『AIアナウンサー』が主流化してもスポーツ実況はやらせない方がいい

『アナウンサー』に受難の時代が訪れようとしている。局アナでもフリーランスアナでも昨今の働き方改革も相まって『AIアナウンサー』に仕事が取られる時代がそこまで来ている。現に、一部のコミュニティFMなんかだと防災情報の一部はAIアナウンサーによる自動音声で読ませる形式をとっているほどである。NHKのラジオ第2放送ですら16時の気象通報とか17時の株式市況なんかは昔のアナウンサーの声を学習させ自動音声にしているほどだ。

これは私の考えになるが…

正直な話、ニュースの読み上げまではまだ許せる余地がある。でも、スポーツ実況に関しては人間の勘が描写の頼りになるところがありやらせない方がいいと思う。そろそろ夏の高校野球が始まるにあたり『いずれ実況がAIにとって代わる』なんて話も見かけるが、過去の実況明言を見ても、
「人間の勘あっての名言でないか?」
と考えるのが私の筋であり、それに、AIにスポーツ実況させても反乱か何かで突拍子もない発言とか出てきたらどうするのか?という問題点もあると思っている。

実はAIをめぐっては、競馬ファンだから言いたいことも書いておきたい。スポーツ紙の競馬記者や専門紙のトラックマンの仕事だ。
競馬記者やトラックマンというのは、調教のタイム計測やトレーニングセンターでの厩舎取材、過去の成績、レース展開などを読んで印を打つ。お金がかかる事象でもあるので失敗のないように情報を書くようにしている(外れても免責なので自己責任になる)。これをAIを活用したやり方にしてしまうと、生身の人間味を欠いた予想のオンパレード化し、『人間の勘では当たらない』という先例を作ってしまうのではないかと危惧している。競馬でなくても競輪、競艇、オートレース…どんな公営競技にも当ては余るのではないかと思う。

アナウンサーの負担軽減としてAIにニュースや天気を読ませるのは百歩譲るにしても、スポーツ実況までは人間の勘どころが試されるためやめてほしいのが本音。

これは、以前アメブロでも一度取り上げたことがあるが、レジェンド競馬実況アナウンサーの一人白川次郎さんの著書『あと100っ!』にまで取り上げられた『ラジオNIKKEIの競馬実況アナは平日に何をやっているか問題』がピックアップされた競馬中継の記事を貼っておきたい。

この記事を執筆した小塚歩アナが述べた『ニュース読めてナンボ』というアナウンサーの基本まで浸食される結末までは望まない人はまだまだ多いと思うことを祈りたい。

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