僕のモンスターが最強なんだ

プレステの思い出というタグがあることをみて、プレステで特異的なものと言えば…と思いを巡らして一番最初にビビッと来たのがモンスターファームだった。
先鋭的なゲームが数あるプレステの中でも、ソフトの媒体がCDであることを利用し、現実での行動を喚起する仕組みを作り出した本作は、プレステならではのソフトと言えると思う。

そんなモンスターファームについて語ってみようと思う

モンスターファームの世界観

魔物を育てて決闘をさせることが娯楽となっている世界で、プレイヤーはブリーダー…魔物を調教して仕事をこなす人…になり、決闘で世界一の魔物を作り出すことを目指す。

魔物の誕生

プレイヤーが育てる魔物を生み出すときに使うのが、現実に存在するCDである。用いるCDが違えば、異なる魔物が生まれるし、万が一同じ魔物であっても初期ステータスが違うようになっていた。

好きな魔物、レアな魔物が生まれるCDを持っている人がいないか、友達や知人に聞いてみたり、中古CDショップを走り回ったりと、ゲームを楽しむために現実で行動した方が得になるという仕組みは今流行りのARゲームや位置情報ゲームの走りと言えるのかもしれない。

魔物の育成

好みのタイプの魔物が手に入っても、それで終わりではない。
生まれたての魔物は弱いからだ。きちんと調教して技やステータスを伸ばさなければならない。
とにかく打たれ強く、一撃必殺を狙うパワー馬鹿
蝶のように舞い、ハチのように刺すアウトレンジファイター
オールラウンドに能力を育てて欠点をなくす
などといった感じの育て方をしていくことになる。

魔物ごとに伸びやすいパラメーターが決まっているので、魔物の特性を生かして伸びやすいステータスを伸ばすのがゲーム的正解であり、私は毎回そういう育成をしていたのだが、あえて苦手を極めた魔物を作る人や、そもそも強い魔物を目指さない人がいることを知り、自分と違う考え方の人間がいること、それはそれで楽しめるということを間近で見られたのは良い経験だと思う。

魔物の戦闘

育ててもまだ終わりではない。戦闘も戦略性が高い。
決闘なので一対一の戦闘をするのであるが、彼我の距離に応じて使える技が異なり、また、技ごとに攻撃力重視、命中力重視といった特性がある。
上述の魔物の育て方と、魔物自身の技の特性がかみ合っていないと中々悲惨なことになる。逆に、そこがかみ合っていれば簡単に勝てるようになる。
距離を自在に操り、敵の狙った技を使わせなくすることや、コンボを狙うことでさらに勝ちやすくなる。

育成の終わり

長い間魔物を育てていくと、魔物の寿命が訪れる。魔物の誕生から死まできっちり描いているのもモンスターファームである。限られた時間の中で、どれだけのものを積み上げることが出来るかも問われる。
死ぬ直前の魔物を合体させて、新たな魔物にして育て直すことも出来る。
合体ではステータス補正がかかるので、CDから再生した魔物よりも強いことが多い。合体を繰り返して、最強の魔物を目指していく。
ゲームの始めたての頃はどう育てたらいいのか塩梅がわからず苦戦するが、システムを理解していくことで少しずつ強い魔物が作れるようになるハクスラ的なつくりのため、プレイ自体の中毒性が非常に高い。

私の場合、最終的にはゲーム内時間で1000年程度遊んでいたと思う。
魔物を休みなく働かせ続けたり、薬漬けにしたりして最強の魔物を作りだす。そんな字面がヤバイ育て方をするようになっていたなぁと当時を振り返って思う。
そんなこんなで時間をかけて強いモンスターをたくさん作った私の周りは、既に別のゲームを始めていてモンスターファームをやっている人がいなくなっていたのも思い出深い。
極めた人同士で交流するフェーズをまだ私は体験していないのだ。

その他言いたいこと

育てた魔物を持ち寄って、対人戦を行うことが出来た。ソフトとセーブの媒体が分かれているメモリーカードという仕組みの恩恵である。
モンスター甲子園という、今でいうところのリアルイベントが開催されたり、ポケットステーションを用いることでミニゲームもできた(これはモンスターファーム2)いろいろと実験的な試みが多くあったゲームだと思う。


ヒトは"何か"を集めるのが好きだ。

子供の頃は河原の石を、昆虫を、トミカを...
思春期になればアイドル、漫画、アニメを...
大人になればさらに多種多様なものを集めていく。

見知らぬものを知り、区別をつけ、その数や希少性、強さを競うという性質は、年齢、性別を問わず人類普遍の性質といっても過言ではないのかもしれない。

そんな人の業を余すところなく刺激するモンスターファーム、どうも携帯アプリゲーで復活するらしい。当時ほどやりこめるかはわからないけど、良い機会なので皆やろうぜ

面白かったら投げ銭お願いしまーす! 投げられたら投げ返す主義です