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DMGP7th3位 黒単デスザーク 全解説

まえがき



たかが子供向けカードゲーム。

されど取り組む者の熱量次第で、本質的にはスポーツやボードゲームと何ら変わらない、勝負事であると、私は考える。

無敗で勝ち進んだ準決勝。私は勝負に勝ち続けその場に立ち、そしてまた、勝負に負けて夢が潰えた。

白ゼロサッヴァークに強い動きを通されて負けた、間違ってはいない。でも、それだけではない。

敵の圧に揺らいだ。目を逸らした。プレイに迷いが生じた。敗北を目の当たりにしたとき、私はいつまでも、その場から動くことはできなかった。

強さ、とは何だろうか。

"上手さ"と"強さ"は似て非なるものであり、それは時として、勝敗をも覆す。

そんな、"強さ"を兼ね備えたプレイヤーが上位に名を列ねたのが、DMGP7thであったと、私は考える。

本記事では、私が使用したデスザークの詳細な解説はもちろんのこと、今までお見せしてこなかったプレイヤーとしての考え、思いも、紹介していきたいと思う。


目次

1章 DMGP7th3位 黒単デスザーク 構築解説(約7000文字)
   
   ・堕魔ドゥリンリ3投理論
   ・堕魔グリペイジ不採用理論
   ・撃髄医スパイナー2投理論
   ・堕魔グリナイブ1投理論

2章 黒単デスザーク(2ブロック) プレイング解説(約5000文字)

   ・対白ゼロサッヴァーク
   ・対シータチェンジザ覇道
   ・対黒単デスザーク(同型)

3章 "勝負"というテーマで振り返るGP7th

   ・予選第3回戦 対どてら選手(黒単デスザーク)
   ・ベスト16 対鳶沢選手(黒単デスザーク(同構築))
   ・準々決勝 対ちょこくっきー選手(赤青ブランド)
   ・準決勝 対ぎらさき選手(白ゼロサッヴァーク)

以下、執筆中。
次回アップデートは11月23日を予定


   ・3位決定戦 対dotto選手(シータチェンジザ覇道)

Q&A

~2ブロ~

Q.グリールの不採用について
Q.卍月の流星群の不採用について
Q.ドゥンブレの不採用について
Q.ドゥスンの不採用について
Q.卍月ハンドとスパイナーの比較について
Q.グリナイブの枚数に不足はないか
Q.ジョーカーズに対する立ち回りについて
Q.赤単轟轟轟に対する立ち回りについて
Q,赤青クラッシュ覇道に対する立ち回りについて

~通常~

Q.ドゥリンリの採用について
Q.スパイナーと革命の裁門の比較について
Q.この基盤を通常構築でも使うなら
Q.通常構築で防御札は必要か
Q.ヴォガイガを素材に含めてでもデスザークは出した方が良いか

~その他~

Q,時間切れ対策
Q.某強豪プレイヤーの詳細
Q.アウタースリーブはどれくらいの頻度で変えるか
Q.どんな魔道具のような女性がタイプか

補足

・この記事の目指すところは"購入者がエリア代表決定戦含む大型大会で、デスザークを使用候補に入れるに十分な情量量を網羅する"です。環境の変化や要望に応じてアップデートされていくのが趣旨であり、初版のボリュームにご満足頂けなかった場合、アップデートをリクエストすることができるようになっています。そのため、購入者限定でリクエスト可能な私書箱を開設しています。要望の多かった質問については随時回答予定です。
・3章ではDMGP7thテキストカバレージや生放送のアーカイブを引用し、どのタイミングで起こった出来事か解説します。
減額の予定はありません。売れ行き次第では増額を予定しています。2018年10月30日までは最低価格の500円で購入可能です。




1章 DMGP7th3位 黒単デスザーク 構築解説


堕魔ドゥリンリ3投理論


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ドゥシーザのように盤面に干渉したり、ドゥグラスのようにシールドトリガーであったり、このカードにはそういったシステムとしての明確な役割を持たせにくい。

効果も不確定要素を含み、ある意味で明確に必要な対面というものが存在しないといえる。強いのだがふわっとした、漠然とした部分がある。そんなカードだ。

それ故に、枚数に縛られることなく、デッキの隙間を埋めるように採用することができたとも言える。実際に採用した枚数は4枚ではなく、3枚。

本来であればグリペイジが採用されるはずだったこの3枠。マナカーブで見ても、2コスト魔道具11枚(ドゥポイズを含むと14枚)に対して3コスト魔道具はたったの5枚、明らかに不釣合いと言える。

だとしてもだ。このカードには、黒単デスザークというデッキの出力を底上げするに十分なパワーがあった。イメージに近い言葉を探すなら、縁の下の力持ち。

結論から言うと、このカードは2コスト魔道具でもあり、ドゥリンリでもあり、グリギャンでもあり、ヴォガイガでもある。

ヴォガイガをモルトNEXTとするなら、このカードは魔道具界のメンデルスゾーン。何でもモルトNEXTに例えるのはご愛嬌。

前置きはこのくらいにして、何故このカードが採用されたのか、より具体的に紹介していきたい。



・デッキの34枚は確定枠

3 x 堕魔 ドゥポイズ
4 x 堕魔 ドゥシーザ
4 x 堕魔 ドゥグラス
4 x 堕魔 グリギャン
4 x 堕魔 ヴォーミラ
4 x 堕魔 ヴォガイガ
4 x 追憶人形ラビリピト
4 x 卍 デ・スザーク 卍
3 x 卍月 ガ・リュザーク 卍/卍・獄・殺


ドゥリンリの話に入っていく前に、デッキの基盤についても簡単に触れておきたい。ある程度は前記事に書いたので、今回は割愛するが、気になる部分は個別質問していただくか、手っ取り早くは前記事も合わせて読んでみて欲しい。

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おやつCS2018日本一 黒単デスザークとの歩みhttps://note.mu/zweilance/n/na3e0c3cd194a


実は黒単デスザークというデッキはほとんど完成されていて、これら34枚は全てシステムとしての役割を担う。

この記事でいうシステムとは、それぞれが機能として明確な役割を持ち、この枚数は最低限確保されていなければデッキとしての出力が大幅に落ちる、というようなニュアンスだ。

通常では、唯一ドゥグラスだけが他の2コスト魔道具に差し替えられる余地があったが、環境が固まった、同型や轟轟轟の多い2ブロックというフォーマットでは、これ以上のバリューはないだろう。

究極を言えば、この34枚すら改めて疑ってかかる余地はあるのかもしれないが、1+1が何故2になるのかを突き詰める程に、それだけで終わってしまいそうなのだ。

したがって本章では、これら34枚を確定枠とした前提で、他の6枠をどう埋めていくか、というテーマで話を進めていく。



・そもそもにして、黒単デスザークというデッキが向かう方向性とは

ブロッカー、シールドトリガーとしての色が強いドゥグラス、相手の動きへの回答しての色が強いドゥシーザ、同じ2コスト魔道具だが、どちらもシステム的な役割が大きく、単純に2ターン目にプレイすれば良い、というものではない。

対してドゥリンリは、とりあえず出しても雑に強いカードだ。私は雑に強いという考え方が大好きで、強い動きを押し付けやすい構築、プレイングを好む。

何故理論に私情を交えるのかというと、こんな話がある。GPを終え、また別の方向性で組まれた黒単デスザークを使用した、某強豪プレイヤーとの話だ。少し話が逸れるが、ご容赦願いたい。

彼ら(調整メンバー含め)はドゥリンリの強みが理解できなかったことを、私に正直に告げた。理由は、ドゥリンリは黒単デスザークというデッキにおいて、足りない部分を補完するようなカードではない、とのことであった。

全くもってその通りだ。何度も繰り返すが、システマティックなカードではないと理解した上で採用しているから、人によっては理解されないことも承知の上。きっと、彼は彼らなりの理論を私に納得させたいのだろう、そんなことを思っていると、彼は話をこう続けた。

「でもね、俺たち全員落ちたんです(予選)。そして、ツヴァイさん達は揃って好成績を叩き出した。それまでのCSでも。そこで考えたのが、自分達の黒単デスザークとの向き合い方は、一つの方向性として確立されているとは思うけど、果たしてそれが今のDMに当っているのか。間違っていたんじゃないか。

説教を受ける心構えだった私は、これを聞いて驚いた。そうしてお互いの理論を紐解いていくと、同じデッキタイプでありながら、プレイングも構築も、土台にある方向性がまるで違うものであったと判明したのだ。

片やコントロールという枠組みに囚われずに強い動きを通しにいくことを第一に、片やコントロールという本質に忠実に徹底したリスクマネジメントを第一に、これではもはや別のデッキではないか。

彼とは今までもライバルであり良き相談相手でもあったが、お互いが全く違う性質のプレイヤーであるということを、このときに初めて確認しあった。そして彼はこう続ける。

「だから自分は今、それがわかるまで、デスザークを使わないことにしてるんです。」

黒単デスザークというデッキの構築とプレイングの幅は、これ程までに広い、そう感じた瞬間だった。同じデッキを使うもの同士、お互いが、お互いにないものを持っている。

私は、一つの方向性として彼らの戦略をリスペクトしていることを、また、今後それを彼らに学び、自分にも深く取り入れたいきたいことを告げ、この話を終えた。


つまり、考え方一つで全否定されてしまう程に、このカードはシステマティックなものではない。まさにそれを代表するようなカードと言える。

これを読んだ読者も、自分の中で描くデッキの方向性、プレイングの方向性、そして何より、プレイヤーとしての方向性を、今一度再確認してみて欲しい。
そうした上で、ドゥリンリというカードが自分にとってどんなものなのか判断し、採用不採用を決断できなくては、本当はあまり意味がないのだ。

この構築をそのままコピーして大会に出るとするならば、大袈裟かもしれないが、ZweiLanceというプレイヤーが描く方向性に、自分自身を重ねる必要がある。
方向性がちぐはぐなままに使っても、きっと良い結果には結びつきにくい。誰にだって、向き不向きや好みは存在する。

だからこそ、単にメリットデメリットだけではなく、自分という人間が何故そのカードを採用しているのか、その点ににもスポットを当てて筆を執っている次第だ。

さて、話を元に戻そう。ここからは、ドゥリンリがもたらす恩恵について、具体例を交えながら紹介していく。


・恒久的な墓地ソース

このカードが最もわかりやすく力を発揮するのは、最序盤、2~3ターン目。
黒単デスザークというデッキがヴォガイガを引けていない際、中盤以降の出力が大幅に減少することは、言うまでもないだろう。

3ターン目までに墓地を肥やすというアクションを可能にするのは、従来まではグリギャンのみであり、墓地をリソースとする黒単デスザークというデッキにおいては、存外致命的な欠陥だと思っていた。
ヴォガイガを絡めずにに墓地を肥やしていくとなると、どの対面に対してもかなり出遅れる。その上にリソースも多く消費することとなる。

それを誤魔化すのがグリペイジであったりグリールであったりするのだが、相手に干渉すること以上に、いかにして安定して墓地の魔道具・無月の門の数を稼ぐ試行回数を得るか。また、裁きZやシールドトリガーという明確な裏目を回避して墓地を肥やすか。

墓地を肥やすという動きはどの対面に対しても、そもそものデッキタイプとして一貫して強力だ。最序盤から墓地が肥えるということは、ヴォガイガに依存せずにゲームを組み立てやすくなる、ということでもある。

仮に2ターン目にプレイしたこのカードで魔道具を2枚落とすことができれば、それだけでデスザークの召喚条件を満たすことができるし、ハンドに抱えていた無月の門が落ちれば、それをセットすることもできる。そうなれば実質的に1ドローと同等のアドバンテージを得る。

仮にラビリピトが落ちても、ヴォガイガで回収したい局面は往々にして存在する。

もちろん、グリギャンのように3ターン目にプレイしても、十分に活躍する。4ターン目となると競合が多いので、墓地ソースとして運用するには、遅くとも3ターン目までにプレイしたいカードだと考えている。

2ブロックというフォーマットにおいて、ラビリピト、ガリュザークがいかにあらゆる対面に対して重要なのかは、カバレージや生放送等で十分にわかっていただけたと思うが、これらのカードを使い、ゲームを組み立てる上での、縁の下の力持ち。これが、私が考えるドゥリンリの強みであり、冒頭で”このカードは2コスト魔道具でもあり、ドゥリンリでもあり、グリギャンでもあり、ヴォガイガでもある。”と述べた理由だ。

このようのに書き連ねてみるといかにも強力そうだが、その反面、直接的に相手に干渉したり、新しい動きを可能にするカードでもない。期待通りのカードが落ちないこともあるし、ゲーム中盤以降でプレイしても墓地を肥やす効果は期待できない。

だからこそシステマティックな34枠とは別に、枚数に依存せず、引いた試合のみ、適切なタイミングでプレイすればいい。空いた隙間をシステムではなく、パワーで埋めるような、雑に相手とのアドバンテージ差を作る、あるいは埋める。そんなカードだと考えている。

上手く説明できているかはわからない。読み返して後日補足するかもしれない。本当にこのカードは、簡単が故に難しいのだ。
とにかく、序盤から墓地を肥やしていくという動きがあらゆる対面に対して強力である。というまとめ方が、一番しっくりくるかもしれない。



・腐っても2コスト魔道具

このデッキのスタンダートな動きとして、

4ターン目ラビリピト→5ターン目ヴォガイガ+2コスト魔道具+デスザーク
4ターン目ヴォガイガ→5ターン目ラビリピト+2コスト魔道具+デスザーク
4ターン目2コスト魔道具+2コスト魔道具+デスザーク


そもそも、2コスト魔道具というだけで対面を問わず重宝するのだ。
したがって、別に最序盤にプレイできなかったからと言って腐るわけでもなく、中盤以降は魔道具として運用すれば何の問題もない。

3コスト魔道具はそういった意味では非常に使い勝手が悪く、純粋な2コスト魔道具が11枚採用されたこの構築は、デスザークを使ったプランニングが非常に取りやすくなっている。



堕魔グリペイジ不採用理論


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元々ドゥリンリの枠に採用されていたこのカード。マナカーブ的に不足している3ターン目の動きの補完にもなり、ランダムハンデスという腐りにくい効果も魅力的だ。

特にハンドの精度が高い白ゼロサッヴァークというデッキに対しては、先手後手問わず、プレリュード→サッヴァークDGという最善の動きを牽制することができる。2ターン連続のハンデスとしてラビリピトに繋げても強力だ。
その反面、ハンデスで強力な札を抜くことができなければ、リターンの薄いカードでもあった。

同型においても、3ターン目はグリギャン、ドゥシーザを優先することが多く、有効な動きになりにくい。赤単轟轟轟に対してはプレイするタイミングすら存在しないし、シータチェンジザ覇道に対してはG・W・Dという明確な裏目が存在する。つまるところ自分の動きを後押しするのではなく、相手の対面や運の要素に大きく依存する妨害カードだと感じた。

しかしながら、先程もお話しした白ゼロサッヴァーク、特に絶十型に関してはハンデス効果による回答が特に多く、宿を共にした白ゼロサッヴァーク使いのセキボンさんからも、「グリペイジ有無で大きく変わる」とアドバイスされ、実際に試してみても間違いではなかった。

白ゼロサッヴァークの流行は、直前のCSの様子を見ても明らか。ひとまずグリペイジを採用する方向性で調整を進めると、ある疑念が生まれた。

白ゼロサッヴァークに対して、別のアプローチはないだろうか。

ここで初めて本気でドゥリンリと向き合う、というわけだ。相手に干渉する、という不確定な要素を減らし、自分の動きを通すことを第一に考え、再び白ゼロサッヴァークと対面する。するとどうだろう、面白い程に勝てるではないか。

直接的に相手の最善の動きには干渉できなくとも、ゲームを決定付けるラビリピトによる全ハンデス、この動きの精度は格段に上がった。墓地を肥やすことで自分の動きを加速させ、多少なり強い動きを通されても、そこからゲームを再構築することができたのだ。

そうして試行回数を重ねていくと見えてくる、本質。グリペイジは、期待通りのアドバンテージを得られなければゲームが終わってしまう程に、ピーキーなカードだったのだ。墓地がなければ、このデッキはゲームを巻き返せない。

本命の対面にすらピーキーなグリペイジ、対面を問わず役割が一貫したドゥリンリ。この理論を結論付けたGP前日、迷わずグリペイジをスリーブから抜いた。



撃髄医スパイナー2投理論

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ドゥリンリの枠と並行して悩まされていたのが、轟轟轟ブランド意識したトリガー枠。トリガーの枚数は勝率に直結し、特にスパイナーによる複数除去効果は、あらゆるゲームを捲ってみせた。

他にもいくつか種類のある黒の除去トリガー、前提としてスパイナーが最も優れている理由がいくつかある。

一つは同型におけるカウンター。殴り合いのゲーム展開となるこの対面では、トリガーしたドゥグラスの1打点すらゲームを大きく動かす。そこに複数除去効果が加われば、相手のアタッカー、ブロッカーは壊滅、その効力は何倍にもなる。

そして何よりは、スーパーシールドトリガー効果。墓地の魔道具、ラビリピトを好きなだけ展開でき、その際にデスザークの召喚やブロッカーを展開することで、あらゆる対面の攻撃から耐えつつ、圧倒的な打点でカウンターを狙うことができる。

轟轟轟に当たるのはこのフォーマットでは必然で、採用自体は確定していたのだが、問題は枚数。入れたら入れただけ轟轟轟に対しての勝率は上がるが、その分ハンドに来たり、墓地に落ちては完全に腐る。結局、確率でしか語れないカードなのだ。

後述するグリナイブを1枚採用したかったことから、残り5枠、ドゥリンリと何枚ずつ採用するかが最後の課題となった。

ここの配分理由は非常にシンプルで、スパイナーはドゥリンリで墓地を肥やす試行回数を増やすことでこそ弱みを帳消しし得るカードなのに、そのためにドゥリンリを減らすのは少し矛盾する、というものだ。

余談だが、ここで一つ論理的でないことを話す。先程の配分理由に加え、スパイナーは3枚以上入れるともの凄く鬱陶しいのだ。やたらハンドに来る。ここぞで墓地に落ちる。そういう論理だけでは計れない感覚値も、大事な要素だと思っている。

以上の理由で、シールドトリガー6枚。確率にして約58%。踏ませなければ勝てない時は、気合いで踏ませるつもりで割り切る。且つそもそものデッキの動きとしてストレスの少ない、プレイヤー本人が許容できる、そんな枚数配分だ。



堕魔グリナイブ1投理論

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このデッキにおいて唯一の1投。便利だが、ないと勝てないという対面は存在しない。ここでもまた、白ゼロサッヴァーク対面を例に話そう。

"白ゼロサッヴァーク対面はグリナイブが鍵だ"というのが最初期の仮説だ。魂穿ツ煌世ノ正裁Zや煌龍 サッヴァークによる盾送り効果を防ぎ、こちらのリソースの消失を最小限にしつつ、相手の除去耐性を突破しやすくする。

ところが、グリナイブを増やしても満足な勝率が出ない。確かに効果的ではあるが、果たしてゲームを決定付ける要素であるかと問われると、疑問だった。

というのも、結局ゲームの鍵はラビリピトの全ハンデスをいかにして通していくかであり、序盤、こちらの盾が1枚増えること自体は、おいしくはないが、そこまで重要ではなかった。ここはドゥリンリの理論でお話しした通り、要は墓地を肥やす手段が多い方が勝ちに繋がりやすいということ。

赤単轟轟轟に対しては使わず、同型でもこれ以上に強い動きが用意され、シータチェンジザ覇道に対しても詰めの役割が大きい。

そもそもにして枠がない。しっかりとした枚数採用するのであればドゥリンリの枠から削る他ないし、この時点で序盤にプレイしたいカードとして採用するのは諦めた。

であれば、サポート的な役割ではどうだろうか。

例えば、シータチェンジザ覇道の父なる大地によるヴォガイガ効果の強制起爆。これはマウントを取られた後のシータチェンジザ覇道に残された数少ない勝ち筋の一つで、ゲームを詰めにいく上で山札枚数が少なくなるのは必然。油断して山札を10枚以下にしようものなら、2発撃たれればゲームが終わってしまう。

そんなしょうもない負け筋を、たった1枚のカードでケアできるとなれば、その恩恵は非常に大きい。マナにヴォガイガさえ置かなければ(元々滅多に置くようなカードではないが)、場のヴォガイガを出し直そうとしても、セイバー効果で回避することができる。他にも、同型の優勢時、卍・獄・殺のケアもそれに近い。

元々、山札を掘り進めるデッキだ。ゲーム中盤以降であれば、例え1投でもアクセスしやすい。アクセスできないからといって負け、というわけでもなく、あくまであったら便利なカード。

コントロールデッキだ。可能なら選択肢は多い方が良い。1投と2投の差はそこまでではないが、0投と1投の差があまりに大きかった。

その他にも、殴らざるを得ないターンに召喚すれば実質SAになる。序盤に引いたら引いたで、必要な対面、タイミングであればプレイすればいい。

以上の理由から、必須ではないが、ゲーム中に1枚見えるだけで選択肢を広げることができる。であればデッキの性質を生かし、採用したいと考えた。


2章 黒単デスザーク(2ブロック) プレイング解説


対白ゼロサッヴァーク


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勝ち筋

ラビリピトを使って相手のリソースを刈り取り、4コスト魔道具を駆使してリソースと盤面を拡張、制圧。
最終的に、相手の逆転の芽を摘むようにラビリピトのハンデスを駆使して殴り、絞め殺す。

負け筋

相手にハンドキープ、展開を許し、サッヴァーク系×天ニ煌メク龍終ノ裁キのコンボによって攻め込まれること。

ラビリピトを出すタイミングが最重要で、1ハンデスの為に安易にプレイするカードでは決してない。例外もあるが、基本的に全ハンデスが確実に通るタイミングでプレイするのが理想だろう。

運良く相手のキーパーツを落としてラビリピトが場に残り、かつ相手の展開を遅らせることができれば儲けもの。逆にそれが通らなければ、魂穿ツ煌世ノ正裁Zや煌龍 サッヴァークで容赦なくラビリピトは盾に封印され、そのタイミングで増やすこのできたはずの墓地枚数は少ないまま、終始後手に回るゲームを要求される。

デスザークはラビリピトというカードを除けば、盤面を制圧することに特化したデッキといえる。
例えばビートダウンにはそれだけで十分なのだが、圧倒的な除去体制を持つサッヴァーク系のカードを主軸とした、こと白ゼロサッヴァークという対面に関しては話が変わってくる。

目先の盤面の有利不利以上に、いかにして後続を断ち切ることができるか、このポイントを第一に考える。盤面→リソースではなく、リソース→盤面、とにかくこれを意識して欲しい。

相手にハンドキープを許すと、いくらこちらが展開したとしても、このデッキの性質上、サッヴァーク系+天ニ煌メク龍終ノ裁キのコンボによって簡単に突破される。
逆に、ラビリピトさえ有効に活用することができれば、例えサッヴァーク系の着地を許したとしても、ロングゲームで逆転を狙うことは十分に可能だ。

その際、ドゥグラスやグリギャンといっいたブロッカーが非常に有効で、ヴォーミラを駆使して幾度となく展開、相手の攻撃を凌ぎ続けながら致死打点を構成していく。
天ニ煌メク龍終ノ裁キは複数枚プレイされてこそ致命的なカードであって、リソースさえ断ち切ることができれば問題ではない。

また、その鍵となるラビリピトの全ハンデスを通すにあたって、ガリュザークを早期にプレイできるように、多少相手が強い動きをチラつかせてきても怯えてはならない。序盤は墓地を肥やす試行回数を増やすことができる。

基本的にドゥリンリやグリギャンからスタートし、4コスト魔道具でガリュザーク着地圏内まで魔道具枚数を確保、ラビリピト+ガリュザークのコンボで全ハンデスの流れが、最も太い動きといえる。

この動きにマッチしない魔道具をプレイしてハンドが減ると、ラビリピトを効果的に使えない場合があり、注意が必要だ。


まとめ

・ラビリピトは全ハンデスを確実に通すために使いたい、この対面における最重要カード。プレイするタイミングを間違えると負けに直結することも。
・リソースを奪ったからといって油断はできず、ブロッカーが重要となる展開もあり、極力シールド枚数を減らされないような盤面の構成を目指す。
・とにかく、序盤は墓地を肥やすカードを優先してプレイしていく。

その他気を付けるポイント

・相手の盾を減らしに行く際、ラビリピトは複数体展開が望ましい。魂穿ツ煌世ノ正裁ZのサバキZによって除去されると、相手に手札を与えた状態でターンを返すことになる。
・煌龍 サッヴァークとガリュザークのパワーラインが等しいことは確実に覚えておく。殴り返し→表向きの盾1枚とガリュザークを墓地へ→他のアタッカーで盾に攻撃→ターン終了時ガリュザークでラビリピト効果で全ハンデス、煌龍 サッヴァークが絡むゲームでは頻出する動き。また、ドゥシーザでパワーをマイナスし、デスザークで殴り返しを狙うことも。
・相手の場にサッヴァーク系が居て、かつ盾に天ニ煌メク龍終ノ裁キが貼られている場合、転生ノ正裁Zもトップからの回答になり得る。ラビリピト+ガリュザークが狙える場合には、早めにその盾をブレイクして、少しでも負け筋を細くしていくことが重要。




対シータチェンジザ覇道


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勝ち筋

早期デスザーク着地により、チェンジザ+αの動きを牽制。その後、ラビリピトによる全ハンデス+デスザーク+αの盤面を作り、絞め殺す。
また、相手のマナが伸びていないときは墓地を肥やすカードを積極的にプレイし、ラビリピト+ガリュザークのコンボを決める。

負け筋

相手のチェンジザ+αの展開を許し、そのまま押し切られる。


チェンジザ+フレア→覇道の動きを丸腰で受けてはひとたまりもないので、早期(目安として4ターン目)デスザークの着地を目指す。
相手の除去手段は破壊かバウンスがメインで、とちらもリカバリーしやすく、積極的に狙うことができる。

裏目として、吸い込むの返しにプレイできる魔道具のコストが噛み合わず、デスザークを着地させられないというケースが稀にある。墓地から無月の門に用いる魔道具の種類は、適切なもの(ヴォガイガやグリギャンなど)を選択する必要がある。

また、不用意に盤面を展開し、G・W・Dに大きなアドバンテージを取られる展開も望ましくはない。デスザーク着地までに必要なカードを最低限プレイし、ゲームを組み立てるために必要な後続は確実にキープしたい。

ただし勝ち筋にも紹介した通り、早期デスザーク着地以外にもラビリピト+ガリュザークを早期に狙うというパターンもあるので、適宜判断、ときには強気にゲームプランを組み立てていく必要がある。

相手の展開を抑えた後は、ラビリピトによる全ハンデスを狙うことになる。このデッキもまた、ハンドがなくなれば脅威となる動きはほとんどなくなる。

全ハンデスまで決まれば、後は白ゼロサッヴァーク対面同様、盤面を拡張、制圧し、適宜トリガーをケアをしながら殴っていく。以下にそれぞれの主要なトリガーのケア方法をまとめまる。

・ドンドン吸い込むナウ
ラビリピトを複数体立てた状態で墓地にガリュザーク
デスザークを複数体またはデスザーク+グリナイブ

・ザ・クロック
ブロッカーを複数体展開

・父なる大地
ドンドン吸い込むナウの盤面に加え、極力ヴォガイガをマナゾーンに置かない(LOの可能性があるため)


まとめ

・序盤は早期デスザーク着地を目標に、それと並行してラビリピトによる全ハンデスも見据えて動く。
・ラビリピト全ハンデス後も油断はできず、いかなるトリガーを踏んでも反撃されない盤面の構成を目指す。

その他気を付けるポイント

・万が一チェンジザをデスザークで対処できない場合でも、ドゥポイズで除去することで時間を稼げるケースも。サブプランとして意識しておくと良い。
・こちらの山札が薄くなると、父なる大地、六奇怪の四、クロックを駆使してLOを狙われるケースも。意識すれば大抵対処できるので、頭の片隅には入れておく。



対黒単デスザーク(同型)


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勝ち筋

序盤から相手の盾にプレッシャーを与え、中盤以降ガリュザークの実質破壊耐性効果を生かし、相手の盾を0に近付けていく。
そのまま押し切れることもあれば、与えたリソースからブロッカーで耐久され、致死打点を組まれることも。
しかしながら、先に相手の盾を削ってしまえば、盾からのスパイナー、卍・獄・殺が解答となることが多く、攻め手に回ることこそが勝ち筋と言える。

負け筋

そのまま、勝ち筋の逆。ゲーム展開として後手に回ること自体、負け筋を太くしやすい。


まずは殴り合い、攻め手に回った方が有利、という前提を共有しておきたい。最重要はガリュザークであり、中盤以降はお互いのガリュザークが残り続け、打点の押し付け合いが発生する。

展開として後手に回ると相手のトリガーをケアしにくく、ゲームのイニシアチブをいかにして獲得するか、または巻き返すかに意識を置く。

同型戦であるが故、他の対面と違って先手後手でカードのバリューが大きく変わる。そのため、先手と後手を区別し、各ターン毎のポイントを押さえていきたい。

先手が有利なのは間違いないが、それ以上に引くカードのバリュー、立ち回りをしっかり押さえられているかの方が重要だ。

・先手2ターン目

ドゥリンリがあればプレイする。他のカードはドゥシーザやドゥポイズで焼かれることが多く、基本的にはプレイしない。

・後手2ターン目

ドゥリンリがあればプレイし、他の2コスト魔道具もプレイしやすい。相手が何か展開してきた場合には、ドゥポイズも解答となる。


相手の次のターンの動きの最大値はグリギャンであり、別にここでプレイした2コスト魔道具がドゥシーザやドゥポイズで処理されても、ハンドが1枚多い分、そこまで痛手にはならない。

むしろ、ここで1体魔道具を場に残すことができると、後に説明するデスザークを使ったプランに大きく貢献してくれる。

・先手3ターン目

墓地が肥えるグリギャンの他、相手がプレイしてきた2コスト魔道具に対してドゥシーザをプレイしたいターン。

・後手3ターン目

基本的には先手3ターン目と同様。
先ほど出したカードがドゥシーザまたはドゥリンリで場に残っていた場合、ここでシールドを1枚ブレイクしておくと、相手の盾を4枚にしておくことができる。

このターンに限った話ではなく、この盾が4枚という偶数であることが非常に重要。基本的にガリュザークで盾を詰めに行くゲームになるため、ガリュザークの殴る回数を減らすことができるのだ。

盾を4枚にできるタイミングにゲーム中遭遇した場合、余程相手がリソースに困っていなければ、殴っておいて損はないだろう。

加えて、後手にのみ可能な動きがあるので、それを紹介しておきたい。
相手の次のターンの動きとして想定されるのは、ヴォガイガないしはヴォーミラ、基本的に、この時点で相手の場には魔道具が1体のみと考えられる。

例えばこのタイミングでグリギャンをプレイした際、前のターンにプレイした2コスト魔道具が場に残っており、ハンドまたは墓地にデスザークがあったとする。

この場合デスザークをプレイするかどうかだが、狙うに値するリターンは以下の通りだ。

相手の盤面は更地になり、次のターンにプレイされた4コスト魔道具はデスザークで殴り返すことができ、自分はデスザークを盤面に残したまま、4コスト魔道具を有効にプレイすることができる。

ヴォガイガが場に残った状態でターンを返すと、爆発的に、墓地、リソースが増えてしまうため、それを防ぎ得る動きがこれだ。逆にこちらのヴォガイガを場に残すことができれば、勝ちに限りなく近付く。

仕事を終えたデスザークは盾に向かわせても良いし、除去されようものならガリュザークに変換する、といったプレッシャーの掛け方だ。

・先手4ターン目

とにかくヴォガイガをプレイしたいターンで、それ以外の動きはあまり強いとは言えない。このヴォガイガでヴォガイガを回収することができると、ひたすらヴォガイガを回しながら墓地を肥やし続け、プレッシャーを与えていくゲームにすることができる。

・後手4ターン目

先手同様、とにかくヴォガイガをプレイしたいターン。
後手3ターン目同様、このタイミングでデスザークをプレイすることで、相手が先に出してきたヴォガイガを破壊できるのであれば、破壊しておきたい。そう出ないと、後手に回るゲームに持ち込まれやすい。


以上が序盤の動きの解説で、何よりもヴォガイガ→ヴォガイガのバリューが高いということ。加えて、後手は相手の動きに合わせた、場合によってはデスザークを使ったプレイが重要ということだ。

ここまでのイニシアチブが最重要で、それ以降は、いかに墓地を継続的に肥やし、ガリュザークを多く着地させるか。相手のブロッカーやシールドトリガーをかわしながら打点を押し付けて行くか、また、トリガーを踏ませてカウンターすることが出来るか、というゲームになる。

中盤以降もドゥシーザの仕事は終わらず、例えば2体同時に召喚することで相手の4コスト魔道具を破壊しながらデスザークを出す動きは強力で、展開として後手に回った際に重宝される。

まとめ

・いかにして相手に打点を押し付けていくかのゲームで、序盤のイニシアチブが最重要。
・攻め手に回ること自体がゲームを優位に進めやすいが、最序盤の立ち回り次第でそれを未然に覆すことも可能。

その他気を付けるポイント

・経験則として、基本的に、強気なプレイが功を奏しやすい。
・詰めのタイミングでデスザークを立てておくことで、相手のドゥグラスをタップインさせることが可能。頭に入れておく。
・卍・獄・殺やスパイナーなどでしかゲームを覆せないとき、不用意にガリュザークは展開せず、墓地を充実させておくと良い。
・スパイナーの効果でガリュザークが破壊されないことは、必ず頭に入れた上で殴る順番を考える。


3章 "勝負"というテーマで振り返るGP7th


動画とのリンクは後日。。。思いのほか、手が回りませんでした。

手間かと思いますが、よかったらGPのアーカイブがYouTubeにあるので同時並行で見てみてください。。そしたら、わかりやすいです。

こっから、自分のペースで書きます。おまけくらいに思ってください。


前日のCSをベスト16で終え、調整も程々に大好きなラーメン屋へ。
いつもと変わらない休日の過ごし方をした後、夕方にはゲストハウスに帰宅し、やることは一つ。全力で睡眠の用意。

寝不足、CSくらいならエナジードリンクで誤魔化せるが、予選8回戦本戦7回戦。まして公式大会、訳が違う。
大型大会前の十分な睡眠、前日にできるこれ以上の調整など、存在しない。

無理を言って、静かで暗い部屋に変えてもらった。本当に感謝している。
万全の体調で目覚め、いざ会場へ。待機場所である、2Bye(ランキングの報酬として予選2回戦不戦勝)持ちの待ち合い席へと向かう。

すぐにわかる。この空間だけ普通じゃない。

休日という休日を全てデュエルマスターズに捧げ、その為だけに生きているような奴ら。その中でも特に多くの修羅を潜ってきた奴らが30人。

面構えが違う。掛かってるものが違う。プレッシャーが違う。


このレベルまでくると、趣味とか、そんな言葉で収まるレベルじゃない。
たかがカード。何かしらの勝負事に全力で取り組んだことのある人間からは、間違ってもそんな言葉は出てこない。

そのコンテンツがどんなものであるか、そこは重要ではない。情熱を抱いてしまったが最後。それが野球やサッカーか、カードゲームかなんて、些細な違いだ。

いつもどこかで、そのコンテンツに取り組みながらも、どこかそれを嘲笑するような人間は存在する。そういった”濁り”が、この空間には何一つない。

心地良かった。この空間自分が招かれていることに喜びを覚え、集中力とモチベは最高潮に。


暫くして1回戦のゴング、まだまだ先は長い。身内のフィーチャーマッチを追い、会場全体の雰囲気を見渡しながら、3回戦のゴングを待つ。
いつも通り、緊張すらない、集中力と勝利への渇望だけが自分を支配するような感覚を再確認し、マッチングを確認する。




どてら vs ZweiLance



「3回戦のフィーチャーマッチをお呼びします。どてら選手 vs ZweiLance選手」




予選第3回戦 対どてら選手(黒単デスザーク)


「これは、仕組んでないよな、タカラトミーさん…?」

いやいやいや、そんなことある?どっちも2Bye持ちだし、自分で言うのもなんだけど、こんなビッグネーム同士いきなり都合良く当たるもんかね。
あー、でも、オポネントでマッチングが決まってるとしたら、2Bye同士が当たるのも納得か...なんて思いながらすっかり慣れた足取りでフィーチャー卓へ。

どてらさん。GP覇者。最強の5色コン使い、という認識。
と言うのも、身内でどてらさんの5色が上手過ぎてそれはもう完膚無きまでボコボコにされた、という方が。

初戦からそんな強い人と当たれるということでテンションMAX。しかも初対面。大変だろうけど、最高のスタート決めるチャンス。

余談だけど、マッチング見た時点で「終わった」とか「最悪だ」とか、そういうこと呟いてる人よく見るけど、その時点で対戦前からだいぶ差が生まれてるのかもしれない。そういう気持ちは、知らずにゲームにも影響してくるもの。(のちに、自分に刺さるブーメランなんですけどね)

席に向かうと、笑顔で話しかけてくれるどてらさん。実は待合席が近くて少しお話しして、予想だにしない形で最速の再開。
撮影に関する諸々の手続きを済ませ、対戦の準備を進める。

ところで、この人何使ってるんだろう?5色かな?な訳ないか。とりあえずマナ貯めてデカイのぶん投げてきそうだ(偏見)
それか、本当に5色こそがアイデンティティなのだとしたら、俺の知る限り2ブロックに似たようなデッキはないから、安牌的なTier1で妥協してくるか。

始まればわかることだし、対面を問わないマナセットも意識しているので、まあいいんだけど。
そんなことを考えていると、試合開始、じゃんけん負け、チャージドゥグラス。


「ほう」


それは一番予想してなかった。ミラーか。なら、任せて。
ミラーの勝率は良い。後手を取った記憶がやたら多いが、それでも勝率が良い。

大活躍予定だったウサギさんを真っ先にマナに置き、まずは最序盤の出方を伺う。
2t目チャージを済ませたどてらさん、少し悩む。正誤の確認というより、どうも悩んでいるように見える。はたまた演技か。

もしかしたら、ミラー100回とか200回とか練習してきたわけじゃないのかも。だとしたら、勝機は十分にある。

迷った末にターンパス、こちらはドゥグラスを設置。焼かれたら焼かれたでグリギャンが出てきてないから構わないし、こっちの後続にはグリギャンが構えている。残ればリターンは大きい。

返しのターンは予定調和のドゥシーザ、こちらはくグリギャンをプレイし、ここまでは順調な滑り出し。

やっぱり出てきたヴォガイガ、しんどい。でも回収ウサギ、救われた。
渋々ヴォーミラ、でもここでガリュ着地。1マナだけ縛る。

返し、ここで魔道具プレイされるとかなりしんどかったけど、本当に後続弱いのかウサギ出てきた。ハンドはグリギャンだからむしろアドに。

ここで返しにヴォーミラ効果でグリギャン蘇生、ハンドのドゥシーザ、ラビが居たので欲張らず埋めたら良かった。完全にミス。
そして何故かガリュザークからWブレイク、トリガーを考えると完全にミス。だめだめ。このターンの間抜け具合が凄い。

ドゥグラス踏んだらしいけど何か策があったのか出してこなかったので、ヴォーミラも攻撃。盾を順調に詰める。

返しにヴォーミラを壊され、トップはスパイナー。殴ったけど当然ブロックされる。
しかしながら前のターンでリソースを吐ききったどてら選手、返しのターンには何もできず。

ここでトップはデスザーク、弱い。弱いけど、墓地に1枚も見えてなかったので、ヴォガイガ→ドゥシーザ→デスザークで2面処理の線を残したくて、ラビを誘うキープ。

返しのターンに遂に2体目のヴォガイガにアクセスできたどてらさん、盤面を展開しながらブロッカーを立て、次のターンのリーサルを見据える。


画像9


やっと。

なんとか勝利。
ドゥシーザ埋めてりゃヴォーミラも解答になってた。反省。

よくできたようで細かいマナセットのするしないとか、殴る順番とか、明確にミスがあって、そこは素直に反省して、次の試合へ。

悪くないスタート、ここから11連勝。



ベスト16 対鳶沢選手(黒単デスザーク(同構築))

鳶沢こと八神とは、東北に来てから知り合った。最初に八神を認識したのは、CSの決勝。
私が引っ越して間もなく開催されたシーガル山形CS、決勝で戦った。そこでは勝った。でも、上手いやつだと思った。

それから暫くしてお互いのことをよく知り、話すようになり、一緒に遠征するようになった。本当に心の優しいやつだった。
ペン山ペン太郎カーで超CSが終わった足で3人で関西まで行ったのはいい思い出。

その頃から、俺とペンさんもデスザークを使い続けるようになり、もともとコントロールデッキの上手い八神ともよく調整するように。
そんな八神とは、今回のGPは”仲間”だった。スパイナーの枚数を、グリナイブの枚数を、プレイングの方向性を、ドゥリンリの考え方を、全て八神とペンさんと話し合って結論を出していったことだ。

当然、デッキもシェアしているし、戦略だってそう。そんな八神と、よりによってGPベスト8をかけた舞台で当たってしまう。
トーナメント表を見れば、どちらか一人しかベスト8に出場できないことは一目瞭然。それでも、ベスト32で強豪おんそく選手と戦う彼を、心から応援していた。

一足先にベスト16入りを決めた私は、ギリギリの試合をする二人を見守っていた。
どうせ一人しか上がれないなら、最高のデスザークミラーがしたいと思った。

かくしてしっかりと勝利を収めた八神、最高のデスザークミラーが始まる、はずだった。




結論から言うと、2t目にゲームが決した。
八神は飲まれた。会場に。私に。圧に。
俺と八神を誰よりもよく知るペンさんは、こう語る。

「八神のハンドは、最高だったよ。全部揃ってた。でも、普通じゃないのはすぐにわかった。」

先手を取った八神、ハンドにあるはずのドゥリンリは、出てこなかった。
迷うこともないはずのその一手を、八神は捨ててしまった。
そうしているうちに、こちらのドゥリンリが着地。それをドゥシーザで破壊する八神。

ドゥリンリを出さない、ということは、相手のドゥリンリを許す、ということになる。とっくに、先手後手は逆転。そして何より、本人が一番よくわかっている、この大舞台でありえないミスをした、と。

対して私は、ヴォガイガこそ引けないものの、与えられたハンドでできる最効率のプレイでいつも通り後手を捲りにいく。いつも通り、動じない。楽しい。勝ちたい。生きている。

ゲームが中盤に差し掛かった頃、それでもどちらが勝つかわからない状況は続いていた。本来私が2ターン目に得たアドバンテージは、ワンチャンスを貰った程度だった。
でも、それだけではなかったのだ。目に見えるものが、全てではない。明らかに、八神は焦っていた。

受け手に回ったことを生かし、盤面を徐々に形成する八神。押しているようで、気付けば、私は後のない状況だった。
全てを盾に託した。いつも通り、割り切る。あったら勝ち、なかったら負け。最も強い動きを通そう。それでいい。

そうして、八神がついに私の盾に向かう。1ブレイクから入れる盤面、最初に殴りかかってきたのは、ガリュザーク。ここで私は盾から起死回生の卍獄殺。不用意にハンドを与えた上に、盾を偶数にするという同型のセオリーすら見誤ってしまっていた。残った盾は、3枚。

盤面が更地になり、卍獄殺はすぐさま2体目のガリュザークに、迷うことなく、八神の盾を貫いた。トリガーはない。
直前のヴォガイガで、回収を誤ったという八神。ここで私の2体のガリュザークを止める術はなく、投了を宣言。


観客の目には、どう映るだろう。ただミスをした人に、映るだろうか。
ペンさんはずっとこの試合を見守り、


「あの場に立たなきゃ、分かるはずがない。周りの奴らは、誰もわかってなかったよ。」

その場にすら立ってないやつが、人のミスを咎めるなんて、浅ましい。神の視点では、なんとでも言えてしまう。
八神は上手い。私なんかより、ずっとずっと上手い。上手い上に最高の条件を得て、それでも負けた。
何故か。

結局、その上手さを最大限発揮できるだけの強さがなければ、勝負では意味がないのだ。
様々な重圧に動じず、それを力とし、そして自分自身が周りを巻き込むような圧を、強さがなければ。単純な技量とは、時としてそういった要素によって容易く逆転する。

たかが子供向けカードゲームで何を言っている、と思うだろうか。それならそれでいい。でも、そうだとしたら、どうやってこの結果を説明しよう。

私は、強さで勝った。だが、これは一時的な結果に過ぎない。あの男は、この程度ではくたばらない。
次に戦うのはどこだろう。きっと八神は今、打倒ZweiLanceに燃えているはずだ。いつかまた、真剣勝負がしたい。

“上手さ”と”強さ”は似て非なるものであり、それは時として、勝敗をも覆す。

強くなった八神が、私の首を獲る日も、実はそう遠い未来ではないのかもしれない。敗北は、人を何倍にも強くする。





準々決勝 対ちょこくっきー選手(赤青ブランド)

そんな試合を終えた後、写真撮影やら何やらを終え、ベスト8の試合が始まる。

当然、フィーチャー席。

宣言通り帰ってきたぞ、卵の割れない2ByeLanceが。

お相手はちょこくっきー選手。名前が可愛い。なんか良い人そう。
どうやら昔私と取引をしたことがあるらしく、「ツヴァイさんからアクアガードのプロモを昔購入しました」とのこと。

えらいマイナーな取引だなw

八神との試合を終え張り詰めていた何かがあったが、そんなこんなで少し心にゆとりができた。

「なんでアクアガードなんて欲しかったんですか?」
「コレクターなんですよね」

えええ、ドラゴ大王とっちゃったよ。とんでもないコレクターさんだ。

そんなこんなでデュエマスタート。どうやらデッキは赤青覇道。こりゃ少し厄介か。
と思いきやモルガラ型ではなく、結構受け厚めで前のめりな型らしい。
1本目、プレイ完璧ではなかったけど、デスザーク間に合った時点でほぼゲームエンド。

二本目



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とんでもねえ。





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この日初のトリガースパイナー、無事勝利。

言うことないです。動画見てください。

まあ、スパイナー来なかったらドゥポイズスザクで盤面返してたけど、盾が残ったことで詰めまでの確実性が格段に上がった。

ここで負けるわけには、いかんのだ。


準決勝 対ぎらさき選手(白ゼロサッヴァーク)

試合カバレージ


う-ん、なんだろうなぁ。

本当に、冗談抜きで、この世界でただ一人なんですよ。怖いなって思うの。

いかついなーとか、ガラ悪いなーとか、そうじゃない。至って紳士。

強く見せようと態度が悪い、デカいだけの奴は、滑稽だしすぐわかるんだけど、彼は違うんだよな。

人間的ではないというか、動物のそれに近い、悍ましい覇気を感じる。

彼と初めて戦ったのは、夏に遊びに行った関西のCSで、そのときは俺がデスザーク、彼がチェンジザで、まあ有利対面ですよ。
彼の強気なプレイに終始圧倒されて。強気というのは、もちろん強い動きを通してくる、ということでもあるんだけど、なんだろう、プレイと人、空気がリンクしているというか。

10年以上DMやってきて初めて対戦相手に怯え、動揺。普段の自分ならありえないような弱気なプレイを取らされ、そのままズルズルと広がってくアドバンテージ差。
それでも運良く掴んだワンチャンス、気付けばミスって水の泡。負け。

この試合があまりにも衝撃的過ぎて、悔し過ぎて、次に当たったら絶対リベンジする。越えなければならない。そう考えていた。


で、勝てば全国、GPベスト4で再開。


自分は主人公だと思った。こんな出来過ぎた展開あるか?

これは貰った。絶対負けない。今度こそ倒してやる。

そうやって振舞って見せた。









「またペースに呑まれたら嫌だから、目は合わせないようにしよう」







内心はこうだ。

何が全国だ。どこにそんな覚悟で臨む主人公がいる。

でも、感情は騙せない。怖いものは怖い。

たった数か月で夢にまで見たおやつ日本一、半年で5回CS優勝、公式大会上位、どれほどの自信をつけてきたか。

でも、彼と対面する時間は、あの時のままだった。

散々これまでの記事で偉そうなことを言ってきたが、かく言う自分も、こんなに弱いのだ。
この時点で、負けていたのかもしれない。

試合前は、そんな恐怖も忘れ、友達として話した。昔から仲は良い、楽しかった。

「デュエマスタート」

待ってくれよ....。ああ、始まってしまった。よろしくお願いします。



展開については、カバレージを参照して欲しい。

勝負の決め手は二つ、2ターン目。
ドゥシーザを埋めた返しに、ミクセルが出てきた。

動揺を隠すのに必死だった。ハンドキープが重要だろうと思っていたこのマッチアップで、当たり前のようにミクセルが出てきた。

自分の中の当たり前が、当たり前じゃなくなり、すぐに動揺した。

そうか、この人には当たり前が通用しない。こっちももっと柔軟にプレイしよう
これがもう落とし穴だ。


そしてもう一つが、4ターン目。

ラビリピトを出すか、ヴォーミラを出すか。
この対面では、ラビリピトをいかに通すかが重要か、記事でも嫌というほど触れただろう。

本来の自分の理論なら、ヴォーミラをプレイする盤面。

気付いた時には、今度はセオリーから外れ、誘われるようにラビリピトを出していた。

確かに、相手はミクセルをプレイした分1枚ハンドが少なく、このラビリピトが残れば相当デカいし、何か有効札を抜ければぐっと勝ちに近づく。
ヴォーミラをプレイしたって、穿つで除去されたら、それこそ後続がない。
0-100で悪いプレイと、思っているわけではない。

でも、

それっぽい理由を並べてみるが、本番でその思考に至れていない時点で、意味がない。後付けの理由でプレイを正当化するのは、本当に情けない。


結果、このラビリピトを有効活用できなかったばかりに出遅れ、サッヴァークDG、そしてギラメシアの着地を許した。

そこから先は、あのときと全く一緒。
押されに押され、運良く掴んだワンチャンス、希望がさしたと思ったその刹那、想像を超える回答を叩きつけられ敗北。





何も変わらないじゃないか。



2試合目は言うまでもない。そんな彼の流れを断ち切れる要素が、今の俺のどこにあろうか。

何もできず、有利対面、0-2。


無敗で勝ち進んだ準決勝。私は勝負に勝ち続けその場に立ち、そしてまた、勝負に負けて夢が潰えた。









ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

オチすら思いつかないほどに、耐えがたい敗北。まだ続きますが、少しだけ時間をください。

いまだに、この試合だけは、うまく整理がつかないのです。
次は勝ってやる!なんて、簡単に言えない。

質問箱、読ませていただきました。

一つのコメントに対して1000文字とかいったりして、非常に効率が悪く、一生懸命まとめています。

こちらももう少し、時間をください。

次回の更新は来週です。こんな感じで、どんどんアップデートしていきます。


Q&A


~2ブロ~

Q.グリールの不採用について
Q.卍月の流星群の不採用について
Q.ドゥンブレの不採用について
Q.ドゥスンの不採用について
Q.卍月ハンドとスパイナーの比較について
Q.グリナイブの枚数に不足はないか
Q.ジョーカーズに対する立ち回りについて
Q.赤単轟轟轟に対する立ち回りについて
Q,赤青クラッシュ覇道に対する立ち回りについて

~通常~

Q.ドゥリンリの採用について
Q.スパイナーと革命の裁門の比較について
Q.この基盤を通常構築でも使うなら
Q.通常構築で防御札は必要か
Q.ヴォガイガを素材に含めてでもデスザークは出した方が良いか

~その他~

Q,時間切れ対策
Q.某強豪プレイヤーの詳細
Q.アウタースリーブはどれくらいの頻度で変えるか
Q.どんな魔道具のような女性がタイプか


Q.グリールの不採用について

A.
4ターン目に全ハンデスは、強力です。強力ですが、その動きがどの程度現実的、また汎用的であるかは、別の要素として考えてカードを採用する必要があります。

現実性の問題でいうと、当然ながら、その動きを成功させる大前提として2コスト魔道具着地、NEO進化して盾に攻撃、ラビリピトを召喚して且つガリュザークにもアクセス。これらの動きに何一つ妨害が挟まれなければ、初めて可能となる動きです。
2ブロックは盾からのアクションが強い環境とも言えるので、その動きを前提に組むとなると、ゲームプランがブレやすくなります。
記事内、特に対白ゼロサッヴァークや対シータチェンジザ覇道の部分でも書いた通り、そもそもにしてリスクを背負ってまで4ターン目に全ハンデスを狙わなくても間に合う、というところがありますので、そういった意図では不採用となるカードでした。

続いて汎用性という観点で考えた場合、デッキの性質上プレイアブルなタイミングが3ターン目に限られます。
スピードアタッカーとして運用したり、ラビリピトに疑似セイバーをつけるなど、細かい役割はあります。しかしながら、メインのゲームプランに添えるためにしっかりと組み込むとなると、相応の枠の確保と、リターンが必要です。
3ターン目に進化させずに場に置き、効果解決を1回のみで考えるなら、ドゥリンリの方がゲームプランを安定させやすいと考えています。

今回の基盤自体、序盤から積極的に盾を殴ることを想定して構築していません。例えばドゥリンリとグリールを両刀したような、もう少し前のめりなアプローチができたら強力かもしれませんね。


Q.卍月の流星群の不採用について

A.
これもシステム寄りのカードではなく、イメージとしては「有利をより有利にするカード」です。
ドゥリンリやグリギャンで墓地に落としたヴォガイガやヴォーミラなどの強力なカードを、このカードで変換したり、可能性は無限大です。
ヴォガイガを対象に唱えて、ヴォガイガで再び回収、というような動きも強力です。不採用の理由としては、まず非魔道具である点と、バリューが状況に左右されやすく、他のカードで代替えが効きやすい。
特に序盤のバリューが運要素に依存し、ただでさえ切り詰めている(轟轟轟に対して勝率を維持するため)魔道具枚数を減らしてまで採用したいカードではありませんでした。
自分のクリーチャーを破壊する動きはドゥポイズによって可能ですし、4t目までに有効なカードが墓地に落ちていなければ、基本的に動きとしてヴォガイガに劣ります。
強いんだけど、特に2ブロ環境ではミラダンテを突破したり、ということもなく、必要ではない、そんな印象を受けます。
ミラーの墓地を肥やす速度は評価できますが、そもそもその種となるクリーチャーが場に残らなければ、ヴォガイガに劣るケースもままあります。


Q.ドゥンブレの不採用について

A.
ミラーで出しにくく(盾が偶数になる)、轟轟轟にも出せません。
チェンジザ覇道に対しても、あのデッキも偶数で殴ってくるタイプです。
一番強そうな白ゼロサッヴァーク相手は、先の解説を読んでいただけたらわかると思いますが、そういうゲームにはなりにくいです。(もちろんゲーム中盤以降1枚でも絡むとやりやすくはなります、でも必須ではない)
裏目が多く、リターンが少ない。ドゥリンリで墓地を肥やしてあげる方が、全ての対面に対して安定したリターンを見込めます。


Q.ドゥスンの不採用について

A.
ドゥリンリ以上に、特に白ゼロなんかには強力なタイミングもあると思いますが、同型や轟轟轟、その他環境外のデッキにも強く出れるドゥリンリを優先しています。
丸いカードを好んでいます。体面に依存してバリューが変わるカードは、あまり好みません。
ドゥリンリで増えた墓地が魔道具あるいはデスザークだったおかげで、なんて試合もままあります。
ドゥリンリで勝てるならドゥリンリでいいよね、っていうのが大きいですが、足りない勝率を埋めるためのアプローチとしては、場合によっては差し替えてみてもいいかもしれません。


Q.卍月ハンドとスパイナーの比較について

A.
場に残るかどうか、がかなり重要です。
あとは、何より轟轟轟を見たカードなので、除去数も馬鹿になりません。
本体が殴り返せるのも◎


Q.グリナイブの枚数に不足はないか

A.
回るには回ります。2枚以上あるともっと便利ですね。
解説でもお伝えしたとおり、サポート的な役割が強いカードです。
今後トラップ系のデッキが流行ったりすると、少しその見方も変わるかもしれませんが。


Q.ジョーカーズに対する立ち回りについて

A.
ラビリピトによる全ハンデスが一つ、デスザーク着地によるボードコントロールが一つ。
相手のジョラゴンが着地する前に全ハンデスを通すことができれば、相手はトップ1枚でその状況を打開するのは難しいので、後続を確保しつつデスザークを絡めた裏目のない盤面を目指してあげるといいです。(サイコロプスは基本無視していいです、入ってるかわからない上にマイナーで、キリがないので)
早期にデスザークを着地させられるときは狙っていき、相手の展開を牽制します。
その際、こちらのリソースを拡張しつつ全ハンデスも狙う、という感じです。
グリギャンのようなカードはぽくちんによって無効化されやすく、そのせいでハンドキープが難しくなったりします。
基本的な流れとしては、3t目までに小型1体着地、4t目ラビリピト、5t目墓地肥やし系魔道具+デスザーク、この流れが鉄板です。
リソースゲームになりやすく、ぽくちんやスロットンを打たれても後続がある状態を指標にプレイすると、少しやりやすいかと思います。
前回の記事にある程度書いてあるので、よかったら合わせて読んでみてください。

おやつCS2018日本一 黒単デスザークとの歩み



Q.フェアリーさんとの対戦で途中1~2ターン待ったのは何を狙っていたか

A.
【デュエルマスターズ】フェアプロ頂上決定戦 "絶対に負けられない"対戦動画 ジョラゴンジョーカーズ vs 黒単デスザーク

こちらの動画ですよね。
トリガーをケアできる状況になかったのと、こちらもリソースがギリギリだったので、ぎりぎりまで待ちました。
結果、散々な目に合いましたが。。。
ラビがいる状態ならバイナラを踏んでもラビが反応して全ハンデスできるし、スロットン1枚ならケアできる状況になったら殴る、そんな感じでした。
その過程も最善ではなかったので、もう少し、やりようはあったかもしれませんね。


Q.赤単轟轟轟に対する立ち回りについて

A.
耐えるか耐えられないかなので、あんまり、立ち回りっていう立ち回りもないのですが、とにかくデスザーク着地を狙います。
ドゥシーザグリギャンデスザークとか、狙えるならガンガン狙います。
先手が圧倒的に有利で、強いて言うならドゥポイズを出すタイミングでしょうか。
2t目に何かプレイし、3t目にドゥポイズを出すと盤面が消えて効率が悪いので、その場合場に残らないドゥポイズを先に処理したりはします。
ハンドキープはそこまで気にせず、枚ターンクリーチャーを場に送り出して問題ないです。
盾からドゥグラスがきてデスザーク宣言とかもやるので(たまに忘れる人いる)、覚えておいてください。
あと、たまーにガリュザークが殴り返しの打点として機能するときがあります、本当に余裕があればキープしておいても、って感じです。ブランド系一方的に殴れます。
ドゥシーザ効果でブランド系マイナスしてデスザークで殴り返し、グリナイブだして相打ちだけどセイバー、ここらへんは頭の片隅に。それくらいでしょうか。
効率良く、全力で、盤面を取りましょう。


Q,赤青クラッシュ覇道に対する立ち回りについて

A.
モルガラというカードが特に厄介で、下手に処理すと増えたハンドで一気に決められるのですが、かといって放置してもどんどん盾を削られます。
理想はラビ+デスザークをモルガラに合わせて決めることですが、悠長に待ってくれる相手でもないので、時に思い切って自分の動きを通しに行くことも重要です。
オニカマスも、ドゥポイズ以外では獲れませんし、こちらがドゥポイズを出しにくいおタイミングで投げてくることが多いので、序盤のハンドキープでプレイがブレないよう、意識してみてください。
いずれも、これらのカードに仕事をさせると厳しくなります。
基本的にデスザーク着地を目指し、吸い込むを打たれても次のターンに再度着地を狙いましょう。
フレア+覇道+轟轟轟で詰められるのが特に厄介です。どこかでラビを挟まないといけないのは間違いないですね。


Q.ドゥリンリの採用について

A.
通常構築でもドゥリンリは試していますが、特定の対面へのメタではなく、デッキパワーを底上げするカードなので、変わらず基盤として安定しているという印象を受けました。
ただ、通常環境だとバスターやジョーカーズが多く、グリペイジなどのバリューもス少し上がりますので、確定枠34枚を除く残り6枠でどう割り振るか、というようなところだと思います。


Q.スパイナーと革命の裁門の比較

A.
スパイナーor裁門に関しては、スパイナーは盾にないと何の意味もないカードです。対して裁門はハンド、盾、墓地、3つのゾーンで機能し、手打ちも可能。圧倒的な汎用性の差があります。
ただ、どんな環境であり、裁門があってこそ受けられる対面、状況がどの程度あるか、この点についてはよく考える必要があります。
それでも受けられないなら、じゃあスパイナーか?と言われるとそういうわけでもなかったりします。
例えば2ブロックの赤単轟轟轟に対しては存外ドゥグラス1枚でも受けきれることがあり、トリガーが埋まっていることが重要。必ずしも毎試合スパイナーがなければ、というわけではありませんでした。(勿論、相手が死ぬほどブン回ったらスパイナーしかありませんが)
そういった意味でドゥグラスの5枚目6枚目となっていたこのカード、だからこそ2枚という中途半端な枚数でも十分に貢献してくれました。2ブロックでも裁門が使えるなら、そちらを入れています。
しかしながら、ドゥグラスで返せない状況を想定してスパイナーを2枚採用する、というのは、枚数的にあまりに心細いかなと思っています。
結論として、汎用性で圧倒的に勝るのは裁門であり、スパイナーは2ブロックという特殊な環境、また限られたプールだからこそ採用されたカード、だと思っています。


Q.この基盤を通常構築で使うなら

A.
スパイナーの枠を裁門にしてあげると、そのままスムーズに回せるかと思います。
環境次第では、その受けの枠を魔道具に回してあげてもいいです。
踏み倒しメタが多い分ナイブの2枚目以降が有用だったり、ドゥリンリを増やしてパワーを底上げするもよし。ペイジもバスターみたいなハンドの精度が高いデッキには強力で、ジョーカーズにもプレイしやすいです。
通常構築と2ブロ構築は全くの別物で、何を見るかにもよります。参考にしてみてください。


Q.通常構築で防御札は必要か

A.
必須ではないと思います。
全抜きして出ることもままあります。
受けを抜いて魔道具を増やすと、スザクを着地しやすくなるというリターンこそありますが、殴られるとどうしようもないこともしばしば。
先ほどの質問同様、どこを厚く見たいか、次第でしょうね。


Q.ヴォガイガを含めてでもデスザークは出した方が良いか

A.
必要であれば、出しますし、不必要であれば、出しません。
ヴォガイガは場に残したいカードではありますが、デスザーク着地を優先することはままあります。
どこまで行っても対面、状況次第ですので、沢山回して、沢山聞いて、判断できるようにしましょう。
少し抽象的すぎたので、もう少し具体的に盤面を教えていただけたら、答えられるかもしれません。


Q.アウタースリーブはどれくらいの頻度で変えるか

A.
全然関係なくて笑いました。
汚れが目立ってきたら、ですね。
使用感が目立ってきたら、惜しみなく変えます。
FLだと、自分が使っている裏おやつより少し素材が弱いかも。


Q,時間切れ対策

A.
基本速くプレイします。大局は予めの練習で慣れ、局所的な難しい盤面に少しでも時間を使えるよう心がけます。
自分もたまに時間を使い過ぎてしまいますが、練習以上にないと思います。
あとは、相手のプレイが遅いと感じたら、その都度しっかり伝えることです。
後から文句を言っても、何も変わりませんからね。
具体的にどれくらい時間を使っていて、どれくらい制限時間が迫っているか伝えられるよう、時計は必要だと思ってます。

Q.某強豪プレイヤーの詳細

A.
きっと、今年の全国で名前を見ることになります。
今期のアベレージなら、全国一位なんじゃないでしょうか?


Q.どんな魔道具のような女性がタイプか

A.
意味が分からないけど、閲覧料貰ってるのでちょっと真面目に考察してみます。

自分自身、破天荒だったり戦闘狂な側面があるので、それとは真逆の、誰かの人生に静かに寄り添いたいような人がいいです。
引っ込み思案だけど、自分が何をしようが一生懸命着いてきてくれるような人を、理想にしてます。

そういう意味では、自我のあまり強くない人。そっと支えてくれる人。
そう、ヴォーミラにそっと寄り添う、グリナイブのような女性でしょうか。


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