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サイクル循環論と経済の不思議な関連性

サイクル循環論とは

まず、最初にサイクル循環論はどこから来たのかという問題があります。サイクル循環論はアノマリーのように言われることがありますが、決してそんなフワッとしたものではなく、きちんとした経済学者のエリート達が開発した景気を予測する為の指標になります。

サイクル循環論は、景気循環の周期と位相偏移の推定-単変量および多変量バンドパスフィルタという常人には理解できない経済学者のエリートが計算により導き出した日本独自の景気循環論になります。

内閣府の経済社会総合研究所の方に論文があったのでリンクを載せておきます。景気循環の周期と位相偏移の推定-単変量および多変量バンドパスフィルタの論文に興味がある人は是非見ていてください。

米国やEUでは全く知られておらず、イエレン議長ですら知らなかったという日本の学者が開発した景気循環分析論になります。

山本幸三衆議院議員「海外出張報告」(2015年5月12日)(イエレン議長との会談)
昨年に続きイエレンFRB議長と面談することができました。イエレン議長は、私が説明する日本経済の現状分析を楽しみにしているらしく、興味深く聞いて頂きました。
とくに嶋中雄二氏(三菱UFJモルガン・スタンレー証券エコノミスト)の景気循環論によれば「このような議論は米国で目にしたことはなく、大変興味深い。」と感じ入っていました。このような議論は米国で目にしたことはなく、大変興味深い。」と感じ入っていました。引用先http://www.yamamotokozo.com/2015/05/report20150512/

サイクル循環の精度を分析する

正直、どんな計算で導き出しているのか理解できてませんが、過去の出来事とサイクル循環を見てみると驚くべき一致を見せる事がわかりますが、必ずしも景気循環が上昇傾向にあるからと言って株価に直接影響するものではないようです。

今回のnoteはどのような時に景気循環が機能して、どのような時には機能しないのかというのを、具体的なデータを使い検証していこうと思います。

なぜ、これを紹介しようと思ったのか

なぜ、サイクル循環論を紹介しようと思ったのかと言うと、僕が参考にしている信用できる指標だと判断しているからです。

これは、これから紹介する過去の出来事とサイクル循環の関連性の深さから今後も役に立つだろうと判断して紹介しようと思いました。

多くの人が一度は聞いたことある指標ですが、実際にどれぐらい当たるものなのか、今後サイクル循環的に、日本はどうなるのかなど掘り下げて紹介しようと思います。

実は、景気循環サイクルは国によって違う

まず最初に、サイクル循環は国によって違います。

今回は米国、日本の2カ国のサイクル循環の紹介と株価との関連性を紹介します。

景気循環サイクルの数え方は、上昇期間と下落期間合わせた期間を1サイクルと数えます。

日本の景気循環

キッチン(短期) : 4.9年周期

ジュグラー(中期) : 9.6年周期 

クズネッツ(長期) : 25.6年周期

コンドラチェフ(超長期): 56.0年周期

米国の景気循環

キッチン(短期) :平均4.4年

ジュグラー(中期) :平均9.8年

クズネッツ(長期) :平均16.2年

コンドラチェフ(超長期):平均52.0年

景気循環サイクルは複合循環の法則と言われているものがある

景気循環サイクルは、複合循環サイクルの法則といわれる、複数の景気循環サイクルが重なり合う事で株価にいい影響を与えるとされる法則があります。

複合循環の法則は、ゴールデンサイクルとシルバーサイクルとブロンズサイクルと3つの法則があります。

ゴールデンサークル

ゴールデンサイクルはキッチン(超短期)、ジュグラー(中期)、クズネッツ(長期)、コンドラチェフ(超長期)すべての、景気循環が上昇期間に入っている時に言うサイクルで「一般的」には黄金期と呼ばれ株価が上昇しやすい時期とされています。

シルバーサイクル

シルバーサイクルは、キッチン、ジュグラー、クズネッツ、コンドラチェフの内3つが上昇サイクルに入っている時期の事をシルバーサイクルといい株価が上がりやすい時期と言われています。

ブロンズサイクル

ブロンズサイクルとは、クズネッツ、コンドラチェフだけが上昇期に入っている時期の事を言います。勿論これも株価が上がりやすい時期と言われています。

この3つのサイクルはどれも株価が上昇しやすいと言われていますが、果たしてこれは本当なのだろうか?と思いませんか。

これの元ネタは嶋中雄二氏の「これから日本は4つの景気循環サイクルがすべて重なるゴールデンサークルⅡ」ですが、僕は「本当かよ?」と思ったので検証した結果を公表します。

今回はそのデータを紹介して、僕が思う景気循環の「本当の正体」を考察していきます。

元々、僕はすべてのデータは怪しいと思っていて、相場に関しては嘘も本当のように言われていることが多いと感じています。

所謂、相場界は「それっぽい」が蔓延しているというのが本当のところで、何が本当で何が嘘なのか「わけわからない状態」になっているのが、この相場界の本性ですので、自分でデータを検証しなければ、相場の本質にはたどり着く事ができないという迷路状態になっています。

僕は、この迷路を抜け出す方法で、整合性というのを一番重要視していますが、これは前回書いた通り、相場師は歴史学者と同じことをやっていると思っているので、歴史学者が用いるような手法を相場に使うことが、最も相場の本質に近づくことが出来ると感じています。

言ってしまえば、相場師は「未来学者」と考えています。

最新技術を必死に調べ、未来にはどのような技術が反映しているのか、既存のビジネスはどの程度業績の拡大が続くのか考え、チャートから今後どうなるのか必死に考え、日本や世界の未来はどうなるのか考え、ニュースを見て何が起こっているのか考え、これほど必死に未来を考える職業は他にないと考えています。

会社経営者も未来を考えて行動しますが、一部の専門分野に偏りがちですが、相場師はありとあらゆる事を想像しながら、検証しデータを用いて、株価という虚像を追っていきます。

経営者のように、人間的なパワーも必要なく手軽にできる分、本気でやっている人が少なく思います。ほぼチャートだけで考える運任せのギャンブル状態の人を多く見ますし、それが正しいと誇張している人も多く見ます。

何度も言いますが、チャートだけでは限界があります。

チャートだけで長く安定的な勝率を出して利益を出そうが損失を出そうが常に平常心ような一部の天才は超合理的か自制心が強すぎるか心が死んでると思っています。あと、需給の歪みを発見する能力に長けていると思っていますが、本当のところはよくわかりません。少なくても普通の人には、こんな神業は無理です。

経済の状況を無視してる人が、とんでも予想をしているのをよく見る

チャート分析のみで経済指標分析を無視している人が、とんでも予想をしている事をよく見かけますが、そういうのは危険なのでやめましょう。

例えば

日経平均株価が、既にPBR1倍を割っている状況で、ここから20%も下がるという事を言っているような人を度々見かけますが、そんな事過去に一度でもあったでしょうか?経済状況を完全に無視してチャート分析しても無駄なんです。

チャート分析というのは、経済状況を考慮して可能性がある予測をする補助道具というのを忘れてはいけません。

チャート分析は方向感が一致する場合には機能します。人は分からないことは無視して、自分が分かる範囲で考えようとします。チャートは明瞭なので、分かりやすいですが、経済状況の方向感を捉えることはできません。

ダブルトップ、ヘッドアンドショルダーズ、ブレイクアウトなどなどの、的中率を知っていますか?全部3割から5割しかありません。これらは、方向感があってれば、トレンド転換で大きな利益を狙えます。ですが、方向感は当てられないんです。トレンド転換を当てるものですが、方向感を当てるものではありません。

方向感は経済指標や経済状況を理解していなければいけないわけです。深く広い知識が求められ難しいです。一般的には使わない経済用語も多く初心者には理解できないようです。なので僕のNOTEはベテラントレーダー向けとしてます。また、方向感を考える上での経済指標や経済状況は本質的にどうなのか?という部分も考えなければいけなく、いちいち検証が必要になります。このNOTEでは基本的に検証データを公開するという趣旨でやっています。今はどういう状況なのかというのを自分の力で考えるヒントになるような情報の提供を趣旨としています。

僕のnoteは、この経済指標や経済状況から考える「方向感」にスポットを当てていきたいと考えています。

何度も言いますが、チャート分析は好みです。方向感さえ合っていれば、ほとんどのインジケータやトレード手法は機能します。

どの投資手法が良いのではなく、すべて良いのです。ただ、その状況に合ってる手法を使わなければ意味がないだけです。

その状況はどのような状況なのかを考えるのが、経済指標や経済状況から考える方向感なのです。

僕のnoteはベテラントレーダー向けです。

最低1年以上は毎日相場を見てるようなトレード経験を持っているような人向けです。ある程度経済を理解している人が、経済の知識をトレードに活かせるようにするためのnoteです。

基本的なことは理解しているものとして書いてます。

このnoteは4年間無料でやっていた僕のブログの有料版という位置づけでやっています。

今回まとめたデータは1950年から2018年までの68年分になります。

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