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強いキャラクターがなくても魅力的なコンテンツは作れると信じて

ディズニーランドに新しいアトラクション、というニュースを観ていました。
ニュースを観ながら無意識のうちに、「このテーマだったら、子どもたちは、どんなことがしたいかなぁ。映画の中で、この場面が楽しそうだから、それが体験できると嬉しいだろうなぁ。」などと、ぼんやりと考えていたのです。考えていた、と言っても、ニュースを観ながらなので、たかだか20秒くらいの話ですけどね。

そうしたら、ニュースが進んでアトラクションの映像が流れてきました。映画のシーンがリアルにつくられた情景の中に、何かのライドに乗って進んでいく映像。ずっと「♪何をするのかな? ♪何をするのかな?」と思いながら観ていて、一番最後まで映像が進んだところで「あぁ、そうじゃん、このリアルな世界の中に入れることが、一番の魅力なんだよね」と思い出したのでした。

「何かができる」ではなくて、その空間に「いる」だけでいい。映画という二次元の世界をこちら側から眺めていた立場から、映画を忠実に再現した三次元の空間に入り込める、それだけで充分に満足なんですよね。
あぁ、これが、コンテンツのパワーと言うものだった、と、なんだか心の底から、恐れ入ったのでした。

私は仕事上「子どもたちが、このコンテンツを楽しみ、興味を持って、もっと知りたいと思うために、どんな体験をしたらいいだろう」ということばかり考えています。その「コンテンツ」は、水族館の生き物のこともあれば、科学的な事象のこともあれば、何らかの仕事体験のこともある。

どのコンテンツも、とても魅力的なのです。それを生かして体験を考えようと、深く知れば知るほど、本当に面白い。あれも、これも、子どもたちに伝えたい、こんなに面白いのに!と思って、わくわくします。

でも、それを、「面白そうな体験」として仕立てることは、意外に難しいのです。いや、楽しい中身を作るのは、素材そのものに魅力があるから、そんなに難所ではありません。一番難しいのは、パッと見て「これ、おもしろそうだね、やりたい!!」と思ってもらえるような〈見た目〉にすること。

そこはやっぱりディズニーのコンテンツパワーは底知れぬものがあります。キャラクターそのものを、どん!と出してくれば、それが一番喜ばれるんですものね。

まぁ、そうは言っても、だからディズニーはいいなぁ、とか、そういう話ではないんです。そういう強いキャラクターがないからこそ、こちらは中身で勝負です。

子どもたちが本当に喜び、そこから、日常生活に変化が起こるような、深い「体験」をどうやったら作れるのか、結局はそこなんですよね。

強いキャラクターや、ぱっと見て分かりやすいコンテンツがないからこそ、中身の魅力を信じて、妥協しないで、良い「体験」をつくり続けていきたいなぁ、と改めて思うのでした。

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