迷惑をかけてはいけないと思っていたあの頃の自分へ―河野太通『ありがとう すみません お元気で』
新入社員の頃、人に何かを頼むことがすこぶる苦手で、抱え込みがちだった。
今話しかけたら迷惑かな、
忙しいのに仕事お願いしたら迷惑だよね、
泣き言聞かされても迷惑なだけだろう、、、
そう、相手に迷惑をかけてしまうことが何よりも怖かった。
迷惑をかける=嫌なやつだと思われる=人間関係悪くなる=仕事が円滑に進まなくなる=会社にとって邪魔者になってしまう
そんな図式が頭をぐるぐるとしていたっけ。
新卒で入社した会社で、迷惑をかけるのが申し訳ないと思ってしまう、という話を社長にしたことがあった。(小さい会社で、社長との距離が近かったのです)
そうしたら、「一日一回、会社の誰かに迷惑をかけなさい。どんな迷惑をかけたのか、メールで私(社長)に報告しなさい。」と言われた。
ストレスで禿げるかと思ったなぁ。
いまだに私は、この課題が解せないままだ。
最低の課題を突き付けてきやがって、と今でも根にもっている。
過去のことをずるずる引きずっても仕方がないのだけれど。
以前、河野老師の『ありがとう すみません お元気で』という本を読んだ。現代の臨済禅を代表する老師の一人だそうです。
そういう考え方もあるのかぁ。
と思って、それからは「迷惑かけたら…」と不安になったらこの言葉を思い出すようにしている。
どうやったって迷惑かけてるんだから、仕方ない。
仕方ないことに落ち込むくらいなら、前向きに、感謝の気持ちをもったほうがよい。
そして、何かお返しできることがないか考える。
考え方をちょっと変えただけで、こんなにも建設的になる。
考えすぎたり悩みすぎたりして生きづらいと思っている人は、ぜひ読んでみてほしい。
抱えている悩みがすっきり解決、というよりは、「確かになぁ。そうはいってもなぁ。」という感じなのだけれど、そういう考え方があることを頭において、日々行動していくと、だんだんと、染み渡っていく気がしている。
そうして多分、あと何回目かに読んだとき、
あぁ、そっか。
と腑に落ちるときがくるんだと思う。
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