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最近、YouTubeでも「月給○○万円になるには？」とか「今の自分のブランド価値を高めて年収○○円稼げるようになれ」といった自己啓発系のCMをよく見かけるようになった。本当にうっとうしい。たしかに不安定な時代でお金がないとヤバいという不安はわかる。しかし、不安を煽るビジネスは基本的に「悪」であって「善」ではない。間違いなく、それに従っても良い結果にはならない。不安という撒き餌につられたカモにされてしまう。

たしかに最低限のお金はないと生きていけない。しかし、自分の収入をあげることだけをただ闇雲に目指すことがそのひとの幸せにつながるのかというと、そうではないだろう。だって、ワーカホリックで働くのがめっちゃ楽しいというひとならば、楽しくてお金も増えて価値のある生き方になると思うが、人類の全員が全員そういった人たちだけではない。

なかにはそんなに働くよりも自分の時間を作りたいというひともいるだろうし、一銭にもならない自分だけのアートに命を張ってクリエイトしているひとの多くをぼくは知っている。さらに言えばお金は「手段」であって、「目的」ではない。そのお金で何を手に入れたいのか。それがあなたにははっきりしているか。それにこれはあたり前のことだが、多くの凡人にとっては1万円稼ぐよりも、1万円使わない方が楽なのを知っているだろうか。

お金を使わない生活をするのは、一度生活コストがあがってしまったら無理だとよく言われる。それは半分当たっていて、半分間違っている。ぼくが思うに、生活コストを早い段階で最大限にあげてみたことがあるか否かによって、その後の人生で生活コストを下げられるかどうかが決まる。ぼくの例をあげよう。

今のぼくの生活は好きでこうなったわけではないが笑、元々双極性障害だったところに割とハードなPTSDでメンタルボロ雑巾状態で行政の支援員さんに支えられつつ、当然ろくに働けず国に借金もあって裁判中で4万のボロアパートに住んでいる。可処分所得はほぼなく、食費すらかなり削っている。別に同情をひこうと大げさに書いているわけではなく、ありのままのことを書いている。

しかし、メンタルの不調は栄養不足や暴食から来ることも多い。なぜならば、腸というのはホルモンと呼ばれる通り、様々なホルモンを分泌するし、脳よりも神経細胞の数が多い。だから、ひとのメンタルは脳だけではなく意外と腸でも決まってくるのだ。なので食費を安く落としても栄養価を落としては駄目。ということで今夜の食事。

玄米（15円相当）、十六穀米（10円相当）、カレー職人（88円）、冷凍焼き茄子（15円相当）と、約130円の夕飯である。インスタ映えはまったくしないが、Twitter映えしまくりのまずそうで質素な食事である笑。ただ、玄米、十六穀米、冷凍焼き茄子が入ることでそこそこの栄養価はある。さらに飲み物として豆乳（20円相当）も加わるので、植物性タンパク質も摂取している。

さて。逆にこれは6年前、日本一高い銀座の高級鮨さわ田で食べた時のこと。中は撮影禁止なのでお見せできないが、たった5席のその日に予約した人たちの為に用意された最高級の食材を、最高の腕前を持つマスターが握ってくれる。この時は隣りは西洋人だった。多分、日本に来ているエグゼクティブなサラリーマンだろう。作法もしっかりしていた。高級な鮨屋での作法は独特なので初見ではないだろう。要はそれくらい金持ちの人たちだということだ。1食42000円くらいだったと思う。当たり前だがめちゃくちゃ美味かった。しかし、美味しさ的にも栄養価的にも上のTwitter映えなぼくの作ったカレーと比べて400倍以上あるだろうか。当然ない。むしろサシが入っていたり、熟成されたネタが多いため、むしろ中年には大敵な脂肪や油分を取りすぎている可能性がある。

別に金のあるひとは高級鮨を食べればいいと思うし、ぼくも金のあった頃はほかにも最高級の鉄板焼などにもよく行った。

問題はそうやって数年前まで生活コストが高かったぼくが、どうしてこうして生活コストを落としまくっても、幸福度が落ちないか。それについて少し語りたい。というのも、人生順風満帆だと思っていてもいつ奈落に落ちるかわからないので、コストを下げて生きるスキルはかなり重要なスキルだと思っているからだ。

ひと言で結論を言えば、ものごとの価値はすべて自分が決めるということ。ぼくにとって美食は自分の人生において価値はかなり低いものだと認識している。別にこれはぼくの価値観が正しい、美食好きの友達の価値観が間違っているとかそうではない。自分の人生にとって何を大切にするのか、それについての重要性を言っている。だって、自分の人生を生きているのはほかの誰でもない自分。周りの他者が何を言おうと自分の大切にしているものをはっきりさせて、あとは断捨離してしまって全然構わないのだ。

酒、タバコ、ギャンブル、美食、消費活動、男女関係と、欲望を掻き立てられるものは多い。しかし、それらを手に入れると一瞬幸福感で満たされるが、また刺激をもとめてさらなるものに手を出してしまう渇望衝動がひとの本能に備わっている。ホルモン分泌でいえば、欲しいものを手に入れるとドパーミンが分泌されるが、それはすぐに終わってしまう。その報酬が欲しくてまた違うものを手に入れようとしてしまう。

しかしながら人生の早い段階で、最大限にそういった刺激を楽しんだ経験があると、その後、それらが無くなっても平気になる。本当だ。

ぼくは20代の頃、国民的アイドルの後藤真希とよく遊んでいた。渋谷で飯を食う時は最高級黒毛和牛のしゃぶしゃぶ屋か（今はもう潰れている）、叙々苑だった。それがデフォルトだった。しかし、彼女の地元の江戸川区でご飯を食べる時は、本当にそのへんにある街のラーメン屋・とん太というところでよく飯を食った。後藤ははっきり言うと馬鹿舌だった。彼女にとって食事とは高級なものも下町のラーメンも等価値だった。渋谷では高級な飯を食って夜は地元のラーメン屋やお好み焼き屋で飯を食う。この行動に付き合うことでぼくも食事にはこだわらない下地ができた。芸能人が出入りするような高級店も行きながら、下町の飯も一緒に食べる。美味しさにものすごい差があるわけではない。高いお店はほかのサービスや雰囲気、立地すべて込みのお値段だ。

あとこれは自己肯定感をあげるにはどうすればよいかの記事で書きたいことだが（今後書く予定）、ぼくは国民的アイドルの後藤真希に1度認められた。これはその後のぼくの女性関係にも大きく影響を与えた。というのも、相手の女性が芸能人だからとか、有名声優だからだとかで気後れすることが、一切なくなった。だってその業界トップに認められた過去があるわけだから、その後、ほかのどんなひとに拒絶されようが、拒絶は誰であれ凹みはするが、自虐的になったりすることはなかった。単純に自分とは合わなかっただけだと思い、堂々と次に進むことができた。別に男女問わず芸能人・有名人と一般人、別け隔てなく接するようになった。芸能人だからヘコヘコするというのもない。稼いでいる、有名だからヘコヘコしてしまうというひとは、高さと距離を間違えている。自分が同じ高さにいないと、申し訳なくてヘコヘコしてしまうんだろうが、プライベートの関係においてそんな必要は全くない。距離の近い間柄であれば、たとえ自分が何者でもなくても堂々としていればいい。

アイドルの追っかけを卒業し、アイドル自体にハマることもなくなった。それは後藤真希、そして道重さゆみですべてドルヲタとしての活動をやり終えたからだ。詳しくはこのふたつの記事に書いてあるので興味あれば読んでみて欲しい。

当たり前だが、年々自分は老いていき、若くてかわいい子は次から次へと出てくる。そんなのにいちいち自分の時間と金を使っていたら際限がない。もうやり終えたことに時間を割くのは無駄だ。それがぼくの人生観だ。タダだったら別にいいと思っているから、You Tubeでかわいい子の動画を見ることはたまにあるけれどさ笑

ぼくの今の金をほぼ使わない生活は、金を使わないと楽しめないひとから見たら、なんてつまらん人生を送っているんだと思うかもしれない。先ほども言ったけど、好きでこうなったわけではないが、生活コストを落として金を使わなくてもわりと今の生活を楽しんでいる自分がいる。むしろ工夫をして食生活や、PTSDから少しずつリハビリして元の状態に戻していく行為は、遠回りのように見えて、まったく新しい世界をぼくに見せてくれる。

若い時に自分にとって何が価値があるのかわかっているから、「もうそれはいいや」と飽きてしまったものは人生から切り捨てた。当然その分、生活コストも下げられる。これが今もブランド物大好きな消費活動に価値を持っていたらそんなことはできない。

だから、若くて失敗出来まくるうちに金をバンバン使う生活をしてみるといい。そうすると意外と自分にとってはこれはもういいやとか、これは自分にとって価値ないなとなんとなくわかってくる。そうすると頑張って稼ごうと思わなくても出ていくお金が少なくなるので、がんばらずに生きていくことができる。中には想像力豊かなひともいるので経験しなくても、自分にとっての価値をわかっているひともいるが、凡人は一度経験してみないと中々この資本主義の欲望の魔力から抜け出すことはできない。

生活コストを下げろというのは簡単だが、生活コストを下げた上で自分が楽しく生きていくことができるのか。それは人生の早い段階で金のかかるものに「飽きておく」というのが一番手っ取り早いのではないだろうか。

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