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#21 記憶のレイヤー数と脳内時間は大きく関係するという法則

頭の中に記憶された「時間」という目盛りは実にいい加減なものだ。
つい1ヶ月前に経験したことが、遥か昔のことのように感じたり、逆につい最近起こったことのように感じることだってある。

では、脳内に記憶されている1ヶ月、1年、10年という時間の目盛りはどうやって刻まれているのだろう。

今より過去の時間軸を振り返ってみると、人によって個人差もあるだろうが、「歳をとると1年があっという間に過ぎていく」とか「30代より40代、さらに50代になると歳をとるのが早い」みたいな感覚はないだろうか?

逆に、今現在やこれから先の未来の時間軸に対してはどうだろう?

忙しく過ごしている時や、面白くて楽しい時は、あっという間に時間が過ぎていき、逆に、何もせず退屈な時や、嫌な事をやらされている時には、時間はなかなか経ってくれない。

きっと時間の感じ方ってきっとそんなはずだ。

こんな風に、脳内で感じたり、記憶している時間という感覚は、もの凄くファジーでいい加減なピッチでコントロールされている。
僕は完全に理系人間なので、こういったファジーな現象があまり好きではないのだが、今回は、このファジーな存在である脳内時間を理論的に解明できる法則について書いてみようかと思う。


脳内時間の法則とは?

前述したように人の時間感覚とは非常に曖昧な存在である。

では、歳をとっていくにつれ、遥か過去の出来事がほんの少し前のように感じたり、逆に、目の前の時間がなかなか過ぎていかないといった現象はなぜ起こるのだろうか?

これを立証するために、全く異なった2つの行動パターンによって、脳内の時間軸がどのように異なるのか、検証してみることにしよう。

パターンA
・日々何か新しいことに挑戦したり、新しく学んだり、会ったことのない人と出会い、去年よりも今年、昨日よりも今日の自分が成長している事を実感しているという行動。

パターンB
・毎日同じことの繰り返しで、日々苦痛の連続。新たな出会いもなく、新しい学びもチャレンジもなく、退屈で変化のない時間を過ごしているという行動。

さて、このような2種類の行動パターンを比較した時に、脳内時間の感覚はどのように異なるだろうか?

パターンAの場合、未来の時間はきっとあっという間に過ぎていく。逆に、過去は様々な出来事や記憶がぎっしり詰まっているから、1年とか2年とかが遠い昔のように感じるのではないだろうか。

パターンBの場合、未来の時間はなかなか過ぎていかない。逆に、過去は脳内記憶の中に変化が少ないから、1年とか最悪10年くらい前のことが、つい最近のことのように感じるのではないだろうか。

こんな風に、行動パターンによって脳内時間というのは大きく変化するのである。

つまり、この検証に基づくと、過去の脳内時間は「記憶に刻まれるレイヤー数」が詰まっているほど長く感じるという法則が見えてくる。
反対に、未来(現在)の脳内時間は、過去とは逆で、「記憶のレイヤー数」が詰まっているほど短く感じるという法則も成立する。

歳をとると、子ども時代より1年が早く感じるのはなぜか?

これは単純な話、記憶のレイヤーの密度が低いことに他ならない。

子どもの頃は、日々新しい発見があり、常に学び、友達や出会う人の数もどんどん増えてくる。
要するに記憶の中のレイヤーがぎっしり詰まっているのである。

逆に、歳をとってくると、毎日が単調な日々の繰り返しとなり、人的ネットワークも固定されてきて、目新しいことにチャレンジするとか、新たな経験をするということがめっきり少なくなってくる。

このような日々を過ごしていると、記憶のレイヤーはスカスカとなり、過去を振り返ってみると、記憶の変化に乏しいから、脳内時間も短く感じてしまうのである。

歳をとったら物忘れがひどくなるのは、フィジカル的な要因もあるのだろうが、脳内の時間軸の変化は決してフィジカル的なことではなく、記憶のレイヤー数によって左右されるというのが僕の考えである。
(これ、とある人から教えてもらった理論だけどねw)

記憶のレイヤーのイメージ。歳をとるにつれピッチが段々と広くなってくる人が多い。
*画像は筆者作成

どうやったら記憶のレイヤーを刻めるか?

これは単純な話で、子どもの頃を思い出してほしい。
日々新しい発見をして、学習をして、成長していく過程においては、脳内に記憶されるレイヤーも短いピッチで刻まれているはずだ。

記憶のレイヤーが刻まれなくなるのは、大人になるとフィジカル的にできなくなるのではなく、自らそういう行動パターンをとってしまっているためである。

記憶のレイヤーを刻んでいくには、自分で意識して行動に変化を起こしていくことがポイントとなってくる。

新しい場所に行き、出会ったことのない人と会い、これまでにない経験をして、新しい事を学び、ネットワークを広げつつ、新しいチャレンジをしながら、自身を成長のサイクルに置くという行動パターンだ。

こういう行動パターンに身を置くことで、記憶のレイヤーはぎっしりと詰まってくる。

人生100年時代において、若い時だけのレイヤーで生き抜くことは難しいし、新たな記憶のレイヤーを刻まなければ、マルチステージに対応したライフデザインは描けないのである。

2023年を振り返って

さて僕自身、特に令和になってからの5年間くらい、色んなことにチャレンジしてきたつもりである。

常日頃、公共施設マネジメントをもっぱらの仕事としているのだが、目の前にある課題が大き過ぎて、英知を振り絞って全力で立ち向かわなければ、絶対に勝てないような史上最強の相手である。

我々が戦う公共施設は史上最強の相手? *筆者の研修資料より

ここ数年間で、これまでに出会ったことのない人たちとたくさん出会い、人脈ネットワークを広げ、色んな場所にも行き、社会人スクールや読書で学びを深め、様々な新規プロジェクトも実践してきた。
なので、30代や40代前半の頃と比べ、記憶のレイヤー数が格段に増え、過去の脳内時間は圧倒的に長く感じている。

ただ、2023年だけを振り返ってみると、少しだけ記憶のレイヤー層が広がっているようにも感じている。
今の現状に慣れてきてしまったのか、少し守りに入っているのか、役職の変化によるものかもしれないが、3・4年前に比べてペースが落ちてきているような気がしてならない。

ドジャースに移籍が決まった大谷翔平くんではないけれど、常に向上心を持ち、更なる目標に目を向けていかなければ自身の成長は望めない。
そうでなければ、史上最強の相手には到底敵わないだろう。

色々あった2023年だが・・・

ということで2024年は、記憶のレイヤーをもっともっと詰めていきたいと思っている。
具体的なことを決めている訳ではないが、色んな変化を起こすべく、新たなチャレンジもしていきたいと考えている。
人生は悠長に構えていると、あっという間に過ぎていくのだから。

2024年は新たなチャレンジの年にしていきたい。

公務員で綴る Advent Calendar 2023

最後に、今回のnoteは「公務員で綴る Advent Calendar 2023」なる企画にも連動させてもらっている。
全国各地の公務員が2023年を振り返って、こんな経験をした、今、こんなことを考えている、
などなど、今年を振り返るリレーブログということで、下記のリンクからそれぞれの記事にも飛べるようになっている。

前述したように、僕自身の2023年は少し反省のある1年であった。
今の現状に留まるのは、バックギアに入れるのと同じこと、という思いを胸に2024年を過ごしていきたい。

さぁ、来年も人生を楽しもう。
一度きりの人生なのだから、記憶のレイヤーを刻んでいこう!
トミーとジーナのように、人生はまだまだ道半ば。
人生は永遠ではないし、今しかない、それが、It`s My Life


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