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投資の際に参考にすること

LinkedInの創業者であり、Village GlobalというVenture Capital(以下、VC)のChairmanでもある、Mr. Reid HoffmanのPodcastを聞いて、共感できるところがありましたので、記事にします。

記事の元ネタは、Columbia Business SchoolのPodcastで、"LinkedIn Co-Founder Reid Hoffman on the Future of AI"というタイトルですので、多くの時間がAIに関する彼の見立てに関しての議論になっています。
その質疑応答の際に、彼のinvestment thesis(以下、投資方針)について語る場面があり、そこが印象的でした(AIに関する議論を聞きたい方は、Podcastをお聞きください、すみません)。

創業者からの直接のインプット

彼は投資方針を説明する具体例として、Airbnbを事例として挙げています。Airbnbの投資検討の際、最初に創業者以外の方から、このビジネスのピッチを聞いたそうで、その時は全く投資する気にもならず、創業者に会うことすら検討しなかったそうです。
その一方で、知り合いからは良い創業者がいる、という話が複数上がってきたので、1年ほど経過して、Airbnbの創業者に会い、会ったその場で投資を決めたそうです。
そこからの彼の学びは以下の言葉に集約されています。

"First lesson I learned is do not allow someone's pitch to you that's not the founders themselves to overly condition you to negative because that person got it wrong."

"LinkedIn Co-Founder Reid Hoffman on the Future of AI" A Columbia Business School Podcast, Apr. 12th, 2024

私自身の経験上も、間接的に情報をお伺いしたところで、資料に表れている範囲しか読めとれず、どのような課題意識からビジネスを始めようとしたのかや、どこまでビジネスモデルが練られているのか、が見えない感触があります。

私たちのファンドでは、投資の意思決定までに必ず創業者の方にはお会いをし、どのような深さ・広さで検討されているのか、ということを理解させていただくようにしています。それによって、ビジネスモデルの本質、協業仮説、ひいては今後の成長のためのリスク要因、改善点なども見えてくるところがあります。

創業者の方もお忙しいので、あまり時間を頂戴するのも、申し訳ないといつも思いつつも、私自身、創業者並びにそのチームの方との面談を重視させていただいています。
それは、私たちが投資意思決定を、次のラウンドまでの資金提供と考えているからではなく、成長ポテンシャル・リスクの見極めと、成長に向け支援をさせていただくための仮説構築に、非常に重要なステップであると考えているためです。

社会への影響

スタートアップ投資をする上で、投資方針はそれぞれの投資家が持っているものですが、Reid Hoffmanはこのように語っています。

"And that's actually, in fact, the way the world should be. So I think if we navigate those risk, we can create something that's really amazing. (中略)  There's always a risk coefficient. That's kind of canonically about how I look at investments."

"LinkedIn Co-Founder Reid Hoffman on the Future of AI" A Columbia Business School Podcast, Apr. 12, 2024

Airbnbの投資を検討する際に、ホテルの労働組合からの反対であるとか、自治体からの犯罪増加に対する懸念など、様々なリスク要因は存在したわけですが、それ以上に宿泊を提供するホスト側は創意工夫により高額なものから低額なものまで、創意工夫を凝らした宿泊体験を用意し、それにより旅行者の宿泊経験の多様さを生み出すことに着目し、「これこそが世の中、こうあるべき」と感じたことが、投資の意思決定をした一因だと述べています。

LPから資金をお預かりしている以上、VCを運営していると、どのようなexitが可能か、またその蓋然性は高いか注視をすることは、必然ではあるのですが「世の中がこうあるべき」という目線により新市場を想像すること、それはVCというリスクマネーの出し手としては、忘れてはならない視点であるように思いました。

ヤンマーベンチャーズのミッションは、
私たちと関わる人々の才能が、より良い未来を現実のものとするために」
です。
今後も、より良い世界を創造していくため、社会課題に取り組むスタートアップへの投資をさせていただき、そのスタートアップの社会実装や拡大の支援をしっかり行っていきたいと思います。


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