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「”10”知るのがふつうだとしたら、自分は”100”知って死にたい」- 知りたい欲求に素直に、学び続けてきたエンジニアへインタビュー

cocone v note編集部の大場です。

WEB開発チームのフロントエンドエンジニア山本さんへのインタビューの様子をお届けします。

山本さんは2023年8月に入社し、入社直後から現在まで様々なプロジェクトで活躍しています。
私もWEB開発チームやプロジェクトを通していつもその仕事ぶりに感心させられてきましたが、特に山本さんの仕事への姿勢、モチベーションはどんなところから形成されてきたのかを知るべく(そして可能ならば盗みたい...!)、これまでの経験や仕事をする上で大切にしていることについてお話を伺いました。

関心はインターネット → 知識欲 → 人 へ

——これまでのことを振り返って、今の山本さんを形成したエピソードがあれば教えてください。

まだ今ほどインターネットが一般的でなかった2000年代の前半、PCのインターネット接続をサポートをする仕事をした機会があって。そのために初めて自分用のPCを買い、ヤフーの ADSL を契約して、初めてインターネットを体験したんですよね。それでネットサーフィンをたくさんの情報を浴びているうちに、自分には「たくさん情報を知りたい」っていう欲求、「知識欲」がすごくあるんだなということがわかって。

それに気付いてから読書もするようになって、人に対して興味を持つようになりました。
著者と実際に会うことはほとんどないのに、時間や空間を超越して、本を通じて関わりを持つことができるんだなっていうのがおもしろくて。
読書がきっかけで他者に対する見方が変わったというか、興味を持つようになったように思います。昔はあまり他人に興味がなくて、周りの人から「尖っていた」とか「話しかけづらかった」とかよく言われていたんですけど、最近は知らない人に道を聞かれたりとか...人当たりが良くなったんだと思います(笑)。

日々の生活の中でも、誰と関わって誰と過ごすのかとか、どんな本を読むかとか、そういうことに自分は影響されやすいことに気付きました。それ以降、自分の振る舞いも自然と変わっていったように思います。

それから、ちょうどこの頃に初めての海外旅行でタイに行ったんですけど、それも自分にとって大きかったです。日本ではあんまりなじみのないことがその国では当たり前だっていう状況を目の当たりにした時、自分がすごく狭い世界で生きていたことに気付かされて。それで視野が広がって、考え方も変わりました。

例えばタイ旅行の初日、町中でトランスジェンダー女性を見かけた時に驚いてしまったったんですよね。当時は今よりも性の多様性についての理解が進んでいなかったというのもあって。でも、2~3日過ごしたら、自分の中でそれが当たり前になっていて、これが「文化の違い」なんだなというのが腑に落ちたんですよね。最初の戸惑いは、日本にしか住んだことがないから感じたんだな、って。

「名前は忘れてしまいましたが、ムエタイの競技場前の写真です」(山本さん)
「王宮の前で撮った写真です。ダメージジーンズで行ったら、係員らしき人に "神聖な場所なのに失礼やぞ" と注意され、強制的に謎のめちゃくちゃでかいズボンに履き替えることになりました。王宮周辺には銃を持った軍の兵士が何人か立っていたのが印象的でした」(山本さん)

前職では全国の社員を対象にした研修を担当。そこで学んだ「人との接し方」

——前職ではどんな仕事を経験されたのですか?

前職ではケーブルテレビの会社に勤めていました。カスタマーサポートの実務を経て、その後、退職まではトレーナーとして主に派遣社員の方向けに業務に関する研修を行っていました。さまざまな年齢や立場の方に研修内容を理解してもらうために、どんな風に伝えたらいいかをひたすら考えては実践していました。一人一人と向き合って、それぞれの個性や特性に合わせて接し方や伝え方を工夫する、という経験をたくさん積み重ねていきました。

5~10人くらいの新入社員に対して、2ヶ月程度の研修を担当していました。その会社は全国各地の支社ごとに研修担当のトレーナーがいて、それぞれ独自に研修内容を作成していたのですが、それが非効率だという話になって、自分がそれぞれの研修内容を取りまとめて、オンラインレッスンをしていました。

研修を重ねるごとに「こういうタイプの人にはこういう風に接するとうまくいくな」というパターンのようなものが自分の中でつかめていけるようになりました。
それでも人と接する上で、どうやってもうまくいかない、伝わらないケースもありました。
どんなにたくさん考えて自分なりに分析しても、すべてがうまくいくなんてことはないんだな、ということも学びました。

余談ですが、たまに出張で支社に行って研修を受けた方に会うと、自分はただの一般人なんですけど、まるで人気ユーチューバーでも見たかのようなリアクションをされるんですよね。それはちょっとおもしろかったです。対面で研修をしていてもそんな風にはならないと思うので。

——オフラインではなく、オンラインで研修を実施する上での苦労などはありましたか?

オンラインで、かつ集団に対して話す時は、ひとりひとりに質問したり、話を振ってみたりっていうのを意識していました。

——なるほど。たしかに、集団の中で話を聞く時に自分ごととして受け止めるのが難しい、というのは実感としても分かります。

自分が仕事に望んでいることは何なのか、原点に立ち返ってみた

——そこから cocone v へ転職したきっかけはどんなことだったのでしょうか?

どんな環境でも何かを学ぼうとしたらそれに終わりはないとは思うんですが、前職で自分に求められている領域のことはある程度理解できたかも?という実感が少しずつ湧いてきて。だからこそトレーナーとして人に何かを教えたり、支社ごとにバラバラだった研修内容を統一したり、というのを任されたと思うんです。さらにトレーナーとして活動した数年間で、ここでできることはやり切った、という感覚はありました。

人に何かを教えるっていうのも楽しくてやりがいのある仕事だったんですけど、自分が本当に興味のあることはなんだろうかと改めて考えた時に、最初に話した「知識欲」っていうキーワードが自分の根底にあることを思い出しました。ソフトウェアエンジニアリングの世界は、常に新しいことが出てきたり、それによって新しかったはずのことが急に古くなったり、学習することに終わりがないんですよね。それに、新しいことを学べば学ぶほど作れるものの可能性が広がっていく、というのに自分は強く惹かれていて。

人生の残りの時間を自分が一番興味のあることに費やそうと考えました。前職の時、フリーランスとしてもウェブ制作の仕事を請けていましたが、自社でサービスを開発・展開している会社でエンジニアとして働きたいと考え、cocone v への入社を決めました。

それと、最初に話した「自分がインターネットに初めて触れた頃」にハンゲームのサービスで遊んだことがあったり、その数年後、たまたま友人が中国・大連でNAVERの検索エンジンのデータ入力の仕事をしていたのがきっかけで中国に旅行に行ってみたり、自分の人生の中で何度か cocone v に関係するサービスや事業との接点があって。そういうことに縁を感じたのも cocone v を選んだきっかけだったになっていると思います。

人生で10知るのが普通だとしたら、自分は100知って死にたい

——普段の山本さんの様子を見ていて、いつもごきげんに仕事をしていてすごいなあと思っているんですが、それは望んでいた環境でやりたかったことを仕事にできているからですか?

そうだと思います。まあ、前職でもごきげんにやれていたとは思うんですけど(笑)。仕事って人生の多くの時間を費やすことなので、ただ賃金を得るためだけにやるのはもったいない、何か学んだり覚えたりしないと損だなって思っていて。自分は学ぶことが好きだし、それが興味のあることならより楽しいです。だからエンジニアは自分に向いていると思います。

——なるほど。例えば、紙の資料の内容をひたすらエクセルに入力する、みたいな仕事だったらしんどくなるタイプですか?

その場合は、スピードの向上を目指したりすると思います(笑)。どんな環境でどんな仕事をするかも大事なんですが、それ以上に自分がどう感じるかが重要で、その最終決定権は自分にあると思っています。だから、どうしたら楽しさを見出せるかはいつも意識していますね。

——入社から一年弱が経ちましたが、実際に cocone v で働いてみてどうですか? 成長の実感などはありますか?

これまでは個人での開発経験しかなかったので、とあるプロジェクトでチームで開発をしたことは新鮮な経験でした。それから、上司がたくさん仕事を振ってくれていろんな種類のタスクを多くこなしたことで、入社前と比較して大きく成長したと思っています。

——最後に、今後の目標などはありますか?

スティーブ・ジョブズの言葉で、すごく好きなものがあって。「connecting the dots」と検索すると見つかると思います。
(参考 :「ハングリーであれ。愚か者であれ」 ジョブズ氏スピーチ全訳 米スタンフォード大卒業式(2005年6月)にて - 日本経済新聞 )

「将来を見据えて点と点をつなぐことはできないが、いつかその点がつながると信じて生きろ」というような意味で。人生を完全にコントロールすることはできないけど、いつかこれまでの経験が活きることがあるかも知れないと信じて生きていくのが大事、と自分は解釈しています。5年後・10年後に自分が「こうなっていたい」と思ったとしても、世の中がどんな風に変わっていくかは分からないから、先のことを考えるよりも目の前のことをきちんとやることが大事、と考えて生きています。

だから、何か具体的なビジョンを描くよりは、これまでに話してきた通り自分の中にある知識欲に素直に、学習をやめないで成長し続けたいですね。

日頃から友達には話しているんですけど、「他の人が”10”知るのがふつうだとしたら、自分は”100”知って死にたい」と思っています。たくさんいろんなことを知れたなあ、と思えたら満足できると思います。

終わりに

インタビューを通してはじめて山本さんのモチベーションは「知識欲」であると知りましたが、普段の仕事ぶりと照らし合わせるとすごく納得のいくものでした。自分らしく生きていくために何が必要なのかをわかっていて、それを貪欲に求め続けたからこそ今の彼があるのだと感じました。

インタビューの中では、学習に終わりがないものとして「ソフトウェアエンジニアリング」を挙げていましたが、もうひとつの大きなトピックである「人」も同じだと思います。プログラミングを「やり切った」と思える瞬間が訪れるのかは分からないですが、いつかまた、もう一度「人」にフォーカスを当てた山本さんが「組織づくり」にチャレンジするのも楽しみにしています。

最後までお読みいただきありがとうございました!


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