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農業の暗黙知を集積・体系化するコミュニティサービス 「アグリパッド」

突然ですが、アグリパッドというサービスを作るよ!というのを綴ってみた投稿です。
農家さんのための、
農家さんたちが作るコミュニティサービスです🥕

あれ、これまでしていたアクアポニックスは?と思われた人もいるとおもいますが、ちゃんとアクポニも続けています。がっつり地球つくっています。これからの自分と会社とアクアポニックスの在り方はこちらに詳細書いたのでお時間ある方読んでみてください。ちなみに2019年4月から大阪の海遊館でアクアポニックスを展示するのでこちらもまた時期がきたらリリース出します。

話を戻して、今からここに行き着いた背景やサービスの内容を全て書き出します。自分の思考整理も込めて、そして誰かからお叱りやご意見、そしてハートウォーミングなコメントを頂戴できるかもしれないという期待を込めてアグリパッドに込めた想いをさらけ出します。
(ちょっと長めになります...ご容赦を🙇‍♂️)

【前提と背景】 そもそも__

AI(アグリインフォマティクス)農業をご存知でしょうか?
アグリインフォマティクスとは簡単にいうと、農家さんのこれまで勘に頼られてきた日々の作業の知恵やノウハウをICTを活用して集積していこうよ。という新しく提唱されている農業の形です。

「AI(アグリインフォマティクス)農業」とは、最新の情報科学等に基づく技術を活用して、より高度な生産・経営を実現させる農業を指す。当面は、マニュアル化が困難な農業生産の技術やノウハウ、農作物の状態、生育環境等に係る様々な情報を、一定のルール、フォーマットに基づきデータ化し、多くの篤農家等の農業者を対象に、複数年次のデータを蓄積する。これについてデータマイニング技術等を用いて解析することにより、農業技術の改良を目指す農業者等に対し、それぞれが目指す方向に沿って適時にアドバイスを行うコンピュータによる意志決定支援システムを中核に据えた農業生産技術体系の確立を目指す。
引用:農林水産省「AI農業の展開について」

これからはAI農業が重要だと叫ばれて数年が経ちましたがそんな動きありましたでしょうか?否、ありません。(私の記憶では)
実際のところ、実現への道のりはそれは遠く、険しいのです。集積するまでに時間がかかるし篤農家さんにARグラスみたいなのを装着させて目線を追うってそれ解析にも時間かかりすぎるだろうと思う。その熟練の技をデータ化しストックすることで新規就農者への支援だとか、海外の新興国へ教えるなど国際協力への用途などが考えられるが、それって農家さんのこれまで培ったスキルが搾取されると懸念され兼ねない。カーリングチームで騒がれた韓国いちご問題からみても、先代から培ってきた知恵を無下にされることは農家さんにとっても当然よく思わないのである。

それだったら自分たちで農家さんの暗黙知を形式知に変換して世界最高峰のアグリペディアを作ろうではないか!と思ったが、まず農家さんって何が知りたいんだろう?から始まった。

考えていくと、日々の農作業の中の作付け計画から始まり、種まき〜収穫まで工程は様々だがその中のちょっとした先人の知恵やTips(ワンアドバイス)が欲しかったり共有したかったりするのかなと仮説を立てている。少しずつ顧客インタビューを重ねているが、現段階までで分かるのはどうやら崇高なテクニックが欲しいわけでもないようだ。
それじゃあ何を欲しているのか?それは、

「そうそう〜!!それそれ!!!それ大変なのよね〜」
「え、◯◯さんのとこそんな風にやってるの?へえ〜〜!!」
「ちなみにうちはこうこうで〜、こっちも試してみて良いかも〜!etc...」

つまり、日々の出来事や最新情報がカジュアルに行き交う井戸端会議のイメージである。また、お互いでそれらを共有しあうことで生まれる柔らかい繋がり。これこそに価値があると思う。だからこそ、そんな空気感を農家さん向けに作ろうと思った次第である。

【サービス】 何をつくるかというと.

コミュニティサービスを作りたいと思いました。

ですがコミュニティを形成すること自体が目的ではありません。アグリパッドは一つの機能であり、最終的には農業者総合支援プラットフォームと形を成します。しかし全てを一気にできる訳ではないので、まずはアグリパッドからスタートします。

ゴールは「農業の知恵・ノウハウを集積、体系化し、農の多様性を未来永劫残す」ことです。

ここでの目指したいテーマ、というか空気感は「築論」です。築論という言葉は造語で、アグリパッドの開発にも協力してもらっている方が提唱された言葉です。文字そのままで、「論」をみなさんで「構築」するのです。議論や討論だとイエス/ノーの結論に向かいやすい(イメージ)し、一つの意見を片側から一辺倒に主張するような風潮のもとどちらかの意見が正しい、という結論にさせたくはありません。このご時世に皆さんが全く同じ考えなんてことはあり得ません。隣と違うことを考えることが当たり前の世界なので、コミュニティ内の意見やコメントに対していいね!とか有益なコメントを積み重ねていく必要があると思います。単にコミュニティを成すスペースであればFacebookグループでも十分だと思うのですが農家にとってより良い環境、そして関連事業者ともフラットな関係で取引ができるような形を作りたいので、コミュニティ形成をしつつ農業関連事業者へのスペースも作り(あくまでコミュニティメインなので邪魔しない形を優先)、ECも将来的に実装したいと思います。

最初からサービスを作るのは時間も労力も使うのでまずは主要SNSを活用しながら小さく回していく予定です。もしご興味がある方いらっしゃいましたら是非ご参加ください。

Facebook group : アグリパッドコミュニティ
Instagram : @agripad_jp 

【Howの部分】どうやって上図が回る空気感をつくるか

これが一番問われるところです。農家さんに限らず、レガシー産業全般で言えることかもしれませんが、「自分の手の内は明かしたくないけど、隣の青い芝は見たい!」という欲求があると思います。自分は教えないけど、あなたのやつは教えて!感(失礼)。しかし作りたい空気感は、githubのようなソーシャルコーディングの統一感。みんなのために、みんな作り出す文化を醸成したいのです。ではどうすれば自分の口を開き、利害なしに有益なコメントや意見をもらえるかを考えた結果、農業資材(肥料、農薬、間接資材)の口コミレビューからコミュニティへ発展させる方向性で考えてみました。加えて資材メーカーからは、インストラクション(手引き)のテキストや動画を投稿してもらい、このような使い方をしてほしいという発信を行い、それに対してレビュー・コメントをもらうことでユーザーに何か対価を渡す。その資材は最初はコメリやモノタロウなどのECサイトに紐付けし、更なる取引回数の向上に貢献します。そこから口コミから、「うちではこうしてますよ。」が農業界にとって本当に価値のある「知恵」なのでそれらをアーカイブしていく方法が小さく回せる方法なのかなと考えました。論より証拠。になので各SNSにて始めてみるので農家さんに是非とも口コミを書いて欲しい!!

Facebook group : アグリパッドコミュニティ
Instagram : @agripad_jp 

【課題】 そこに立ちはだかる壁は高い

目の前の壁は高いが、越えなければいけない壁でもある。農作物の生産額だけでみると10兆円もの市場規模がある。農業資材(資材、農薬、肥料)や流通分野も含めると約100兆円もあるのだ。世界の人口増加も鑑みれば世界全体としても一次産業の規模はより重要になり、大きくなるだろう。しかし日本に目を向けると農家の高齢化が進み就農人口も依然として低いままで、毎年新規就農者は2〜3万人で増えているが足りないのは変わりない。もっと少ない労働力で農家さんは今より多く作らないといけないのである。最新の農機を使えばいいって?そんなお金があると思いますか?全ての農家が買えなくてもシェアすることは可能だが、誰が音頭を取って購買するのかあやふやなままであれば状況は動かないままだ。ほとんどが融資を受けなければならないと思われるが民間の金融機関から農林水産に使われるお金は全体の数%に満たないのだ。政府系ファンドから出ることがほとんどだがこれのみに頼らず民間からの資金の流れも活発になるべきだと思う。

【展開】農業者が少ないからこそ横へ横へひろげる

アグリパッドは農業者の総合支援プラットフォームの中の一つの機能だと言いましたが、これには理由があります。日本の農業者の人口はすでに200万人を下回っており、数年後には150万人を割っていると思います。加速度的に農家さんが引退されて人数が減少していく中で何ができるのか?そのまま閉鎖れた世界のままにするのか門戸を開く光明を生み出すか。少なくなるからこそ、どこまでいっても現場フォーカス、農業者のための場所を作っていきたい。会社目線になりますがコミュニティ化すればサービスも横へも展開しやすいです。農業×流通、農業×保険、輸出、ファイナンス(農業版ABL等)などワクワクする新事業が多く待っています。ちなみに、アグリパッドの「知」の集積と体系化が進めることができれば、確度の高いアグリレシピを独自に組み合わせることができ、精度抜群の作付け計画を作成することができます。この確度が高ければ高いほど農業の信頼度が上がるので融資を受けやすくしたり、等ファイナンスの活用がかなりおもしろいです。今後民間の金融機関から一次産業への融資が増えると思いますので融資を判断する最適なツールへ成長させることができます。はたまた生鮮食品のEC化率に目を向ければ低い数字なので一番川上にアグリパッドが位置することで、多くの生鮮ECと連携していけるとも思います。ECサービスが多くなりすぎて判断に困らないように農家さんに寄り添ったサービス開発を進めていきたいです。

※あくまで一例です

【最後に】農業はもっとカジュアルに発信するべき

農業はもっと誰でも簡単に、カジュアルにできる存在にするべきだと思う。インターネットの世界で例えると、色んな言語が溢れかえる中でエンジニアのためのQAサイトであるQiitaの存在の大きさや、Githubのようにソースコードやプロジェクトのホスティングサービスを通して、誰でもレポジトリを自由にコピーして読み書きできる。どれを取っても成功しているサービスは圧倒的に開発者にフォーカスされたいて、そこにファンだったりコミュニティが生まれる。農業においても、ひいては一次産業全体においてももっとカジュアルに表現したい。なにも秘伝のタレのレシピを教えてほしいというわけでは全くない。そんなことすると一気に利害関係になってしまうから。そうではなくて、たとえば、ホウレン草の播種と育苗だと、セルトレー1枚につき400mlほどの水を撒く、というのを、私は知らなかったから苦労したんですよね。単に水をたっぷりやればいいんだろう、と思っていましたが、それをしてしまうと、発芽した後腐ってしまいます。
ミツバだと、タネを洗濯機で半日ほどガンガンに洗ってから種まきです。発芽抑制物質が多く、殻も固いので、そうしないと全く発芽しません。水耕栽培だとこういう情報が重宝されますよね。インターネットの海にこのような情報が転がっていますがそれを信頼あるアグリパッドに集約する、したい。新規就農者にとって方向を示すことができるかもしれないし、篤農家さんの普段何気ない作業工程が新規就農者にとっては大きな知恵になります。単に共有するだけではそれは搾取になってしまいますので機能をドンドン追加していき、一番信頼されるコミュニティにします。

このnoteは是非農家さんに届いて欲しい。

もしご興味がありましたらご参加を!
Facebook group : アグリパッドコミュニティ
Instagram : @agripad_jp 

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