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(全編無料)環境デッキと見る遊戯王マスターデュエルの歴史 7月上旬~8月上旬編ー世界を破壊する勇者が小鳥を連れてやってきた…!!ー

割引あり

はじめましての方ははじめまして。
第4回となる遊戯王MDの歴史は7月~8月をお送りします。
リミットレギュレーション改訂は…今月もありませ~ん!
でも環境は変化しないとは言ってません。
例によって、何かありましたらコメントを下さるとうれしいです。

新パック実装

とうとうやってきました。
多くのデュエリストが恐怖と絶望を感じ、発動を見た瞬間嫌になる連中が…

ワンダリング・トラベラーズです。このパックでは魔鍵、軍艦、Evil★Twinの未実装だった新規カードがとうとう実装。
カジュアルで人気だった軍艦ウニしらうおがとうとう実装、特にエクシーズであるウニ型二番艦軍艦の要である複数枚のフリチェ無効効果を持つため、かなりパワーが上がりました。
イビルツイン(ライブツイン)も弱点であるバトルフェイズ牽制、ライフカットの遅さを両方克服できる最強のモンスターであるメスガキことトラブルサニーを手に入れ、ランクマでも徐々に使うプレイヤーが増えてきました。

しかし、一番注目を得たのは2種類の新規テーマでした。

  • 勇者:勇者トークンという独自のトークンを使い、それをサポートするカードで妨害などを行っていくテーマ。聖殿の水遣い・アラメシアの儀を1枚初動として持っておりますが、なんといっても一番ヤバいのが流離のグリフォンライダーでした。詳しくは環境考察で行いますが、テーマというよりはただの出張パーツです。あ~もう環境滅茶苦茶だよ…

  • ふわんだりぃず:鳥獣族の風・水属性で統一された連続召喚からのアドバンス召喚を軸とするテーマです。同じアドバンステーマの先輩である帝とは違い、1枚初動をもつ安定性と墓地ではなく除外を活用するという独自性を持ちます。こちらも環境考察でまた深堀します。🐧

このパックでは、実装時規制としてアラメシアの儀とそれをサーチできる水遣いが準制限で実装されました。このことから、高い性能を持ち危険性の高いカードは実装時時点から規制されるということが判明しました。
また、OCG未実装カードとして、D・D・D(ディファレント・ディメンション・ダービー)が先行実装されました。

新ストラク販売

新規ストラクとして、大人気テーマであるドラゴンメイドを軸としたドラゴンメイド・トゥ・オーダーが実装されました。
ドラゴンメイドが組みやすくなったというだけでなく、レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン ・龍の鏡・竜の霊廟・復活の福音・天球の聖刻印といったドラゴン族サポートもとても充実しており、ドラゴン族使いにもうれしいパックでした。

新ソロゲート実装

新ソロゲートとして、SPデッキチャレンジ2が実装されました。前回は遊戯王初代ということで今回は遊戯王GXをモチーフにしたアニメ体験デッキです。相変わらず劣悪なレンタルデッキで回るわけがなく、初手事故で相手に引きつぶされるという展開が非常に多かったです。
その中でも一番ヤバいと言われるのがVS3幻魔であり、基本的にアニメ当時の3幻魔はろくなサポートもなく事故が耐えないデッキでした。しかし、敵デッキは現代カードである○○の召喚神シリーズ等が入っており、圧倒的な安定性がありました。加えてこちらのデッキは一切シナジーのないHERO宝玉の混成という謎レンタル、お互いがお互いを邪魔し合い、お互いのカードがお互いの初動を食い合って初動が全く安定しない地獄のデッキでした。そんなわけで現代幻魔に水と油デッキが勝てるわけがなく、歴戦のデュエリストも数敗、場合によっては10以上の敗北を味わうこととなり、1回で突破できるのは相手が数ターン事故ったとき幸運のデュエリストと言われました。
そんなこんなもあり、SPデッキチャレンジシリーズは執筆現在は続編が実装されておりません。まあ正直誰も望んでない…

エクストラゼロ フェスティバル開催

今月のフェスはなんとEXが一切入れられないというかなり独特なイベントとなりました。
故に、あらゆる展開札、エースとなる切り札がメインデッキに入れられるテーマをいかに選び構築するかを求められました。メインに頼るというコンセプトですが、一部時械神や儀式で安定性とパワーのあるメガリス、メタのささる生贄封じ、万能ドロソとして使えるアンカモフライト、真竜黙示録復活は規制を受けました。

フェス主流デッキ

今回は環境を語る前に勇者について少し書いておこうと思います。
勇者はご存じの通り、アラメシアの儀または水遣い1枚でグリフォンによる1妨害を確約しやすい出張です。出張パーツもアラメシア2・水遣い2・旅路1・ドラコバック1・初動のおろまい1で成り立ちます。故に採用できるテーマは積極的に採用しました。

  • ふわんだりぃず:新規実装されたアドバンス召喚テーマ故にうってつけのテーマでした。ただ、レンタルデッキのふわんだりぃずは必須と言える壺系が軒並み入っていないため、安定性に欠けました。
    増Gが刺さらず、他デッキでは致命的なメタである呪詛や裂け目等を使えるのも強みです。ただ、モンスター効果でモンスターを呼んだり出したりする性質上無効系に致命的に弱く、うららなどを食らうとリカバリーが難しくなります。しかし、未知の風によるリリースは強力で、相手ターンに展開できる夢の町と合わせて高い妨害力を発揮します。

  • エルドリッチ:EXを使わないメタ罠ビとして有名なテーマで、このフェスでも大人気でした。特にアドバンスメタとして使われるアンデッドワールドに対し強く出れることも幸いしました。相変わらずメタ罠を多数積み、エルドの35打点で大ダメージを狙います。通常召喚を使わないため、勇者を組み合わせて無効妨害を構える構築も多かったです。

  • マシンナーズ:機械族のテーマですが、新規に実装されたルインフォースが強力で、カーネルと並びマシンナーズの強力な守護神でした。後攻ワンキルを狙う型が主流で、ルインフォースの46打点は越えるのが難しく多くのデッキが苦しみました。機械族ゆえにリミ開を使えるのも利点で、上から相手のモンスターを踏み潰していきました。カーネルによる全体破壊もあり、先攻でも強力です。

  • ブラックマジシャン:初代主人公武藤遊戯が使っておりとても人気のあるテーマです。魂による毎ターン蘇生と魔導陣による除外が強力で、魔法使い族故に里を活用できるのも強みです。打点的な弱点はありますが、強力な敵モンスターは魔導陣で徐々に除外してアド差を得ていきます。

  • 戦華:戦華モンスターを横に並べて打点で倒す後攻ワンキル狙いのデッキです。後攻特化のためライストを採用できるのも強みで、気を抜くといつのまにかライフを刈り取られていたりします。戦華自体がマイナーテーマなのもあり、マストカウンターの見極めが甘いデュエリストも多く、それがいい形で活きました。

  • 妖仙獣:アニメARC-Vで人気キャラの沢渡が使ったスピリットのような動きをする連続召喚テーマです。というよりはっきり言ってスピリットの弱点を克服したスピリットじゃないスピリットデッキだと思ってます。メインモンスターにバウンス効果などがあり、EPに手札に戻るため激流葬やフォース系などを強く使えるのが特徴です。ただふわんだりぃずと同じくモンスターでモンスターを召喚するため無効系に弱く、打点も決して高いとは言えないため一部耐性持ちは突破するのが困難でした。

  • ウィッチクラフト:手札の魔法カードをコストに使い、EPに魔法カードを墓地から回収するという独自な動きをする中速の魔法使い族テーマです。1枚初動はありませんが、安定して妨害持ちのマスターヴェールにアクセスできます。魔法使い族故に里ロックも使え、戦闘面でもマスターヴェールによる打点強化もあり攻守ともに強力です。ただ、うららに致命的に弱く初手のデッキリクルートを止められると途端に苦しくなります。

  • ドライトロン:儀式テーマ故にEXに依存しないのが強く、強力な耐性を持つカオスマックス等を使うことが出来るのがとても強力です。弁天制限のためコスト捻出問題は付きまといましたが、カオスマックス・DRAなどが軒並み4000という高打点を持つためライフカットが早いのが特徴です。特に初手事故の相手にカオスマックスの圧力をかけることでセットによる壁すら許さないのはカオスマックスを立てやすいドライトロン独自の強みと言えるでしょう。

  • 真竜:フェスの度に叩かれる最早定番のメタビデッキですが、今回もスキドレやサモリミ、センサーなどのメタを積みまくることで相手を妨害していきます。メインテーマにはバックを潰したりできるカードが少ないので、強く出られました。ただ、相変わらずバック破壊されると厳しくなります。

  • :元祖アドバンスデッキと言えるテーマです。テーマ内に強力なドロソである阪神を持ち、他にも相手ターンアドバンスや相手モンスターリリースなど有能な魔法罠を持ちます。ただ、1枚初動を持たず帝王魔法罠がメインを圧迫するために誘発等の汎用カードを入れにくいのが弱点としてのしかかりました。

エクストラゼロ フェスティバル環境考察

EXに依存しないこの環境を制したトップ環境という意味ではやはり、1枚初動を持ち烈風の結界像によるSS封じと未知の風によるリリースが使えるふわんだりぃず、勇者を使うことが出来一枚一枚のパワーが高い罠で相手を封殺するエルドリッチ、高い打点で相手をワンパンで沈めるパワーを持つマシンナーズが最有力候補ではないでしょうか。
ただ、ふわんだりぃずは1枚初動からアドバンスできるメリットはありましたが、うらら無限泡影ヴェーラーなどに致命的に弱く、アドバンスメタとして活用されたアンデッドワールドを先にきめられるとほぼ負け確になるなど決して1強の強さとは言えませんでした。加えて同僚の勇者ギミックによる万能1妨害を活用するテーマも増え、その1妨害を超えられない手札の場合はかなり苦しい戦いとなりました。
エルドリッチは持ち前のメタ能力で長期戦で粘り勝ちを狙い、特にサモリミスキドレという布陣を引けたときの勝ち確感は強力でした。流行りのテーマを見極め幅広く妨害を用意しやすいのは流石罠ビと言えるでしょう。
これはよく勘違いされやすいことですが、レンタルデッキで最も強力だと言われたのはふわんだりぃずではなく、マシンナーズでした。というのも先述した通りレンタルふわんは安定性がかなり低く先攻で動けないことも多かったのです。逆にマシンナーズはパワーもあり打点もあり、カーネルによる広範囲破壊もあるなどワンキルできなくても強力でした。

エクストラゼロ フェスティバル総評・所見

エクストラが使えないという限定的な条件により、EXを必須とするテーマは使用できず、使わないテーマもEXによる汎用的な動きが出来なくなるために安定性や対応力に大きな変化がでました。
新規実装されたふわんだりぃず勇者ギミックの悪目立ちがあったため、「新パックを剥かせる為の販促フェス」など言うユーザーもおり、特にふわんだりぃず勇者をレンタルに入れたことに対して厳しい言葉をかけるデュエリストが多かったです。ただ、レンタルのふわんだりぃずは安定性に大きく欠け、勇者ギミックは出張でこそパワーを発揮する故に一概にそれが悪とも言えませんでした。
ただ、自作ふわんだりぃずは安く組めるためにパックを剥いて戦うデュエリストも多く、1枚からアドバンス召喚できるふわんだりぃずが人気だったのも確かでした。特にふわんだりぃずが使う烈風の結界像によるSSロックはデッキによってはGGクラスでありランクマなどでも行われているコンボ故に、ふわんだけランクマやってるなんて言う人もいました。

EXが使えない以上ほとんどの環境デッキが使用できないゆえにそれを喜ぶユーザーもいましたが、多発するふわんミラーや勇者エルドによるメタロックにうんざりする人も多かったです。特にEXはモンスターや魔法罠を潰せるトロイメア・高打点を上からたたけるヴァレソなどがありそのあたりの対応力さえも減少してしまっているために一度固められた盤面をひっくり返しづらいというのもありました。加えてスキドレサモリミのようなほぼ全てのデッキが突破不可能になる永続罠が生きているために、発動されたら盤面を返せないとキレる声もありました。実際、サモリミなんかはふわん以外も死にますし、スキドレを打たれたらエルドの破壊耐性と35打点を突破するのも一苦労です。

フリーマッチ導入

今まで好きなデッキを使うにはソロモードによる対CPU戦・ルームマッチに参加しての対人戦・ランクマの3種類でした。手札誘発もなくガバガバなCPU戦を除くと、ルームマッチは参加するにも内輪感が強いところも多く、そのルームのデッキパワーも読めないなどの問題がありました。そしてランクマにはランクの上下があります。
つまり、今まではカジュアルデッキで遊ぼうとした場合、ルムマに入れないユーザーはランクマしか対人戦がありませんでした。
勿論ランクマは環境デッキが吹き荒れカジュアルデッキでは太刀打ちできません。ルムマは自由参加OKなところもあれば公開してるけど入ったら…なんて感じもあるなどいろいろ問題?もありました。
そういうカジュアルユーザーにとってはランクにとらわれることなく楽しめ、ランクがないからこそ各々好きなデッキを使うことが出来るというフリーマッチはありがたいものでした。また、ガチ勢もランクマ前のデッキ調整の場としても活用されました。
と思われましたがいくつか問題もありました。

  • デイリー消化は不可能
    デイリーミッションはランクマと一部ソロモード以外では進まないため、カジュアル勢は結局ランクマをすることを求められました。勿論デュエルパス関連も一切進みません。

  • カジュアルガチ棲み分け問題
    これはある種どうしようもないと言えばどうしようもないのですが、ランクが反映されないだけでリミットさえ守ればどんなデッキも持ち込めるため、ランクマレベルのガチデッキを持ってくるユーザーとカジュアルで楽しみたいユーザーがフリーマッチという一括りでは棲み分けが出来ず意味がないという意見です。これに関してはルムマがあるからそちらを使えという話もありますが、ルムマ自体にルーム内ですらコミュニケーションを図る機能が存在しないため、機能不足というところはありました。

ただ、この辺りに関しては今まで存在しないところだったのだからできただけましと考えるのが吉かも知れません。

7月上旬~8月上旬環境考察

今回はリミットレギュレーションの改訂こそありませんが、新規実装がかなり大きな変化を与えた月だと言えます。その原因が勇者ギミックです。そのあたりを考察前に考えたいと思います。

勇者ギミックはなぜ強いのか

OCGでも勇者D環境と呼ばれ多くのデュエリストをうんざりさせたデスフェニと勇者ですが、まずは勇者ギミックがなぜ環境を書き換えるほど強力なのかという点を考えます。まずは勇者ギミックの強さから見ていきます。

  • 出張として見た勇者ギミック
    アラメシアの儀を発動することがスタートであり、アラメシア2・水遣い2・旅路1・ドラコバック1おろまい1の7枚で出張パーツとして成り立ち、初動も5枚と引けた場合の上振れとしては十分。アラメシアの儀と水遣いが手札に被ったとしても、水遣いをSS出来るのも強いです。
    増G受けもよく、アラメシアの発動にGを打たれた場合でも次の相手ターンにグリフォンをSSすればいいので、1ドローで1妨害を確約できます。
    後攻として使ってもドラコバックによるバウンスが強力で、加えて勇者ギミックを相手が妨害してもメインギミックを後手に振れるのが強みです。
    発動条件は通常召喚したモンスターの効果を使用できないだけなので、それに依存しないテーマには積極的に入れることが出来ました。

上記の通り、勇者ギミックは召喚時効果を使わないテーマには基本的になんにでも入り、万能1妨害を確約できるのが強みです。そしてこの1妨害というのは、先攻展開において相手の妨害受けを封じるということでもありました。
シングル戦のMDにおいて誘発枚数の吟味は安定性と妨害性の両局面から考えなければいけない難しい項目です。仮にここでは相手ターン妨害の最低限の枚数と言われるうらら3枚・増殖するG3枚・無限泡影2枚の計8枚をデッキに入れていたとします。デッキ枚数が40枚だとすると、8枚入っている妨害札を後攻初手5枚で引ける期待値はちょうど1です。ちなみに確率で表すと64%弱です。つまり、3回に1回以上は1枚も妨害札を引けないということです。ちなみに、初手に2枚以上引ける確率になるともはや25%もありません
この3回に1回もない初手の妨害札を確定で1枚潰せるのがどれほど強いかはお分かりだと思います。アラメシアの儀を通せばグリフォン1妨害は確定、アラメシアの儀を潰したとしてもその後のメインギミックを止められる妨害札がある確率はかなり低いのです。
シングル戦での誘発の枚数のコントロールはかなり難しく、故に勇者ギミックでメインギミックを通す前に妨害札を置けるのはそれだけ強力であるということです。特に今までメインギミックの妨害受けが悪かったテーマにとって、勇者ギミックはまさに天の采配と言えるでしょう。

新規環境デッキ

  • 勇者D幻影
    新規である勇者と前回実装のデスフェニを両方入れられる幻影騎士団が環境に入りました。OCGでも環境トップになったことから使用者が多かったのも一つです。幻影に対する妨害を勇者で受け、また手札の幻影カードを旅路で墓地に落として墓地効果を使えるなどのシナジーも高かったです。
    構築によってはアーティファクトダグザデスサイズをセット、相手ターンにデスフェニで割ってEXを封じるというコンボもありました。水遣いがレベル3ゆえにケルビーニで確実に落とせるというのも強みでした。
    ミッドレンジ系墓地活用デッキ故に一度盤面を崩されても墓地からの蘇生を活かして強く立ち回れるデッキです。

  • 天威勇者
    天威相剣の亜種というか勇者が実装されて完成された先攻制圧系デッキです。所謂ハリラドンデッキと言われる展開系であり、特徴としてはハリラドンの弱点であるラドン妨害に対して、展開前に勇者バロネスを立てることで安全にラドン展開を通すというものです。
    展開後の盤面の強さは強力無比で、複数妨害を構えつつ改良型VFDと呼ばれるアークネメシスプロートスによるSS制限で勝ちをさらっていきます。ラドン展開故にプロートス以外の妨害もあり、プロートスのSS制限複数妨害を超えつつ勝てるテーマは少なく、決まればほぼ勝ち確でした。

  • 勇者プランキッズ
    十二獣のようにメインのモンスター全てが1枚初動であり、高い安定性を誇るプランキッズ勇者を組み合わせた型です。プランキッズの強みである初動の高い安定性を維持したまま、妨害受けの悪さを勇者でカバーしていきます。豊富な1枚初動の枚数故に自由枠が多く誘発などを積みやすいのが特徴です。
    デスフェニを入れる勇者Dプランなどの構築もあり、安定性と自由枠を取るかデスフェニパーツのゴミを入れてでもパワーを上げるかなど構築も個性が出ます。1枚初動故に一滴を強く使えるのがモンスター妨害偏重な環境には刺さりました。

  • 勇者D十二獣
    プランキッズと同じく豊富な1枚初動故の高い自由枠に勇者デスフェニを出張させて妨害性能とパワーを高めたものです。エクシーズテーマ故にアーゼウスが使えるのも利点です。
    勇者・十二獣・デスフェニギミック等全てがG受けがいいのが特徴です。十二獣の強みである自由枠も健在であり、後攻でも手札誘発で相手を妨害して確実にアド差をつけていきます。

  • 勇者電脳
    電脳堺勇者を出張させ、誘発受けの良さと勇者ギミックによる安定性の向上、レベル7供給によるバロネス成立などいろいろ利点が増えました。ランク6が立てやすく、ベアトリーチェ水遣いを落としてそこから勇者展開にもっていけるのが強みです。VFDによる制圧以外にも、ベアトリーチェデスサイズを落としてバロネスで釣り上げてEXを封じるということもできるようになり、戦略に幅が広がりました。

  • 勇者GS
    勇者ギミックにデスフェニハリラドン展開のパーツを入れたグッドスタッフデッキです。勇者・D・ラドンとそれぞれ独立したテーマでありながらお互いが邪魔しないために成り立つ3種混合デッキと言えます。
    どれか1つのギミックに依存しないため最初のギミックを潰されても後手に別のギミックを振ることが出来、相手の妨害を乗り越えて展開しやすいのが特徴です。最高到達点こそ天威勇者ハリラドン展開には及びませんが、デスフェニを採用できるのはやはり強力です。

  • 勇者エルドリッチ
    召喚自体使わないため、勇者の制約が一切邪魔にならないという利点があります。エルド罠はバック破壊には他の罠デッキより強く出られるとは言え食らいたくはないものなので、それをグリフォンで止められるのは大きな強みです。また、ドラコバックエルドの実質無限コストになるため、エルドが破壊されても毎ターン蘇生できます。
    総じて今までのエルドより万能妨害と毎ターン1枚バウンスで強く出られるようになりました。というより羽根とかライスト神の宣告以外で止められるのが大きいです。なんだかんだライフ半分は大きいですからね。

  • ふわんだりぃず
    小鳥さん・ピヨピヨ・鳥さんたち・渡り鳥・鬼畜ペンギン・害鳥の愛称で親しまれる除外活用型アドバンステーマです。アドバンステーマの先輩である真竜と違い1枚初動を持ち特殊召喚を使わない、そして除外を活用するというのが強みです。特に環境に除外を使わないテーマが多い故に除外活用デッキという利点は大きく、デッキによってはGGクラスながらもエルドですら採用しづらいマクロ・裂け目といった強力な永続カードを採用することが出来、相手ターンにもアトラクターによる往復1ターンマクロ状態という上振れながらも強力な手札誘発があります。加えて結界像を使えるという最大の利点があり、相手の動きを潰し自分ターンに倒しきることが出来ます。
    一度カードが手札と除外にそろえば実質無限リソースとなるため、ロングゲームにも対応できるなどまさに現代遊戯王の特殊召喚環境に一石を投じるテーマと言えます。

  • イビルツイン
    1枚初動を持つミッドレンジ系デッキで、手札誘発を多く詰めるのが特徴です。新規でトラブルサニーを獲得し、ライフカット速度が速くなりました。先攻制圧環境では誘発を多めに入れられるデッキが着目されるのでイラストアドの高いイビルツインも徐々に使用者が増えてきました。
    ただ、デッキの性質上デスフェニ勇者も採用しづらく、対面としても勇者D両方とも苦しいと正直向かい風でした。加えて先攻でも後攻でもトラブルサニー単騎で展開を終えることが多く、烈風の結界像対策で採用数が増えたガダーラに食べられて妨害がなくなるなど弱点もありました。

環境トップ考察・所見

上記の通り、勇者を活用するデッキが環境で爆発的に増加しました。勇者の強みは上で記載した通りであり、フューデスと合わせて引いて得する上振れ出張カードでした。OCGで勇者とDを活用したデッキが溢れるなどした結果、MD実装時はいろいろ規制こそされましたが、やはりそのパワーは引き得カードとしては十分であると言える結果でしょう。
その環境のトップとして頑張っていたのは、ミッドレンジの強みを持つ勇者D幻影・展開できれば強力な天威勇者・安定性攻め手の幅が広がった勇者電脳でした。
メインギミックを通すためのサブギミックとして勇者ギミックは強力であり、なにより妨害を相手が持たなかったときにそのままグリフォンが1妨害として成立するというのが強みでした。まさに攻守両面で余すところなく活躍してくれました。
勇者プランキッズも環境上位に食い込む強さでしたが、切り札自体はプランキッズモンスター単騎待ちになりやすく、ガダーラ・無限泡影・一滴などに弱いという弱点が足を引っ張る場面も多かったです。ただ、バトラーの複数回全体破壊は強力であり、決して弱かったわけではありませんでした。

使用者数が増えましたが環境トップまで上がれなかったデッキも多かったです。
ふわんだりぃずは除外ギミックを活用できるという強みこそありましたが、初動妨害に圧倒的に弱くこのころは旅支度もなかったためにグリフォン1妨害すら超えられないこともありました。ただ、ふわんだりぃずの強みとしては安く作れるというのもありました。比較的テーマ内にSRが多く、EXも使わないと割り切れば適当でいいため安くて強い、そして手札誘発の最有力である増殖するGを腐らせられるテーマとして人気になりました。おまけにふわんだりぃずはライフカットも遅いわけではありませんが早いとも言えず、展開するにも毎回発動があるため時間がかかるためイライラを誘発し、相手ターンに展開し始めたり、仕舞いには結界像でSS封じしてくるなどエルドとは違ったロック盤面で害鳥の称号を得ました。
イビルツインも壊獣や手札誘発枚数が多いために勇者デッキでも単騎待ちの多いプランキッズなどには強く出られましたが、イビルツイン自体誘発受けが悪すぎるという弱点があまりにも大きすぎました。トラブルサニーを立てるためには5回以上のSSは必須のため増G受けが悪く、そのほかにもうらら・DDクロウ・わらし・うさぎ・ニビル・無限泡影とほぼすべての主流妨害札を受ける上、トラブルサニー自体も壊獣・一滴・サンボル・ライストなど破壊系や単体除去で簡単にいなくなるため苦しい対面が多すぎました。私はイビルツインをこのころ使っていましたが、基本上記カードが飛んでこないようにお祈り展開してました。まあ所詮お祈りなので叶いませんが…

余談ですが、このころはあまりにも勇者とデスフェニが幅を利かせすぎたため、ランクマに嫌気がさすユーザーが増え始めた頃でした。というのも、勇者環境は先攻有利の環境を導きやすく、実際MDでも上記の通り勇者D幻影以外は先攻制圧系が圧倒的に増えました。そのミッドレンジの幻影自体も平気で3~4妨害を置いてきたりするため、決して制圧してこないわけではありませんでした。本来先攻有利を是正するための手札誘発のはずが、勇者によって形骸化してしまったのはあまりにも問題と言わざるを得ないでしょう。
実装時に規制こそしましたが、上振れを狙うとしては十分な初動の数であり、運営の見通しの甘さが露呈しました。加えてリミットレギュレーションの改訂速度から考えると実装されたばかりの勇者ギミックが規制を受けるのは数ヶ月後となり、改訂速度の遅さに愚痴をこぼすデュエリストも多かったです。


おわりに

リミットレギュレーションの改訂はありませんでしたが、大きく環境が変化した月でした。勇者が実装されれば大きく変わると予想していたデュエリストも多かったためある種予想通りではありましたが、事前規制もしっかり掛けないと結局勇者に侵略されてしまうということでした。
勇者ギミックはサブギミックとして発動制限こそかかりますが、それを無視できるデッキにとってはあってないようなものであり、サブギミックとしてはあまりにも強力すぎたと言えるでしょう。万能妨害・そして毎ターンバウンスと正直1枚から動けるサブギミックの域を超えているパワーです。
ふわんだりぃずは環境トップを取るには難しいテーマですが、決して弱いテーマではなく加えてOCG環境でもティアラやスプライトに環境下位として抗っていたこともあり人気もありました。ただ、MDではこの段階では人気以上に恨みも買いました…個人的には裂け目と呪詛貼るのが好きです。


おまけ

例によって有料区間にはうちのぬこの写真1枚以外何も記載はありません。
応援していただける方はご購入いただけると幸いです。
ぬこのおやつ代になります(ΦωΦ)
拾ってまだ1か月くらいの子猫時代のすやっすやにゃんこです。
もうすでに大きくなる片鱗を感じますね…
ツイッターで拡散していただくと無料でぬこれます。

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