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スクラムで開発者のスキルを高めるための方法 効果的な方法3選

前回は、こちらの記事で開発チームがスキルを高める方法を手軽に実施できる方法をお伝えしました。しかし、こちらの記事を読んで実践している方でも、まだ開発スキルに課題を感じているといったことは珍しくありません。もっとスキルがあれば、もっと早くサービスをリリースできるのに、もっと品質の高いサービスが作れるのに、そんな悩みをお持ちの方も多いと思います。

そこで今回は、前回紹介した内容よりも更に効果の高いスキルアップ施策をご紹介します。前回とは違い金銭的なコストが掛かってしまうものが多いですが、時間コストを大幅に削減することができます。こんなことを説明すると、「そんなスキルアップのために会社の貴重な予算を使ってもよいのか?」と疑問を持たれる方もいらっしゃると思いますので、本記事の中でそのあたりの疑問を解消していきたいと思います。ぜひ最後まで御覧ください。

その1:社外の勉強会・カンファレンス参加

社外の勉強会に参加することで、技術的な知見を知ることができるだけではなく、他社でどんな技術を使って解決しているのか、自分が社会の中でどのあたりの位置にいるのか理解することができます。そして、詳しい人に直接自分の問題を相談することができたり、自分と同じような悩みをすでに解決した人の体験談を聞くこともできるでしょう。

さらに、コミュニティに参加していることで、新しい書籍やソフトウェアなどの情報を教えてもらったりすることもあります。自分が抱えている問題を解決できるベストな解決策に出会える可能性も高まります。

最近では、オンラインのコミュニティも増えているので、東京周辺に住んでいる人以外でも気軽に参加できる場が増えています。

IT系の勉強会を探す場合におすすめのサイトは以下です。

懇親会に参加する

そして、懇親会が用意されている場合は、できるだけ懇親会には参加し社外の方と交流しましょう。発表形式の勉強会の場合は、発表を聞くだけよりも、技術の話をして同じ悩みを共有することで安心できることもあるでしょう。今後、技術を勉強するモチベーションに繋がることも多いです。

また、社内の人がたくさん参加するカンファレンスでは、せっかくの社外コミュニティの懇親会なのに、社内の知り合い同士で集まっていることをよく見ます。それでは、せっかくの視野を広げるチャンスを失ってしまいます。ちょっと難しいかもしれませんが、社外の方と積極的にコミュニケーションしてみましょう。

また、社外のコミュニティでのつながりは、社外の人と交流することで転職先に出会えることもありますし、自社へのリクルーティングにつながることもあります。あまりにも積極的にリクルーティングすると良くないかもしれませんが、私は社外のコミュニティでのつながりで自社への転職を促したこともありますし、逆にコミュニティで知り合った方の会社に転職したこともありますし、インターンシップ先も勉強会で見つけてお願いしました。

業務扱いにする

業務時間として申請したり、土日に開催される場合は出勤扱いにしてもらうこともお忘れなく。「自分の趣味だから、業務として参加しなくても大丈夫」と考えたり「業務扱いにしてもらうのが面倒」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、これはこれから参加するあなたのためだけの業務扱いだけではなく、今後もチームメンバーや後輩たちが負担なく参加するための布石だったりします。余裕があれば、勉強会に参加しやすい風土づくりに貢献してみてはいかがでしょうか。

注意

勉強会やカンファレンスといったコミュニティでは、研修に比べると非常に安価ですが、研修とは違って誰かが自分の知識やスキルを高めることに責任も持って取り組んでくれる場ではありません。そのためスキルを身につけるには、自主的な取り組みをすることが求められます。

私は、これまで100回以上の勉強会の主催と、150回以上の勉強会に参加をしてきました。しかし、それでも、ここの勉強会は合わなかったなということが少なくありません。コミュニティには合う合わないの相性の問題がかなり大きいです。そのため、できれば1回や2回で諦めずに5回〜10回程度挑戦してみてもらえたら、きっといい勉強会に出会えると思います。知り合いが参加しているところに一緒に行くのも良い方法です。

その5:研修

社外勉強会や社外カンファレンスまでは、数万円程度の金銭コストのことが多く、会社で負担してくれない場合はポケットマネーでという作戦が取りやすかったです。しかし、研修となると10万円以上のものも増えてきます。そのため、費用の負担はできるだけ会社にお願いしたいところですね。

研修では、社外の勉強会よりもお金がかかる反面、作り込まれた教材やワークショップが実施されることが多いので、時間効率はかなり良いものになります。さらに、研修の場合、対象のレベルの人を一定まで引き上げることを目的に、ある程度受動的な参加者にも価値が提供できるように作られているため、参加する人を選ばないというのも大きなメリットです。加えて、研修といっしょにライセンスが取れるものもあり、お得な感じもします。

そのため、社内で勉強会を実施して気長にスキルが高まることを期待するのが難しい場合や、急いで新しい技術を導入したい場合などは、研修に行くのが効果的です。

「研修にお金をかけるなんて」とお金のことを考えてしまいがちですが、自分たちで学んでいても会社はその活動に給与を払っているのです。エンジニアの人件費はおおよそ月に100万円程度かかっています。(給与として100万円という意味ではなく、バックオフィスの人の人件費やオフィス代、保険や年金の負担など、諸経費を込みにするとそれくらいかかっています。)そこから20営業日と考えると1日5万円コストです。

4人で2時間の勉強会を実施すれば、それは5万円のコストを支払っているのと同じなのです。自分たちで学ぶことに慣れていなく、かつ、迅速にスキルを身につけないといけない場合は、社外の研修を利用することをおすすめします。

その6:コーチを呼ぶ

研修よりも効果の高い選択肢があるのでしょうか? それは、会社にコーチを呼ぶことです。もちろん、このコーチを呼ぶとは研修をしてもらうためにコーチを呼ぶというのとは違います。コーチを呼ぶことがなぜ、研修以上の効果を発揮するのでしょうか。

コーチを呼ぶことのメリットは、自分たちの業務をみてアドバイスをもらうことができることです。自分たちでは気づいていない課題を見つけてサポートしてくれますし、稼働の範囲内であれば、開発者や管理職といった人たちが相談することもできます。

もし、自分たちで研修を見繕って参加したとして、スキルを身につけることができたとします。しかし、それが仕事をする上で最も大きな課題ではなかった場合、他の課題に引っ張られて成果を出すことが難しくなってしまうかもしれません。コーチを呼ぶことで、そういった大きな課題を見つけやすくなることが大きなメリットです。

具体的にコーチを呼ぶと、どのような課題を見つけてサポートしてくれるのでしょうか。コーチのバックグラウンドによりサポート範囲に違いがありますが、私が支援した事例を紹介します。例えば、採用のフィルタリングミス、離職・休職の多さ、現場とマネジメントの関係の悪化、人事評価の仕組みの課題、教育の仕組みの無さや、教育スキルの育成不足、権限委譲されていない、システムの作りが高いスキルを要求する、自動化の不足などです。

私の場合は、バックグラウンドが、エンジニアリング、教育心理学、教育工学、組織開発なので、このあたりの問題に対して課題を見つけることが得意です。逆にシステムの課題をみつけることはできる場合もありますが、一緒に手を動かして自動化の仕組みを作っていくようなサポートは苦手にしています。

同じような課題を社内の人が気づいていても聞いてもらえないことも多いですが、外部のコーチやコンサルタントから指摘されると聞き入れてもらいやすいこともあります。さらに、コーチやコンサルタントは、そういった課題を偉い人に進言する力に長けている場合も多く、問題解決につなげやすい立ち位置にいるのです。

まとめ

  • 社外の勉強会・カンファレンス参加は、社外の有識者に会える場合もあり、社内で実施される勉強会より学びが大きい

  • 社外の勉強会・カンファレンス参加は、合う合わないが大きいため1度で諦めず、複数回参加するつもりで挑む

  • 研修は、身に付けるための時間コストを買っている

  • 研修は、何を学ぶかを自分たちで決める必要がある

  • コーチを呼ぶと、課題を見つけてくれるため成果に繋がりやすい

私へのコーチや研修のお問い合わせは、こちらから。

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