村上 臣(電脳コラムニスト)

だれもが自分らしく楽しく働ける世の中に!働き方や注目テクノロジーなどを中心に発信。日系…

村上 臣(電脳コラムニスト)

だれもが自分らしく楽しく働ける世の中に!働き方や注目テクノロジーなどを中心に発信。日系企業でエンジニア→ディレクター→役員の後、海外経験ゼロのまま外資カントリーマネージャーへ。執筆依頼等は→ https://www.linkedin.com/in/shin-murakami/

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    日経COMEMOは、様々な分野から厳選した新しい時代のリーダーたちが、社会に思うこと、専門領域の知見などを投稿するサービスです。 【noteで投稿されている方へ】 #COMEMOがついた投稿を日々COMEMOスタッフが巡回し、COMEMOマガジンや日経電子版でご紹介させていただきます。「書けば、つながる」をスローガンに、より多くのビジネスパーソンが発信し、つながり、ビジネスシーンを活性化する世界を創っていきたいと思います。 https://bit.ly/2EbuxaF

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「副業」は人材不足解消の妙手となり得るか?

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。 ちょっと前まで若者文化の代表格とみなされていた「Z世代」も、気づけば30歳前後にさしかかってきました。物心ついたときからネットやスマホに親しんできた「デジタルネイティブ」とも言われるこの世代は、従来の日本の価値観よりもグローバル標準のものに近しいと言われています。 キャリアに対する考え方も移り変わっており、そもそも終身雇用には期待しておらず、会社に帰属するというよりも自律したキャリアを志向している方が多いようです。 この世代は新

    • 急増する認知症と予備軍 スマホが生活を支える重要なインフラに

      こんにちは、電脳コラムニストの村上です。 「2025年問題」が近づいてきています。以前本コラムでも触れましたが、人口のボリュームゾーンである団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり、超高齢化社会が本格化するというものです。 個人的な話ではありますが、昨年に急に始まった義母の介護により圧倒的当事者となりまして、解像度の低かったこの問題への意識が高まりました。私は日本のモバイルインターネット創生期からスマホへの移行、IoTなどに携わってきました。ここにきて、まさにこれらのテク

      • 高騰するサーモン価格 「サケを生むニジマス」が救世主に

        こんにちは、電脳コラムニストの村上です。 みなさん、サーモンは好きですか? 安くて美味しい寿司ネタとして回転寿司では不動の人気を誇っていますが、最近では100円の皿に乗ることはなくなっているようです。 サーモンだけの話ではありませんが、安い寿司ネタのほとんどを輸入に頼っているのが現状です。近年の国際的なサプライチェーンの混乱や円安などの要因により、輸入のほうが安くできるという長年の常識が壊れつつあります。 また、寿司(SUSHI)が世界的に人気になっているという背景も影

        • 電流で味覚を制御! テクノロジーで感覚を制御するという新潮流

          こんにちは、電脳コラムニストの村上です。 まるでSFのような話が、現実のものとなりました。キリンホールディングスが発表した新商品「エレキソルト スプーン」です。 この商品は、去年のイグ・ノーベル賞を受賞した明治大学の宮下教授の研究成果を元にしたものです。日本人研究者は毎年のようにイグ・ノーベル賞を受賞しており、非常にユニークな研究をする土壌がわが国にはあるようですね。 テクノロジーを通じて人間の感覚を制御しようという試みは以前からありました。近年では機器やデータ処理能力

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          働き方改革で重要なのは「辞め方改革」かもしれないという話

          こんにちは、電脳コラムニストの村上です。 人材不足がいよいよ深刻化してきました。一億総活躍社会の提言から始まった働き方改革ですが、これは少子高齢化という構造的な問題に真正面から取り組んでいく覚悟を政策として推進したものでしょう。全ての人が包摂される社会が実現できれば、多様な個人の能力の発揮による労働参加率向上やイノベーションの創出が図られ、結果として経済成長が加速するということです。 労働参加率向上という点では、特に女性においてライフイベントの変化に伴う離職があり、その後

          働き方改革で重要なのは「辞め方改革」かもしれないという話

          AI時代に重要性を増す言語化能力 言語にできないモヤモヤをどうすればいいのか

          こんにちは、電脳コラムニストの村上です。 AI、AI、AI。私が身を置くIT産業では、この言葉を聞かない日がないくらいのビッグテーマになっている、AI。特にLLM(大規模言語モデル)を活用したアプリケーションは、ホワイトカラーの仕事を大きく様変わりさせる力を持っていると言われます。 WWWの広がりにより、爆発的にネット上に文章がアップロードされました。これらを機械が学習することで、自然な言語で対話しながら情報を効率的に引き出せるようになりました。そこで問いかけに使われるの

          AI時代に重要性を増す言語化能力 言語にできないモヤモヤをどうすればいいのか

          良質な睡眠を求める旅「スリープツーリズム」に熱視線 「無形のラグジュアリー」で差別化なるか

          こんにちは、電脳コラムニストの村上です。 旅の目的は、と問われてなにが思い浮かぶでしょうか?世界遺産や歴史に触れる、グルメを追い求める、大自然に触れる等々、人によって様々な目的があるかと思います。個人的には大まかな予定だけ立てて、ボーッと過ごすような旅のスタイルが好きですが、初めて訪れる場所であればまず郷土資料館を訪れることにしています。街の成り立ちを知ることで、史跡やグルメなどの点の情報が線となって理解できることが多いからです。 そんな旅の目的に新たな潮流が生まれていま

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          いかがわしくあれ!伝説の名著『あのバカ』が復刊

          こんにちは、電脳コラムニストの村上です。 スタートアップや起業というものが広く理解されるようになったのはここ10年くらいのことかと思います。現在であってもスタートアップというのはハードルが高く、国内における起業家人口はまだまだ少ないのが現状です。 スタートアップなんていかがわしい。真っ当な大企業に務めるのが望ましい。そう思う人がたくさんいるであろうことは理解できます。 しかしながら、未来をつくるのはいつだって起業家。そして高いリスクをとってそれを応援する投資家や資本家。

          いかがわしくあれ!伝説の名著『あのバカ』が復刊

          地方のさびれた商店街からグローバル企業へ ユニクロにみる日本の希望

          こんにちは、電脳コラムニストの村上です。 いよいよGWがはじまりました。今年はあまり予定を入れずにゆっくりと過ごしています。積読を消化するチャンスとばかりに、順番に本を読み続けている今日このごろです。 さっそく取り掛かったのが「ユニクロ」。『ネット興亡記』などの著書で知られる日経が誇る「読ませる文章の名手」杉本貴司さんが、膨大な取材を元に書き下したノンフィクション(ご恵投ありがとうございました!)。読もう読もうとは思っていたのですが、いかんせん「厚い」。500ページ弱とい

          地方のさびれた商店街からグローバル企業へ ユニクロにみる日本の希望

          すぐに役に立たない学びの価値とはなにか

          こんにちは、電脳コラムニストの村上です。 わたしのコラムでも幾度となく話題にしている「リスキリング」。技術革新や変化の早い世の中だからこそ、自分のスキルを常に磨いていなければ生き残れない。特に日本社会がジョブ型雇用へと移行する中で、ある種の残酷な事実として認識しておく必要があります。 一方で、実行するのはとても苦労するもので、新しいスキルを身につけるための勉強をコツコツと続けられる人は少ないでしょう。または、短期間頑張れたとしても「リスキリング疲れ」とも言える思いがふと頭

          すぐに役に立たない学びの価値とはなにか

          「おもてなし」は世界の共通語に サービス産業は輸出できるか

          こんにちは、電脳コラムニストの村上です。 今日ニュースをチェックしていたら、こんな記事が流れてきました。オックスフォード英語辞典に23の日本語由来の単語が追加されたそうです。 「カツ」「ドンブリ」「オニギリ」など、新たに追加された単語の半分以上は食や料理に関するもので、日本食文化への関心の高さが現れています。伝統工芸に関するものも追加されており「Kintsugi(金継ぎ)」や「Shibori(絞り染め)」などが採用されました。 特に目を引くものに「Omotenashi(

          「おもてなし」は世界の共通語に サービス産業は輸出できるか

          仕事を始める前の準備こそが、より良い仕事のためのコツだ

          こんにちは、電脳コラムニストの村上です。 # 本投稿は日本経済新聞とnoteが共同で開催しているお題企画への寄稿です。 今年は桜の開花が遅く、まだまだ肌寒い日々が続いています。しかしながら、時間は刻々と過ぎていくもの。気づけば3月も下旬にさしかかり、いよいよ4月・新生活のシーズンになります。そんな中で出されたお題は「#仕事のコツ」。新たな環境でスタートを切る方々に向けて、ちょっとした仕事のコツをまとめてみようと思います。 仕事のコツと言えば、PowerPointを使いこ

          仕事を始める前の準備こそが、より良い仕事のためのコツだ

          なぜ人は焚き火に惹かれるのか オフィスにも広がる炎の力とは

          こんにちは、電脳コラムニストの村上です。 焚き火好きですか?昨今のキャンプブームもあり、焚き火に親しむ人が増えた気がします。芸人のヒロシさんが配信している人気のYouTubeチャンネルでも、ソロキャンプや焚き火の魅力が取り上げられています。 いまではアウトドアの枠を飛び出して、オフィスに炎を導入する会社も増えているそうです。 人と炎の関わりは長く、むしろ人がホモ・サピエンスへと進化するにあたって重要な役割を果たしたのが火の力と言われています。火を道具として活用できるよう

          なぜ人は焚き火に惹かれるのか オフィスにも広がる炎の力とは

          タイパ全盛の世の中だからこそ、不便であるからこそ得られる便益を考える

          こんにちは、電脳コラムニストの村上です。 現在の技術革新は、課題を解決することで進歩してきました。手間がかかる、遅い、大量の労力を要する等々、「面倒くさい」「不便」を解消するものに価値がつき、そのサービスや技術が売れる。そのようなエコシステムがまわっているからこそ今日の経済発展があります。 インターネットの発展により世界規模の大きなプラットフォームができ、新たなサイバーエコシステムがまわっています。そこから生み出されるコンテンツやサービスは膨大なものとなり、可処分時間の奪

          タイパ全盛の世の中だからこそ、不便であるからこそ得られる便益を考える

          変えられないことで思い悩まない 〜世阿弥で学ぶ人生の指針

          こんにちは、電脳コラムニストの村上です。 3月と言えば卒業や異動など、新生活シーズンとも言われる身の回りの環境の変化が多い時期です。引っ越しや転職など、人間関係や生活の基盤にも影響が出る場合もあります。自分自身に変化はなくても、例えば上司が変わったり同僚が異動・転職したりして、知らぬ間に変化に巻き込まれていることも少なくありません。 個人的にこの1年は、公私ともども周辺環境の変化に翻弄された年でした。会社内での大きな変化や介護など、まさに勝手に変化に巻き込まれるパターンで

          変えられないことで思い悩まない 〜世阿弥で学ぶ人生の指針

          リスキリングのゴールはなにか キャリアを転換する上で重視すべきはソフトスキル

          こんにちは、電脳コラムニストの村上です。 本コラムでもずっとおいかけている働き方系のトピックとして「リスキリング」があります。背景としては、年功序列・終身雇用という日本型雇用から、いわゆるジョブ型雇用への移行に対応するために必要な行動だと広く認識されされはじめたということがあります。 では実際にリスキリングでなにをしているかというと、英語を学んだりプログラミング言語を学んだりといったハードスキルに偏重しているのが現状です。たしかにどちらも需要が旺盛で人材不足であることから

          リスキリングのゴールはなにか キャリアを転換する上で重視すべきはソフトスキル