見出し画像

理想の喪失が人生を動かす

理想の存在意義、それは失うことにあるのかもしれない。

大学デビューからの失墜 17歳〜18歳

5年に一回くらいの頻度で1ヶ月くらい立ち上がれない失恋をする。
毎朝、同じバスに乗る女子に憧れていた。でも1年間、声をかけることすらできなかった。高校卒業、これで終わってしまいたくないと勇気を出して(?)友人経由で連絡先を交換した。云々かんぬんあって、大学入学と同時に付き合うことに。これぞ、大学デビュー。
どのくらい浮かれていたかというと、入りかけていた大学のラグビー部を夏合宿が長いから、彼女と遊べないという理由で辞めるくらい浮かれていた。

楽しい夏休みが待っているはずだった。しかし・・・

夏休みに入って早々、メールで別れを告げられてしまう。まさに薔薇色の大学生活がどす黒い灰色に変わった瞬間だった。多分1週間くらい寝込んでいた。そんな僕を救ったのは、大学に入って手に入れたパソコンでみる深夜アニメの数々だった。当時はyoutubeや動画共有サイトにアニメが違法アップロードされていて、新旧限らず多くのアニメがばら撒かれていた。彼女にフラれたという現実から目を逸らすため、寝る間も惜しんで夏休みをアニメで消費した。それまでほとんど見ていなかったアニメが僕の習慣になった。(あとラグビー部に戻った)

社会人3年目  24歳〜25歳

大学を卒業した僕は会社の配属で京都に来ていた。初めての仕事、初めての一人暮らし。仕事が忙しいことを言い訳に、仕事と自宅を行き来する毎日を送り、会社以外の友人も作らぬまま三年が経過していた。そんな時、ひょんなことから参加した合コンで、理想のタイプな子がいた。3回くらいご飯に行って、付き合えるのかという期待と不安で気持ちが張り裂けそうになっていた時に、「もし付き合うとかだったら難しい」(ショックすぎて正確には覚えていない。もうちょっと優しい言い方だったと思う)とLINEで言われてしまった。。。

自分の人間性に危機感を覚える

フラれた理由は正直わからない。でも、率直に自分の人間性がやばいん(語彙力)だなと思った。学歴・会社etc、外部情報で偽ってきたけど、いよいよ内面をどうにかしないと、死ぬまでこれを繰り返すかもしれないと。そんな危機感に急かされるように、就活でもやらなかった自己分析を始めた。

図1

自分に何が足りないのか、その答えを求めて本を読み漁った。自分のコンフォートゾーンでしか生きてこなかったことを省みて、飲めない体を動かして、飲み屋を彷徨い歩いたり、街コンに一人で参加して、知らない人と初対面で仲良くなる方法を毎夜模索した。

どうすれば人間性は上がるのか。そもそも人間性とは何か。その答えを探し求めた。夜な夜な会う老若男女との会話の中で、自分のもやもやを話せば、職業謎のおじさんからは家族の悩みが、妖美なお姉さんからは彼氏の悩みが、帰ってきた。

みんな何かを悩んでいて、そんな中でも生きている。人が苦手と思っていた自分に、知らない人と話すことの楽しさを教えてくれた。自分の頭の中の世界以外は広がっていて、自分がまだ見ぬ出会い・感情があることを教えてくれた。「人生いろいろある方が豊かやな」と、なんだか楽に思えるようになった。そして、アニメを見漁るのは止まった。

理想を失った時 いかに現実の穴を埋めるか

18歳 憧れの相手を失った時、その穴を埋めるためにアニメの世界に理想の代替を求めた。主人公はどんなトラブルが起こっても、夢を叶えるし、好きな相手と最後は付き合える。そんなご都合主義に安心感を覚えていた。(たまに鬱アニメもあったけど、それが逆に心地よかったりもする)

25歳 自分の頭の中の理想の相手を失った時、空っぽな自分に感じた気持ち悪さをなんとかしたいと彷徨った。25年サボった分のでかい穴をどう埋めるのか。でも埋めないと孤独で死んでしまう。そんな危機感から人と繋がる方法を模索した。そこからまた云々かんぬんあって、仕事を辞めたり、色々な仕事をしたり、人と出会って、起業することになったりに続くけど、長くなるから今は割愛する。

失うために存在する理想

理想は現実ではない。理想は自分が生み出した妄想なのだ。妄想と現実のギャップに気づいた時に感じる強烈な気持ち悪さ。それこそが人生を動かす原動力になるのかと最近思っている。理想を失う度にショックが起こる。それは辛いことかもしれない。しかし、理想を掲げなければ、気持ち悪さを感じ、現実を捉え、変えたいという原動力は得られない。失うために理想は存在するという強烈な矛盾。その繰り返しが成長なのかもしれない。そういう風に今は考えている。

青春とは人生のある期間を言うのではなく心の様相を言うのだ。優れた創造力、逞しき意志、炎ゆる情熱、怯懦を却ける勇猛心、安易を振り捨てる冒険心,こう言う様相を青春と言うのだ。年を重ねただけで人は老いない。理想を失う時に初めて老いがくる。  サムエル・ウルマン

29歳 また動かないといけない理由ができた。旅は続く。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?