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フリーランス時代によく聞かれた9つの質問に答えてみる

フルスタックマーケティング株式会社の代表取締役CEO・清水優志(@fsm_shimizu)です。
企業のマーケティング活動を支援しています。

2019年に独立してから3年半、マーケターとしてフリーランスをやっていたので、仕事で出会った方を中心にいろいろな質問をいただいてきました。

このnoteでは、そんな質問の中から特によく聞かれたものを9つピックアップして、答えてみようと思います。


フリーランスに向いている人ってどんな人ですか?

ずばり「フリーランスを辞めても余裕で会社員に戻れる」と思える人です。
これは能力面はもちろん、精神面でもそう思えることが非常に重要です。

「会社員だからといって安定しているわけではない」という話はよく聞きますが、それでもフリーランスと比較すると、会社員は体感10倍くらいは安定しています

不安定な世界に身を投じてリスクを取るにあたり、リスクヘッジができていないと心の健康がもちません。心がだめになると、必ず体も壊します。
なので、僕は「フリーランスを辞めても余裕で会社員に戻れる」と思える人にしか、フリーランスになることをおすすめしません。

フリーランスが向いていない人ってどんな人ですか?

成長することへのモチベーションや危機感がない人です。

会社というのは実はすごい仕組みで、どんなに成長意欲がない人にも仕事が回ってきて、それをこなせばお金がもらえて、上手くいけば勝手にキャリアアップしていきます。

一方で、フリーランスは働かなくても誰にも怒られません
もちろん、クライアントワークで仕事をサボったら怒られますが、怒られても契約を切られてそれっきりなのでダメージが小さいです。

なので、成長することへのモチベーションや危機感がないと、仕事へのハングリー精神が枯渇して、どんどん暇になります
暇になると人は「自分探し」とか「自己表現」に傾倒し始めて、キャリアが終わります

案件獲得(営業)ってどうやってるんですか?

僕の場合は獲得数の多い順に、上から

  1. 友人や知人からの紹介

  2. SNS(Twitter、note)

  3. 副業プラットフォーム(WANTEDLY、副業クラウドなど)

でした。

特に友人・知人からの紹介は、フリーランスの生命線です。
ただし、人脈のない人と薄いつながりをつくっても案件獲得はできません。弱小フリーランスのコミュニティみたいなのに入っても無駄です。
人脈がある人と濃いつながりをつくりましょう。そのためには真面目に仕事をするか、人並み外れた営業力・人間力を武器にするしかありません。

SNSは上手く活用できれば非常にコスパがよいですし、資産化します
が、得意・不得意が大きく分かれるので、不得意だと思う人は諦めてください。

副業プラットフォームは、登録しておくだけでいいのでおすすめです。
プロフィールやポートフォリオはめちゃくちゃ推敲して最強状態にしておきましょう。

値決めとか単価交渉ってどうやってるんですか?

前提として、フリーランスには値決めのロジックがざっくり5種類あります
それを理解したうえで、自分とクライアントにとって最適な契約の仕方を選ぶ必要があります。

フリーランスになりたてのころは、会社員時代の年収×1.3くらいの金額が稼げるラインで報酬を設定するとちょうどよいです(フリーランスは税金が高いのと、業務外でやらなきゃいけないことが多いので、それくらい稼げないと損します)。

わかりやすく時給換算で計算してみましょう。
仮に「週8時間×5日×4週間=160時間」働いたとすると…

  • 時給1,500円 → 月収24万円(年収288万円)

  • 時給2,000円 → 月収32万円(年収384万円)

  • 時給3,000円 → 月収48万円(年収576万円)

  • 時給5,000円 → 月収80万円(年商960万円)

なので、たとえば会社員時代の年収が576万円だった方は、時給3,000円 × 1.3 = 時給3,900円 をベースに値決めしていきましょう。
もし営業力があったり、他の人にはない付加価値があれば、もっと高い報酬を設定しても問題ありません。

このように、値決めのロジックがしっかりしていれば単価交渉も自信を持ってできます。
実績ができてきたら、どんどん新規案件の受注金額を上げて、それに応じて既存案件の報酬ラインも引き上げていくことで、年収を増やすことができます。

フリーランスって本当に「自由」なんですか?

はい、自由です。

ただし、自由は義務を果たす者にのみ与えられます。
当然ですが、仕事をちゃんとやっているからこそ自由が実現できます。適当に仕事をしていて自由も謳歌できるわけではありません。

職種にもよりますが、具体的には以下のような自由が手に入ります。

  • 働く場所(どこで働くか)

  • 時間の使い方(いつ働くか)

  • 仕事の内容(何をやるか)

  • 報酬のもらい方(いくらもらうか)

仕事は人生の一部に過ぎませんが、会社に所属していると、あたかも仕事が人生の大部分であり、仕事に人生が左右されるような錯覚を覚えませんか。

しかし、フリーランスになってみると、平日の昼間に映画を見るとか、逆に休日に仕事をするとか、ふらっと1週間の旅行に出かけるとか、そういうことが気軽にできてしまいます。
そして、スケジュールの自由さに気づきます。結果、自分の時間の使い方にすごく意識的になることができ、QOLが上がります。

フルフレックスで働かれている方や、一部の経営者も同じような感覚はあるかもしれませんが、組織から完全に自由なのはフリーランスだけなので、やはりフリーランスの自由さというのは他にない魅力だと思います。

会社員のほうがよかったと思うことはありますか?

ないです。

しかし、もちろんフリーランスならではのデメリットはあります。
人によって感じるデメリットは様々なので、ここでは僕が実感しているものだけ挙げます。

  • 組織におけるマネジメントの経験を積めない

  • 組織のナレッジやノウハウが落ちてこない

  • 会社員的な「評価」や「査定」を受けられない

  • 学習や教育(リスキリング)は完全に自分任せ

  • メンバーを巻き込んだプロジェクトが推進しづらい

会社という「組織」にいるからこそ享受できるようなメリットがすべて享受できない(あるいは享受しづらい)のがネックです。
フリーランスは上司も部下もいない、セルフマネジメントです。自分で自分のモチベーションを管理し、キャリアを築いていく必要があります。

自分のキャリアに常に不安意識があるとか、成長意欲が少ないという人は、フリーランスになると路頭に迷ってしまうかもしれません。

なお、ボーナスや有給休暇がないとか、育児休暇が取得できないとか、社会保険料を全額自己負担しなければならないみたいなデメリットもありますが、生産性が上がれば自分の判断で休めるし年収も増えるので、あまり気にしなくていいと思います。

また、会社員は社会保険料の半分を会社が支払ってくれる(将来的に厚生年金が給付される)、労働保険に加入できるなどのメリットもあります。
ただ、今はiDeCoやNISAなど、個人で加入できる年金や保険商品、投資商品が豊富にありますので、正しい知識を身につけて積立・運用できれば心配する必要はありません。

まずは副業から始めてフリーランスを目指していますが、どう思いますか?

副業とフリーランスってなんとなく似ている気がしますが、実際のところは働き方がまったく異なります

副業は「本業」が前提となっており、そのスキマ時間に働くスタイルです。
したがって、本業にコアタイムがある場合には、その時間帯に副業に取り組むことはできません。必然的に、平日夜や休日に働くことになってしまいます。

これは働く側も大変ですが、何より発注者側が不便です。
何しろ、自分の働いている時間帯に同期コミュニケーションを取ることができません。緊急対応をお願いすることも無理です。

そして、副業には本業という安定した収益源がありますが、フリーランスにはそれがありません。

なので、副業の向き不向きと、フリーランスの向き不向きはまったくの別物です。副業で上手くいく案件が、フリーランスでも上手くいくというわけでもないと思います。
ただし、本業がフルフレックスで、副業でもフリーランスのように自由度高く働ける場合には、参考になると思います。

フリーランスは成長できないって聞くけど、本当ですか?

嘘です。

「会社員のほうがよかったと思うことはありますか?」の章でも書きましたが、会社がマネジメントしてくれないので、自分で成長するための工夫が必要、というだけです。

「時間割の決まってる高校(=会社)」と、「時間割を自分で決める大学(=フリーランス)」と、どっちが向いているか、みたいな話かもしれません。

会社というのは「教育コスト」「研修コスト」というものを見込んで経営をしています。当たり前のように社員のスキルアップを支援してくれますし、中長期的なキャリアップのためのサポートもしてくれるでしょう。
一方で、会社は会社の都合や論理でしかコストを捻出できませんから、あなたの思い通りのスキルやキャリアは身につかない可能性もあります。

フリーランスは誰も教育や研修のためにお金を使ってくれませんが、あなたが自由に行動して学びを得る分には誰も文句は言いません。
生産性を上げて短い時間で高い報酬を得られるようになれば、空いた時間で好きなように勉強したり、経験を積んだりすることもできます。

以下のnoteでも書きましたが、フリーランスのメリットは実は「安い給料で働けること」だと思っています。

これからの時代、フリーランスの価値は上がっていくと思いますか?

上がっていくと思います。
しかし、それはフリーランスだからではなく「高度な知的労働者だから」です。

「生成AIやLLM(大規模言語モデル)の時代には、作業者の価値が下がり、知的労働者の価値が上がる」みたいな議論がありますよね。
これまで「ITがわかる」「ITができる」というだけで、作業者にも希少性が認められてきましたが、AIによって作業が代替されると希少性がなくなる、ということです。

そんな時代に、フリーランスとして生き残っているということは、知的労働者として高いスキルを身に着けていることの証明になります
そういった人材の価値はどんどん上がっていくでしょう。

もともと、スキルの高い人材はどこの会社も欲しかったわけですが、業務委託で人を採用したことがなかったり、フリーランスを探す手段がなかったりして、手を出せなかったというのが実情でした。
しかし、フリーランスの増加によってプラットフォームが整備され、SNSで直接つながることもできるようになり、これまで以上に気軽にフリーランスを採用することができるようになりました

僕が関わっているプロジェクトでも、専門性の高い領域や、経験がものを言う領域では、すぐにフリーランスのアサインが検討されます。

まとめ

会社を辞めてフリーランスになり「自由になった反面、苦労することも多いな」と思うこともありましたが、「この程度の苦労で今の自由を買えているならあまりにも安すぎる」と断言できます。

人によって向き不向きや好き嫌いはあると思うので、誰にでもフリーランスをおすすめするつもりはありません。
しかし、興味がある人にとっては、史上最もフリーランスになりやすい環境が整っている時代でしょうから、チャレンジしてみてはいかがでしょうか!

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