TCGにおける思考の罠「一貫性」について
挨拶
ZweiLance(つばいらんす)と申します。
普段はデュエマをやっていますが、将来のためにポケカも練習中です。
昨日招待して頂いた第2回ポケポケCS(127人参加)でベスト4になったので、note様が提供するイベントの方針に則り、この度記事を書かせて頂くこととなりました。
…と言ってもありきたりなルギアを使用しただけなので、デッキリストと簡単な反省点のみ掲載しておきます。
オーロラエネルギーの6枚目(スピード雷、ヒート炎)は必須
やっぱりベルトの3枚目が欲しい、縦引きデッキなので2と3では天地の差
チェレンは相当偉い(だんのうらさんの受け売り)
さてタイトルにもある通り、今回はコラムとして、カードゲーム…ひいては人生そのものにおける、少し広いテーマで書いていこうと思います。
やり込み始めた人ほど誤解する「一貫性」という言葉の話です。
※本記事は初級者〜中級者向けに執筆するのものであり、その先のリカバリまで見ているのが上級者、という仮定の上で話を進めていきます。
太い勝ち筋へ一貫する
結論、一貫性は不要です。
というのも、中級者くらいになるとこの”ちょっとカッコ良い言葉”に支配され過ぎてしまい、その本質を見誤ってしまいがちなのです。
カードゲームにおける一貫性とは、具体的な例を挙げるとこんな感じです。
※あくまでこんな風に使われているな~というイメージの話です
デュエマ(オカルト)
「この対面には思い切って早期にビートすると勝率が上がるから、このターンからアツトで1点刻んで、次のターンに畳み掛けよう」
ポケカ(ミュウ)
「このターンに相手のVSTARを倒すのが最も勝ちに近いから、まずはダブレットを1枚使って、残り60点分の火力はフュージョンシステムで探しに行こう」
どちらもあるあるだと思います。
一見勇気のいる行動でも、より太い勝ち筋を見据えた一つのゴールを導き出し、そこに向けて進んでいく。
行き当たりばったりでプレイするのではなく、大局における有利・不利の天秤がよく見えているからこそ為せる、非常にレベルの高い思考です。
しかしながら、カードゲームの戦況というのは、想定外や思い通りにならないことの連続で、刻一刻と変化します。
先程の例の続きが、以下のようなものだとしたらどうでしょう。
デュエマ
「1点刻んだ結果トリガーを踏んでしまい、次のターンに殴ろうと思っていたアンダケインが破壊されてしまった」
ポケカ
「最初のフュージョンシステムでタブレットを1枚だけ引けたものの、手札にサポートが嵩張ってしまい(使用済み)、次のフュージョンシステムではもう1枚しか引けなくなってしまった」
道を進んだ先にあったのは、思わぬ誤算。下ブレ。
カードゲームは対戦相手に加え、自分のデッキという二つの不確定要素との対話ですから、こうした理想との乖離は往々にして起こります。
さてここからが本題で、ここまでの考え方および行動自体には、ツッコミどころは一つもありません。
むしろこれから強くなりたい初級者~中級者の方なら、積極的に取り入れ実践していくべきものです。
一貫することに一貫してしまう、思考の罠
では何が問題か。よくある思考パターンが以下の通りです。
デュエマ
「打点計算が狂ってきついけど、アツトで刻んだことに一貫性を持たせるためにも、ビートプランで押し通そう」
ポケカ
「タブレットを使って手札を減らせば2枚引けて、その2枚のうちにもう1枚の火力があれば勝てる。確率は極めて低いけど、さっき使ったタブレットからプランを一貫するためにも、ここは2枚目のタブレットを使ってでもカードを引きにいこう」
これです。
彼らはこの後、案の定そのプランが通らず負けます。
この場合の「一貫性を持たせる」というのは、もはやただの自己満足であり、負けの正当化です。
一貫性とは目的ではなく、手段です。
本来の目的は試合に勝つことであり、そこに多少の矛盾が生じたとしても、冷静になって修正しなければなりません。
進み始めた以上後戻りできない場合もありますが、多くの場合で立ち止まることは可能です。
しかし人は前後のプレイに矛盾が生じることを嫌い、それ故に言葉そのものに囚われ、進み続けてしまう。
そうやって言葉に囚われてしまうくらいならば、明らかに勝ちから遠のく行動を正当化してしまうくらいならば、そもそもそんな言葉なんて知らない方が良い、という話です。
「このプランを通すためには今から動き始めるのがベスト、しかしそれはあくまで手段の一つに過ぎず、状況に合わせてその都度リカバリしていこう」
初級者~中級者の方はまずこの柔軟な考え方を目指すのが良く、そしてそのリカバリすべきリスクの大半を予め想定できるようになれば、本当の意味での上級者だと思います。
危険な泥道を進み続けるくらいなら、立ち止まり、道を変え、多少遠回りしてでも、より舗装された道を探す勇気が、僅かな勝利を掴む。
トリガーを踏んだり、返しで相手の動きが芳しくなかったりしたら、たしかに1点分無駄にはなりますが、思い切ってコンボプランに切り替えても良いんです。
2枚目以降のタブレットは一旦温存して、とりあえずメロエッタを前に差し出して、思い切ってサイドプランを見直しても良いんです。
心中してしまうくらいならば一貫性は不要。全てがケースバイケース。上達して多くの思考法を知れば知るほど陥りやすい、表面だけを理解してそれぞれの本質を見失ってしまう罠。
進むこともまた勇気だが、そこから更に止まることこそが真の勇気。
おわり
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