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アプリで楽しむ「オンライン投げ銭」ライブ体験

この間、かねてから贔屓にしているバンド「Mime」のライブを観に行って来た。90年代を思わせる少し懐かしい雰囲気の、爽やかなR&Bバンドだ。メンバー全員腕のいいミュージシャンで、毎回素敵な演奏で楽しませてくれる。

「MUSER」主催のそのライブでは、アプリを使って「投げ銭」をすることができる。

入場料を払うと、700円分の金額が付与されたカードを渡された。それをスキャンし、自分のアカウントを通じて気に入ったアーティストに投げ銭できる。もちろん、もっとお金を払いたい場合はさらに課金することも可能だ。

演奏中、背景にはVJの演出もあり、リアルタイムでコメントも投稿できる。1コメントごとに10円、アーティストに支払われるらしい。

メンバーのソロの時に勝手に名前を呼んだり、歌詞と同じタイミングで言葉を送信してニコニコ動画のように遊んでみたら、これがとても面白かった。

演奏に対する集中力はいささか落ちるということはあるが、一体になって楽しむ新しい臨場感の形があった。


ミュージシャンは儲からない。

これは、自身が音楽をやっていてまず第一に思うことだ。
お金のために音楽をやっているわけではないというアーティストがほとんどだとは思うが、それにしても…と思うことは多い。

ライブをやっても取り分はほんのわずか。それよりも、練習ごとにかかってくるスタジオ代や機材など、演者の金銭的負担が相当にある。

配信などのサービスも、よっぽど人気にならない限りたいして還元されることはない。こういうものだと思ってやってはいるが、やはりそれにしてもなぁと思っているアーティストは少なくないだろうなと思う。

ニューヨークでミュージシャンとして生きている知人は、日本でミュージシャンとして生きるのはいやだと言っていた。ノルマといって、演者が集客できなければ取り分がマイナスになるシステムを取っていることが多い日本とは異なり、ライブハウスはきちんとお金を払ってアーティスト呼んでくれるのだそうだ。それにチップや寄付の文化があるので、投げ銭の場合でもしっかりとお金を入れてくれる雰囲気がある。

いい演奏は、あなたが一生懸命やった仕事と同じように価値がある。


金銭での「利益」につながりにくい表現活動。しかし、あなたが仕事に向き合うのと同じように、彼らは真摯にものづくりをしている。

懸命に取り組むアーティストにきちんと金銭が還元される仕組みの一つとして、このサービスは面白い取り組みだと感じた。今後もっとアーティストに寄り添ってくれるサービスが増えるといいな、と思う。

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