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食いしばり続ける恐怖、食いしばりをやめる不安

先日、初診の歯医者さんに歯科検診に出かけました。

(不要不急の外出を控えろと言われるご時世ですが、物心つく前から半年に一度の歯科検診を受けていたのが、引越しを期に20年通っていた歯医者に通いづらくなり、一年近く歯を放置するという事態に陥っていたのです。しかも引越し後は毎日の歯磨きすらもなあなあで。だからこれは“必要早急”な外出でした。)

そこで初めて出会った歯医者さんに指摘されたのが「食いしばりがある」ということでした。
今までの馴染みの歯医者さんにも軽く指摘された事はあったので「ああ、言われたことあります」という反応をしたのですが、今回の歯医者さんは、食いしばりの異常さを丁寧に説いてくれました。

食いしばりはいかに異常か

▼上下の歯が1日に触れ合う時間は15分ほど
人間の上下の歯が触れ合うのは、ものを噛む時だけ。時間にすれば1日15分ほどだそうだす。
食いしばりが当たり前になっている人間には驚きの数字ですよ。1日の残り23時間45分、下顎は一体どこに落ち着ければいいのか……食いしばり人間は情報を知るだけでもそわそわしてしまいます。

▼食いしばりで起こる口の中の変化
食いしばり続けている人の口の中はどうなるか。
まず、左右の頬の内側に横向きの線が入ります。上下の歯が接触しているところに頬の内側も接触し、跡が盛り上がるようにつくというところでしょうか。要は傷ついているんですね。舌で触ると自分で分かります。
それから、レントゲン写真をみると、横に真っ直ぐあるはずの歯茎と歯の付け根あたりが大きく波打っています。これも食いしばりがあるサインだそうです。
前の歯医者では、下の歯の内側(舌側)の歯茎の骨が舌のある方にせり出しているのが食いしばりの特徴だと言われたことがあります。これがレントゲン写真で見ると波打つんですかね? そこまでは素人なのでよくわかっていません。

▼食いしばりを続けるとどうなるか
歯がすり減ります。
人間の歯は四六時中圧力をかけるように進化していないので、食いしばりを続けるとゆくゆく歯が持たなくなってくるそうです。だから、何かのきっかけで食いしばりが癖になって続けば、歯がすり減ったり欠けたりするそうです。
幼い頃から食いしばってるんだろうから進化しといてくれよとも思いますが、そう容易くは進化しませんよね(笑)
あと、ずっと食いしばりをしている状況は、ずっと筋トレをしている状況に等しいので、肩こりなどにつながるそうです。

そんなわけで、とにかく食いしばりはやめましょう。と歯医者さんに強く説かれました。起きている時間に食いしばらなくなれば寝ている時間も食いしばらなくなるからと。
私も、歯の大切さを重々承知してわざわざ歯科検診に来ている程ですから、こりゃいけない、ちゃんとやめようと決めました。

食いしばりをやめるように意識してみた

さて、日常生活の中で意識をして食いしばりをやめようとすると、食いしばり人間にとってはとにかく違和感しかありません。

▼上下の歯の間を何ミリ空ければ良いのかわからない
食いしばりをしていない人は気にもとめないでしょうが、食いしばりをやめようとすると上下の歯の間の隙間をどれだけ空けてキープすれば良いのかがわからないのです。
だから、唇を閉じたままにして歯の間の隙間を微調整し続けていました。
自分の中で出した結論は、1~2㎜程度空ければ良いのでは?でした。上下の歯がくっつくかくっつかないかのこの程度の空け方にすると、顎の付け根あたりの筋肉がすごく緩む感じがします。たぶんこの緩みをキープすべしってことなのではないかと。

▼上半身のバランスが崩れて力が入らない感じになる
歯と歯を食いしばれなくなったために下顎の居場所がなくなった感じがして、上半身の力が抜けた感じになります。帰る場所(落ち着ける場所)を失った下顎はどうしてやればよいのか……という気分に(何度でも言いたくなるほど不安になるんです)。
そして、頭がぽやーんとして、何も考えられなくなりそうなふわふわ感が。肩の力は抜けた実感がありますが、それに伴い肩から腕にかけてなんとなくだるさがあることも。全体に、ごく軽い酸欠状態にでもなっているのかと思う感覚です。

こんな違和感を覚えると、正直食いしばりをやめるのが不安になります。昔から慣れてきた食いしばりスタイルのままでいたほうが自分の身体に合っているのではないかとすら。

そしておそらく、ですが。歯医者さんが言った「何かのきっかけで食いしばりが癖になる」というところの「何か」というのは、環境面や心理面が関わっているのではないでしょうか。少なくとも幼少期の自分は確実に、歯を食いしばっていないと生きてこれなかったと思います。そんな環境が、自分に歯を食いしばらせたのはきっと間違いがないのです。比喩的にも、物理的にも。
だから、食いしばりをやめるためには自分の心にも向き合った方が良いのかもしれません。私の場合は「もう今は歯を食いしばって生きる必要ないから。気楽にいこう」という気持ちも乗せながら食いしばりをやめることにしました。

食いしばりをやめて1週間

食いしばりをやめるように意識しながら1週間が経つと、自分が食いしばりをしているタイミングがわかるようになりました。

実は以前から自覚はあった食いしばり、これでも何年か前に随分緩和されているのです。親知らずの成長痛でしばらく奥歯が噛みしめられなかった時に強制的に矯正されました。おかげで特に、夜寝るときに噛みしめなくなりました。
だからか、常には食いしばっていませんでした。難しい考え事をしているような場面で食いしばっているようで、一つのことに集中しているような、例えば仕事の真っ最中なんかは意外と上下の歯がくっつかないようです。

そして今朝。起きたら、頬の内側がつるつるになっていました。まだ完全にとはいきませんが、食いしばりによる跡が随分と消えていました。
これには驚きました。どうやら順調に“脱食いしばり”できているようです。

思い返せば、食いしばりをやめ始めた初期に感じていた違和感も少しずつ薄れてきたような気がします。肩こりも幾分軽くなった感じがします(同時期から軽いエクササイズを始めたのでそのおかげもあるかもしれませんが)。

これからどのように変化していくか、楽しみですね。


現状、自分の生き様や思考を晒しているだけなので全記事無料です。生き様や思考に自ら価値はつけないという意志の表れ。 でも、もし記事に価値を感じていただけたなら、スキかサポートをいただけるとモチベーションがめちゃくちゃアップします。体か心か頭の栄養にしますヾ(*´∀`*)ノ