金から水が生まれる?金生水の不思議
万物は「火・水・木・金・土」の5種類の元素からなるという東洋系の『五行思想』の考えには必ずついてまわる疑問があります。
それは「なぜ金が水を生むのか?」という自然に考えていれば浮かんでくる至極もっともな疑問点です。
山崎賢人主演の映画「陰陽師0」のワンシーンでも「木は火を生み、火は土を生み、土は金を生み、金は水を生む、そしてまた水は…木を生む」という台詞がありましたが、創作などで考え方や基礎は知っていても、どうにも金の役割にピンとこない方、多いと思います。
かくいう自分も「金属の結露」や「地下鉱脈の湧き水」という一見もっともらしい説明を聞いても、納得できないことがありました。
なぜなら金属に水がつくと錆びて剋の関係になるのでは?
と思ったからです。
それならいっそ、金と土を纏めて、戊(つちのえ)を金属にしてしまえばいいのでは…?と考えたこともありました。(現に西洋の「火土風水」からなる四大元素のエレメンタル理論ではそれに近い解釈がされています)
ほかにも金属の陽である「庚(かのえ)が刀である」という説明も色々な書物やサイト等で説明がされていますが、これもなぜ自然現象を表わした五行に人工物のものが?という疑問もついて回ります。
こういう場合は具体的な自然現象から離れてそもそも「金とは何か?」という事象そのものを観察する必要があります。
というのも干支を表わす12生肖については「順序と音を当てられた記号に過ぎない」という解釈が一般にも浸透しているにもかかわらず、逆にこの五行については「自然現象をイメージする」という空間を制御する方法に当てられているのはいささか不自然ではないかと思うからです。
扱う範囲が広いため、不正確な点や過度に単純化した点が出てきてしまうという前置きをした上で、今回はこの五行における「金」の不思議について自分なりに答えを纏めていきたいと思います。
五行の「金」は金属ではない
多くの人はえっ?と戸惑うかもしれません。
しかし、金銀財宝のGOLDやMETALという物質から離れた「そもそも金とはなにか?」という抽象的概念をまずはじめにイメージして頂きたいのです。
それにはまず「金」という文字を最古の「甲骨文字」の字源から辿ってみる必要があります。
(山土のなかに)すっぽりと埋まって固まる様子から「金」という文字が生まれたとされています。
外側からの力から圧力を加えられてどんどん内へ形を創っていく。
包括していた(土)から圧縮されて金と成る…
これが「金」のもつ本来の象意です。
「金=金属」という考えはあくまで認知できうる自然法則を言語化したパターンの一つに過ぎません。
「金属」は外側にある「土」から強い圧力をかけて、内側に固まった末、「土生金」で生じた自然現象の結果です。
したがって
「辛=宝石」だから美意識が高くて、注目を集める
のではなくて
「引き寄せる力=辛」で宝石に喩えられ、注目を集めて、美や人気という解釈になる
と逆から紐解いた方がいいのです。
わかりましたか?
そうすれば「金生水」も理解しやすくなります。
外側から内側に力を引き寄せる現==金として、これを自然現象で表わすと
となります。
万物の生命の源となる水を集める力。
その水を「引き寄せる作用=金」によって生じる法則が「金生水」です。
したがって「結露」や「湧き水」という解釈に繋がります。
ちなみにですが、金は物質的なものだけでなく、精神的な人の「識」をも引き寄せる、兌換紙幣のような存在なので「虚飾や偽り」という解釈もできます。
五行の金について多くの誤解が生まれやすいのは、金自体が創り出した魔力のせいかもしれません。
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