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社内表彰制度なんてなくなればいい

少し前にとある場所で「『有志活動賞』の名目で有志活動と呼べない業務活動を表彰するのはいかがなものか」的な発言をしたところ、ポジティブネガティブともに結構な反応をいただいたのですが、その時に色々と調べたり考えたりしたことをノートにまとめておこうと思います。


社内表彰制度とは何か

社内表彰制度というと、「年間売上一位」や「重要なプロジェクトを完遂したこと」など、一定の業績を上げた個人やチームに贈られるのが一般的です。また、売上などの定量的なKPIだけでなく、ユニークなアイディアやチャレンジに対する表彰を設けている会社もあるようです。

社内表彰制度運用のポイント

社内表彰制度についてのちょっとしたつぶやきに結構な反応をいただいたこともあり、興味が湧いて調べてみたのですが、色々な会社が社内表彰制度に関するブログ記事を公開しているようです。それだけ世間的にニーズのある話題なのでしょう。

その辺りの記事を掻い摘まんでいくと、概ね以下の様な共通項が浮かび上がってきます。
◆社内エンゲージメント向上のために有用
◆運用にあたっては「選考基準や選考方法の透明性」「公平感」「過度な競争の助長」などに留意が必要
どこの企業も同じ様な悩みを抱えながら表彰制度を運用しているようです。

なぜ社内表彰制度が必要なのか

社内表彰制度の目的としては「モチベーション向上」「企業文化醸成」「離職防止」などがあるようです。
そもそも業務の対価は賃金や処遇という報酬で支払われるべきですから、その上であえて社内表彰制度を設ける以上は、「従業員のモチベーション向上」や「チャレンジを奨励する企業文化の醸成」に寄与しなければ制度を運用する意味がありません。
先に述べたように選考基準や選考方法に不透明さや不公平感などがあり、納得感を得られないような制度設計では、従業員のモチベーションを下げ「チャレンジしても無駄」と思われるようになり、むしろ逆効果となりかねません。

社内表彰制度は自発性を損ないかねない

以上を踏まえた上で個人的に一番刺さった記事を紹介します。

もともと私は「別に表彰なんぞされなくても、顧客や身の回りの人に認めて貰えればそれで良い」という立場なのですが(副賞の賞金は貰えるに越したことはないですが)、この記事の下記の箇所を読んで「なるほど」と思いました。

さて、インタビューの中で非常に興味深い話がありました。
それは今日のテーマである表彰制度に関することです。

インタビューをさせていただいた社員さんが「表彰制度を廃止したいと幹部にお願いしている」とのことです。

その理由に察しがついたのですが、突っ込んで聞いてみました。
理由を要約すると次のようになります。

「自分たちで決め、納得してやっていることを評価されると気持ち悪い」

評価にはコントロールの意図があります。
その匂いがして嫌だというのです。
これは自立した人の特徴です。

https://www.shijizero.jp/archives/n12428#chapter-02

とくに「自分たちで決め、納得してやっていることを評価されると気持ち悪い」と言うのには激しく共感。

なるほど確かに、自立した人ばかりのスタートアップで表彰制度なんて聞いたことがありません(調べればあるかもしれませんが)。
企業が大きくなり人が増えるにつれ、従業員の自立心やフロンティア精神を持つ人が割合的に少なくなり、モチベーション向上やチャレンジ推奨のために社内表彰制度が必要になる、こういう構図があるのではないでしょうか。

社内表彰制度なんてなくなればいい

人生100年時代。先の見えない円安で終身雇用制度などとうに崩壊している中では(そもそもそんな幻想はじめからなかったと思いますが)、企業に雇用される従業員もそれぞれ、自身や家族の人生を守る「一経営者」としての心構えやスキルが求められていると思います。
そんな環境においては、規模を問わずあらゆる企業の従業員も自立しチャレンジ精神を持っていた方が良い。そういう環境になれば、自然と社内表彰制度なんてものはなくなるはずです。

社内表彰制度なんてなくなればいい。
そんな願望を記して、本記事を締めたいと思います。

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