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盛岡市動物公園ZOOMO周辺の野生動物たち~トラップカメラの記録・2023年秋~

盛岡市動物公園ZOOMOは、東京ドーム8個分の敷地の中に多くの自然環境が残されており、敷地は飼育動物の脱柵や野生動物の侵入に備え外周柵で囲われています。外周柵の周辺は森や林へとつながっていて、野生動物の生息場所となっています。
周辺に生息する野生動物は多種多様で、ニホンツキノワグマや特別天然記念物であるニホンカモシカ、ニホンジカ、ホンドタヌキ、ホンドギツネ、ニホンアナグマ、ニホンリス、トウホクノウサギなど例を挙げればきりがないくらいの種類が暮らしています。近年は、10年ほど前にはZOOMO周辺であまり見かける機会が少なかったニホンジカの個体数が増加し、加えてニホンイノシシの目撃例も出てきています。ニホンツキノワグマについては令和5年の6月と7月に園内に侵入があり臨時休園としましたが、追い出しの実施と電気柵などによる侵入防止対策の強化をして再開園し、その後は園内へのクマの侵入は確認できていませんのでご安心ください。
現在はニホンツキノワグマの侵入対策として、園内の外周柵の数か所にトラップカメラを設置しています。トラップカメラには日常的に外周柵の外を移動する野生動物が写っており、改めて周辺環境の豊かさと野生動物の現在の様子が感じられます。これからもトラップカメラに写った野生動物の様子をお知らせすることで、多くの皆様の自然への関心が高まることを期待したいと思います。
※ニホンツキノワグマも時々写りますが、その都度園内の安全性については確認済です。


2023年10月19日夜間(ニホンイノシシ成獣)

これまでZOOMO周辺での目撃はなく、その後もカメラには写っていません。

2023年11月11日朝(ニホンツキノワグマ成獣)

外周柵沿いの森林を移動している様子です。ZOOMOに侵入の痕跡はないことを確認済です。ニホンツキノワグマが周辺に生息していることや目撃例があると何かと話題になりがちですが、ZOOMO周辺では以前よりニホンツキノワグマの生息を確認しています。

2023年11月22日夜間(ニホンカモシカ成獣)

ZOOMO周辺には複数のニホンカモシカが生息しています。

2023年11月26日夜間(ホンドタヌキ)

2頭のホンドタヌキが写っていました。皮下脂肪をたっぷりと蓄え、夏毛よりも長い冬毛をまとっているのでまるまるとしています。
外周柵沿いにはホンドタヌキのため糞があります。ため糞場は複数の個体が利用し、個体間のコミュニケーションの手段にもなっています。

2023年11月26日夜間(ホンドギツネ)

2頭のホンドタヌキが写っていた2時間後の写真です。同じ冬毛でも、ホンドタヌキよりもスリムな体型です。

2023年11月29日昼(ニホンカモシカ成獣)

トラップカメラのすぐ前を横切るニホンカモシカです。
園内には野生のニホンカモシカが生息しています。
園内で見かけた時は、ニホンカモシカを驚かさない様にそっと見守ってあげましょう。


2023年11月29日昼(ニホンカモシカ亜成獣)

ニホンカモシカの成獣が写ったすぐ後に、亜成獣のニホンカモシカが写りました。
実は令和5年に園内で野生のニホンカモシカが繁殖し子育てをしていました。つまり、写真の個体は親子ということになります。ZOOMOの敷地内には、ニホンカモシカが複数生息できる豊かな自然が保たれています。

今後も不定期でZOOMOの豊かな自然環境についてお伝えしていきます。

副園長 村山