見出し画像

元映画館スタッフが語る「映画館の楽しみ方」と「推し映画の盛り上げ方」



はじめに

「映画マッチング」、気付けば公開まで1週間を切りましたね。早いもので、白佐久間に戦慄していたあの頃が懐かしいです。
スノ担はもちろん、「おそ松さん」や「わたしの幸せな結婚」「モエカレはオレンジ色」や「ハニーレモンソーダ」なども観に行った歴戦の猛者が多いだろうから心配はないんだけども、ここで一応「元映画館スタッフの映画オタク」の観点から「推し作品を盛り上げるためにできること」や「映画館で楽しむ方法」を共有できればと思い、noteを書くに至りました!

日本人の映画館での年間鑑賞平均数って、「1.7本」なんですよ。去年映画館で50本以上観たオタクとしてはびっくりですよ……。
まぁでもわかるよ、映画館って色々面倒。そして高い。それに「映画マッチング」に至っては「怖そうな題材」ということもあって、佐久間担だけど観に行こうか迷っている人もいると思う。
だからこそ、少しでも映画館を楽しみ、推し作品を盛り上げる方法を共有したいんだ……! 「映画マッチング」に至っては製作陣も続編製作に乗り気だし、この作品が盛り上がれば盛り上がるほど次に繋がるとも思う。
もちろん、「映画マッチング」じゃないけど「推し作品を盛り上げたい! 」という方も、ぜひ参考にしてほしいと思う。ただ私も、元映画館スタッフと言っても多くの劇場で働いてきたわけではないし、支配人だったわけでもない。細すぎることはもちろん言えないし、全ての映画館がこう! という強いことも言えないので、あくまでも「参考程度に」読んでくださいね。

公開前にできること

前売券


多くの映画には「前売券」というものが存在する。早ければ半年、平均で言うと2か月前くらいから販売する、「これで該当の映画を観る権利を買えるよ」券だ。ムビチケとも言う。
ちなみにこの「前売券」はネットと上映劇場で買えるが、どこで買おうとどの映画館でも使える。ただもちろん「該当作品の上映劇場」じゃないと使えない。
「前売券」は大体、普通に映画館でチケットを買うより安く購入できる。作品によっては「小人用」と「大人用」で分かれており、プリキュアなどの子ども向け作品になると「親子ペア」があることもある。「小人用」が中学生までか、高校生までかは映画館によって違うので、不安な年齢の方は映画館スタッフに訊いた方がいいね。
そして「前売券」はその名の通り、「公開日前日で販売を終了する」。だから少しでも多く買いたい方は公開日前に買っておこうね。そして「登録に1日必要」なので、買った翌日からしか、座席を選ぶことはできない。まぁちょっとこの辺はややこしいので、シンプルに「前売券を使っての鑑賞は2週目以降にした方がいい」とだけ言っておく。詳しくは後で書きます。
そして「映画マッチング」は該当しないが、前売券を買えばついてくる「購入特典」がある作品もある。クリアファイルやカードなどだが、こちらは数に制限があるので欲しい場合は少しでも早く買いに行くことをおすすめする。
そう、「購入特典には数の制限がある」。つまり、「前売券には数の制限がない」。なぜなら前売券は再入荷があるから。売れれば売れるほど劇場は前売券を再入荷し、公開日前日まで売る。
こう言うと誤解を呼ぶかもしれないけれど、「購入数に制限がないとは言い切れない」。人気作品であればあるほど「ひとり2枚まで」などの制限はあるが、これはあくまで「1度の購入においての制限数」。並び直したり、別日に買いに来たりすればまた買える。前売券は「買えば買うほど『この作品は期待値が高いですよ』と映画館によってアピールできる」商品なのだ。
そして「映画マッチング」においては、どうやら購入制限を設けていない劇場が多いらしい。正直、それなら余裕がある方は「数を気にせず買った方がいい」。

作品における期待値は、「公式SNSのフォロワー数」や「前売券の売れ行き」で決まると言っても過言ではない。「どの作品を劇場で公開するか」「作品をどれくらいの頻度で上映するか」を決めるのはシネコンの大元であり、それぞれの劇場の支配人である。公式SNSのフォロワー数が多ければ多いほど、多くのシネコンが「うちの映画館で上映したい」と思うし、前売券の売れ行きが良ければ良いほど「上映数を増やそう」となる。そして両者の伸びが良ければ、元々上映を予定していなかった劇場でも上映するようになる。
実際、「映画マッチング」は上映劇場が多く追加された。ひとえにファンの力である。ありがたい。

ただ、前売券には3つの「ひっかけ」がある。
1つめは、「前売券はあくまで座席との『引換券』」。映画を観る権利を買っただけであって、前売券を持っていたらいつでもその作品が観られるわけではない。前売券裏のQRコード(オンラインチケットなら裏じゃないけど)で座席を選べるだけで、前売券をもぎりでスタッフさんに見せても入れないのである。
あんまりいないけど、たまに勘違いされている方がいらっしゃるので注意。
そしてこの「座席が選べる」のは、劇場によるけど「大体上映日の3日前から」。つまり、「映画マッチング」を公開日に観たかったら2月20日。でもこれはあくまで目安で、「映画館によって違う」というのが現状である。
また、これも映画館によって違うけれど、「映画館の会員だったら早く買えることが多い」! シネコンはそれぞれ、「○回観たら1回無料」や「誕生日クーポン」などの特典のついた会員に入会できる。もちろんないこともあるけど、年会費3桁で入会できるシネコンがほとんど。
たとえば会員じゃなかったら「2日前の0:00〜」なのに、会員だったら「3日前の21:00〜」購入できる、などの特典がある。今からでも遅くない! 少しでも早く座席を選びたい人は、最寄りの映画館にそういう「会員特典」がないか確認しよう!

2つめは、「使わなければ動員数には換算されない」。せっかく買った前売券、推しの顔が映っているし、大事に保管したい。気持ちは分かる。でも安心してほしい。「前売券に必要なのはQRコード」。前売券自体を劇場に渡さなきゃいけないわけじゃない。つまり、「前売券使っても手元に残る」。まぁ「わたしの幸せな結婚」や「おそ松さん」を生き抜いたスノ担はらわかりきっているかもしれないが、これも映画館で働いているとき割と勘違いされているお客さんが多かったので、一応明記。
ただ、「興行収入には換算される」。映画のヒットは「動員数」と「興行収入」で考えられるのだけれど、前者は「映画を観た人の数」で後者は「映画でどれだけ儲けたか」。だから「どうしても観に行けないけど、推しが出ている映画に還元したい」という方が前売券を買うのは、大正解である。
そんでもってまたややこしいのが、「前売券での興行収入は最後に換算される」っていう点。

これが3つめの、「初週は前売券で観ない方がいい」というひっかけに繋がる。映画のヒットは「動員数」と「興行収入」で考えられるが、もうひとつ大事なのが「初週の勢い」である。つまり「映画マッチング」で言うと2月23日〜2月29日の「動員数」と「興行収入」。ここでどれだけ売り上げたかによって、その後の上映数が大きく変わってくる。
そして「前売券での興行収入は最後に換算される」。つまり「初週の前売券での鑑賞は、初週の興行収入に換算されない」のである。……ややこしいね、こんなややこしい世界でごめんね。

だからまぁ、推し作品は「初週は前売券で観ない」、「2週目以降に前売券を使って観る」のがおすすめってことです!

宣材

映画館には多くの「宣材」が入荷される。宣材、つまり「宣伝材料」。
映画館の宣材は大きく分けると4つ。「ポスター」「フライヤー(チラシ)」「バナー」「スタンディ」である。

「ポスター」「バナー」「スタンディ」は映画館で飾られるものだが、「フライヤー(チラシ)」は観客に配るものである。フライヤーは大体「ティザー」と「本チラシ」の2種。「ティザー」はまだあまり情報解禁されていないときに出る、タイトルや出演者数名だけが書かれたもの。そして「本チラシ」は情報解禁された後の写真などもしっかり使われたフライヤーである。
フライヤーは「上映劇場には必ず入荷されている」。ただティザーチラシは微妙。「映画マッチング」のティザーチラシは去年の6月頃に配布され出したが、あの頃「映画マッチング」の上映が確約されていた劇場は少なかった。特に地方の映画館ではほとんど「当劇場では公開が決定していない作品なので」と断られたのではないだろうか。
ごめん、そういうものなんだ。映画館が「どの作品を当劇場で上映するか」わかるのは大体2か月前〜。とはいえ、いちいち訊くのはしのびないだろうからこれからの指標として使ってほしいのは、「公式HPの上映劇場欄」と「その作品の前売券を販売しているか」である。
作品の公式HPの上映劇場欄を見れば、どの劇場で上映されるのかは一目瞭然。そして前売券を販売していれば、「その劇場でその作品が上映されると思っていい」。だから前売券を買う際は、「フライヤー(チラシ)ありますか? 」と訊けば、本チラシは十中八九貰える。やったね。
そして公開日が近付けば近付くほど、貰いやすくなる。「映画マッチング」においては、もう他のチラシ置き場と同じ場所に置いてあることが多いのではないだろうか。
なぜなら映画館側としても「フライヤーはできるだけ配り切りたい」から。残れば全部廃棄しなければならないし、上映が終われば配る機会もない。
ただ「枚数制限が設けられていれば、絶対守ってほしい」。いくら配り切りたいとは言え、少しでも多くのお客さんに配りたいというのも本音。お金を払って購入する前売券と違い、フライヤーは無料。そして「公開が始まってからもアピールできる宣材」のひとつでもある。元々作品に興味のなかった観客を引き込むこともできるし、「ファンなのにチラシ貰えなかった……」という人も減らせる。あとまぁシンプルにマナーは守ろうね。
じゃあ「ティザーチラシは? 」。残念ながら、ティザーチラシは「近くの上映劇場なら絶対もらえるわけではない」。本チラシは再入荷もあるし、そもそもティザーチラシに比べて多数入荷している。「配るためのチラシ」である。
でもティザーチラシは違う。数も少なく、公開日などの細かい情報が解禁されていない時期に配布される、いわゆる「こういう映画があるとお知らせする」チラシである。
去年の初夏時点で公開が決まっているような「都会の映画館」で期間限定配布される「号外」のようなものだと思った方がいいだろう。ただこれも作品によってムラがあるので、「公開が決まってから全体の情報解禁の期間が短かったり」「ティザーチラシの入荷数が多かったり」することもあるので、本チラシとティザーチラシが並んでいることもある。だから「ティザーチラシは貰えたらラッキー」くらいの気持ちでいた方がいいだろう。

と、貰える宣材は「フライヤー(チラシ)」だけだが、他にも映画館には3つの宣材がある。
ただここで注意なのが、「映画館が1番宣材に力を入れるのは『公開日直前』である」ということ。

映画館の宣材のひとつ「ポスター」は、公開後も飾られることが多い、比較的飾るのが簡単な宣材である。公開日前にも飾られるし、公開してからも「公開中の作品」として飾られる。
ただあとふたつ、「バナー」と「スタンディ」は、「公開したら撤去、もしくは劇場内にのみ飾られるようになることが多い」
じゃあまずこいつらなんなんだ、ということなんだけれど、簡単に言えば「バナー」は吊り下げ式のタペストリーのようなクソデカ広告、「スタンディ」は幼児向け作品に多い、ダンボールで作られた一緒に写真を撮れる宣材である。
つまりこのふたつは「とにかく目につきやすい」。だからこそ、映画館側としても「公開中の作品」ではなく「公開予定の作品」を出したい。なぜなら映画館としては、公開中の作品を観に来たお客さんが、公開予定の作品の存在を知って「お、面白そうだな! これ観たいな」と思うことが狙いだから。
まぁつまり、良くも悪くも「お客さんが同じ作品をリピートする」ということを計算に入れていないんだよな。逆に裏を返せば「リピートされると思っている作品は、飾ったままにしておく」こともある。それにこれも悲しいかな、「公開が終われば廃棄しなければならない」。
だから公開されても「劇場内には飾られている場合がある」けど、映画館の入口だったり目立つ場所だったりからは撤退されることが多い。つまり「『映画マッチング』の宣材を撮りたければ2月22日までに映画館へ行った方がいい! 」てことだね!
まぁでも公開が始まってもポスターは十中八九飾られているし、もうひとつ、宣材には「エレベーターシール」もある。上映劇場のエレベーターも確認してみたら、吐夢くんが微笑んでいることもあるかもです。
どうでもいいけど、これ(エレベーターシール)が1番貼るのが大変だった!!!

そして宣材において映画館側がお客さんにやってほしいことは、「SNSへの投稿」。できれば写真を撮って、作品のハッシュタグをつけてほしい。そのために貼っていると言っても過言ではない。
宣材とはその名の通り、「宣伝材料」。作品のバックアップにもなるし、劇場に足を運んでくれれば映画館としては万々歳。そしてそこから「この作品は儲けが大きいのでは……? 」と思わせられれば、「上映劇場の拡大」にも繋がる。
とは言え、もちろん居住地域がバレたくない人もいるだろう。その場合は「マッチングの大きいポスター貼られてた! 楽しみ! 」と発信するだけでも十分。宣材はたくさん撮って、たくさんSNSにあげてほしい。それが映画館の願い。

公開したら

グッズ

「映画マッチング」もグッズ販売が決定した。公開日2月23日から。映画館、オンラインと種類は分かれるが、元映画館スタッフとしては「オンラインで買った方がいい」と思う。
なぜなら、「全ての映画館で全てのグッズが販売されるとは限らない」から。特に「地方の当初上映予定ではなかった劇場」はグッズの入荷数が少ないことが多い。
ここに関しては完全に映画館側が想像する需要と、グッズ制作会社側の供給のバランスで塩梅が決まる。たくさん売れると思えば数も多く入荷するし、全種類入荷することもあるだろう。逆に、この劇場ではあまり売れないと思えば、1種類1品しか入荷しなかったり、クリアファイルしか入荷しなかったりということもある。そしてこの辺のさじ加減は「販売されないとわからない」。
だから「これが欲しい」というものがあれば、オンラインで買った方がいい。劇場に行って「欲しかったのにない! 」ということは、十分に考えられるから。
とは言え劇場としても「売り切れは絶対いや! 」なので、劇場の売店で買ってほしいのも本音である。だから余裕があったり、「こんなんいくらあってもいいですからね」的なものが売れ残ったりしていたら、ぜひ購入してほしい。

ただそれ以上に、売店で購入してほしいものがある。「パンフレット」だ。

パンフレット

パンフレットに関して言えることは、正直ただひとつ。「絶対に買え」。そしてできることなら早めに買え。まぁでも公開期間中なら売り切れても再入荷するので、公開期間中ならいつでもいい、ただ絶対「公開期間中に買え」。
なぜなら公開が終われば「買える場所はほとんどない」から。映画のパンフレットって本当に稀有な売り方で、「公開期間中」「上映劇場でしか」買えないと思っていい。
そりゃあものによっては値段が映画1本分に匹敵するものもある。でもほとんどの作品は「700〜1000円」程度。そして公開期間中に買いそびれたらほとんどの場合もう買えない。絶対買った方がいい。実際、映画オタクが「この作品のパンフレット買っておけばよかった」と地団駄を踏んで後悔している作品は、1本や2本ではない。「公開期間中に映画館に行けないファン」がいれば、代わりに買ってあげるのもいいだろう。
ただ残念ながら、めちゃくちゃに人気な作品などは「入荷が追いつかない」場合もある。でもそれは裏を返せば「映画館側が思っていたよりもその作品が盛り上がっている」証拠なので、焦らなくていい。公開期間中であれば再入荷はしてくれるし、他の劇場なら売っている場合もある。
つまりパンフレットに関しては「公開期間中に絶対買え」以外言うことはないんだよ、本当に。

ちなみにだけど、個々の映画館の売り上げのほとんどは「飲食売店」である。最初は推しを観るのに必死で食べ物も喉を通らないだろうけれど、その映画館の存続のためにも2回目以降はぜひポップコーンやドリンクを頼んでほしい。
今映画館はそれぞれ割と多岐に渡るメニューが揃っている。ポップコーンは口がパサパサするから苦手、という方にはナチョスやチュロス、ホットドッグやチキンなんかもある。ポップコーンも甘いものや塩辛いもの、飲み物には炭酸やそれ以外、アルコールがある映画館もある。ちょっと割高ではあるけれど、有名店とコラボしていたり、味にこだわっていたりするものもある。「映画マッチング」にはないけれど、作品とコラボしているものもあるので、ぜひチェックしてほしい。

入場者プレゼント

作品には稀に、「入場者プレゼント(入場者特典)」というものがある。その名の通り、「映画を観たら貰える特典」。大体の映画館では入場の際にチケットを見せたら(チケットと交換の場合もあり)貰える。カードだったりシールだったり……内容は様々。アニメ作品だと特に多いが、それ以外の作品でも普通にある。
ただ残念ながら、これを転売する輩も多い。アニメ作品だと中身がランダムなことも多く、映画館側としてはリピートを期待しての配布なのだが、転売目的で「明らかにひとりなのに複数枚チケットを購入することでたくさん入場者特典を貰おうとする」人もいる。残念ながら。本当に残念だよ。
だから映画館側としても、対策していることが多い。たとえば「チケットの枚数分人が来るまで入場させない」とか、「複数枚買ってしまった人には払い戻しする」とか。とにかくシンプルに「1人1点しか配らない」ことを徹底している。転売されて、本当に欲しい人の手に「正規のルート」で届かないのは、映画館としても嬉しくないのでね。
でも安心してほしいのは、あくまでも「1回の上映時の、1人1点」。2回以上観に行ったらまた同じ入場者特典貰えた……! とかあったら、普通にラッキーとして喜んでオッケーカフです。ただ転売はだめだよ!! 貰えなかったオタク友達とかには渡してもオッケーカフだと思う。たまに律儀に「あの……2個目なんです」て断る方もいたのでね。
でも入場者特典は断ることもできるので、もし「自分貰えるの2つ目だし、他のオタクの手にも平等に渡ってほしいから」とかあれば断るのもアリ!
これもまた映画館によるけど、チケットの売れ行きを見て「この回全員分配れないな」と判断すれば、その回全員に渡さず、「前の回で配布終了しました」とすることもあるので、「目の前で配布終了😭」みたいなこともあんまりないと思うよ。劇場によるけどね。
だからまぁこれも、欲しい人は「少しでも早く観に行く」ことがポイント! でもどうしても観に行けない人は代理人を立てるか、「入場だけする」。私が働いていた映画館では、映画全部観ている時間はないけど特典は欲しい……! という人のために、「入場さえすればOK」というふうにしていた。まぁこれもまた、劇場によるので訊いた方が早いね。

舞台挨拶つき上映

前もって「この日は何時から舞台挨拶をします! ライブビューイングします! 」と発表されることがある。「映画マッチング」もあるね、嬉しいね。
「何時何分の回と、何時何分の回です」と言ってくれる場合がほとんどだけど、そうじゃない場合もあるので、舞台挨拶の時間もチェックしていた方がいい場合もあり。
これね、登壇者のスケジュールもあるから、大体先に始まる方が「上映後にライブビューイング」、後に始まる方が「上映前にライブビューイング」。だから上映後に出演者たちのおしゃべりを聴きたいか、上映前に聴きたいかは完全に各々の好み。上映後のおしゃべりは出演者が「ネタバレを気にせず話す」し、上映前のおしゃべりは「ここを観てほしい」っておすすめポイントを話してくれる。本当に好み。
ちなみに「映画マッチング」は12:50の回は「本編上映後に『初日舞台挨拶』」、14:05の回は「本編上映前に『ぶっちゃけトークショー』」と明記されています。お好きな方を選ぶか、どちらも観るか、それは皆さんにお任せします。楽しもうね🥰

追記ですが、どうやらライブビューイングの回は「時間が確定している」ため、「販売が早い映画館もある」ようです。私が働いていた映画館ではなかったので盲点でした……! 😫ライブビューイング回があると言われている回は、「早めに映画館の公式サイトを確認」がおすすめです。

とにかく観て

さて、ここまで長々と話してきたけれど、究極言えることってただひとつ「とにかく観て」
というのも、映画って案外「上映期間が短い」「2ヶ月で長い方」だと思っていい。試しに上映から1ヶ月程度しか経っていない作品の上映数を確認してほしい。大体1日に1〜2本、劇場によっては公開終了しているんじゃあないだろうか。
なんでこんなに早いのか。「とにかくシビアだから」というのもあるが、「かきいれ時が近いから」という理由もある。
2月はとにかく、映画界でも注目作品の上映が多い。アメリカのアカデミー賞候補作品が立ち並んでいたり、邦画もそれに負けないよう「力の入った作品」が上映されたりする。だからこそ、「思ったより入らないな」と判断されれば上映数は激減され、いつの間にかさらっと終わりにされる。
いくら短くても2週間は上映するのが暗黙の了解だが、たまに1週間で上映終了するものもあった。さすがにアイドル出演で前売券が売れている作品でそれはないと思うけれど、それだけ「シビアな世界」ではある。
そして2月公開作品で怖いのは、「春休みが近い」ということ。3月と言えばそう、毎年ヤツがいる。「ドラえもん」だ。とにかく親子連れがたくさん来る。
そうでなくとも今年は、2月16日から「ハイキュー!!」が公開されている。初週興行収入ランキングも首位を脅かされるだろうし、3月公開作品も期待値の高い「春休みに多くのお客さんを呼び込めそうな作品」が多く待機している。
そうでなくても「映画マッチング」はサスペンススリラーという、「ちょっと人を選ぶ題材」である。とにかく「観たいと思っている人がたくさんいるよ!! 」ということを映画館にアピールしなければ、「いつの間にか上映数が激減させられていた! 」という結果になってもおかしくない。
小さい映画館であればあるほど、スクリーン数は決まっている。上映数を減らさないと新しい作品を上映できない。そういう「どの作品を減らそう……? 」と考えるのは大体各劇場の支配人であり、直近の動員数が判断材料にされる。1人も入っていない回があれば上映数減らそう……と思われるのは、正直仕方がない……! くそ……! 
だからこそ、「できる限り観に行ってほしい」。なんなら「この作品大好きで観に来たかったんだよね〜! 」みたいなウキウキワクワク感を前面に出して観に行ってほしい。意外と映画館は「来ているお客さんの反応」を次週の上映数の判断材料にしているからね。
そして観るとき、以外といるのが「エンドロール前やエンドロール中に退場してしまう」お客さん。急いでいたり、混雑を避けたかったりするのはわかるけど、実際エンドロールの時間は邦画だったら数分程度。そんなに変わらないです。
最近の映画は「エンドロール後」に仕掛けがある作品も多いので、ぜひ「劇場内が明るくなるまでは席を立たないで」ほしい。もちろん個々の事情があるから無理にとは言えないけどね。ただ先日某黄金のカムイを観に行ったとき、あまりにもエンドロール中で席を立つ方が多くて……! 同じ料金払っているなら、最後の最後まで楽しもうよ。明るくなってからそそくさと出れば、そんなに混雑に巻き込まれもしないよ。

映画館での心配事

座席


映画館の特長は色々あるけれど、やっぱり「クソデカスクリーン」と「とんでも音響」だろう。バカオタク語彙になっちゃった……。
初週は少しでも大きいスクリーンで上映してくれるだろうし、スクリーンが大きければ大きいほどいいと思いがちだけども、小さいスクリーンは小さいスクリーンで利点がある。
例えば、映画のスピーカーはスクリーンの近く、天井にある(もちろん映画館によるけど)。そして映画館の設計上、後ろに行けば行くほど天井が近い。つまり耳の近くに音が来る。
「映画マッチング」はまだ予告しか映画館で観れていないけども、佐久間さん演じる永山吐夢の声は低くて静か。スピーカーの特性が活かされる声で、これを後ろの席の方で鼓膜を撫でられるように浴びたら鳥肌が立つだろうなと感じた……綺麗だ、吐夢……!
そして逆にサスペンススリラー特有の「叫び声」みたいな高音は、正面から爆発力のある感じで来るのが体感的に楽しい。全身で音を感じているように思える。

加えて、スクリーンという意味でも好みが分かれる。ど真ん中ストレート正面は、視界の端に余裕がありつつも世界観にのめり込める。完全に世界観に没入したいなら前の方でもいいだろうし、逆に俯瞰して観ることで緊張感を煽られることもある。
横軸で観ても、ど真ん中はどうしても両脇にお客さんが座ることがあるデメリットがあるし、絶対ど真ん中がいいとは言えない。でもど真ん中は両脇にお客さんがいなければ視界を邪魔されないし、逆に言えば端っこに座れば少しの衝撃すら過敏に感じてしまうような緊張を持って楽しむことができる。

つまり「完全に好み」! ただ映画館はどこも特有のスクリーンを持っていて、完全に同じ構成のスクリーンはほとんどない。小さいスクリーンは小さいスクリーンで楽しめるし、大きいスクリーンには大きいスクリーンの楽しみ方がある。私は最寄りの映画館の、どのスクリーンで上映されてもいいよう、「映画マッチング」の公開が決まってから色んな映画を鑑賞して「このスクリーンはスピーカーがあそこか。あそこらへんの席が『マッチング』映えしそうだな……」なんて考えていたけれど、正直こんなことをするのは映画オタクくらいだ。
映画の料金は決して安くはないし、逆に「推し作品が始まるまで他の作品を観に行きたくない! 」と言う人もいるだろう。だから映画オタクとしては、「色んな席でたくさん観てね」としか言えない。
ちなみにど真ん中の席で観たければ、映画館スタッフに訊けば「このスクリーンの真ん中はこの辺りですよ〜」と教えてもらえるよ。

トイレ

と、ここまでは「映画オタク」としての意見。「元映画館スタッフ」としての意見は、「スタッフに訊いてください」です。「ど真ん中の席どこですか? 」はもちろん、みんな映画館で心配なのは「トイレ」だと思う。特に初めて入る映画館だと、どこにトイレがあるのかもわからない、館内にトイレがあるのかすらわからない。あ〜どうしよう、上映時間になっちゃうよ〜〜!! なんてこともあると思います。
お願い! 訊いて!! 映画館スタッフなんて数え切れないほど劇場内に入ってるから、どこにトイレがあるかもわかっています。
「このスクリーンの場合は、こっちの座席の方が女子トイレ近いですよ」とかいうご助言もできます。そりゃあできるだけ上映中はトイレ行きたくないだろうけど、その時間を少しでも短縮できるお手伝いはできます。ガンガン頼っちゃってください!

あと、映画館での映画鑑賞で心配な「尿意」を解消する食べ物としては、「餅、ポップコーン、カステラ」が挙げられます。ドリンクを飲まずに鑑賞前、鑑賞中に食べると尿意を抑えることができる……とされています。あくまでも個人差はあるので、無理はしないでね。
そして。映画はどうしても「酔いやすい」作風の作品もあります。そうでなくても、慣れない環境に体調を崩すのは仕方がないです。体調が悪くなったら、劇場から出てゆっくり休んでください。
それでも我慢できなくて劇場内や座席を汚してしまった場合は、絶対「隠そうとしないでください」。出るついででもいいのでスタッフに言ってください。それだけで清掃時間が長引くことなく、次の上映時間に余裕を持って開場することができます。

今はコロナの影響もあり、ブランケットを配布していない劇場も多いです。冷暖房はそれに合わせて調整されていますが、座席によって暑すぎる、寒すぎることもあると思います。そういう場合も気にせず言っちゃってください。
大丈夫、スタッフはそれが仕事です。少しでも楽しく映画を楽しむお手伝いをすることが仕事です。気にしないでください。

入退場

もしかしたらこれが1番大事かもしれない。「退場の際、絶対にネタバレ感想を言わないで」!!
映画館のシステムとしては、上映が終わってスクリーンから観客が全員出たら清掃(この間に忘れ物などがないかもチェック)、そして清掃が終わり次第開場、というのが普段の流れです。そして新作はこの間の時間が短いことが多い。なぜなら「よりたくさん上映したいから」。
だから退場する際は「忘れ物がないか確認し」、「速やかにスクリーンを出て」くれたらありがたいです。ただもちろん混んでいることもあるので、あくまでも「他のお客さんと譲り合いながら」出てください。
そして「忘れ物がないか確認」は何気に大事で、携帯や鍵などを落とされるお客さんが多いです。次の上映が始まると、その上映が終わるまで探しに行けないので、気をつけてください。
あとこの「忘れ物」は私物以外も含みます。食べたものなどをそのまま置いて行くお客さんもいるのですが、それを片付けるのはもちろんスタッフです。そしてその数が多ければ多いほど「清掃時間が長引く」ので、「次の上映回の開場が遅れます」。もちろんスタッフも開場を少しでも早くできるようにしゃかりきコロンブスで掃除していますが、繁忙期は間に合わないこともあります。少しでもご協力いただければ嬉しいです。
あとは「チケットを忘れないように」というのも何気に大事。せっかくの推し作品、鑑賞チケットも大事に保管したいと思っていたのに、ポップコーンの空箱と一緒に捨てちゃった😫というお客さんも割といらっしゃいます。時間があるときはゴミ箱ひっくり返して探したこともあるけど、大体救出してもジュースでベタベタになっちゃったり……! 
「保管しておきたいチケットは本編上映開始前に、パンフレットに挟んだり財布に入れたりしておく」がおすすめです。

そして冒頭に戻りますが、映画オタクとしても言いたいのは「退場の際にネタバレしないで!! 」。
先程言ったように、新作は1回1回の上映時間の間が短い、つまり同じ作品を観るお客さんの入退場の時間が被る。そうなると、映画を観た満足感で感想を言いながら出てきたお客さんの感想を、今から観ようとしているお客さんが耳にする可能性がある。
……そんなん最悪じゃん……! 特に「映画マッチング」において、佐久間さんは口を酸っぱくして「ネタバレ禁止ね」と言っている。それなのに佐久間担が佐久間担にネタバレするかもしれないってことじゃん。しかも悪意なく!!
観終わった後の開放感は、理解できる。でもスクリーンを出た瞬間、そこにいるお客さんは「全員同じ作品を観たわけではない」ことを理解していただきたいです。
だから友人と観終わったらカラオケや自室で語り合うのが1番いいけど、ファミレスなどで噛み締めながら静かに語り合うのもありだと思います。感想を語り合う時間も楽しいので、周りに配慮しながら適度に楽しく語り合っちゃいましょう!

最後に

あれやこれや言いましたが、まぁ映画館って閉塞的な空間だし、安くもないし、静かにしていなきゃいけないのってしんどいよね、という気持ちもわかります。その上こんなにマナーばっかりでだるいよ! と思われるかもしれませんが、少なくとも日本の映画館では静かに観ることがマナーです。たまに喋りながら観たがる人もいますが、他にお客さんがいる場合はやめてください。
まぁ正直、マナーなんて映画本編が始まる前に映画館で上映してくれるんですけどね。「携帯の電源は切る」「上映中喋らない」「前の座席を蹴らない」。それでもマナーを守らない人は後を絶たないので、少しでも皆さんが映画館での時間を楽しんでくれるよう、映画館スタッフ一同尽力しているのが現状です。
映画館という「静かにしなきゃいけない」空間で「携帯も触らず」に五感で作品を体感するのは、ハマる人にはハマる感覚がある、とても楽しい体験です。ぜひ、楽しんでいただければと思います。

そしてスノ担は2025年に「映画トリリオンゲーム」もあるからね!! 全力で推しが出ている作品を盛り上げましょう!!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?