチョロしていたら、控室で樽美酒の白塗りメイクをされておりました。笑

詩歩ちゃん🫶🏻✧︎
ツカサさん🤡
研二メイクのクオリティが高い

そして、爆笑事件はわたしの順番が差し迫る頃、ステージで待機している時に勃発。

ゲストが金爆さん故に「女々しくて」を選曲した方が数組はいるだろうなと予想していたのですが、意外なことにそれを装いだけで判別できる方が、タミTを着た方と白塗りをしていたツカサさん以外、居なかったのです。
だから、もしかしたら2組だけ???と思っていたのも束の間、本選にも出場した中学生の男の子3人組からそれは始まりました。

"怒涛の「女々しくて 7連発」!!!!"

次々と続く「〇〇番!女々しくて!」に、会場は大爆笑。徐々に盛り上がりもヒートアップしていき、最後の方にはカメラマンの方も動きが激しくなっていました。笑

……皆さんお気づきでしょうか。予選会は曲名の五十音順です。

わたしが歌うのは緑黄色社会さんの「Mela!」
そう。残酷なことにわたしが、この「女々しくて連鎖」に終止符を打たなければいけなかったのです。

いよいよやってきたわたしの番。
会場内の「さすがにこの子は女々しくてじゃないだろう」と「いや、この子も女々しくてかもしれない…」という相反する2つの空気を感じながらわたしはいつも通りに発声。

「183番…Mela!」

直後、何故か会場は笑いに包まれ、なんだかすごく温かかったです。
わたしはとっても美味しい番号をいただいたなと思いました。

わたしだけに課された課題

実は、金爆ファン歴13年ほどになるわたくし。
ファンクラブも入って11年になり、毎年全ツに参加しています。

ちなみに、2024年は盛岡公演に参戦します🙌

2016年の全ツ青森。親友ちゃんと参戦。
懐かしい。
2023年の全ツ宮城。弟と参戦。
終演後、ずっと「研二の筋肉がすごい」と語ってた。

ファンである期間が人生の半分を占めるくらい大好きな人達が地元で開催ののど自慢にゲスト??????
そりゃもちろん、何も考えないで歌えるならご本人たちの曲(「じれったい」「煙草」「切ないほど」(個人的金爆カラオケ十八番より一部紹介))あたりを歌いたかったさ…
でも、女々しくてとまでいかなくてもそこまでメジャーではない金爆楽曲の選曲は割とマジで考えたりしました。(実際、予選会では「人間だ」と「ガガガガガガガ」を歌っている方がいました)
しかし、今回は応募する時から決めていたことが1つあったんです。

それは「ファンであることを出さない」こと。

とにかく、とにかく本選出場を果たすためには、
・自分がどんなキャラクターなのかをはっきりさせる
・選曲と見た目でそのキャラクターを表現する
・それ以外のデータは蛇足になるから出さない

いくら自分の大好きな人達がゲストだろうと、あのステージ上では私は私でなくてはならないし、そこまでやりきる覚悟を持たないと、本選には選ばれないよな…などと妙なプロ意識を持っていました。
そう、今回の全出場者の中で、おそらくわたしだけに課された課題がこれだった。ファンを隠すこと。

だからこそ、今の自分を最大限に際立たせられるだろうと自信を持って選んだのが「Mela!」。
この曲がのど自慢をよく観ている方の間では「禁止曲」と呼ばれていることも知っていました。そりゃ毎週のように番組を観ている人からしたらすぐ飽きられるだろうけど、逆を返すとそれくらいみんなが知っている歌だということ。会社員とシンガーの二足の草鞋を履く女として、分かりやすい「肩書」を背負って出るのにぴったりだったと思います。(もちろん、Mela!はずっと好きな曲で、以前はライブでも度々カバーさせていただいておりました)
しかし、かなり歌われているはずこの曲ですが、実は今まで合格者が出たことがなかったのです。そんな情報までキャッチできるインターネットってすごいね。そこもちょっと個人的にはアツいポイントでした。

さて、メインの話からブレてるし、長々と必要ないことまで語ってますが、簡単にまとめると「自分が何者なのか」をはっきりさせられる選曲と選曲理由と衣装で挑むことが大切だと思いました。のど自慢もれっきとしたオーディションだし、過去何度も様々なオーディションを受けてきて学んだことが活かせた気がしました。

予選会終了と結果発表

予選の審査結果が出るのは予選会終了後1時間後。
その間は、予選出場者限定でステージで写真撮影タイムが行われました。
これ、わたしが参加した中では初めてだった気がする…前回とか前々回とかのこの時間のことが全く記憶にないのもあるけど…

ステージセットで記念撮影。これだけでも楽しい。

結果発表の時は、隣に詩歩ちゃんがいました。
「知り合いで誰か一人でも本選に行けるといいねー」なんて話をしていた気がします。ダメならダメで、わたしは明日の席も確保してるし~なんて、しっかり心に安心感の保険をかけて、結果発表に臨みました。

本選出場者の発表順は、予選会での番号が小さい順からなので、最後の最後まで全く気が抜けなかったです。
でも途中からある予感がしました。
それはまるで「馬券が当たる時」のような、出走直後から良い位置についた本命馬が、途中一瞬だけ雲行きが怪しくになるも、最後は差して見事1着についたレースのような予感。

わたしは予感の種類が嗅ぎ分けられる。そして、それは大体当たる。
まさに今回は「良い」予感がしたタイミングがあって、それは女々しくてを演った中学生3人組が呼ばれたあたりでした。「やばい、これ、来るかもしれない」と。

そして呼ばれたのでした。
全ての荷物を持ってステージに。その後は19時くらいまで、翌日の説明とスタッフさんとの面談がありました。
ここでは改めて詳細なプロフィールシートを書いて、出場者自身を深堀する作業を行います。
なんだか、高校の部活を思い出しました。アナウンス原稿を書くために取材してまとめる作業を。

面談が終わったわたしは母に迎えに来てもらい、母とそのまま100均に寄ってデカいうちわを買いました。母は夜な夜な、人生初めてのうちわ作成。目の前で自分の親が自分の名前が書かれてあるうちわを作る光景は、とても不思議な感じがして、むず痒がった。

放送日当日

翌日の集合はAM7:30。放送は12:15からなのに何をそんなにやることがあるのだろうと思う方も居るかもしれないが、もろちんリハーサルです。生放送だし、細かいところまで練習して念入りに確認します。
出場者のリハーサルを一通り(そもそも20組いる訳だからそりゃ時間もかかるわな)終えてから、そのままゲストのリハーサルに入りました。

まあ、いらっしゃるわけですよ。ご本人たちが。

普段は観客として観ている方々のライブのリハーサルを観られるなんて、ファンクラブに入っていても簡単に観られるものではありません。これだけでもかなり大きな収穫でした。初めてあんな近い距離で見た…

ちなみにですが、歌広場さんには今年の4月にお会いしていました。青森市で全ツの宣伝にいらっしゃっていたんですよね。追いかけて追いかけて、恐れ多くもお写真を撮っていただきました。その半年後にこうやって共演するなんて誰が想像しただろうか………

振りケツ青森公演の宣伝でいらっしゃった時
この時、朝から晩まで写真撮影もサインもタダで対応していて寒い中本当に凄いなと思いました。
復活後の久しぶり淳さんに会えて嬉しかった。
淳さんはリハも本番中も気遣いの塊でした。
この日、わたしのお客さんがTwitterに上がっていた写真をわざわざチェキに現像してサインをもらってくれていました。まじ感謝。

ゲストのリハを終え、出場者は控え室に戻りお弁当をいただきました。ちょっとだけ食べた。全部は食べなかった、さすがに。

そして、本番はあっという間にやってきました。
次第に緊張とワクワクが高まり。最高に楽しかった記憶しかない。でもその中でも特に印象に残ってるのは、会場入り前に出場者全員で組んだ円陣。
この時「のど自慢は本当に、みんなで作り上げる番組なんだな」と改めて実感しました。この日の出場者はもうすでに1つのチームとなっていて、それがとても新鮮な経験だった。

その後は皆さんがご覧になった番組が全てです。

ありがたいことに目標だった「合格の鐘」を鳴らしていただけて、無事合格となりました。
チャンピオンにはなれなかったのですが、それだけでもこの先の自信に繋がる1つの出来事に確実になった気がします。
とにかく放送後もハイだった記憶があり、なんとか理性を保っていたような。こういう時にうつつを抜かすと大変なことが起きることは重々承知だったので。実際、帰り際にスタッフさんが全体に向けて仰っていました。「家に無事に帰るまでがのど自慢だ」と。
実際わたしのハイ状態は1週間続き、金欠なのにも関わらず、勢いで年末ジャンボを買うなど、案の定ハイによって後悔することはちびちびやらかしました←

今見ても夢みたい。
大好きな人達がわたしの歌を聴いてくれていた時間があったという事実。中学生の頃の自分にこんな未来が待ってるよって教えてあげたい。

放送後の反響

とにかくたくさんの反響がありました。
Twitterを見ていると、普段から応援してくれている方はもちろん、全く知らないであろうテレビを観ただけの方がわたしのことをツイートしてくださっていたのが嬉しかった。
ちなみにTwitterのエゴサに飽き足らず、5ちゃんねる?の掲示板まで見ました。特段 酷いことは書かれていなかったです(笑)
まぁもちろん、わたしのような俗に言う「セミプロ」という枠をよく思わない人は一定数いますね、どうやっても。それはそれで「あなたの感想」なので良いと思いますし、世の中にはいろんな人がいるっていうのも分かるのがこの番組の面白さだとも思いますし。

個人的に1番嬉しかったのは、長く連絡が取れていなかった高校の同級生と連絡が取れたこと。
学生の頃の友達って、よっぽどな理由がないと連絡しづらくないですか?(あ、わたしだけですか?)
やはり、開催地が地元だからという理由で何気なく観ていたら知り合いが出てきた、なんて流れの人が多かったです。そのうちの1人は12/29の仙台ライブに来てくれたりしてめちゃくちゃ嬉しかった。止まっていた時計が動き出したような感覚になりました。

本選出場が決まった晩に、祖母が親族に電話をかけまくっていたので親族からもたくさん「観たよ」の連絡がありました。最近だと、たまたま会った実家の近所の人とかからも「合格おめでとう!」って言われました。皆さんありがとうございます。あと、「泣いた」っていう感想も散見されたのがなんか嬉しかったです。

思ったよりも1番反響が無かったのが会社でした…笑
たまたま観てて気付いて、月曜日にわざわざメールをくださった方もいましたがそれも2人くらい。みんな普段は何もなきゃのど自慢を観ないみたいなんですよね。だいぶ後になってから噂が広まって「出てたんだって?」って言われる方が多かった。

のど自慢に出てからの変化

結論、大きくは何にも変わっていません。
しかし、あの日は確かに「想像以上に自分を観てくれている人がいる」ということを体感した日でもありました。
わたしたちは普段、ライブハウスという一般人からしたら閉鎖的な空間でライブをしています。そして、慣れていない人たちからするとライブハウスに行くということ自体、ハードルが高いとよく聞きます。
いつもライブで、目の前で直接歌を聴いてくれる人は、テレビの視聴者と比較したら本当に僅かです。いつもありがとう。
でも、わたしにはこんなにも応援してくれている人がいるんだということを有難いことに再認識できました。影ながら見てくれている人、ありがとう。

今後、今回の「のど自慢に出た」という名刺は自分からは多用しないと思いますが、さらにより多くの方に普段のライブを観ていただける機会が作れるように、そしてライブハウスに来てもらえるよう精進して参ります。

のど自慢は老若男女、様々な世代のかたが出場されます。弘前大会はやはりキャラが濃くて、出場者側から見ても神回だったと思います。そんな回に出場できたことは一生の宝物です。

あらためて、たくさんの応援・ご視聴ありがとうございました。どうか、皆様の記憶にもずっと残っていますように。

本選出場者だけがもらえるのど自慢盾

【今後の目標】
またいつか金爆兄さんたちと対バンするぞ!

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