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青黄クイーン構築概論

前書き

 お初にお目にかかります、月うさぎ(@MdaTaePraty)と申します。
今回は第四弾初期である現在頭角を現している「青黄クイーン」の構築について執筆させていただきます。

 こちらのデッキは発売前、一般ユーザーからの評価があまり高くなかった中一部の層から「実はやれるのではないか」と囁かれていました。
 ふたを開けてみれば関西で開催された初陣戦で優勝したり、各所のスタンダードバトルで結果を残すほどの強さをもっていました。
 しかし、実際にプレイしたことがなかったりプレイを見たことがない人からすると強さがわかりづらいデッキのため、「構築概論」としてざっくりの情報を発信しようとこの記事の執筆を決めました。
 これからクイーンを使用する、もしくは大会で当たった時に対応したいと考えている方はこちらの記事を読んでいただけますと理解が深まるかと思いますので、無料部分だけでもぜひ読んでいただけたら嬉しいです。

※購入してくださる方が多いと今後組んだデッキのnoteを書く励みになりますので、気に入ったらぜひTwitterのフォロー、記事の購入を検討いただけると幸いです。
※今回の記事のように「構築概論」とついている記事に関しては以前執筆した白ひげの記事ほど更新頻度を高くするつもりはありません。これまでより多くの情報を、鮮度を保ったまま発信するために必要なためご了承いただけますと幸いです。

 

たった1ドンでライフが増えるという強さ

 以前白ひげの記事において「手札の重要性」について語らせていただいたように、ワンピースカードにおいて一番重要なリソースというのは「手札の枚数」であることは2弾のころから4弾が発売された現在まで変わっていません。
 3弾までに唯一ライフを増やすことが出来ていたリーダーである「黒黄ビッグマム」はあまり結果を残せていませんでした。これは「ライフを増やす」ことが出来ても「手札を捨てる」ことによって「ゲーム中にプレイすることが出来る手札の総枚数」が変わっていないことが一つの大きな要因となっています。
 しかし、4弾で登場した「青黄クイーン」というリーダーは「手札とライフの合計枚数が四枚以下」かつ「自分の場に8コスト以上のキャラが存在する」という厳しい条件と引き換えに、「1ドン付与」だけという破格のコストでライフを増やすことが出来るのです。
 このカードの最大の強みは「試合中に使える手札の総枚数」を増やし、「試合中に受けることの出来るアタック回数」を増やす、ということが「1ドン」でできるので、「強力なリーダー効果の発動」と「高コストの強力なキャラクターをプレイする」のを同時に行えることにあります。


デッキレシピ


こちらが5/28現在、筆者の使用しているデッキレシピです。

 具体的な採用枚数・採用理由に関しては後述しますが、「カタクリ」・「業火拳銃」・「そげキング」によって中型~大型キャラに対処し、小型キャラはキャラクターのアタックで処理するような構築となっています。

各カード採用理由

リーダー クイーン


ワンピースカード 公式サイトより

 先述した通りたった1コストでライフを増やすことが出来る強力な新規の混色リーダーですが、発売前はあまり注目されていませんでした。。
 
 というのも、「アタックできる混色リーダー」であるためライフが4となっていて、発売前はこのかなり重いデメリットに足を引っ張られ「リーダー効果を十全に使い切る前に負けてしまうんじゃないか」と考えられていました。しかし、現実は違ったのです。
 
 超強力なリーダー効果を起動するための「ライフと手札の合計枚数を4以下にする」ことと「コスト8以上のキャラを場に登場させること」の二つの条件が黄色の高コストカードやトリガー効果と絶妙に噛み合っており、数値以上のパフォーマンスを出すことに成功していました。
 そう、奴は 「痩せちまったらモテすぎるから♬ 敢えて痩せないタイプの“FUNK”!!」だったのです。

 7・10コストの「ビッグマム」の効果を使われたことのある方なら「デッキの上から一枚をライフに加える」効果の強力さが理解できるかと思うのですが、彼はそれを1コストのみでやってのけます。
 「いくらライフを増やせても、手札とライフの合計枚数が4以下だったら手札の最大枚数は4枚なので、キャラを複数出されていたら押し切られてしまう」・「8コスキャラを出さなきゃいけないのが重すぎる」と言われていたのですが、リーダー効果の起動に必要なドンが1枚であるため効果の起動条件である「ヤマト」や「カタクリ」などをプレイしたターンにライフを増やすことが出来るのです。
 これにより「相手のアタック回数を減らしつつ」・「相手へのアタック要求回数を増やす」ことができるため、通常のデッキであれば無理を通してリーサルを取りに行く必要がある盤面でも強気に大型キャラをプレイしていくことが出来ます。
 
 また、相手視点、青・黄には様々なトリガー効果があり、デッキトップ操作も存在するため、「リーサルを取りにいく時に常に何かしらの裏目を踏むリスクが付きまとう」という心理的な面での強さがこのデッキの強さを後押ししています。

9コスト ヤマト

 4弾の新規SRであり、その特徴やキャラクターから「黄単ヤマト」の新たなエースカードと期待されていましたが、このカードは正真正銘「青黄クイーン」のためにデザインされたエースカードです。
 
 このカードには下記の3通りのパターンの活躍が存在していて
 ①「お互いのライフが多い=試合ペースが遅く膠着している状況」
…相手の高コストキャラを除去しながら場に登場して、均衡を崩す活躍
 ②「相手のライフが多くてこちらのライフが少ない=相手の攻め手が強く、押され気味な状況」
…相手の小型キャラをKOしつつ自分のライフを増やし、盤面も強くする八面六臂の大活躍
 ③「お互いのライフが少ない=試合終盤の緊迫した状況」
…自分のライフを増やしながら盤面を強くし、リーダー効果と合わせて相手のリーサルを大きく遠ざけつつ大型キャラとして相手に王手を掛ける活躍
 
 どれでも「その時の状況にあった活躍」をしてくれることがこのカードの最大の強みであり、利点となっています。
 

8コスト カタクリ

 こちらのカードも前述した「ヤマト」とほぼ同様の運用方法ですが、いつでも大型キャラを処理できることが大きな差別化ポイントになっています。
 現在の環境ではミラーの「カタクリ」をはじめ、白ひげの使う「サッチ」や「マルコ」、ドフラミンゴの使う「キッド」など除去したいキャラクターが多く、リーダー効果の起動トリガーにもなるため4枚確定と言える枠でしょう。
 また、自分のキャラをライフに埋めることでライフ増加としても機能し、このデッキだと「カヤ」登場→「カタクリ」登場→「リーダー効果」起動の順で「カヤ」をライフに送るという動きをすることで、手札の質を高めつつライフを2枚増やすことが出来ます。

7コスト そげキング

 登場時に6コスト以下のキャラを除去しながら手札を入れ替えることが出来る器用なキャラクター。
 こちらはリーダー効果の起動条件にはならないものの、「リーダー効果を起動するために必要な8コスト以上のキャラ」を引き込むことで間接的にリーダー効果へのサポートを行えます。
 基本的には4ターン目に相手の5-6コストのキャラを手札に戻すことでテンポを取り、次のターンに「カタクリ」・「ヤマト」を安全に着地させるために使用します。
 カウンター値がついていることもポイントで、上述の利用方法が出来ない場合や2枚目が手札にある場合は積極的にカウンターとして使用していきます。

6コスト シャーロット・ペロスペロー

 6コストのバニラ、後攻3ターン目に置くことで打点を増やしたり、中盤以降に3コストブロッカー+ペロスペロー+リーダー効果の組み合わせで使用します。
 相手側の視点としては「アタックでは処理しづらいサイズであるため除去を使いたい」となりますが、コスト8以上のキャラに打たれるはずだった除去を吸ってくれるだけで十分な仕事と言えます。

4コスト サンジ

  「4コス5000・手札コスト付きトリガー」キャラの一体であり、新弾で追加されたこのキャラはブロッカーを持っています。
 アタッカーとしてもブロッカーとしても活躍する便利なキャラで、いつライフからトリガーとして捲れても嬉しいキャラです。
 後半にリーダー効果や他の小型ブロッカーと合わせて手札からプレイすることも多いです。

4コスト シャーロット・クラッカー

 「4コス5000・手札コスト付きトリガー」キャラの一体であり、このキャラは相手よりライフが少ない場合にダブルアタックを得ることが出来ます。
 このデッキにおけるクラッカーの役割としては、「序盤から押してくる相手に対してライフレースで追いつく」のではなく、ダブルアタックをちらつかせて「序盤に相手のリソースを削ることでキャラを取りやすくする」ことにあります。
 「マルコ」や「ラディカルビーム」を擁する赤系のデッキに対してはあまり効果がないため、キャラの処理に回すことも視野に入れましょう。

3コスト ボア・ハンコック

 3コスト・パワー1000・ブロッカー・トリガーというシンプルなデザインのキャラクター。
 トリガーでブロッカーとして登場した場合ライフから手札に加わらないため、「攻撃を防ぐ回数」は減っていないのに「手札とライフの合計数」は減っているという理想的な状況を作り出すことが出来ます。
 ドローで引いた場合手札からプレイすることもありますが、後述の「ドフラミンゴ」と比較すると様々な面で劣っているためカウンター1000として切ることも多いです。

 ちなみにこのカードは「シャーロット・ブリュレ」で代用できますが、ミラーの際は非常に強力なので黄色絡みのデッキが流行るのであれば合計8枚の採用も視野に入ります。

3コスト カポネ・ベッジ

 2000カウンターでありながら、強力なトリガー効果を持った新弾のキャラクター。
 トリガー効果として使用した場合は相手のキャラ・リーダーの攻撃を一回封じることが出来る上にドローで引いても2000カウンターとして活用できるのでとても便利です。
 このカード最大の強みは「カードプールに存在していること」であり、ブロックを伴わず確実に相手の攻撃を止める「ベッジ」と、除去されるリスクはあるが盤面に維持しておける「ハンコック」や「サンジ」を両方ケアして攻めるのは非常に困難になります。

3コスト ドンキホーテ・ドフラミンゴ

 このデッキの影のエースである3コストブロッカー。
 赤のキャラが多様する「パワー3000以下KO」を回避するラインのパワーを持ったブロッカーであり、登場したタイミングでデッキの上から5枚までを見て並べ替えることが出来ます。
 このキャラは序盤に出すことで中盤~終盤にかけてのドローの質を格段に高めることが出来るので様々なデッキで多用されていますが、このデッキでの真骨頂はクイーンのリーダー効果で仕込むライフを指定することが出来ることです。
 いくら強力なトリガー効果を擁しているこのデッキといえど、「ライフと手札の合計枚数が4枚以下」の場合は相手の攻撃を守り切るのは難しいといえますが、強力なトリガーをライフに仕込んでいる場合はその限りではありません。
 また、実際にライフにトリガーを仕込んでいなかったとしても、相手視点では仕込んだように見えるため、相手の強気な攻撃をけん制する役割もこなしてくれる、まさに器用万能なカードと言えます。

1コスト カヤ

 手札入れ替え効果を持った2000カウンターキャラクター。
 こちらは主に2000カウンターとして利用しますが、序盤に手札交換として使った場合も「カタクリ」でライフに埋めたり、「そげキング」で手札に戻すことで再利用が可能となっています。

6コスト ゴムゴムの業火拳銃

 どんなキャラクターでもデッキの一番下に送ることが出来る除去イベント。
 10コストの「クザン」や「白ひげ」などの処理しづらい大型キャラクターを手札一枚で処理することができる上に、コストの面でも3+6+1という非常に効率のいい使い方が出来ることが高評価となってます。
 ミラーなどの対戦では手札からプレイするのが非常に強く、ゾロなどの速攻デッキと対面するときはトリガー効果が強いため4枚の採用となっています。

4コスト 三・千・世・界

 コスト4~5のキャラクターをデッキボトムに戻すことが出来る除去イベントカード。
 こちらの強みはその軽さであり、中盤に相手のアタッカーを除去したり、リーサル時に相手のブロッカーを除去するときにドンを残せるのが大きいですが、環境予想的に打ちたいタイミングが「業火拳銃」と被ると感じたため2枚の採用です。
 環境的に白ひげやFilm型のドフラミンゴが流行るのであればこちらの枚数を増やすことも視野に入ります。

0コスト ゴムゴムの雨

 手札を一枚捨てることで3000のカウンターとして利用できるイベントカウンター。
 主に手札でかさばった除去イベントを捨てることで「手札とライフの合計枚数」を減らしながら相手の攻撃を防ぐことに使います。
 手札に除去イベントを始めとした手札がなくプレイ状況を選ぶカードがかさばっている状況はリーダー効果発動の妨げになるので、このカードをカウンターとして変換していきましょう。

不採用カード

2コスト 疫災弾
8コスト 氷鬼
4コスト クイーン

 4コスト以下のキャラを除去しつつ8コストのキャラクターを展開することが出来るイベントと、その発動をサポートするキャラクター。
 「マルコ」や「Filmナミ」などの恒久的にアドバンテージを稼いでいくカードを処理しつつリーダー効果の発動条件を満たせるので決めれば非常に強力なカード。
 難点としては手札に「疫災弾」がかさばった時の動きづらさと、コスト4以下という微妙に狭い対象範囲があります。
 また、2コストと軽い点も「リーダー効果と合わせて3コスト」になってしまうため、同時に大型のキャラクターを展開できない点を考慮して不採用としました。

 10コスト カイドウ

 新弾で登場した大型キャラクター。
 こちらが不採用な理由は明白で、「10コストを使ったターン、強力なリーダー効果を使用することが出来ない」点に尽きます。
 効果も「8コスト・3コスト以下のキャラ2体を手札に戻す」と派手さはあるもののアドバンテージを稼げないものであるため、採用することはないかと思っています。

基本的な立ち回り

勝ち筋

 このデッキの勝ち筋はシンプルで、「増え続けるライフ・ブロッカーで相手の攻撃をいなしながら大型キャラを毎ターン増やし続け、大量の大型キャラで押し切る」というテクニカルに見える構築から想像できないほどシンプルに脳筋な勝ち方を狙っていきます。
 手札をある程度確保したままリーダー効果を発動するために、4t目くらいまでにライフ1枚まで減らす計算で動きましょう。
 相手があまり攻撃をしてこないデッキである場合、「ヤマト」で処理できるラインが広がるため、「カタクリ」・「ヤマト」のどちらでも有利を広げられるためリーダー効果の発動を無理に狙わず、大型キャラで押し切りましょう。
 手札が少なくライフが多い状況では、「もったいないから」と大型キャラでアタックするのではなく、「大型キャラ」をアクティブのまま残してリーダーのみで相手のライフを削りに行きましょう。手札が少なく後続がいないまま大型キャラを処理されると、ライフがいくらあっても一気に劣勢になります。

プレイング小ネタ

 リーダー効果は8コスト以上のキャラが居ても、ライフ回復ではなくドローすることが出来る
 …盤面に8コストキャラ・ライフ3枚・手札1枚のような状況であればライフ回復ではなくドローを選ぶことも有力な選択肢となります。ライフが多くなりすぎてもリーダー効果を起動できなくなるばかりか大型キャラを動かせなくなるため、ライフを増やしすぎないようにしましょう。

マリガン

 「8コスト以上のキャラ」と「ドフラミンゴ」を確保しに行きましょう。後攻であれば「ペロスペロー」、先攻であれば「そげキング」もあると嬉しいかなといった感覚です。

終わりに

 初の構築概論である、青黄クイーンでしたがいかがだったでしょうか。
 対面考察など、環境が進まないと断言できない部分を省くことでスピードを上げ、情報の鮮度を重視して書いてみました。
 まだ探り探りの部分も多く、白ひげの記事ほど細かい回答はできないかと思いますが何か質問や感想などありましたらTwitter(@MdaTaePraty)の方へお気軽にDMしていただければと思います。
 ご拝読ありがとうございました!


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