見出し画像

大好きな仙台の街と小さな原石の行末を想う


伊達政宗と言えばエルハポン。最下級生だったな。

あなたは若い。

世界は広い。

居場所も可能性も無限にある。

宝塚歌劇だけが人生じゃないよ。

そんな言葉をお手紙に書きかけた時、あなたの故郷の風景が思い浮かんだ。

東北の玄関口とも言える仙台駅。

あなたのファンになってから、幾度とこの大きな駅に着く度に、小さな少女が夢を抱いてこの地から飛び立ったのかと思いを馳せる。

繁華街。人混みの中、中高生くらいの若い女の子がはしゃぐ姿を見る度に、あの子にもこんな風にこの町で過ごしたのかなと考えたり、阿部蒲鉾のひょうたん揚げに並んで買い食いとかしたんやろか?とか思ってみたり(笑)

これ、揚げたてもだけど時間が経っても美味しい😋

一度、彼女の母校のスクールバスに遭遇した事があった。涼しげなセーラー服姿の学生さん達に在りし日の姿を思い浮かべたりもした。

何度訪れても飽きない大好きな街。大都会と豊かな自然が共存する街。美味しい食べ物にお酒に海に山、温泉!シフトが出る度に弾丸でも仙台に行けないかと航空会社のチケットを眺める日々だった。

そんな思いはあの日から止まっている。

連日のニュースで報道される宙組に関する様々な事。ネット上の真偽交々と強い言葉の数々。何が正しくて間違えているのか分からない。ネガティブな言葉やファン同士のぶつかり合い。好きなものに裏切られたのではないか?という疑心暗鬼の感情や吐き気にも似たグロテスクな感情が渦巻いた。これからどんな気持ちで宙組を観ればいいのだろうか?どんなに大好きとは言え何事も無かったかのようには振る舞えない。

彼女に限らず、宙組の皆さんは世間からの批判の目にどんな思いでいるのだろうか。今まで胸を張って来た場所を否定されるなんて、そんな恐ろしさを想像するとこちらまで押しつぶされそうになる。

こんな思いをするならば...

世界は広い。宝塚歌劇団だけが人生ではない。

タカラジェンヌである以前に本名のあなたの幸せを優先して欲しい。それが退団ならそれでもいい。とても素直で聡明で頑張り屋さんで感謝の言葉をきちんと伝えられる人。そんなあなたはどんな世界でも愛されるし活躍出来る人だと思うから。

あなたはまだ若い。この場所が全てではない。二度と会えなくてもいい。広い世界の何処かで元気でいてくれたらいい。

そんな思いを抱く度に、言葉にしようとする度に、思い止まるように仙台の風景を思い出す。

小さな少女が夢を抱いてこの場所を目指した事、この場所で出会えたご縁を。

遊びたい、休みたい。寝たい。
練習したくない。しんどい。
サボりたい。諦めたい。
自信が無い、怖い。悔しい。辞めたい。

あの街に居た頃、色んな葛藤があって色んなものを犠牲にして一生懸命に掴んだ夢だったはず。小さな少女が覚悟を持って親里離れてやって来た場所。それが宝塚と言う地だったはず。それを簡単に諦めたくないだろう。

私が出来る事は何もない。

ただ、あなたが宝塚歌劇団を諦めないならば。それでもまだ舞台に立ち続けると言う決断したならば。私も全力で前を向いてその姿を目に焼き付けたい。あなたの立つと決めた場所を信じる。(同時に舞台に携わる全ての人達が過度な心身の負担なく芸に向き合えるよう、劇団に対して厳しい目は持っていたい)

この場所を去ると決めても、違う道を選んだとしても、その決断を一切否定しないしどんな形でも背中を押したい。あなたが元気で健康でいてくれたらばそれでいい。

今はどうか、少しでも心穏やかに過ごせますよう。

来年だったらいいな、と淡い思いを抱きつつ、急がずにまた会える日を待っている。そしてまた大好きな街へ行きたい。仙台楽しかったよ!をまた伝えられたらいいな。今度はどこに行ったよ、あれを食べたよ、温泉に入ったよ。そんな他愛ない話ができる日が来ますように。

とにかくどんな形でも待ってるからね。