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親と子の「わからない」に寄り添えたら|『ninaru小学生』ができるまで。#2

10月リリースの新プロダクト「ninaru小学生」の制作内部をお伝えするnote。
エバーセンスでインターンシップをする金が、開発に携わったメンバーへのインタビューを通して、アプリに込められた想いや制作の裏側に迫っていきます!

前回はこちら。

第2回目は、アプリの主要機能の1つである「学習チェック」のPOようこさんにお話を聞きました。
小学生の「勉強」を支える「学習チェック機能」に込められた想いやこだわり、開発中のドラマなど…どんなエピソードが飛び出してくるのか、楽しみです!

ユーザーの課題の本質がわからない


ー第1回目のインタビューをした友保さんは、ninaru小学生のPOである坂上さんからの依頼を「丸投げ」と表現していたのですが、ようこさんはどうでしたか?

丸投げとまではいかないですけど(笑)。まぁでも結構ざっくりした依頼でした。
新規アプリで機能POをするのは初めてで、イメージがしにくかったし、実際大変なことが山積みでしたね…。

ーなんか意外です。ようこさんは、大変ってあまり思わない超人みたいな人なんだろうなって思ってました。
え!超人だと思われてるんですか⁉

ーはい!!インタビュー前に、ようこさんが入社直後に担当されたninaru babyの「お出かけ子供服予報」の開発noteを読んだんです。5000個のアドバイスを作ったとか、スプレッドシートが夢に出てきたとか、ものすごい業務を担当されていましたよね。
そうですかね(笑)。確かに大変だったけど、自分ではあまり凄いとは思ってないです。
ただ今回は、あのときとは違う大変さがありました。「お出かけ子供服予報」のときは、機能POの指示のもとでプレイヤーとして黙々と作ればよかったんですけど、今回は私が機能POとして全体を見なきゃいけないので。

▼お出かけ子供服予報の開発noteはこちら

ー大変さのレベルが上がった感じですか?
そうですね。「ユーザーの課題をどう解決していくか」を考えて設計しなければいけないので。
そもそも、小学生の親が抱える「勉強」に関する課題と言われても、全然よくわからなかったんです。参考にできるサービスもなく、価値・機能・デザインなどすべてをゼロから決めていきました。

ユーザーにどう使ってもらうべきかわからない


ー前例がない機能を考えるって難しそうですね…。

難しかったですね。まずは課題を明確にするためにヒアリングを行ったのですが、家庭によってあまりにも差があったんです。
ある家庭は「塾に行っているからどんどん先の勉強を進めたい」、でもある家庭では「授業に最低限ついていけていれば十分」という感じでした。どっちに合わせたらいいのか、全然正解がわかりませんでした。

ーヒアリングした結果、さらに迷ってしまったんですね。
でもたくさんの方にお話を聞いてわかったのは「ちゃんと勉強を理解しているのか」「いま何の学習をしているのか」がわからないという課題は、多くの親が持っているということでした。
家庭によって学習への考え方に差があったとしても、「子どもがどれくらい理解しているのか、学習の進捗度を確認したい」と思う親御さんの気持ちは共通していると思ったんです。
それを踏まえて、「子どもがいま何を学習しているのか」、「子どもがいまどのくらい勉強が理解できているのか」を確認できる機能を作ろうと思いました。

ーヒアリングを重ねる中で、小学生の親の方が共通して抱える「課題」が見えてきたんですね!
そうですね。でも、じゃあその課題を解決するためにどんな機能を作ればいいのか、ユーザーがどう使ってくれるかを想定できず…ここからまた混乱しました。特にデザインで迷いに迷いましたね。もう何度修正したか記憶にないです(笑)。

ー大変だったんですね…。
私とデザイナーのハニさんとで作って、POの坂上さんやデザインディレクターの友保さんに提出すると、「なんか違う」とか「結構大きく変えないと難しい」と言われまくり…二人で「何が違うの?」と迷いまくっていました。
1週間かけて考えた案をダメ出しされたときは、正直「私の1週間は何だったの⁉」と絶望しましたね(笑)。

1週間かけて考えてきた案(左)と 友保さん・坂上さんのアドバイス後に修正されたデザイン(右)

もがき苦しみようやく光が…!


ー私ならくじけちゃいそうです…。

「もうこれで終わりにしたい」と思いながらもしっくりこず…坂上さんや友保さんは具体的な「ここをこう変えて」っていう指示を出してくれないし、途方に暮れていました。
迷いに迷って、社内のママ・パパにデザインを見てもらったんです。そしたら、「視線の流れがイマイチ…」「使い方がよくわからない」などと意見をもらって、「あぁ、なるほど」と。

社内のママ・パパのヒアリング前の画像(左) と
最終完成版のデザイン(右)

ーユーザーとしての目線を持つ現役ママ社員の声が最終的な決め手になったんですね。
想定ユーザーに近いママ・パパの声を聞いて、ユーザーの行動がクリアに見えたのは大きかったですね。
結果的にデザインの方向性が固まり、機能の名前を「ドリル」から「学習チェック」に変更しました。

ーえ、途中で名前が変わったんですか!?
ドリルだと、どうしても「ドリルをさせる機能」という感じがして、ずっとモヤモヤしていたんです。でも何が違和感なのか言語化できていなくって。
具体的なユーザーの使い方が見えたことで、この機能は「学習の進捗度を確認するために使う」ものだと確信できたんです。

ーユーザーの行動を細かく想定することで見えてくるものがたくさんあったんですね。
そうですね。今回の開発で、機能やデザインを決定するときは「ユーザーが何に困っているのか」を言語化して、「それを解決するためにどういうUXにすべきなのか」を決めるまでに一番時間をかけることが重要だと感じました。

ーその後はスムーズに開発が進んでいったんですか?
うーん…そんなこともなかったですね(笑)。
開発当初はドリルを年長~小2までつくる予定でしたが、作成時間の見積もりが甘くて、結局年長~小1までを完成させたところでリリースすることになりました。
学習のためのプリントなんて誰も作ったことがないので、どう作るのかから始まり、量産するための仕組みまで考えなくてはならず、苦労しましたね。

ー本当に、あちこちで大変だったんですね…。

親と子の「わからない」に寄り添えたら

ー最終的に、ninaru小学生の「学習チェック機能」はどんな機能になったのでしょうか?
年長から小学1年生まで、国語と算数それぞれの学習チェックとプリントがセットになった機能になりました。毎日更新なので、日々学習の定着度合いを確認できるようにしています。
また、国語・算数ぞれぞれを先の内容まで見通せる「学習単元リスト」もついています。ドリルは自宅やコンビニで印刷できます。現状では年長〜小1のみですが、近いうちに2年生分も追加予定です。

算数のホーム画面。左下の印刷ボタンからプリントを印刷できる

ーなるほど。開発の現場にいたわけじゃないのに、ここまでいろいろな苦労話を聞いただけで、なんだか感慨深いです…。ユーザーさんにどんな風にninaru小学生の学習チェック機能を使ってほしいですか?
「子どもの学習がどれくらい定着しているか」、「どこにつまずいているのか」、「何が得意で何が苦手なのか」を知るきっかけの一つとして活用してほしいですね。

ドリルを強制的にやらせるのではなく、子どもの「分からない」という困り事に気づけたり、どんどん先に進んでいきたい子の学び・好奇心をサポートできたりするツールであってほしいと思います。

…とはいえ、正直、これからこの機能をユーザーがどのように利用してくれるのか、私自身も未知の状態で(笑)。これだけ頑張って作ったのに機能が使われなかったらめちゃくちゃ悲しいですが、リリース後の改善が無限にできるのもアプリ開発の良さなので、使われ方を見ながらどんどん良くしていきたいですね。

ゆくゆくはPOに挑戦したい!

ー改めて開発を振り返って、ようこさんが学んだことがあれば教えてください。
そうですね…もっと全体を見ながらスケジュールをしっかり組んで、完成に向けてのイメージを持ってやっていく必要があるなと思いましたね。今回はデザインがなかなか決まらなかったことで、自分自身がいっぱいいっぱいになってしまったのが反省点です。

ーアプリができたときって、やっぱり充実感とかはあるものでしょうか?
ずっと向き合ってきたものが形になった時はとても嬉しかったですよ!

ーそうですよね、それだけ大変だったんですもんね…!ようこさんが次にチャレンジしてみたいことってありますか?
ゆくゆくはアプリのPOにも挑戦したいと思っています。が、まだ自分には足りないことがあるなと思っています。私はプレイヤー気質すぎるというか、なんでも自分でやろうとしてしまいがちなんです。
開発は自分一人で進めるものではなくて、いろんな人と一緒に作らないといけないので、スケジュールの逆算や進行管理、マネジメントなどをもっとしっかりできるようになりたいです。

ーとっても素敵です!私も成長して、いつかようこさんのPOのもとで開発に携われるように努力していきます。お話ありがとうございました!!

インタビューを終えて

インタビュー前、私はようこさんのことを、悩んだりせずなんでもできてしまう人なんだろうと思っていました。でも今回インタビューでお話を聞いて、ユーザーの持つ課題を解決するために時間と情熱をかけて、たくさん悩みながら、困難なことも乗り越えているんだなと感じました。
私も入社後は、ようこさんのようにプロダクトに情熱や想いを込められるように努力していきたいです。

次回はスケジュール機能のPOを担当したゆうPさんにインタビューしていきたいと思います!