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新しいエディオンピースウイング広島と新しい街

広島に行ってきました。

もちろん話題沸騰の新スタジアム「エディオンピースウイング広島」がお目当てです。
ただJリーグの試合はチケットが軒並み売り切れのため、今回はWEリーグ・サンフレッチェ広島レジーナのホームゲームの観戦。

結論から言うと、早めに行けてよかったの一言です。


こんなところにスタジアムがあるわけ…あったーーー!


父が広島出身であり、幼少のころから繰り返し訪れていた広島の街。
ただコロナ禍以降は全く行けていなかったので、スタジアム建設中の風景なども全く見ていない、まっさらな知識の状態で初訪問となりました。

ひろしまゲートパーク。いわゆる「旧市民球場跡地」

ということで、2023年に出来た「ひろしまゲートパーク」も初めて目にして、そのエリアの変貌ぶりに早くも驚愕です。
こんなに開放的な空間になっているなんて…

この向こうにスタジアムがあるということですが、こんな場所に本当にスタジアムなんて

なんかある。


あったーーーーー!!!!!!!

もうこの時点で1シーズン分驚いています。
こんな大きなスタジアム建てる土地、広島のど真ん中にあったっけ?

ノウハウの蓄積の結果

スタジアム内に入るとすぐにわかります。
これは、今まで建てられた数々のサッカー専用スタジアムの、蓄積の末にある最新形であると。

コンコースからピッチがすっきり見える

まず死角が少ない。
変な場所に柱が立ってない。
コンコースの端も客席として利用できるくらい、快適な視界を研究し尽くしているのが分かります。


一層式のまっすぐな傾斜のホームゴール裏も特徴的ですね。
騒音の配慮もあるという屹立した壁が迫力あります。
この日は3000人台の試合(それでもWEリーグとしてはかなり多い)でしたが、25000人入ったJリーグの試合でサポーターの声がどう響くかをまた体験しに行きたい気持ちです。


そして巨大ビジョン。
広島が昨年まで使っていたエディオンスタジアムと比べると表現力が格段に増したため、クラブとしてこのビジョンをフル活用するぜ!フル活用するんだぜ!イェ~~イ!みたいな前のめりの姿勢をこれでもかと実感しました。

詳細なルール解説動画やマスコット紹介動画などがあったり

サンチェがいっぱいぬるぬる動く

非常に特徴的なのは試合中にサンチェのCGが多用されまくる点ですね。
これはコーナーキックの際の様子ですが、別にチャンスの時じゃなくてもビジョンに艶めかしい動きをするサンチェがバンバン出てきます。隙あらばサンチェ。

そしてやはり触れておかなければならないのは…

トイレの多さ。
先日北海道のエスコンフィールドに行った時も感じましたが、最新のスタジアムはコンコースのどこにいてもすぐトイレが見つかるというレベルでトイレが多いですね。
いつでもトイレに行けるという安心感は本当に重要。素晴らしいことです。

ただ試合の開場前に行けるトイレにはまだ限りがあるようなので、そのへんは今後の伸びしろかもしれません。(スタジアムのトイレ問題はまた改めて記事にしたいと思います)


ここまで書いた上で最初の繰り返しですが、やはりこれまでの全国各地の既存のスタジアムにおける魅力や改善点をしっかり学んで作られているなと実感しました。
予算の縛りや様々なしがらみの問題はあるでしょうが、やはり後発ならではの利点は活かしてもらいたいものですからね。

新しいスタジアムと新しい街

と、スタジアム自体の素晴らしさを語ってきたわけですが、僕が何より感動したのはこれが広島の街のど真ん中にあるという圧倒的事実。

本川(旧太田川)の向かいから。夜は水面に映えるらしい

街中スタジアム。
つまりどういうことかというと、試合が終わった30分後には繁華街でビールジョッキを手にすることも可能ということです。
これまでの広島のサッカー観戦ではとても考えられないこと。
もちろん飲食だけでなく、街中でしかできない買い物をついでにしていくのもいいでしょう。逆に言うと街での買い物ついでに試合観戦できる環境とも言えます。

広島といえばコウネ

そして観光都市・広島をスタジアム観戦前後に堪能することも可能。
原爆ドーム、平和記念資料館はすぐそこです。(資料館は最近かなり混雑気味ですが…)

スタジアムからの帰路、まっすぐ北に見える原爆ドーム。「ピースウイング」という名前の重みを改めてかみしめたい

また、最近の新スタジアムの流行りとして「試合日以外も楽しめる」という重要な要素がありますね。
ピースウイングにおいても充実のグッズショップ、広島のサッカーの歴史と体験ゲームが満喫できるサッカーミュージアムが併設されており、スタジアムが広島中心部で常時楽しめる観光施設としての一面も担うことになります。

サンチェのぬいぐるみが大量に置かれていることでもお馴染みのグッズショップ

もしかしたら、ここまで僕がこのスタジアムに興奮しているのは、それまでの広島の姿をよく知っているから、その変貌ぶりに一層驚いているという面もあるのかもしれません。
もちろん、この場所でのスタジアム建設に至るまでの紆余曲折も見てきたわけで…(危うくアクセスの悪い場所になりかけた流れも含め)。

そんなことは頭になく、今まで広島に行ったことない人は「便利な場所にスタジアムがあるな~」くらいの捉え方になるのでしょうか?
でもそれでも十分ですよね。

とにもかくにも広島は新しいスタジアムができ、そしてそのスタジアムによって新しい街になろうとしています。
これからしばらく時間をかけて、新スタジアムによる街への「効果」が目に見える形で数値化され、それによって行政や経済界、住民もまたサッカーの価値、スポーツの価値を再認識していくと信じています。

そしてそこからまたスタジアムが進化していく…という街とスタジアムの相互作用の繰り返しによって、歴史は紡がれていくのでしょう。
その歴史、しっかり見守らせてもらいたいと思います。

みんなで学んでいくスタジアムの使い方

さて、そんな最高のエディオンピースウイング広島ですが、このブログ的に気になる点をひとつ。

レジーナDJの掛本智子さんとフレッチェ。最近のフレッチェはアイドル性がすごい

マスコットの出てくる場所がよくわからない。

決まった登場場所と登場時間がなく、スタジアムの中や外、または敷地外(←!?)に突然現れることが続いていて、運が良くないと触れ合えないとのこと。
これは広島のマスコット好きにかなりの混乱を与えていると聞きます。
昨年までならわかりやすい場外広場でほぼ確実に触れ合えたので、これは結構なハードルができてしまっていますね。

というか、今はクラブ側も探り探りなのだと思います。
マスコット以外もそうですが、この立派過ぎるスタジアムでどう振る舞うのが正解なのかがまだ見えていないのでは…と。
おそらく2024シーズンは、クラブもサポーターも街も、みんなで新スタジアムを知っていき、活かし方を知っていく一年という位置づけになっているのはないでしょうか?

現在はスタジアムの横の敷地に広場を整備中で、これが完成すれば場外ステージなどのイベントも開催できるのでは…?と見られています。
まだまだピースウイングは伸びしろしかありません。
スタジアムはみんなで育てていくもの。これからのピースウイング、そして広島の街の進化を、楽しみながら見守っていきたいですね。






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