アイドルにガチ恋した20代前半男性
「彼女欲しい」
男なら一回は考えたことがあると思う。
もっと言えばかわいくて優しくて一緒にいてめちゃくちゃ楽しいそんな彼女が欲しい。
でも現実はそんなに甘くない。
中学の時は坊主の野球バカ。高校のときはデブの声優オタク。
普通に考えてそんな奴に彼女なんかできるわけがない。
なんとなくで痩せたけど痩せただけで対してなにもなかった。
女子ウケをそこまで気にしてなかったということはそこまで本気で彼女を作ろうとしてなかったのかもしれない。
しかしそんなどうしようもない当時19歳の男にも好きな人がいた。
相手は札幌のアイドル。
デビューライブを配信で見ていたが一目惚れだった。
アイドルなので歌やダンスももちろん好きだったが、顔が自分のどストライクだったし、年齢も住んでる(住んでた)地域も同じで親近感を感じた。
特典会でも話していて楽しかった。
最初はアイドルとして好きだったが、段々といわゆるガチ恋になっていった。
最初は好きな人ができて、会いに行くときにヘアセット頑張ったり服を選んだりしてその時間が楽しかった。準備してるときはデートに行くみたいにワクワクしていた。
でも、どれだけ自分が好きでもアイドルと付き合うことは出来ないし、アイドルに疑似恋愛してるというか彼女がいない寂しさをどうにか埋めようとしてるだけのように思えてきて辛くなっていった。
この行き場のない気持ちをどうしたらいいのか分からなくなった。
ある日仕事終わりに同期と飲んでたとき、自分の好きな人がグループを脱退するという発表を見た。
何も考えられなかった。
多分泣いてた。
同期も前にアイドルにガチ恋してたことがあったと聞いており以前から好きな人のことは話していたが、その日はひたすら慰めてもらってたと思う。
脱退の発表から数週間後にはラストライブがあった。
しかし、自分はそのライブに行けなかった。
いや、行かなかった
表向きには仕事もあって、住んでるところも札幌から遠いから行けなかったということにしてあったが、実際はさよならを言うのが辛すぎて行かなかった。
その後1ヶ月は何とも言えない喪失感に見舞われた。
ラストライブから数ヶ月が経った。
あれからあの人のこと思い出すだけで辛くなるから、チェキは棚の奥底にしまって見ないようにしていた。毎日のように聞いていたあの曲もまともに聞けないからライブラリから削除していた。
実はあの人がアイドルを辞めてから、先輩のおかげもあり自分に人生初彼女ができていた。
初めてということもあり彼女のことが大好きだったし、大切にしようと思っていた。
しかし、付き合ってから半年ちょっとで別れてしまった。
この人と結婚するんだくらいに考えてたのでこの先のことが全く見えず絶望感でいっぱいだった。
(こんな感じで重すぎたから振られたんだと思います。)
ちょうどそのとき実習も忙しく心に余裕がなくなっていたので人生楽しいことがないように感じた。
そんな生きる屍みたいな毎日を送っていたある日、ふと前に好きだったあの人がいたグループの曲を思い出した。
すごく懐かしく感じて携帯で検索して曲を聞いてみる。
聞いてみると辛い感情よりも楽しかった思い出が先に思い浮かんだ。
「もう一回行ってみよう。」
ライブに行くと新しいメンバーが加入しており新体制になっていた。
そこでまた気になる子に出会った。
その子は新体制から新しく入ったメンバーで歳は自分よりも下?
かわいいし特典会で話していてすごく楽しい。
その後のライブ中もその子を目で追っていた。
そのことに気づいたときには自分はまたガチ恋していたのかもしれない。
自分がガチ恋してることに気付いてからはむしろ開き直れた。
でも開き直った自分の言動が後で思い返すとすごく気持ち悪く思えてくる。
ガチ恋が辛いからめんどくさいに変わってきた。
でもガチ恋やめろと言われても感情は簡単に動かせないので難しい。
これもまためんどくさく感じてきた。
そんなめんどくさくてどうしようもない21歳男性が嫌になってきた。
ここまで読んだ方はお気付きかもしれないが、彼女が出来ない寂しさや、彼女と別れた寂しさをアイドルに疑似恋愛することで埋めているようにしか見えないのだ。
自分でも最低だと思う。
じゃあこの行き場のない感情の行き先をどうしてあげたらいいのか。
答えはマジで分からない。
多分この感情をコントロールできるのが本物の大人にんだろうなとは思う。
そういうかっこいい大人になりたい。
めんどくさくない人間になりたい。
そう思いながら戒めとしてこの文章を残したいと思います。
(お酒入った勢いで書いているので恥ずかしくなったら消します。)
P.S. 僕が一番最初にガチ恋したあの人が誕生日だったので勢いで書いちゃいました。今元気にしてるかな?またどこかで会えたら嬉しいです。
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