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重力を軽くする少年

出っ歯&すきっ歯ーズな息子が本格的に歯の矯正を始めて、食事の時以外、矯正具?を口の中に装着するようになった。

そのせいで、舌足らずで滑舌も悪くなってなんだか気の毒に思っていたら、ニヤニヤしながらそんな息子が僕に語りかけてきた。

「これで滑舌が悪いのはお父さん一人じゃなくなったからもうさみしくないね」

確かに僕は自他共に認める超絶滑舌が悪いカミカミ星人だけど、別にさみしいとか思ったことないわい。

さ、さみしくなんか、な、ないやい。

けど、君があんまり気にしていないことが知れてホッとしたし、僕が滑舌悪い先輩でむしろよかったとは思ったよ。

そして、それとは別の日のこと

リビングでテレビを観ていたときだった。

番組で紹介されていたある出来事を分かりやすくみんなに説明しようとした僕が

「これを一言で言うとだね」

と言ったとたん、すかさず息子が

「出た。いつもの一言シリーズ!」

という合いの手を入れてきたのだ。

まあ、間違いなく彼は僕をバカにしているのだけど(苦笑)

一言シリーズ

というフレーズが秀逸すぎて、僕も妻も思わず大爆笑してしまった。

確かに、何かといえば、僕は一言でまとめたがるしね(笑)

そして、彼と一緒に過ごす日々は、そんな思わずぷっと吹き出すような小さなやり取りに溢れていて、そのたびに、何事も深刻に受け止めてついつい重くなりがちな僕の重力も少しばかし軽くなるのだった。

僕が毎日なんだかんだあっても昔みたいに鬱になって寝込むことなく、毎朝ちゃんと会社に通えているのも案外、そんな

重力を軽くする少年

のおかげかもしれない。

さあ、今日は、果たしてどんな名言が飛び出すのだろうか

確かに今から楽しみで仕方ない(ニヤニヤ)


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