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パートナーセールスに必要な考え方

はじめまして。Sansan株式会社の木村(@captainkim0720)と申します。
この度ご縁あってパートナーサクセス社様のアドベントカレンダーに参加させて頂くことになりました。貴重な機会を頂きありがとうございます。

いつもパートナーセールスに関するコンテンツを拝見しながら勉強させて頂いてたので、私も少しでもパートナービジネスに関わる方々に役立つような情報発信が出来ればと思います。

パートナーセールスアドベントカレンダー2022 12月15日

私からは、パートナーセールスにチャレンジして約2年半で経験した失敗や成功について、特に私が大事にしている考え方と、その考えに至ったいわゆるブレイクスルーとなった出来事についてお伝えできればと思います。

私自身、まだまだ伸びしろしかない領域だと考えておりますので、皆様の経験談も踏まえたフィードバックなど頂けるととても嬉しいです。

自己紹介

私はSansan株式会社のパートナー営業部に所属しており、営業DXサービスSansanやインボイス管理サービスBill Oneなど自社サービスをパートナー様を介して販売することをミッションとしております。

また、2020年6月のパートナー営業部設立のタイミングから参画したこともあり、他社のパートナーセールスの皆様と同様に、自社と親和性の高いパートナー様はどんな企業か、どんな施策を行えば案件が増えるのか、一番良い組み方ってどんな形だろうか、と終わりのない問いに対して試行錯誤して参りました。そして、今もまだ明確な答えは出ていないと思っております。

一方で、パートナーセールスを推進する上で必要な考え方がまとまりつつあるので、その中から二点ご紹介します。

Sansanのパートナーセールスとは

本題に入る前に、弊社のパートナーセールスがどんなことをやっているかについても簡単に紹介させて頂きます。

弊社のパートナープログラムは大きく分けて二種類あります。

一つ目はReferral Partner(いわゆる取次店)。サービスを導入頂けそうなお客様をご紹介頂き、そのお客様が無事に成約したら手数料をお支払いするというモデルです。
提案活動やサービス導入に必要な契約手続きなどは全て弊社とエンドユーザー様が直接行うので、パートナー様にとっては非常に手離れが良いことが特長です。
メガバンクや地方銀行、リース会社などの金融機関様と多く連携させて頂いております。

二つ目はSalesPartner(いわゆる販売代理店)。文字通り、弊社から製品を仕入れて、お客様に販売するというモデルです。
基本的には弊社に代わってサービスの販売を行うので、必要なスキルも多くなりますし、契約手続き等が発生するためそれなりの体制も必要となります。
大手から中堅のSIerや事務機メーカー、ディストリビューターなどとお取引をさせて頂いております。

Referral PartnerとSalesPartnerの二つのチャネルを活用し、Sansanの非連続な成長の起爆剤となるべく日々取り組んでおります。
ちなみに、私自身は2年半でどちらも経験して参りました。

考え方の変化

Referral Partner、SalesPartnerとそれぞれ担当させて頂いてきましたが、最初は全く成果が出ませんでした。今思うと「そりゃ成果なんか出ないわな」と思うようなお話なんですが、これからパートナーセールスにチャレンジする方も少なくないと思うので、私の学びを二つ紹介します。

自社のコピーを作るんじゃない

少し遡ったお話になるのですが、私の前職は鉄鋼商社で異業種での転職だったこともあり、Sansanを含むSaas業界のいわゆるThe Modelに基づく組織であったり、ソリューションセールスと言われる営業スタイルに深く感銘を受け、同時にこれが成果を出すための唯一無二のやり方なんだ! と謎の思い込みをしておりました。

その状態でパートナー様を数社担当させて頂いたときに何をしたかと言うと、例えば既存の取引先が多いパートナー様に対して「○件受注するなら毎月〇件の案件創出が必要なのでアプローチ先が足りないならテレアポ新規もやりましょう。」のように強引に弊社の型にはめるようなコミュニケーションを取ってしまっておりました。(ちょっと極端に書きました!)

当然ですが既存深耕営業を得意とするパートナー様に案件数や新規開拓を強要しても全く成果は出ませんでした。そんな中でそのパートナー様の営業担当の方とほぼ1日同行させて頂く機会があり、弊社とは全く違う営業スタイルだということを強く認識させられました。
(よくよく考えると私の前職に近いやり方で、リレーション構築に重きを置いていざというときに相談を頂くスタイルと言えばイメージがつくでしょうか・・・)

ここでようやく私も目が覚めて、パートナー様にあったやり方を提案するようになりました。
既存取引先へ訪問する際に使う物理的なコンテンツ(チラシ等)だったり、定期的に訪問することを想定して毎月事例やコラムを展開したり、それこそそのパートナー様がやっているように良い意味で無駄に訪問回数を増やしたり。
理論値で語り効率を求めるのではなく、現場も含めてパートナー様の文化を学び、どうにかしてパートナー様に溶け込むことを意識しました。

1年以上かかりましたが成果も出始め、今では知らない番号から急に商談同席の依頼がきたりする状態になっています。
パートナー様は別に弊社になりたいわけではないので、成功モデルを強要するのではなく、まずはパートナー様にとって一番動きやすい環境を作ることが重要だなと気付かされました。

お互いの期待値を明確にする

弊社のサービス、特にSansanとBill Oneはおかげさまで各マーケットにおいて、それなりに知名度もあることからパートナー様からお取扱い希望の問合せも多く頂いております。

私がパートナーセールスに異動してすぐのときは、

  • 取扱いサービスを増やすことで顧客満足度を高めたい

  • 今の商品群だと伸び悩んでいるのでニーズの高い製品を取り扱いたい

  • 自社で使ってて便利なのでお客様にも提案したい

など、それっぽい理由を並べられると特に疑いもせずにパートナー契約を締結していました。
しかし、一向に成果は出ませんでした。これは全く極端ではなく、契約締結後1年間ご紹介0件というのもたくさんありました。

結局何がいけなかったのか、それは弊社サービスを販売することがパートナー様にとってソリューションにならなかったからだと考えております。付け加えると、「売上」以外に弊社サービスを取り扱う理由があるか、という点が非常に重要だと感じました。
先に挙げた取扱いたい理由を追究すると「認知度も高いし伸びてるからラインナップに入ってれば勝手に売れるだろう」ということが非常に多かったのです。
本当にそうなら良いのですが、SansanやBill Oneは持っていれば勝手に売れるような製品ではなく、比較的販売が難しい製品だと思います。そのため、販売活動にもそれなりにリソースを割いて頂く必要があり、そのリソースを割くだけの理由があるかどうかが非常に重要です。
自社製品もセットで売れる、会社として注力分野として位置付けている、などはわかりやすい例かと思います。

同時に、自社がパートナー様に期待していることも契約締結前にはっきり伝えることが重要です。「パートナー様の○○を実現するために弊社サービスを取り扱って頂き、代わりに私たちに△△を頂けますか。」といった具合です。
これが営業リソースなのか顧客網なのかは販売戦略やフェーズによって異なりますが、両社にとって明確な目的があることで、それが達成できたかという観点で振り返ることも可能になり良好な関係が維持できます。

終わりに

パートナーセールスに取り組んでいる企業やご担当者様からすると当たり前の内容だと思いますが、油断するとついついやってしまう失敗事例ではないでしょうか。パートナーセールスに関わる方々にとっての学びや共感になっていれば良いなと思います。

まだまだ書きたいこともあったのですが、長くなりすぎるので今回はここまでにします。たくさん情報交換しながら考え方をアップデートしていきたいと思っているので、興味ある方は是非お気軽にご連絡ください!

そして、パートナーセールスアドベントカレンダーはまだまだ続きますので明日以降もお楽しみに!

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