見出し画像

ファシリテーション・ワークショップ・場づくりに役立つ14冊

ファシリテーションとその近接領域(ワークショップデザイン、学習科学、チームビルディング、コミュニティデザイン)の参考書籍リストです。
このリストは、竹田が働いている一般社団法人Foraの学問ファシリテーター育成講座の講座生向けに送っているリストです。


書店で手に入りやすい、比較的とっつきやすくてすぐに実践できるような本を中心に選んでみました。

【ファシリテーション】
堀(2004)『ファシリテーション入門』日経文庫

ビジネスの場における話し合いや会議を想定したファシリテーションの解説本。ファシリテーションとは何かについて、さくっと理解したい場合におすすめ。ただ、ここに書いていあるスキルや方法論自体は、どれも正しいのだけれどリアルな場のザラザラ感の変数にはあまり触れていない感覚も。理論的に正しくても、実際に自分が使えるようになるためには、やはり実践が必要だと思わせられる。


堀(2008)『ワークショップ入門』日経文庫

タイトルは『ワークショップ入門』だが、内容は場づくりという意味でほぼファシリテーションのようなもの。ワークショップのファシリテーションをするような人であれば、知っていることが多いと思う(逆に初心者の人にはとてもおすすめ)
ちなみに著者の堀さんは、ファシリテーション関連本を大量に書いているが、個人的に根本的には同じ内容。堀さんの本は、基本的にこの初期に書かれた日経文庫2冊を読んでおけばとりあえず十分。


★中野ほか(2009)『ファシリテーション 実践から学ぶスキルとこころ』岩波書店

ワークショップという言葉を日本で流行らせた中野民夫のチームによるファシリテーションの教科書。世のファシリ本は、ビジネスにおける会議向けが多いが、この本に書いてあるテクニックや心構えは普遍性があり、ワークショップ、授業、チームビルディング、ディスカッションなどあらゆるコミュニケーションの場において通じる部分が多い。

【ワークショップデザイン】
★山内ほか(2013)『ワークショップデザイン論』慶應義塾大学出版

本プログラムでも採用している「創ることで学ぶ」というワークショップの定義をもとに、ワークショップの理論から、具体的なデザイン方法、ファシリテーション、評価を扱った教科書的一冊。実は難しい内容なのに、とても平易に書かれている。(ファシリテーションだけでなく)ワークショップにちょっとでも関心がある人はマストで読むべきだと思うくらいの本。

苅宿ほか(2012)『ワークショップと学び1 まなびを学ぶ』東京大学出版

苅宿ほか(2012)『ワークショップと学び3 まなびほぐしのデザイン』東京大学出版

上の本が理論編だとすると、この本は実践編。本プログラムで紹介してる「創ることで学ぶ」とは違ったワークショップのデザインモデル(位置付くー見立てるー味わう)を使って、具体的なファシリテーション・ワークショップデザインについて述べられている。実践や基礎的な本を読んだような中級者〜向けなので、まずは本プログラムで1つのデザインモデルを理解した上で読んだ方が良いかもしれない。


【学び・学習】
★上田・中原(2012)『プレイフル・ラーニング』三省堂

学習環境デザインを専門とする上田先生の半生を振り返りながらワークショップの中にある学習理論が分かりやすく紹介されている。読書体験なのに「楽しさに中に学びがある」ことが実感することができる一冊。


★波多野・稲垣(1989)『人はいかに学ぶか』中公新書

今井(2016)『学びとは何か』岩波新書https://www.amazon.co.jp/dp/4004315964/ref=cm_sw_r_cp_ep_dp_IwBjzbQF9W7D6
子供の言語の学習を例に、知識のシステム構築を解き明かす。熟達やスキーマに関しても扱っているため、認知科学に興味がある人にオススメ。

佐伯(1975)『学びの構造』東洋館出版社


学び論のクラシック。

【チームビルディング】
安部(2015)『いつかリーダーになる君たちへ 東大人気講義チームビルディングのレッスン』日経BP


著者は社会問題のスタディツアーを運営するベンチャー起業の代表。東大で最年少で教壇に立ち、現在は東大の教員向けにファシリテーションなどの教授法を教えている。
東大のゼミの書き起こし本で読みやすく、チームとは何かから始まり、ファシリテーション、議論の技法、プレゼン、ブレストなどすぐ使えるテクニックが充実。今所属する団体でトップをしているような方に特におすすめ。

堀(2007)『チーム・ビルディング—人と人を「つなぐ」技法』日本経済新聞社

チームビルディング・アイスブレイクのネタ本。


【コミュニティデザイン】
ウェンガー他(2002)『コミュニティ・オブ・プラクティス—ナレッジ社会の新たな知識形態の実践』翔泳社

コミュニティ論。実践コミュニティを①領域、②コミュニティ、③実践と言う3つの構成要素から分析。コミュニティの育成方法も詳しい。


山崎亮(2012)『コミュニティデザインの時代 - 自分たちで「まち」をつくる 』中公新書

まちのコミュニティデザイン論。第4章「コミュニティデザインの方法」はまちづくりのファシリテーションのノウハウがぎゅっと詰まっている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?