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<だからzoojoが聞きました!> ビールのお供に動物園?「BREW AT THE ZOO」の裏話・前編

ゆっくり動物を眺めながら、ベンチに座ってビールを1杯。大人だからこそ味わえる「動物園の楽しみ方」の1つです。動物園でお酒は買えないのでは?と思っている方もいるかもしれませんが、実はお酒を販売している動物園も結構あるんですよ♪ zoojoも、お気に入りの動物園ビールスポットがあったりなかったり(笑)
昨年10月には、「お酒が飲める動物園」の1つである千葉市動物公園で、クラフトビールのイベントが開催されました!残念ながらzoojoは情報をキャッチしたのが一足遅く、イベントには参加できなかったのですが、「動物園でクラフトビール?しかも千葉?」「なにこのポスター!Tシャツ!かわいい〜」と3人でサイトを見ながら大盛り上がり。どうしても企画の裏話が聞きたくなって、担当者さんへ突撃取材してきました。

お話を伺ったのは、千葉市動物公園 管理班 主任技師・進野 裕規(しんの ひろのり)さん。クラフトビールイベント「BREW AT THE ZOO」の企画運営を担当されました。

動物園で、地元のクラフトビールを飲めるように

zoojo(以下Z):「BREW AT THE ZOO」はどのように生まれたんですか?
進野さん(以下S):市長への手紙っていう、WEBサイトを通じて市民からの要望を市長に出そうというツールがあって、そこに「千葉市動物公園でも、地元のクラフトビールを飲めるようにできませんか」と投稿があったのがきっかけですね。もともと僕自身もビール好きで、千葉市の姉妹都市であるヒューストンのビールを、千葉で飲めるようにしたいなって密かに考えていたりしました。僕と、千葉市のNPO法人で活動している方、千葉市出身のイベントコンサルタントさん、千葉大の学生9人、あとコピーライターさんが主な企画メンバーです。
Z:おおー。やはり、多様なメンバーが集まっていたんですね。デザインひとつひとつが、洒落てるなぁと思ってました。
S:そう思いますよねー、すごいんですよ!千葉大の建築学科の学生さんがデザインを担当してくれました。
Z:てっきり、デザイン専攻の人が担当しているのかと思ってました!
S:ポスターに関しては、メンバーの力を借りてほぼ出来上がったんですが、何かキャッチコピーも書きたいよねって話になったんです。でも、全然思い浮かばなかったんですよ、社会人3人と学生9人では。そこで最後に、知り合いの雑誌ライターさんに相談したんです。千葉市動物公園にも来たことあると聞いていたので。そうしたら、「シラフの状態で見たら素通りしてしまうような動物も、ちょっとアルコールが入って、ほろ酔いでゆっくりじっくり見れたら、その動物の知らないところに気付けるだろう」ということでこのコピーをご提案くださいました。

▲ビールグラスと動物のシルエットがかわいいポスター。キャッチコピーがすてき!

S:このキャッチコピーができたことで、イベントの魅力がぐっと伝わりやすくなったなと思いました。あとは今回、千葉に本社のあるZOZOさんに協賛していただいたのですが、Tシャツも作ってくださることになりまして。ただ、デザインの納期が結構迫ってたんですよね、1週間で6デザインという(笑)
Z:厳しい!(笑)
S:これも千葉大の学生さんがすごく努力してくれました。そしてこちらが提案したデザインを、ZOZOTOWNのデザイナーさんが厳選してくださって。
Z:それは学生にとっても良い経験になりますね!
S:そうですね、楽しんでもらえたかなと思います。
Z:あのフクロテナガザルのTシャツとか、かわいいー!って3人で盛り上がってましたよ。イベントがない日にも動物園で売っていいんじゃないかって思うくらい。
S:ありがとうございます。今回の運営資金は、千葉にゆかりのある企業からの協賛金に加えて、クラウドファンディングでプロジェクトも立ち上げました。締め切り前日までは雲行きが怪しかったのですが、最終日に一生懸命告知して、なんとか最後のひと押しで目標金額を達成することができました!最終的には達成率120%くらいかな。

▲リターンには、ビールを飲まない方に向けたプランや、園長さんと1日過ごせるレアプランまで用意!

S:今回のイベントは、外部の人とうまく連携したからこそ成功できたんだと思います。他にも、千葉駅の駅前広場で普段マルシェをやっている方々からおしゃれなテーブルをお借りしたり、イベント運営の経験がある方にアドバイスをもらったり。それと、やっぱり音楽でしょ!と思って、千葉で知り合ったアーティストさんもステージに立っていただきました。
Z:音楽があるだけで会場の雰囲気が変わりますもんね。
S:「BREW AT THE ZOO」ってもともとアメリカでやってるイベントなんです。海外での開催風景を見てみると、音楽が奏でられていて、ライブを聴きながらビールを楽しんでいるんです。千葉市動物公園では夜の開催は設備的に厳しいので、日中だけの開催なんですけど、音楽はやっぱり欠かせないなと思いまして。

▲オリジナルTシャツはZOZOTOWNにて限定販売

飲んだ分だけ、ビール代は動物に寄付される仕組み

S:千葉市動物公園って入園ゲートが3つあるんですよ。モノレールで来た人は正門から、車で来た人は西口か北口からの入園になります。お客さんの入園ルートの割合は、正門が2割で、西口と北口が8割。つまり車利用者が多いんです!モノレールの駅もすぐそばなので便利だとは思うんですけど。ということは、お酒は飲めないじゃないですか!クラフトビールのイベントを通常の土日に開催しても、これではビールを飲みに来る人が全然いないと予想されたので、今回のイベント開催日は、ある程度の入園者数が見込まれる無料開放デーに合わせることにしました。
それと、飲んだ分だけビール代が動物に寄付される仕組みが作りたかったんです。僕自身も、妻が授乳中で飲酒できない時、自分だけビールを飲むことにすごい罪悪感があったので、「売上金の一部は動物たちのために使う」ということにして、お父さんたちの罪悪感を少しでも緩和できたらなと思いました。
Z:そもそも、これまでは動物園内でアルコール販売はしていたんですか?
S:あんまり知られてないんですけど、実は大手のビールはもともと売っていて。
Z:知らなかった!
S:たしか20年前くらいから、粛々と売り続けていて。なのに全然知られてなかったんですよ。海外の動物園だと、10種類以上のクラフトビールが飲める店舗があったりするんです!初めは、千葉市動物公園の常設店でもクラフトビールを販売できたらいいなと思ったんですが、そもそもうちでは普段あんまり売れてないんですよね、ビールが。ビールってすぐに悪くなっちゃうものなので、このままだと常設への導入は難しいねという結論になったんです。普通はそこで諦めるのかもしれないんですが、クラフトビールのニーズがどれくらいあるのか把握はしないといけないなと思って、まずはイベントからやってみることにしました。
Z:「お酒が飲める」を売りにしている動物園って他にないので、いいアピールポイントになるんじゃないかなって思います!
S:「BREW AT THE ZOO」は自分がビール好きなのもあって開催したイベントだったんですけど、当日は僕自身はビール一滴も飲めなくて。ビール飲んでる同期を見かけて、すごくうらやましかったですね(笑)
Z:イベント当日は、実際にはどれくらいのお客さんがいらしたんですか?
S:10/20,21の2日間にわたって開催したんですが、初日が7200人、翌日が9300人くらいの入園者数でした。通常の休日の1.8倍くらいかな。いつもよりはモノレール利用のお客さんも多かったですね。

▲イベント当日に配布されたマップは、動物園の広報職員が原案を考えて、千葉大の学生がデザインしたというコラボアイテム。ほろ酔いだから楽しめる、ちょっと大人な動物ネタが満載♡

クラフトビールは見事に完売!

S:「BREW AT THE ZOO」はクラフトビールを扱うお店は1日目が4店舗、2日目が3店舗だったんですが、この店舗数を集めるだけでも苦労しました。
Z:全て千葉でつくられたクラフトビールですか?
S:千葉でお店を出している方々にお声がけしたり、あとはクラフトビールの輸入会社さんにもお願いして、動物がパッケージにデザインされているビールを販売してもらいました。食べ物系のお店もあって、飲食店は2日間で計12店舗が出店しました。
Z:結構バリエーションがあるように感じますね。
S:そうですね、食べ物は比較的いろいろ種類があったように思います。でもクラフトビールは全然足りなくて、結果的に言うと。2日目は13:00には全て売り切れちゃって。
Z:おーすごい!!!!
S:朝9:30から16:30までやるイベントなのに、13:00でビールが売り切れちゃって、あとの3時間半どうすんだって感じだったんですけど(笑)
Z:事前に知ってたら私たちも絶対行ってたのに!と思ってました!!直前に知ったような形だったので、残念ながら、、
S:まぁ告知期間も短かったんでね、企画から開催まで2ヶ月でつくったイベントなので。千葉市内での告知活動に精一杯でしたね。
Z:来年もぜひ開催してください!動物園でビール飲みたいです(笑)

▲ビールイベントといえばコースターでしょ!ということで、こちらも飼育員さんと千葉大の学生さんのコラボアイテム。臭いに反応して唇を引きあげる「フレーメン顔」の動物たちが描かれたレアグッズ!

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BREW AT THE ZOO」にご尽力された進野さんは、実は一昨年までは全く別の部署にいたのだとか!千葉市動物公園への異動が決まった時の心境などとともに、インタビュー後半では「動物園」に対する想いも伺いました。後編の記事リリースをお楽しみに!

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