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スーパーマーケットの買い物体験を変化させ、ニューリテールの形を考える。その1

 今となっては電子商取引(E-Commerce)は皆さんの生活に欠かせない、当たり前の消費行動になっていますよね。経済産業省の「平成30年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」の取りまとめによると、平成30年の日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は、18.0兆円(前年16.5兆円、前年比8.96%増)に拡大しています。EC化率は、BtoC-ECで6.22%(前年比0.43ポイント増)、BtoB-ECで30.2%(前年比0.8ポイント増)と増加傾向にあり、商取引の電子化が引き続き進展しています。これまでネット上で買い物したことない人は僕の周りにはほとんどいませんが、高齢な方で携帯をいじらない人にとってはまだまだ馴染みは薄く、日本でも浸透する余地は多くあります。またカテゴリーによっては未だEC化していない分野は多くあります。その一つが「食品」です。

日本のBtoC-EC市場規模の推移(単位:億円)

食品のEC化ポテンシャルは非常に大きい

 食品分野は物販系に属しますが、対前年伸び率で見ていくと物販系分野が8.12%(前年度:7.45%)、サービス系分野が11.59%(前年度:11.3%)となっており、これらの分野が成長市場であることが分かります。国内の物販系分野でリアル、ネット全てを含む商取引市場規模が最も大きいカテゴリー
は「食品、飲料、酒類」。2018 年で推定 60 兆円以上と見込まれており、個人消費全体の約 4 割を占める。紛れもなく大きい市場ですが、EC 化率は 2.64%と相対的に他のカテゴリーより圧倒的に低いのです。低い理由は市場規模が60兆円と分母が大きいため、ですがそれにしてもまだまだEC化の波はくると思います。

今のスーパーマーケットでは掬いきれないニーズとは

 スーパーマーケットって要は、品物が多く揃えられた箱なんですよね。箱を用意して、できる限り多くの商品を揃えて、好きなものをゲットしてね!という一方的なんですよね。あまり消費者にとって心地よい消費体験じゃないなあと思っています。良いのは立地くらいじゃないでしょうか、しかし住む場所も皆さんが駅近ではないし、自転車でカゴに詰めて帰るのか、手に持って歩いて帰るのかどちらかだと思いますが、もっと良い体験を作れそうな気がします。次に思い浮かぶのはネットスーパーだと思いますが、アマゾンが本格的にネットスーパーとしての存在感を増してくる時期になりました。

アマゾン、ライフ/生鮮食品のオンライン販売で協業

 オンラインショッピングでのAmazon Freshも進出してきましたし、海外ならオフラインをテクノロジーで解決したAmazon Goも勢いを増してきます。アマゾンはあくまで従来のスーパーでの買い物体験の不便なところをテクノロジーで解決していることが本質です。そしてアマゾンモデルが浸透し売上も伸びてくるとだいたいのスーパーがこのシステムを導入すると思います。しかしアマゾンですら十分にカバーできないポイントがあります。それは、「誰からこの野菜を買っているか?」と思わせてくれる点です。生産者の顔やプロフィールが記載された野菜のパッケージをよく見かけますが、生産者の顔を消費者はほとんど想像できないのです。これはしょうがないことです。会ったことのない農家さんの名前が書かれていても、出身地が一緒か、食べたそのトマトが人生を変えるほど衝撃的に美味しいトマトでない限り、消費者は誰がこれを作ったか、を気に留めることはないのです。事実は、「農家さんA」としか思いません。そりゃ誰かが一生懸命作ってくれたんだな、としか感じません。なんなら本当にこの人が作ったのかな?と勘ぐってしまうかもしれません、そこまでいくともはや心が廃れています。その点は置いておきまして、「この人から食材買えたらちょっと良いものを使っている、うまく料理ができるかもしれない」と思う方が、皆さんの周りにいるじゃないですか。それは、近所の飲食店です。家の近くにあるカフェや飲食店から野菜を買う体験ってあるようでない体験ですが、彼らから食材を買うことは、彼らのような美味しい料理を作れるかもしれない期待感を持たせてくれ、購買の際にコミュニケーションすることで美味しいレシピをくれる価値を含んでおり、家から近いから自分のオリジナルスーパーマーケット感が出るので飲食店への信頼感が増す。個人経営の飲食店のオーナーがその地域のインフルエンサーとなって、スーパーではなく彼ら/彼女たちから食材を買うのです。スーパーって大型店にいけば何でも揃いますが、そんなに買うものもないので長いレジ待ちが悩みの種ですが、別に大型店だけが食材を買える場所でなくてもいいなと思ったのです。次のnoteでその辺詳しく書いていこうと思います。


2019/6/10 更新
その2(アイデア編)も書きました。


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Yuzuki Kunitaka@アグリパッド

地球を作る仕事をしています。アクアポニックスとよばれる水産養殖と水耕栽培を組み合わせた新しい循環型農業に取り組んでいます。農業者のコミュニティサービスも開発中です。モンドワークス株式会社 代表

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