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FFⅩ歌舞伎を語らせて

※筆無精なもので途中で力尽きてしまいました。
せっかく11,000字以上書いたのでお蔵入りにするのも勿体無く感じたので投稿します。
まさかのマカラーニャ湖イベント前で終わる事をお許しください…
書く予定だった後半部分は見出しだけ残しています。

去る2023年3月18日、私が愛してやまない「ファイナルファンタジーⅩ」の歌舞伎に行ってきました。
前編・後編の2部制で、驚異の上演時間8時間。開幕日前から色々と話題になったFFⅩの歌舞伎化ですが、歌舞伎未経験の原作ファンとして実際に観劇した感想についてまとめていきます(当日見ながら書いたメモを参考にしています)。
※あくまで一個人の感想です。知識不足な点や記憶が曖昧な部分はご了承ください。

先に言います。このFFⅩの歌舞伎は原作ファン全員に観てほしかった。本当に素晴らしいものを見させてもらいました。
以下当日の感想やらシナリオやらをまとめました。が、やはり8時間の上演なだけあって異常に長くなってしまいました。



FFⅩの歌舞伎化とは

それはFFⅩ発売21周年の日に突如発表。
以前このような記事を書いてるぐらいにはFFⅩのファンなのですが、予想だにしないコラボでとにかく衝撃の一言。発売から20年以上経つのに、まさか舞台で、まさか歌舞伎でこの物語が演じられるなんて。
あのボリュームの作品がどのようにまとまるのか、歌舞伎と作品がマッチするのかしないのか、単なる実写化とは違うとはいえあまりにも想像できないのが当時の率直な感想です。
ですがその後公式から発表された、とある動画を観た事により不安が一掃。期待度はうなぎ登りとなりました。動画の詳細は後述します。

当日〜開演まで

せっかくのFFⅩのイベント、どうせならと思いSS席を購入し、会場そばのホテルを押さえて望みました。
当日の天気はあいにくの雨&寒の戻り。ですが会場の看板を見て体温が上がりました。この新ビジュアル大好きなんですよね…ティーダはもう少し日焼けしていても良かったけど。

会場のIHIステージアラウンド東京
会場横にはキッチンカーも
最高の新ビジュアル

豊洲市場の近くにある「IHIステージアラウンド東京」が今回の会場です。会場前には役者の名前が書かれたのぼりが連なり、思い浮かべるのは京都の歌舞伎座。あぁ、本当に歌舞伎を見に来たんだなと実感が湧きました。そしてこのIHIステージアラウンド東京、単なる劇場ではなくかなり特殊な作りになっています。

周囲を取り囲む360度全てに展開されるステージ、その中心に巨大な円形の観客席を配置。
巨大なお盆に乗った観客席、それ自身が回転しながら、舞台、映像、音楽、照明、全てが画期的な方法で融合することで、これまでにない感覚を体験させてくれるアジア初の没入型エンタテインメント施設です。

TBS HPより

劇中で座席が回転するメリットはなんなんだろうか?この設備がどう活きるのか楽しみです。

さて当日の話に戻ります。開場前に到着したので施設周りの写真撮影、キッチンカーのタコライスで食事を済ませました。開場後は物販の購入をし、ささっと入場。

開場前から感じていましたが、なんとも新鮮な客層!老若男女とはまさにこのこと。どっぷりFFⅩをプレイした世代だったと思われる20代後半〜50代、歌舞伎ファンであろう着物を召したマダム達、片や10代と思われる人達など本当に幅広い年齢層で構成されていました。海外の方もちらほら。男女比も半々ぐらいでしょうか?

そして正面スクリーンには、かの野村哲也氏描き下ろしのFFⅩ歌舞伎の衣装を身にまとったメンバーイラストが!でかでかと!

これを見た時「わァ……あ…」と
ちいかわみたいな声が出た

スクリーンサイズの特大イラストが見れただけでも既に感無量です。まさか新規イラストを見ることができるとは……!

席についたのは11時56分。物販に並んでいたので時間がギリギリになってしまった。
座席は前から12列目のほぼ真ん中。会場の座席は事前に聞いていたように傾斜がなだらかなので、前の席の人の頭がステージに被ってしまうのが残念でした。とはいえ演者の人も上手下手と動き回るので常に困る状況ではなかったのは幸いかも。

【 前編 】

■ 第一幕<55分>

語り部の23代目オオアカ屋

12時ちょうどに開演。
はじめに出てきたのはなんとオオアカ屋。髪型がセンター分けなのでお兄さんの方のオオアカ屋ですね。声は爽やかで弟のオオアカ屋に似ていました。
オオアカ屋は本編には登場せずに、幕間で説明をするポジションでした。

「歌舞伎が初めての人〜?」「FFを未プレイの人〜?」と質問を投げてくれるオオアカ屋。手を挙げた人は両方とも同じぐらいの数。すごい現場です。

そこからは歌舞伎初心者に向けて歌舞伎の説明。ぶっつけ本番で来た身としてはこれが非常〜〜〜に助かりました。ツケ(効果音を生でつける歌舞伎特有の演出)の説明を聞いて「え?!生なの?!」と驚愕…
拍子木と板を打ち付けてカーンカーンと音を鳴らすのですが、これ良い演出ですね。演者の動きと音ハメのタイミングがバッチリで凄かったなぁ。盛り上がるタイミングが分かりやすいのも良い。

歌舞伎の説明を一通り終えたら、ストーリーテラーとしてオオアカ屋がFFⅩの世界観やあらすじを説明し、照明が落とされました。

眠らない街ザナルカンド

スクリーンにはザナルカンドの風景が。ザナルカンドエイブスのファンが応援旗を持って客席の通路から登場!ファンの衣装は着物でした。ここで確か諏訪部DJのあのラジオ(「俺がそのニュースを聞いたのは3回目の家出をしている時だった〜」のアレ)の再現もあり、かなり驚きました。たしかにあのラジオはジェクトの失踪に触れていて、導入として分かりやすいもんなぁと納得。
そこから奥のスクリーンが開き、ティーダの登場!!

「ザナルカンドエイブスのエース ティーダとは、俺がことッス!」

ちゃんと「〜ッス!」の口調だ〜〜〜〜!!
名乗り口上とともに登場するティーダ。調べるとここは「俺”が”」って言ってるんですね。
全編通して登場人物らは基本的に現代口調で話してくれました。が、要所要所で歌舞伎ならではの言い回しもあって新鮮でした。あと登場するキャラほぼ全員に言えることなんですけど、衣装も原作の雰囲気が生かされたアレンジで嬉しいし、とにかく全身くまなく似ている。本当に似ている。

原作でもティーダがファンの女の子に言っていた「じゃあさシュート決めたら、こうすっから!それ二人への合図ってことで!」っていうセリフ、ティーダの若さとチャラさを感じて好きなんですけどそれを!歌舞伎でも!言ってくれた!
自分のメモには「やるん?!」と驚きのコメントが残されていたぐらい、細かい場面も再現してくれていて大満足。

さてここからの展開は駆け足。
中村獅童演じるアーロンが登場し、シンに飲み込まれるティーダとアーロン。アーロンが登場した時は思わず手で口を押さえたほどにかっこよかった……。昔からアーロン大好きで…本当に夢かと思った。そこにいるじゃん…

そしてOtherworldの和楽器アレンジめちゃくちゃ良い!!!!!!!!!!
今回の歌舞伎は原作のBGMを和楽器アレンジをして流していましたが、どれもこれも素晴らしいアレンジで頼むから音源化してほしいと願います(観劇後アンケートにも書いた)。

シンに飲まれたティーダは、シンの中でジェクトのことを思い出します。ジェクトもここで初登場ですが、声が本当に原作と似ていてびっくり。
シュート決めたらタッチをすると言いながら手を高く上げて幼少期のティーダにタッチさせないというちょっかいを出すジェクト。こういう不器用なところを実際に見ると泣きそうになります。

1000年後、ビサイドでの出会い

場面は変わり、1000年後の世界に飛ばされてしまったティーダ。原作だとバージエボン寺院に飛ばされた先でリュックと会うことになりますが、そこの下りは丸々カット。直接ビサイドにたどり着きます。原作のストーリーはこのあともちょこちょこカットされていますが、違和感がありません。内容を知っている側からしてもストレスを感じないカットの仕方なのが地味に凄い。

ワッカと出会い、村まで案内してくれる道中にシンとザナルカンドの現在について説明。ルッツもガッタもクオリティ高いけど、ワッカはビジュアルもさながら本当に声が似てる。
「なぁんだ、ハラヘリか〜?」のセリフもありニッコリ。エボウヨの片鱗も見えニッコリ。

この辺で座席が動いていることに気づきました。座席からちょっとだけ振動を感じます。なるほど、舞台転換のために座席が動くのかと関心。

そしてなんやかんやありビサイド寺院に乗り込むティーダ。流石に試練の間はカット。
寺院の中でルールー初登場。立ち振舞がどこからみてもルーそのまま。あの色気が完全再現されていて見惚れてしまいます。双眼鏡でまじまじと見ましたが、かんざしが綺麗だったなぁ。あとルーが抱っこしているモーグリのぬいぐるみがめっちゃデカくてかわいい!!!

ユウナが祈り子の間から出てくるかなぁと思ったら、寺院に魔物が侵入!原作と異なる展開ですね。確かディンゴとガルダだったかな?

魔物の造形のクオリティが高すぎて笑ってしまった。ゲームまんまじゃん。

で、無事に召喚士となったユウナが召喚獣で魔物を一掃し、名乗り口上。口上で「異なる種族の血を受け継ぐ〜」と言っていてかなり驚きました。え!?ここで言っちゃう?!ワッカ目の前にいるのに?!
もうどのキャラにも言ってしまうんですけど、特にユウナのクオリティは凄かった……。可愛すぎる。あのまんま。

文句のつけようがないな………………。

その日の夜、ワッカがティーダに「(ユウナのこと)好きになるなよ」って言いますが、ゲームと同じく「そんなの約束できないね」って軽く答えるティーダ……良い…。
あと「『目標?』って聞かれたら『優勝!』って答えろよ〜」のセリフもあって嬉しかったです。

そして朝になり出発の日。道中でキマリが満を持して登場。

隈取キマリ、一切違和感なくて感動しました。脚の筋肉の感じも再現されてますね。キマリの名乗り口上でガガゼド山のBGMの和アレンジが流れていたはず。
ユウナが寺院へのお土産で大荷物のくだりもありました。

連絡船に乗り、ユウナが島との別れに対して日常の祈りのポーズではなく、ちゃんと最上級の祈りのポーズをするのがこまけぇ〜〜!!!
「風、気持ちいいね」の話し方も、「君は、ここにいるよ。」の話し方も、原作とそっくりで泣きそうになりました。
でもユウナがティーダにこの船の上でガードを頼んでましたね。原作よりも一足早い。

そしてシンの襲来。
キーリカをシンが襲う一連のムービーはスクリーンの大画面で流れていました。何回観てもしんどいシーンだな…。

異界送り

序盤の大きな目玉イベント、異界送り。
前述している「公式から発表されたとある動画」とは、この異界送りのシーンのことでした。それがこちら。

まさにあの美しくも悲しい異界送りが日本舞踊の色も交えながら、こんなにも素晴らしく仕上がっていることにただただ感動しました。本当に本当に幻想的で、隅々まであの雰囲気が完全再現されていて凄いとしか言いようがないんですよね。ちゃんとユウナが裸足なのも良い。このシーンを観ながら、今日来て良かったな…としみじみと感じました。実際はボロボロ泣いていたわけですが……。
スモークに幻光虫を投影されていたのも良かったです。ステアラの設備がフル活用されていて◎
本当に素敵でした。

公式が世界配信記念で異界送りの映像配信してくれてたのでほんと観てください。

ここで第一幕が終了。客電がついた時、会場全体から凄い凄いと感想の声でざわついたのを鮮明に覚えています。

■ 第二幕・第三幕<75分>

ビサイドオーラカvsルカ・ゴワーズ

ルカの町並みの映像はゲーム本編のものが流れていました。
自分のメモに「勇気凛々ビサイドオーラカ」の文字が残っていたんですけど、これチームが到着したときの紹介フレーズだったかな?文字だけで見ると笑っちゃいますね。

さてここでシーモア初登場。本編とちょっと展開が異なりますが、ユウナが直接シーモアに挨拶するんですね。
そこでシーモアがユウナに「目の色が左右で違う。あなたも私と同じ……」と言ってユウナの顎をクイッと上げる。顎クイ。キーーーッ!!!こいつ!!!

ティーダがユウナに指笛教えるシーンは何回見ても良いな〜〜
原作だとアルベド族がユウナを誘拐していましたが、そこはカット。

そしてブリッツの試合開始!ブリッツは水中でのスポーツだからどう再現するか気になっていましたが、クロールする人は(多分)台車の上にうつ伏せになり、ちゃんと泳いでるように見えました。ボールも実物のブリッツボールでパスを回していました。

このブリッツの試合で特に印象深いのはナレーションのクセ!!原作にも出ていた、あのゴワーズ贔屓のナレーションと声も話し方も似ていましたが、今回のほうがクセがめっちゃ強い。試合中はずっとナレーションで形勢について説明してくれてましたが、あのノリで「Wow!!」とか言うからめちゃくちゃ面白いしめちゃくちゃテンション高い。

生実況なのあれ!?

ワッカがパスを受け取った時のナレーション、「ここでパスを受け取ったのは!?ワッカ!ワッカ!ワッッックァァ!!!!!」
うるさ!!!
めっちゃ笑いました。そして無事ワッカがシュートを決めてビサイドオーラカ優勝…

からの!スタジアムに魔物が乱入!
そうすれば登場するのは…そう、アーロンです。ここでの登場の仕方、本当にかっこよくて大好きです。そして原作通りアーロンの脇がツルツルで感動しました。すみません。
シーモアはアニマを召喚しますが、アニマの姿はスクリーンに投影。圧倒的パワーを見せつけてきます。

シンの正体〜笑顔の練習

その後、アーロンが「シンの正体はジェクトだ。」とティーダに告白。ここでショックを受けたティーダが思わずしゃがみ込みますが、アーロンがティーダの肩にポンッと手を置くのが優しかったな……
アーロンがユウナにガードを申し込むシーンのBGMが、あのアーロンのテーマのアレンジ!!大好きなBGMです。

真実を知ってテンションが低いティーダに対して笑顔の練習を提案するユウナ。良いイベントですよね笑顔の練習。この笑顔、一生続け………

写真で見るとほんとゲームの2人まんまだなぁ…としんみり。
加えてここではミヘン街道の夕日での対話が盛り込まれていました。話のつなぎ方が上手い!究極召喚の説明もこのタイミングだったかと思います。

まさかのシーモア過去話

場面が代わり、ここでシーモアの過去シーンが挿入。ジスカルがシーモアと母親をバージエボン寺院に住まわせた当時の話でした。
ここでシーモアが左右で瞳の色が違うと言われていましたが、原作は左右両方紫でした。たしかにシーモアは人間とグアド族の混血ですし、ユウナのようにオッドアイの可能性も考えられるなと。ルカで言っていたシーモアのセリフと繋がりますね。

ミヘンセッション〜幻光河

もうミヘンセッション本番です。ルッツが当時チャップを討伐隊に誘ったのは自分だということをワッカに話し、ワッカが殴るところまでは同じでした。が、その後にワッカがつけていたブレスレットをルッツに渡していて…あ、これはルッツが死ぬパターンだと察するなど…(原作はルッツが死ぬルートとガッタが死ぬルートとで分岐がある)。

そしてミヘンセッション開始。あのシーンはゲーム本編のシーンをそのままスクリーンで流していました。
そしてミヘンセッション後にシーモアと話すシーンで、明らかにアーロンがシーモア出てきた時露骨に嫌そうな顔してて良かったです。

そして寺院は飛ばして幻光河。シパーフの上で、河に沈んだ都市の話はほぼ原作のまましっかり話されていましたが、ここでまさかアニキがユウナをさらう!!
そしてリュックが助ける!リュック初登場です。リュックのなにが感動したかって、ユウナのことをちゃんと「ユウナん」って呼ぶところなんですよ……
そして仲間に入って出発と思いきや、原作だとマカラーニャ湖でワッカとリュックが喧嘩したシーンがここで入ります。エボウヨのワッカvsアルベドのリュック。
その後一行はグアドサラムまで移動するのですが、ここの道中では原作でスノーモービルで後ろにルーを乗せたときの会話を持ってきていました。つなげ方が上手いな〜

余談ですが原作のスノーモービルの会話はパーティメンバーとの好感度で分岐がありますが、案の定アーロンとのイベントになることが多かったのを思い出しました。

シーモアのプロポーズ

グアドサラムに到着し、早速シーモアの屋敷へ。原作通りごちそうが並んでいましたが、舞台の端の方で喧嘩後のリュックとワッカがフルーツの取り合いをしていて笑いました。兄妹みたい。

その後トワメルが登場するのですが、まじでゲームから出てきたんじゃないの???????

トワメルの話し方といい背格好と良い、本当に原作そのままなんですよね…しかもちゃんとグアド族らしく手も大きい。細かいなぁ。

そしてシーモアが登場し、1000年前のザナルカンドのスフィアを見せてきます。スフィアの映像はスクリーンで流れており、ユウナレスカとゼイオンも出てきました。原作のユウナレスカは衣装がかなり露出度が高いですが、歌舞伎ではそんなことなかったです。

シーモアがここでユウナにプロポーズ。いつ観ても複雑な気持ちになります。照れるユウナは可愛いんだけど…。
シーモアに対し、アーロンは「スピラは劇場ではない!」と一喝。シーモアはアーロンの正体について軽く触れて退室。原作通り。
そして原作だと雷平原で触れられていたユウナ自身の結婚に対する考えも、この流れで出てきていました。でも結婚するとはまだ言い切らず、どうするか考えるために一行は異界に向かいます。

シーモアの過去話が再び挿入。シーモアに対する深堀りが凄いですね…。
時期はシーモアと母がバージエボン寺院に幽閉されてから3年後。母親は体を壊してしまい、もうじき寿命が尽きてしまうといったタイミングでジスカルが3年ぶりに二人のもとに訪れます。
ここでジスカルはシーモアの母に対して祈り子になれ、これは栄誉なことだと伝えます。3年ぶりの再会でこの対応は、シーモアにとって決定的な瞬間でしたね。

生まれたときから混血が故に差別され、人里離れた寺院で母親と二人きりで過ごしてきた時点で世界に対する恨みが募る一方なのに、唯一の味方であった母親もその世界に利用される。そんな世界を許すことができないシーモアなのは原作でも感じてはいたところですが、原作よりもそのエピソードに肉付けがされ、シーモアに対する理解度がより深まったように思います。敵役としての立ち位置が明確になったシーンでした。

そうして第二・三幕が終了しました。

■ 第四幕<45分>

異界

第四幕はティーダ一行が異界に立ち寄るシーンから始まります。そういやキマリあまり喋らないな…
死者の姿はミストに投影され、ルーもチャップにお別れを告げていました。
異界から出ようとしたジスカルを異界送りするユウナ。ジスカルはユウナにスフィアをこっそりと手渡し、姿を消します。

このあとマカラーニャの森に向かうのですが、ここも客席が回っていたと思います。ゴウンゴウンと音がし、椅子からささやかな振動を感じます。

そしてマカラーニャの泉でジェクトのスフィアを見るのですが、ここで原作同様にジェクトのテーマが流れます。そのアレンジがとても優しくて…。ジェクトの不器用な優しさとマッチした、非常に良いアレンジでした。

マカラーニャ湖前でユウナを迎えに来るジスカル。このあとのアニキ戦は幻光河で済ましたのでカットされ、ティーダたちも寺院に向かいます。

マカラーニャ寺院〜シーモア戦

寺院に着いてからジスカルの告発スフィアを見るティーダたち一行。ジスカルを殺したのはシーモアだと知ったティーダたちはユウナとシーモアの元に駆けつけます。

ここからやっときた一回目のシーモア戦!!!
シーモアは白を貴重にした衣装に変わっていました。曲はシーモアバトルだったかな?一回目のシーモア戦で流すんだと思ってびっくりしました。アレンジ良〜〜!!

シーモアにはメンバー全員ではなく、ひとりひとりが立ち向かう演出でした。各々の武器を元に、歌舞伎の魅せ方でバトルしてくれてとても良かった。
戦闘の順番はリュック→ワッカ→ルールー→キマリ→アーロン→ティーダ→ユウナ。
戦闘シーンそれぞれが見せ場でしたが、特にルールーとシーモアの戦闘が印象的でした。黒魔法使い同士の魔法対決なんですよね。

公式の動画からその部分だけクリップしましたが、改めて観てもルーの海老反りが美しすぎる…。歌舞伎の演出に圧倒されました。

あとアーロン戦の時に、アーロンがまさかのオーバードライブ技の「征伐」を!!!!!思わずガッツポーズをしました。口に含んだ酒を刀に吹きかけるの、実物で見ると震えるぐらいかっこよすぎる…
しかもこのときのBGMはOtheworldのアレンジ!ヒュー!

でもここまでのメンバーの戦闘はすべてシーモアが優勢。ぐったりとした皆にリュックがポーションをふりかけていて笑いました。そこはアルベド回復薬じゃないん?!と心の中でツッコんだのは内緒。

ティーダvsシーモア。
シーモアが「ティーダ、お前は私と同じだ。父を恨み、手にかけた(意訳)」と言っていたのが心に残っていて。この前のシーンではシーモアがジスカルに対する恨みについて根拠付けていたので、よりセリフの重さと深さを感じました。FFⅩは父と子の物語であり、主人公ティーダと敵役シーモアも同じ立場ではあるんだけど目指す先が違う。同じ父と子の関係でも愛があるかどうか、本人の境遇にもよってここまで違うのがこのゲームの面白いところなんですよねぇ。ティーダとシーモアは絶対相容れない。

そして最後はユウナvsシーモア。
ここでユウナが召喚獣を呼ぶのですが、まさかの4体一気召喚。無慈悲で笑ってしまった。ここのBGMは確か決戦。

そうして破れたシーモアは背中から奈落に落ちるのですが、この演出も歌舞伎でお決まりなんですかね?観ていて息を呑むとはまさにこのこと。この歌舞伎の没入感たるや。

ティーダとジェクトの対話

戦闘後は祈りの歌が聞こえて寺院ごと湖に落ちます。そこでティーダとジェクトの対話シーンが入ります。原作だとマカラーニャ湖に落ちてビーカネル砂漠に飛ばされる間に、ティーダがジェクトに語りかけるシーンありますよね。
ジェクトがティーダに対して、
「ユウナちゃんを絶対死なせるなよ。そして、俺を殺してくれ。」

しんど………………………

つらい。つらすぎる。そういう物語なんだけど、分かっていてもジェクトからそう直接言われるとよりしんどい……でもとてもジェクトらしいセリフで唇を噛み締めながら涙を流すオタクになってしまった……

そうして前編が終わりました。いいところで区切りますね。
いや〜ほんとあっという間に終わりました。のめり込んで鑑賞していたので時間が経つのが早いです。熱中していました。
さてここで15:35〜17:00まで休憩が入ります。一旦ホテルに戻り、部屋で感想をまとめようとしましたがSS席の特典で貰ったデカアクスタを眺めていたら休憩終わりました。

普通に泣いた
今回買ったアクスタ
セリフが書いててめちゃくちゃ良い

【 後編 】

■ 第五幕<55分>

語り部オオアカ屋、再び

オオアカ屋「IHIステージアラウンドのラストシーズン。FFⅩ歌舞伎がこの演出で観られるのも…最後かもしれないだろ?
いいですねぇ。ノッてますねぇ。

今回は前編後編の通しでチケットを買っていましたが、分けて買うこともできたのでオオアカ屋から冒頭に前編の振り返りがあり、後編がスタート。

アルベドホーム、召喚士の真実

場面は変わりアルベドホームに飛ばされた一行。ホームでシドが義太夫節で登場。三味線の生演奏と生歌唱なのが贅沢だな〜と思いました。歌舞伎の演出がどれも新鮮でどれも面白い。

アルベドホームでは召喚士は究極召喚でシンを倒しても死ぬという真実が知らされますが、何回も何回もプレイしてもここのシーンでずべずべに泣いてしまうので、案の定泣きました。
ここのやり取りはほぼすべて原作通り。大事なシーンは基本的に原作通りで、セリフのカットが少ない印象で非常に有り難い。スクリーンで笑顔の練習のシーンが回想で流れるのですが、もうそれで泣く。
過去を後悔し、すぐにユウナを助けるんだと意気込むティーダは優しくて、強くて……ティーダの主人公らしさを感じる大好きなシーンです。

ベベル突入〜結婚式

出た!飛行船だ!ちゃんとセットに飛行船の中にあるあの地球儀みたいな大きいスフィアがあるのに感動。

ティーダとシドのぶつかり合いが原作まんまなのにも感動。ホームを爆破することに対して下手くそなフォローを入れるワッカも、「全然景気よくないよ!サイアクー!!」って言うリュックもそのままで感動。

シドがリュックに対して「お前はあまり無理すんなよ」って声かけていたのが意外でした。原作そんなセリフなかったような気がして、優しい父親らしさが出ていてよかったです。

みんな大好きベベル突入シーン。
ユウナのウェディングドレスはどういう衣装になるんだろうかと思っていましたが、想像の100倍美しかったです。

原作通りのアップスタイルの髪型、ベール、背中の羽……ベースは着物なんですけど、いたるところに原作のドレスの意匠が盛り込まれていて素晴らしかったです。本当に綺麗。
いざキスシーンというタイミングで乗り込むティーダ達。あのワイヤーシーンはスクリーンに映像で流れていましたが、ちゃんとみんなワイヤーで滑っていて最高でしたね。

そういやマイカ総老師が出てきませんね。マイカの代わりがトワメルのようでした。

そしてキスシーン……原作のシーンを鮮明に思い出しました。見た目は華々しいんですけど、その裏の思惑が真っ黒で一切祝福できないんですよね…シーモアに対するヘイトがぶっちぎり。

その後原作だとユウナは飛び降りようとしますが、歌舞伎ではナイフを自分につきつけてシーモアを脅します。が、脅しは通用せずそのままシーモアとユウナが退場。残された一行は捕まります。
ここで出てくるベベル兵のクオリティがやたら高くて笑ってしまいました。

裁判〜浄罪の路

あ!キノック!!!!!そっくりやんけ!

キノックまじで本人ですね。そっくりすぎます。
一方ユウナは裁判にかけられていますが、ここの
「私は召喚士です。父と同じ召喚士です!」のセリフもありました。その後浄罪の路に入れられるのも原作通り。

回想で牢に入れられたジェクトとブラスカ・アーロンの初対面シーンがありました。ブラスカはここで初登場かな?あのブラスカらしい優しい声と話し方がそのままでびっくりです。新キャラ出るたびに毎回驚かされるな……。
「でよ、ショーカンシってなんだ?」のオチもそのまま!やったー!

ティーダとアーロンの牢獄を訪れるキノック。BGMは浄罪の路のアレンジだったかな?このアレンジも良かったな〜〜
アーロンとキノックが会話し、キノックが舞台袖に向かおうとしたところでまさかのキノックが殺された!!あまりにも早い退場で驚きました。ナイフで刺されていたような。

本来はベベルから脱出して2回目のシーモア戦に入りますが、ここでは戦闘にならずにそのままマカラーニャの森へ。

ここから終盤にかけての盛り上がりが本当に凄かったので円盤化待ってます。

世界一ピュアなキス


■ 第六幕・第七幕・第八幕<125分>

商人の鏡オオアカ屋


ナギ平原〜ガガゼド山


ユウナの遺言


聖地ザナルカンド


祈り子となる母、父を殺める子


ユウナレスカ戦


最終決戦に向けて


シーモア最終形態


ジェクト戦


最後の戦い


ナギ節の始まり


■ 椅子問題

7時間の観劇に腰は耐えられるのか?

なんと耐えられます。
会場であるIHIステージアラウンドはあまり良い評判がなく…(ステージと前列の頭が被る、周辺施設が乏しい、トイレが少ない等)。
上演時間が発表された時、中でも心配の声が多かったように思うのは己の腰について。
椅子が固く長時間観劇に耐えうる椅子ではないと経験者も語っており、夜行バスに乗り慣れている私も流石に心配しました。
そんな声を受けてか、なんと運営が全座席にクッションを配置してくれるという神対応!

このクッションが本当に凄くて。仕事用に欲しいくらい効果抜群で、最後までなんてこと無く観劇を終えられたのは良かったです。

■ とりあえず〆

最後まで書ききれなかったのは無念ですが、FFⅩファンとして非常に感慨深い1日でした。
円盤化してくれないものか………
本当に本当に素晴らしいものを観させて頂きました。
今回の歌舞伎化に関わった皆様全員に感謝申し上げます(開演後のアンケートで怪文書のような感想を送ってしまってすみませんでした)。


最後まで読んで下さりありがとうございました!


おわり

FFⅩよ永遠に

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