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コロナ禍後にカメコを始めたオタクの話

 はじめまして。四国という辺境の地から、WACKという事務所のアイドルたちを応援しているものです。彼女たちは関東を拠点として活動しています。ツアーなどで全国をまわることも頻繁にありますが、四国はどうやら日本ではないらしい。なかなか四国で彼女たちにお目にかかれることはありません。そのため、ライブ参加=遠征です。交通費もかかるし休みもしっかり取らないと移動もままならない。それでも会いに行くのをやめられないほど魅力的な子たちなのです。

 世の中を席捲した新型コロナウイルス。ようやくライブが再開されたものの、ソーシャルディスタンス確保・指定席・声だし禁止という制約のもと行われることとなり、コロナ禍前と比べライブはその様相を大きく変えることとなりました。なりふり構わず推しの眼前めがけて突撃することもできず、愛を叫ぶこともできない。さて、如何にして楽しもうか…

 そうだ、カメラを持とう。

 こうして私のカメコ道が始まりました。同じような人もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。コロナ禍以降カメコの数は増えた、と勝手に思っています。前列がほとんどカメコだということも珍しくはない。異様な光景だよね、ごめんね。声も出せないそこから動くこともできない。だったら推しの素敵な姿を写真に収めて思い出としよう。後で見返してニヤニヤしよう。SNSで拡散していいねとか稼いじゃお。ソーシャルディスタンスあるし撮りやすそうでいいじゃないか。清濁様々な動機のもと、型落ちの一眼レフとサードパーティー製のレンズという貧乏カメコ装備を揃え、意気揚々とカメコデビューの日を迎えたのです。

 カメコデビューの現場となったのは、EMPiREが名古屋で行ったコロナ禍後初のライブ。当時はBiSを主現場としており、BiSの前日にEMPiREが同会場でライブを行うこととなっていたため、せっかくだからEMPiREも見ようと参加しました。いくら望遠レンズとはいえホールの二階席後方ではなかなか良い画は撮れず、ピントもうまく合わない。カメラって難しいな。苦い思いを抱えたまま迎える主現場BiSのライブ。しかし、ここで思いもよらなかった事態に直面します。

ね、ネオちゃん(ネオ・トゥリーズさん)が僕の写真を使ってくれている…?!

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 当時、カメコが撮った写真をSNSにてメンバーご本人が使ってくれることがあるということを全く意識しておらず、まさに青天の霹靂。今見るとそれはそれは拙い写真ではありますが、地元に戻った深夜の帰り道で心を震わせたことを今でもはっきりと覚えています。また、(3期)BiSがライブで四国に初上陸することとなった香川での公演。その翌朝にチャントモンキーさんがツイートしたおはツイで私の写真を使ってくれており、四国民としては感動もひとしおでした。カメコってのは本当に夢がある。

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 このような快感は他には代えがたく、カメコとして現場に立つことにどんどんのめり込んでいきました。

 最近では、ASPのナアユさんの脱退に伴って、ユメカ・ナウカナ?さんがナアユさんとの思い出を振り返るように自分の写真を使ってくれたことが印象的でした。脱退自体はとても寂しい出来事でしたが、自分の写真で思い出を振り返ってくれたことは、本当にカメコ冥利に尽きる出来事でありました。

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 カメコを始めてから、メンバーがお客さんたちに向ける目線を意識するようになりました。この子はお客さんひとりひとりをよく見てくれているんだな。とか、逆にこの子とは全然目が合わないな。とか。きっとお互いのバイオリズムの問題もあると思いますが、よく目が合う(カメラを見ている)ことがその子に対する信頼の度合いとして感じられるようになりました。推しかどうかはともかくとして、要は好きになっちゃうんですね。その分、目線が来ているのにピントを外したときの悔しさと申し訳なさは、頭抱えてしばらく落ち込むレベルなのですが。

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 この子たちの輝ける”今”をもっと写真に収めたい。みんなにもっと見てほしい。そんな思いでシャッターを切っています。

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 カメコを初めて1年経ちましたが、いまだにうまく撮れないこともたくさんあります。写真への反応が伸びないことも多く、申し訳ない気持ちになることもたくさんあります。装備もかさばるし重いし…特典会が再開された今なら、構図やポーズを練ってかわいいチェキを撮ったほうが幸せになれるかもしれません。しかしそれでも、私の写真が好きだと言ってくれる人も少なからず存在するようです。ありがたいことです。推したちの素敵な”今”を収めたい。そして少しでも多くの人と、その場に居ない人たちとも共有したいという純粋な気持ちと、SNS・承認欲求といった下心を抱えて、今日もカメラを携え現場に駆けつけるのです。いつか、ライブ会場を縦横無尽に駆け巡りシャッターチャンスを狙い、時には後ろに下がって推しジャンしたり思いっきり踊ったり…そういうカメコができる日が来ることを、心から夢見ています。

 以上、末端カメコの戯言でした。
 最後まで読んでいただきありがとうございました。



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