オメガ・パンデミック
※ネタがなくなってきたので、この前メモ帳の中から見つけたオリジナルボードゲームのルールでも披露しようと思う。コロナ禍真っ最中のときにコロナ禍をネタにしたゲームを考え友達に披露したのだけれども、結局一度もプレイできなかった。ここで供養しようと思う。ちなみにもう一つ考えたボードゲームもあるのだけれど、それもそのうち披露しよう。
■ストーリー
202X年、人類との長い戦いの果てに、新型コロナウイルスは最終変異を遂げて、ついに究極形態オメガ株へと変異した。
オメガ株は感染しても抗体が作られない上に、赤ん坊であっても高齢者であっても、誰でも必ず3度の感染で死に至るという驚異の毒性を持つ。
その上、強力な感染力を持つため、接触した人物全員に100%感染する。
唯一の対抗策は、ペスト菌の強力な毒性から生み出された究極のワクチン(通称ハデス)を接種すること。しかし、ワクチンの生産には極めて高額な費用がかかる。結果、政府は国民への無料配布を拒否。国民の要望を受けて、場当たり的にロックダウンと協力金の支給を繰り返すだけの存在へと成り果てた。
プレーヤーの目的は、この混沌とした世界で生きること。いち早くワクチンを接種するための費用を稼ぐか、他のプレーヤーよりも長く生き延びたプレーヤーが勝者となる。
■プレー人数
3人〜4人
■用意するもの
(1)サイコロ1つ(ネット対戦の場合は、1人1つ用意)
(2)メモできるもの
※「自粛」と「経済活動」という2種類のカードが用意できれば望ましいが、なくてもプレーは可。
※プレーは対面でも、zoomでも可。
■ゲームの基本的なルール
各プレーヤーはライフポイント3ポイント、資金0ドルからスタート。
ライフポイントが0になれば死亡(脱落)。他のプレーヤーが全員死亡するか、先に5万ドルを稼ぎワクチンを接種すれば勝利となります。
ワクチンを接種するためには、感染リスクを見極めながら経済活動を行い、資金を貯めていく必要があります。
■ゲームの進め方
(1)感染指数の決定
代表者が全員に見えるように一度だけサイコロを振り、その出目(1〜6のうちどれか)が感染指数となります。
※サイコロを誰が振るかはゲームの結果に影響はありません。
(2)感染フェーズ
各プレーヤーが、他のプレーヤーに見えないようにサイコロを振ります。その出目を2倍にした数値が、感染指数以下の場合は感染者となり、それ以外の場合は非感染者となります。
<例>
◎感染指数6の場合
→出目が3、2、1なら感染
◎感染指数5、4の場合
→出目が2、1なら感染
◎感染指数3、2の場合
→出目が1なら感染
◎感染指数1
→感染者なし
※感染しているかどうかは、他のプレーヤーにはわからない状態で、ゲームを進めます。
(3)対話フェーズ
お互いに感染しているかどうかを見破るために対話を行うフェーズです。感染指数と、自分の感染状況、ライフポイントや資金状況を見ながら、次の「行動フェーズ」でどのように行動すべきかのヒントを探ります。
1分が経過、または全プレーヤーが合意すれば、行動フェーズへと移行します。
【ロックダウンについて】
話し合いフェーズでは、まず初めにロックダウンを実行するかどうかを話し合います。ロックダウンを実行するためには、全員の合意が必要です。
ロックダウンとなれば、全員が自粛状態となり感染拡大は起こりません(ただし、そのターン、感染者はライフポイントを失います)。そして、政府から全員に協力金1万ドルが支給されます。
(4)行動フェーズ
ロックダウンが合意されなかった場合は、全プレーヤーが同時に「経済活動」または「自粛」どちらを選択するかを発表します(他のプレーヤーの選択を見てから、行動を変えることはできません)。
◎自粛を選択した場合
→自分が感染者ならライフポイントを1失いますが、感染者でないなら自分のステータスは何も変化しません。
◎経済活動を選択した場合
→資金1万ドルを獲得します。ただし、経済活動を選択したプレーヤーの中に1人でも感染者がいた場合は、経済活動を選択した全プレーヤーはライフポイントを1失います。
(5)計算、ターン終了
ライフポイントが0になったプレーヤーは死亡。最後の1人になった場合は勝利します。
また、資金が5万ドルに達したプレーヤーがいる場合もゲーム終了。そのプレーヤーの勝利となります(同時の場合は、残りライフポイントが多い方の勝利です。ライフポイントも同じなら引き分け)。ただし、5万ドルに達すると同時にライフポイントが0になった場合は死亡扱いとなり、勝利とはみなされません。
計算が終了してもゲームが終了しなければ、(1)へ戻ります。
■ゲームのコツ
自分が感染者である場合、いずれにせよライフポイントを失うため経済活動を行うべきです。ただし、その際は可能な限り他のプレーヤーを巻き込みたいため(残りライフが1のプレーヤーがいる場合などは特に)、「感染者ではない」かのように振る舞うことが望ましいです。
では、「感染者ではない」場合なら、どのように振る舞うべきか?
感染リスクが高い場合(感染指数6の場合など)は、ロックダウンを希望するのが最も無難な選択です。
ただし、全プレーヤーが本当にロックダウンを希望する状況となれば、即ち「感染者が存在しない」と判断できます。なぜなら、感染者にとっては、ロックダウンには一切メリットがないからです。つまり、全プレーヤーがロックダウンを希望するような状況なのであれば、非感染者であっても経済活動を行う方が好ましいと考えられます。
しかし、一方で「ロックダウンを希望するかのように見せかける」という感染者の罠であるという可能性も捨てきれません。
このように考えていけば、無限の可能性があり、無限に思考を巡らせることが可能になるため、プレーにおける最適解はありません。
感染指数から統計的に判断するもよし、安全第一の戦略を採用するもよし、その裏をかくギャンブルプレーをしてもよし、他を陥れる性悪プレーをしてもよし。
様々なシチュエーションを想定しながら、相手の心理を読み、裏の裏を描き続け、運を味方につけた者だけが勝利できる心理ゲームです。
いかがだろうか。結構面白そうな気がしている。
コロナ禍の真っ最中だったので、オンラインでもできるゲームで、かつコロナをネタにしたゲームにしたかった。いまとなってはもう旬を過ぎた感はあるものの、逆に今だからこそコロナノスタルジーを感じながらプレイできる気もする。誰かやってみてくれないだろうか。
1回でもサポートしてくれれば「ホモ・ネーモはワシが育てた」って言っていいよ!