20杯目:【PTA】PTAバザーに凝縮したビジネスの世界があった

毎年、地域の公民館秋祭りで、中学校の PTAがバザーをやっています。

バザーの売上金で生徒たちの役に立つものを学校に買ってもらおう!が目的です。

保護者や先生から品物を提供していただいて、

PTA役員が値付けをして販売という、よくあるパターンですね。


自分もひょんな事からPTA役員になり、

バザーに関わらせていただくことになりました。

ただその時の感想は、

PTA年間事業の一環だから、仕方なく機械的な流れでやっているだけ。

当日も、売れ残ったものはタダ同然のような値下げをして、

早く完売して、片付けて帰ろう!という雰囲気でした。

なんで、同じ時間を消費するのなら、

もっと有意義な時間の使い方をしないんだろう!?

もったいない時間の使い方をするんだろう!?

と思いました。

そこには当初の目的でもある

バザーの売上金を使ってもらって、生徒たちの役に立つものを買ってもらおう!

なんて、どこかにいってました。


こういうことの積み重ねが、

内側からも外側からも、

PTAなんて無駄!意味ない!負担!って事に、

なってきてしまうんですよね。


初めて関わったPTAバザーはそういう感想で終了しました。


そして次の年は、ひょんな事ついでにPTA会長なるものになっていました。

今回は会長ということもあり、前回の反省を元に、

提案もさせていただき、色々とやり方を変更させていただきました。

目的は、PTAバザーの売り上げを上げて、

生徒たちに少しでも多くの支援をしたい!です。

でも、そういう考え方って、特に日本の人は嫌うんですよねー。


ボランティアであって、別に仕事でやってるわけじゃないのに!

とか、

あまり、お金のことを言うのはキレイじゃない!

と言う空気がありありf^_^;)


とにかく目的がブレないようにやろう!と決めました。


そして秋のPTAバザーに向けて準備段階で、

制服や体操服以外の古着の提供は受け付けない!

オリの言葉を、バザー品協力のお願い文書に付け加えました。

古着、正直いって売れ残るんです。

バザーの提供品に古着はあるあるなので、非難の声も影でありました。

生徒たちのことを思って善意で提供しているのに、

それに対して、いらない!って何様!!

でも、今までのPTAバザーで古着が売れ残って、

でも、善意だから捨てるのも提供してくれた人に失礼だと、

役員が後日、古着をタダで引き取ってくれるところに、

持ち込んでいるのが現状なのです。


そして古着は受け付けないという事で、

提供していただいたバザー品を並べてみると、

前回までと比べて、なんとなくというより明らかに殺風景(苦笑)

見た目は、派手さもなく完全に劣っていますねf^_^;)

でも、それだけ無駄なものが多くあることによって、見た目は成り立ってた虚像の世界だったんですね。


まず考えたのは、数ある模擬店の中からバザー会場へも、どうやったら足を運んでもらえるか?でした。

やっぱり食べ物の模擬店は、すごく盛り上げってますからね。



バザー会場の出入り口の位置を変えました。

PTAバザー会場を外から見たときに、校舎の中ということもあり、

興味のない人からは、暗くてやってるのかどうかも分からない状態でした。

会場スルーの対象にもならないくらいに…f^_^;)

なので、教室の床全体にブルーシートをはり、

外から土足で入れるようにしました。

バザーに興味のない人からすると、会場に入るために靴を脱いでスリッパに履き替えるというひと手間が会場に来る足を遠のかせてると思ったからです。


興味を持ってもらえるように外に向けて会場をデザインしました。

今までだと、PTAバザー会場の貼り紙1枚でしたが、

美術の先生にお願いをして、教室のガラス6枚に渡って、

PTAバザー会場だとわかる貼り紙をしました。

そして、入り口に向けて黄色い目立つ色の紙に、

商品紹介のポップを、入り口に誘導するように掲示。

そうすると、どんどん横にずれていきながらポップ見てくれるんですよね。

もちろん、ただ商品紹介文ではなく、

なんだろう?と、会場に入って商品を確認したくなるようなフレーズを使いながら。


PTAバザーだけ他の模擬店よりオープン時間を30分遅らせました。

ポップのところと繋がってるんですが、

あるジャニーズタレントのライブ会場でしか買えないウチワが1本提供されていたので、

『J事務所所属アイドルグループのライブ会場限定グッズが1点入荷』

と、ポップに書いて出していたら、バザー開始時刻前から中学生が5、6人並び出し、一生懸命、外からガラス越しに誰のだろう?と覗いて、キャッキャッと盛り上がっていました。

他の模擬店で買い物をしているお客様たちも、何事!?ってバザー会場の方を注目してくれて、一通り買い物を終えたお客様も、興味を持ってくれて並び出しました。

そうなると、なんとなく並んで見てみよう!という空気が出来てくるんですね。


商品のディスプレイをシンプルにおしゃれにしてみました。

実際、シンプルでオシャレだったかは謎ですが、

なにせ同じ展示するスペースがあるのに、バザー品の数が激減しているので、

スカスカに見えないように、しかし隙間をうまく見せるような工夫をしました。

スタバやアップルストアのように、ゴテゴテしてなくてシンプルでオシャレが受け入れられる時代だから、工夫してなんとかなるんじゃないかと思いました。


商品にストーリーをつけました。

ただ、〇〇 〇〇円という表示だけでなく、

『会長が日頃愛用していて、自信を持ってお勧めします!!』

とか、商品にストーリーを持たせて陳列しました。

気に入らなかったら、返品するからなー!!なんて、

コミュニケーションのネタにもなり、

かえってコミュニケーションがしやすくなり、

双方にとって良い効果がありました。


単価を下げづらい雰囲気を作りました。

販売者と駆け引きをしながら値下げして物をを買う。

というのがバザーの醍醐味でもあります。

もちろんバザーなので、何でもかんでもワンプライスでというわけにいかないし、お互いその部分はコミュニケーションとしても大切な部分なので、それを省くことはできません。

しかし、古着の提供を拒否したことにより、バザー商品の数が大幅に激減していたので、単価が下がると例年以上に売り上げが落ち込むことになります。

そこで、黒板いっぱいに、

『このバザーの売上金すべては、生徒たちの教育環境改善の手助けになるものを購入するためのものです。ご協力をお願いいたします!』

目立つように書いておいたら、

必要以上に値下げを要求する人がいなくなりました。

毎年、このバザーを楽しみにして、強引な値下げを迫ってくるオバちゃんでさえ…

そうやって購入した人たちは、思ったように安く買えなかった不満より、

生徒たちの役に立っているという満足感の方が強いので、

みんなニコニコしながら会場を後にしていきました。


そして、仕入れ点数が激減してるにも関わらず、売上金は例年の2.5倍になりました。

今までだと、購入品の補助金くらいにしかならなかったのが、

その売上金だけで購入できたので、

今でもその購入品を中学校で見るたびに、

この時のことを鮮明に思い出します。


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貴重なお時間の中、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 駄文ながら一生懸命書かせていただいていますので、またいらしてください。